JPH06104998B2 - 伸縮継手装置におけるカバー板の化粧構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は建造物の壁面の間隙を被覆する伸縮継手装置に
おけるカバー板の化粧構造の改良に関する。

［従来の技術］ 建造物は温室変化による伸縮、不等沈下及び地震等によ
る歪から生ずる建造物の破壊を防止する手段として間隙
構造が構成されており、建造物の間隙を挟んだ建造物の
端部に固定した一対の枠基台間に被覆連結板を被着する
と共に、該被覆連結板カバー板によって両側から挟んだ
構造になっている。従って該部建造物の壁面に伸縮継手
による建物のデザインを分断する大きなラインが現われ
るため、従来この種の伸縮継手において上記カバー板及
び被覆連結板の表面にタイル等、建造物の表面材と同一
又は同様の表面材を被着してデザインの調和を図り、分
断を解消する試みがなされている。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、上記のようにカバー板及び被覆板を建築物の表
面と同一材料によって仕上げる場合、該伸縮継手部分で
は、常時間隙の伸縮及びズレに伴う歪が生じて種々の力
が加わると同時に、建造物と同一又は同様の下地材が使
用できない場合が多く、例えば表面材としてタイルを使
用するような場合、他の部分と比べてタイルが剥がれ易
く安全性の面で問題を有していた。

本発明は、上記問題に鑑み、隣接する壁面とのデザイン
的統一性に優れると共に、表面材の把持力を持ち安全性
に優れた構造を有し、建造物の間隙構造を目立たなくす
ることができる伸縮継手装置におけるカバー板の化粧構
造を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る伸縮継手装置におけるカバー板の化粧構造
は、建造物間の間隙を挟んで両建造物端縁に対向固設し
てなる一対の枠基台間に被覆連結板を摺動可能に掛渡被
設すると共に、上記両枠基台の前縁部から上記被覆連結
板の前面に向かってカバー板を延出固設してなり、前記
被覆連結板及びカバー板、或はその何れかの部材の表面
タイル表面材によって被覆する伸縮継手装置において、
前記被覆連結板及びカバー板、或はその何れかの部材の
表面に、表面に多数の係止片を所定間隔をもって縦横に
切り起し突設したタイル取付板を固着すると共に、該タ
イル取付板の係止片に対して裏面に横方向に延びる少な
くとも一条の蟻溝を構成したタイルを該蟻溝を係合して
取り付け、隣接したタイル間の間隙にセメントモルタル
製の目地材を充填して配列固着することを要旨とするも
のである。

また上記タイル取付板の各係止片は平行四辺形になり、
タイルの蟻溝とその上側溝壁と係合することが好まし
い。更に上記タイル取付板の表面に微小隆起した多数の
リブ構造を配設し、接着面積の拡大を図ることが望まし
い。

［作用］ 即ち上記構成によれば、建造物の間隙と略同間隙をもっ
て対向しているカバー板及び被覆連結板、或はその何れ
かの部材を被設した表面化粧構造が、被着面に固着した
タイル取付板の係止片による係合構造とタイルの蟻溝が
確実に嵌合した状態になっているため、タイル間に目地
を充填すると個々のタイルが剥離脱落等の事故を発生す
ることがない。

従って、表面材の把持力が大きく安全性に優れた構造で
呈する。

［実施例］ 以下、本発明に係る伸縮継手装置におけるカバー板の化
粧構造の一実施例を図面に従って説明する。

第１図は本発明に係る化粧構造をカバー板の表面に施し
た伸縮継手を示すものであり、符号1,1は間隙Ｇを挟ん
で建造物a,の各段部b,bにアンカーボルト２を介して底
板部３を固着した略断面コ字状の枠基台であり、間隙Ｇ
を挟んで対向してなるもので、このとき側板部前縁４が
建造物ａの前面に形成する下地材ｃの仕上げレベルより
突出している。該両前縁４にはそれぞれネジ５によって
締結するカバー板６が取り付けられるもので、該カバー
板６の端部裏面に形成したパッキン溝７には後述する被
覆連結板８の表面と密接摺動するパッキン９を嵌合して
なる。上記被覆連結板８は前記両枠基台1,1の底板部３
内端に条設した内縁10,10間に両側縁に充分な摺動可許
容幅を残すように掛渡してある。

また上記両カバー板6,6の表面にはそれぞれ第４図乃至
第７図に示すタイル取付板11がビス12によって固設して
あり、該タイル取付板11を介して外装材と同様のタイル
13を取り付けると共に、隣接したタイル13,13間の間隙
にセメントモルタル製の目地材14を充填して配列固着し
てなる。

該タイル取付板11は微小隆起した多数の縦リブ15と横リ
ブ16を縦横に並列すると共に、第８図の示すタイル13の
裏面の構成した横方向に延びる蟻溝17と嵌合する係止片
18,18…を所定間隔をもって縦横に切り起し突設してな
る。

該各係止片18は上下端縁が45度の角度をもった平行四辺
形になり、タイル13の蟻溝17の上側の溝壁と係合する構
成になる。該タイル13は第８図に示すように種々の縦横
の幅を有するものが使用可能であるが、裏面に構成する
蟻溝17がタイル取付板11の係止片18と、その縦方向のピ
ッチが対応することを構成の条件とすることはいうまで
もない。

尚、符号19は前記両枠基第1,1の内縁10,10部に両端を嵌
合した可撓性材料からなる止水板である。

上記構成の伸縮継手装置は、カバー板６の表面を覆った
タイル13によって前面を被覆するものであり、該タイル
13がタイル取付板11の係止片18に蟻溝17を係合した状態
で貼着してあるため、一体性が高く簡単に剥離するよう
なことがない。また、建造物a,aの下地材ｂ面にカバー
板６面のタイル13と同レベルになるように化粧用タイル
ｃを貼着することによって該部表面の一体化が図れるも
のである。

更には、前記伸縮継手の被覆連結板８表面においてもカ
バー板６と同様な構造によって、タイル取付板11を介し
て表面材のタイル13を貼着することができる。

尚、本実施例では壁面用構造について説明したが、本発
明は天井面においても同様の伸縮継手を構成することが
できることは言うまでもない。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明に係る伸縮継手装置におけるカ
バー板の化粧構造は、建造物の間隙と略同間隙をもって
対向しているカバー板に被設した表面化粧構造が、被着
面に固着したタイル取付板の係合構造と確実に嵌合した
状態になっているため、剥離脱落等の事故を発生するこ
とがなく、殊に高層建造物に使用する伸縮継手の構造と
して有用であり、本発明実施後の効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る伸縮継手装置におけるカバー板の
化粧構造の一実施例を示す伸縮継手装置の正断面図、第
２図は同化粧構造を示す拡大斜視図、第３図は同要部の
拡大縦断面図、第４図はタイル取付板の正面図、第５図
は第４図におけるＡ部拡大図、第６図は第５図のおける
VI−VI線断面図、第７図は第５図におけるVII−VII線断
面図、第８図（ａ）乃至（ｃ）はタイルの形状を示す斜
視図である。 １…枠基台、６…カバー板、８…被覆連結板、11…タイ
ル取付板、13…タイル、14…セメントモルタル目地、15
…縦リブ、16…横リブ、17…蟻溝、18…係止片、ａ…建
造物、ｃ…表面材のタイル。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建造物間の間隙を挟んで両建造物端縁に対
   向固設してなる一対の枠基台間に被覆連結板を摺動自在
   に掛渡被設すると共に、上記両枠基台の前縁部から上記
   被覆連結板の前面に向かってカバー板を延出固設してな
   り、前記被覆連結板及びカバー板、或はその何れかの部
   材の表面をタイル表面材によって被覆する伸縮継手装置
   において、 前記被覆連結板及びカバー板、或はその何れかの部材の
   表面に、表面に各片の側面形状が平行四辺形になる多数
   の係止片を所定間隔をもって縦横に切り起こし突設した
   タイル取付板を固着すると共に、該タイル取付板の係止
   片に対して裏面に横方向に延びる少なくとも一条の蟻溝
   を構成したタイルを該蟻溝を係合して取り付け、隣設し
   たタイル間の間隙にセメントモルタル製の目地材を充填
   して配列固着することを特徴とする伸縮継手装置におけ
   るカバー板の化粧構造。
2. 【請求項２】タイル取り付け板の表面に微小隆起した多
   数のリブ構造を配設して成ることを特徴とする請求項１
   記載の伸縮継手装置におけるカバー板の化粧構造。