JPH06100180B2 - プロペラ型風車におけるブレ−ドのピツチ角変換装置 - Google Patents

プロペラ型風車におけるブレ−ドのピツチ角変換装置

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JPH06100180B2
JPH06100180B2 JP60013519A JP1351985A JPH06100180B2 JP H06100180 B2 JPH06100180 B2 JP H06100180B2 JP 60013519 A JP60013519 A JP 60013519A JP 1351985 A JP1351985 A JP 1351985A JP H06100180 B2 JPH06100180 B2 JP H06100180B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は風力発電機等に利用するプロペラ型風車におけ
るブレードのピッチ角変換装置に関するものである。
〔従来技術〕
発電機等を風力エネルギによって駆動するものとしてプ
ロペラ型風車がある。このプロペラ型風車は、上下方向
に立設した支柱の上端に、横方向に延びる回転軸を支柱
回りに回動自在に支持し、その回転軸の端部にロータブ
レードを取付けるように構成され、さらに風向に対する
方向制御性を高めるため、ロータブレードをハブに対し
所定のコーニング角で風下側へ傾斜させるように構成さ
れている。特に、ロータブレードを支柱に対し風下側に
配置する所謂ダウンウィンド型のプロペラ型風車では、
上記コーニング角が大きくとられるようにしてある。
また、プロペラ型風車は、風力の変化にかかわらず所定
の一定回転速度にするため、ブレードのピッチ角(風向
に対する角度)を風力に応じて自動的に変換させる構成
を有している。このピッチ角変換機構には、電動力や油
圧力を利用するものもあるが、電力エネルギの損失が大
きい。そのため、省エネルギと機構単純化のためには、
遠心力で変位する重錘とリンク機構とを利用した機械的
機構によるものが有利である。
しかし、上記省エネルギ効果の高い機械的機構は、ロー
タブレードがロータハブに対して所定のコーニング角を
以って風下側へ傾斜しているため、上記リンク機構によ
る動力伝達を不円滑にし、ピッチ角変換を円滑にできな
いという問題を有している。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、プロペラ型風車において、機械的機構
によるロータブレードのピッチ角変換を円滑に行えるよ
うにした装置を提供することにある。
〔発明の構成〕
上記目的を達成する本発明は、上下に立設した支柱の上
部に、この支柱回りに回動自在なナセルを介して横方向
に延びる回転軸を設け、この回転軸の端部にロータを取
付け、このロータを、ハブに一対のブレードを回動自在
に対設すると共に、各ブレードを所定のコーニング角で
風下側へ傾斜させ、かつそのピッチ角を変換自在に構成
したプロペラ型風車において、前記ハブに、前記一対の
ブレードの対設方向と交差する方向に遠心力によって移
動自在な重錘を内設し、前記一対のブレードの内端側に
該ブレードと共に回動する回動レバーをそれぞれ設け、
前記重錘と各回動レバーとを自在継手を介してロッドに
よりそれぞれ連結して、前記重錘が移動した際に前記一
対のブレードが各ロッドを介してそれぞれ回動する構成
にし、前記両ロッドの重錘側に対する連結部を重錘の中
心に互いに近接配置し、回動レバー側に対する連結部を
前記ブレードの対設方向において前記重錘側の連結部よ
りも外側となるように配置したことを特徴とするもので
ある。
〔実施例〕
以下、本発明を図に示す実施例により説明する。
第4図はダウンウィンド型のプロペラ型風車であり、そ
の支柱1は複数本の張り線2によって垂直に立設されて
いる。支柱1の上端には、支柱1回りに回動自在に支持
されたナセル3が設けられている。このナセル3は支持
腕3aを横方向に延ばし、その支持腕3aに回転軸4を軸支
している。この回転軸4の端部には、詳細を後述する構
成によってロータ5が支持されている。ロータ5はハブ
6に一対のブレード7,7を互いに対設すると共に、さら
に回転軸4に直交する面Fに対し、コーニング角αで風
下側へ傾斜させてある。
上記ロータ5は、矢印W方向の風に対し、ナセル3を支
柱1回りに回転させながら風下側に移動し、かつロータ
5自身の回転によって回転軸4を回転させる。回転軸4
の回転は、図示しない傘歯車を介して支柱1内を貫通す
る伝動軸8に伝達され、伝動軸8は支柱1の上部に設け
た図示しない発電機を駆動するようになっている。
第1〜3図は、上記プロペラ型風車のロータ支持部の詳
細を示している。
回転軸4は前端に鋼製の二股状のフォーク9を固定し、
後端に伝動用の歯車10を固定している。この回転軸4を
支持するナセル3は、上下二つ割りの外殻から組立てら
れている。一方、ロータ5の中心部を構成するハブ6は
ほゞ十字形に形成され、ブレード7,7を支持するための
ブレード支持部6a,6aと、ブレード7のピッチ角変換機
構11を収納する制御機構収納部6b,6bとを有している。
このハブ6は軽量のアルミニウム製であって、ブレード
支持部6a,6aの部分を左右二つ割りにして構成されてい
る。
上記ハブ6のブレード支持部6a,6aは、支持軸12,12を回
動自在に支持し、この支持軸12,12の外端側のフランジ1
2a,12aに、繊維強化樹脂製のブレード7,7を固定してい
る。また、支持軸12,12の内端側には、それぞれ左右両
側方に延びる回動レバー12b,12bが、ボルト16,16によっ
て固定されている。
一方、制御機構収納部6b,6bは、外端側に固定磁石13,13
を固定すると共に、内端側に固定磁石13,13と吸引しあ
う関係の可動磁石14a,14aを内包した重錘14,14を摺動自
在に収納し、さらに固定磁石13と重錘14の間に、両磁石
13,14aの相互吸引力よりも大きな弾性力を有するスプリ
ング15を張設している。各制御機構収納部6b内の重錘14
は、ロータ5が回転するときの遠心力によって、スプリ
ング15の張力とバランスしながら半径方向に移動するよ
うになっている。
この重錘14には、直径方向に掛け渡したピン17が固定さ
れ、このピン17に球面軸受からなる自在継手18a,18aを
介して、2本のロッド18,18の一端側が共に連結され、
そのロッド18,18の他端側は、一方と同じく球面軸受か
らなる自在継手18b,18bを介して、片側の支持軸12内端
の回動レバー12bと連結し、他方は他側の支持軸12内端
の回動レバー12bと連結している。
このように連結されたリンク機構において、重錘14側の
ピン17に対する連結点は、両ロッド18,18の自在継手18
a,18aが重錘14の中心に互いに近接するように配置され
ている。また、ロッド18,18の回動レバー12b側に対する
連結部は、自在継手8b,8bの取付位置が一対のブレード
7,7の対設方向において重錘14側の連結部よりも外側と
なり、その間隔が重錘14側のそれよりも離間する配置構
成となり、ロッド18,18は他端側の自在継手8b,8bへ向か
って「ハ」の字状に広がる傾斜状態になっている。
上記重錘14と回動レバー12bとの間のリンク機構は、反
対側の制御機構収納部6bに内設した重錘14と、回動レバ
ー12bの他端部との間にも同様に設けられている。
上記回転軸4が対面する側と反対側のハブ6の側面に
は、軸受部19がフランジ20を介して、貫通孔20aに挿通
されたボルト21により固定されている。この軸受部19に
は、ピボット軸22が回動自在に軸支されている。上記軸
受部19はロータ5の重心よりやや風上側に位置させてあ
り、かつピボット軸22が、上記一対の対設されたブレー
ド7,7の方向と直交する方向Lに対し、角度Δ3で交差
するように斜めに軸支されている(第1図参照)。この
ような角度Δ3を以って斜めに軸支されたピボット軸22
の両端は、回転軸4前端の二股状フォーク9の端部9a,9
aにボルト25,25によって固定されている。この固定のた
め、二股状のフォーク9は、ロータハブ6のブレード支
持部6aと制御機構収納部6bの間を対角線状に挟むと共
に、前方へ抱き込むようにフォーク端部9a,9aを延長さ
せている。
上述のようにロータ5が回転軸4端部のフォーク9に対
し、角度Δ3を以って斜めに軸支されたピボット軸22を
介して支持されているため、ロータ5は上記ピボット軸
22を中心に第1図の矢印Aで示すように、斜めに揺動自
在になっている。それにより、ブレード7に突風が吹き
付けたときは、ブレード7がピボット軸22を中心に斜め
揺動することによって、その突風を逃し、ロータ5に対
する衝撃力を緩和する。
さて、上述したブレード7のピッチ角変換機構11は、重
錘14が遠心力によって半径方向に移動するとき、ロッド
18と自在継手18a,18bおよび回動レバー12bを介して、支
持軸12を回動させる。この支持軸12の回転は重錘14の遠
心力が大きいとき、すなわちロータ5の回転が速いとき
は、ブレード7の風向Wに対するピッチ角を小さく変化
させ、また遠心力が小さいとき、すなわちロータ5の回
転が遅いときは、ピッチ角を大きく変化させ、ロータ5
を常に所定の一定回転速度になるように制御する。ま
た、過度の風力が負荷したときは、可動磁石14aが固定
磁石13に吸着状態となりブレード7が最小のピッチ角を
維持するようにさせる。
ところで、上記ブレード7の支持軸12はコーニング角α
で風下側へ傾斜させてあるため、上述のように支持軸12
が回転するとき、その下端に固定した回動レバー12b端
部の自在継手18bは、第2,3図に示す中心線C,C′を含む
面からの距離を変化させながら回動することになる。こ
のため、重錘14の移動に応じて支持軸12が回転駆動され
るとき、ロッド18には捩りモーメントが作用し、それに
よってピッチ角変換制御機構11の作動を不円滑にする要
因になる。
しかし、上述した本発明のピッチ角変換制御機構による
と、重錘14側の2本のロッド18,18の連結点(自在継手1
8a,18a)が、互いに重錘14の中心に近接させてあるた
め、これらを離して連結した場合に比べて、ロッド18に
加わる捩りモーメントを小さくすることができる。ま
た、ブレード7,7の回転に伴って遠心力により移動する
重錘14に回転力が作用し、重錘14が回転する場合があっ
ても、両ロッド18,18の重錘側に対する連結部を重錘14
の中心に互いに近接配置しているので、重錘14の回転に
よりロッド18,18を介してブレード7,7に回転力が付与さ
れる影響を連結部が離れている場合よりも遥かに低下さ
せ、重錘14の回転によってピッチ角が不当に変化するの
を抑制することができる。また、ロッド18の両端が、自
在継手18a,18bを介して、それぞれ重錘14と回動レバー1
2aとに連結されているため、ロッド18の自由な回動を許
容し、ロッド18に対する捩りモーメントの負荷を小さく
することができる。そのため、ピッチ角変換機構11の作
動を極めて円滑にすることができる。また、風力により
回転するブレード7,7には、その遠心力により常に外側
に抜けようとする力が作用しているが、両ロッド18,18
の回動レバー12側に対する連結部をブレード7,7の対設
方向において重錘14側の連結部よりも外側となるように
配置したので、ブレード7,7に対する内側方向は働くロ
ッド18,18に分力によりブレード7,7を引き戻し、ブレー
ド7,7の外側に抜けようとする力を減少させることがで
きる。そのため、ブレード7,7が固定された支持軸12の
回動を円滑に行うことができる。
なお、上記実施例ではダウンウィンド型のプロペラ型風
車について説明したが、本発明はロータブレードを回転
軸の風上側に取付ける所謂アップウィンド型のプロペラ
型風車にも適用可能である。
〔発明の効果〕
上述したように本発明は、上下に立設した支柱の上部
に、この支柱回りに回動自在なナセルを介して横方向に
延びる回転軸を設け、この回転軸の端部にロータを取付
け、このロータを、ハブに一対のブレードを回動自在に
対設すると共に、各ブレードを所定のコーニング角で風
下側へ傾斜させ、かつそのピッチ角を変換自在に構成し
たプロペラ型風車において、前記ハブに、前記一対のブ
レードの対設方向と交差する方向に遠心力によって移動
自在な重錘を内設し、前記一対のブレードの内端側に該
ブレードと共に回動する回動レバーをそれぞれ設け、前
記重錘と各回動レバーとを自在継手を介してロッドによ
りそれぞれ連結して、前記重錘が移動した際に前記一対
のブレードが各ロッドを介してそれぞれ回動する構成に
し、前記両ロッドの重錘側に対する連結部を重錘の中心
に互いに近接配置し、回動レバー側に対する連結部を前
記ブレードの対設方向において前記重錘側の連結部より
も外側となるように配置したので、以下のような優れた
効果を奏するものである。
即ち、両ロッドの重錘側に対する連結部を重錘の中心に
互いに近接配置したので、ブレードがピッチ角変換のた
め回動される際に、ロッドに加えられる捩りモーメント
を小さくすることができる。
また、両ロッドの重錘側連結部を重錘の中心に近接配置
する構成により、ブレードの回転に伴って遠心力により
移動する重錘に回転力が作用して重錘が回転する場合が
あっても、重錘の回転によりロッドを介してブレードに
回転力が付与される影響を連結部が離れている場合より
も大幅に小さくし、重錘の回転によってピッチ角が変化
する作用を抑制することができる。
また、両ロッドを自在継手を介して重錘と各回動レバー
とに連結する構成とするので、ロッドが重錘及び回動レ
バーに対して自由に揺動でき、ロッドに対する捩りモー
メントを一層小さくすることができる。
従って、捩りモーメントを小さくすることができ、更
に、重錘の回転によってピッチ角が変化する作用を抑制
することが可能であるため、ブレードのピッチ角変換の
作動を極めて円滑に行うことができる。
また、両ロッドの回動レバー側に対する連結部をブレー
ドの対設方向において重錘側の連結部よりも外側となる
ように配置したので、遠心力によりブレードに作用する
外側に抜けようとする力を、ブレードに対して内側方向
に働くロッドの分力により減少することが可能で、ブレ
ードの回動を円滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のピッチ角変換装置を設けた風車の要部
を、各部品を分解して示す斜視図、第2図は同風車のロ
ータハブ部分を、第3図のII−II矢視の部分を一部破断
して示す正面図、第3図は同ロータハブ部分を一部破断
して示す側面図、第4図は上記風車の側面図である。 1……支柱、3……ナセル、4……回転軸、5……ロー
タ、6……ハブ、6a……ブレード支持部、6b……制御機
構収納部、7……ブレード、12……支持軸、12a……回
動レバー、14……重錘、15……スプリング、17……ピ
ン、18……ロッド、18a,18b……自在継手。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下に立設した支柱の上部に、この支柱回
    りに回動自在なナセルを介して横方向に延びる回転軸を
    設け、この回転軸の端部にロータを取付け、このロータ
    を、ハブに一対のブレードを回動自在に対設すると共
    に、各ブレードを所定のコーニング角で風下側へ傾斜さ
    せ、かつそのピッチ角を変換自在に構成したプロペラ型
    風車において、前記ハブに、前記一対のブレードの対設
    方向と交差する方向に遠心力によって移動自在な重錘を
    内設し、前記一対のブレードの内端側に該ブレードと共
    に回動する回動レバーをそれぞれ設け、前記重錘と各回
    動レバーとを自在継手を介してロッドによりそれぞれ連
    結して、前記重錘が移動した際に前記一対のブレードが
    各ロッドを介してそれぞれ回動する構成にし、前記両ロ
    ッドの重錘側に対する連結部を重錘の中心に互いに近接
    配置し、回動レバー側に対する連結部を前記ブレードの
    対設方向において前記重錘側の連結部よりも外側となる
    ように配置したことを特徴とするプロペラ型風車におけ
    るブレードのピッチ角変換装置。
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JPS59183085A (ja) * 1983-04-01 1984-10-18 Yamaha Motor Co Ltd ロ−タの回転速度制御装置を備えた風車
JPH0713791U (ja) * 1993-08-06 1995-03-07 岸本産業株式会社 合成樹脂製のカップ型プリン容器

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