JPH0599084A - エンジンの燃焼改善装置 - Google Patents

エンジンの燃焼改善装置

Info

Publication number
JPH0599084A
JPH0599084A JP28911491A JP28911491A JPH0599084A JP H0599084 A JPH0599084 A JP H0599084A JP 28911491 A JP28911491 A JP 28911491A JP 28911491 A JP28911491 A JP 28911491A JP H0599084 A JPH0599084 A JP H0599084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
radiation
fuel
combustion
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28911491A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Akagi
裕治 赤木
Toshiro Yagi
壽郎 八木
Masanori Misumi
正法 三角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP28911491A priority Critical patent/JPH0599084A/ja
Publication of JPH0599084A publication Critical patent/JPH0599084A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】液体状態の炭化水素燃料に放射線を照射するこ
とで、燃焼性の良好な改質燃料を確実な反応により得る
ことができ、燃焼性の向上を図る。 【構成】炭化水素燃料を用いるエンジンにおいて、液体
状態の上記炭化水素燃料に放射線を照射する放射線照射
手段12,13と、炭化水素燃料に放射線を照射した時
に発生する改質燃料をエンジン20の燃料供給部9に供
給する改質燃料供給通路14とを備えたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、炭化水素燃料(ガソ
リンや軽油など)を用いるエンジンの燃焼改善装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガソリン、軽油などの炭化水素に
α線、β線、γ線の放射線(radioactive ray)を照射す
ると、上記ガソリン、軽油の主成分としての飽和炭化水
素が反応により、不飽和炭化水素に改質されると共に、
水素ガスが発生することが知られている。そこで、従
来、上述の反応を利用して内燃機関の燃焼性を向上させ
る装置がすでに発明されている。例えば、特開昭54−
117807号公報に記載のように、燃焼室上流の吸気
通路の中途部に燃料供給装置を介設し、燃料と空気が混
合された混合気に対して上述のα線やβ線などの放射線
を照射して、エンジンの燃焼性を向上させると共に、エ
ミッションを改善した装置である。しかし、この従来装
置においては上述したように混合気に放射線を照射する
ものであるから、次のような問題点があった。つまり、
混合気状態では燃料が既に分散しており、上述の放射線
が充分に照射されないため、良好な反応を得ることがで
きず、燃焼性の向上およびエミッションの改善が不充分
となる問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明(第1発明)は、液体状態の炭化水素燃料に放
射線を照射することで、燃焼性の良好な改質燃料を確実
な反応により得ることができ、燃焼性の向上を図ること
ができるエンジンの燃焼改善装置の提供を目的とする。
【0004】この発明の請求項2記載の発明(第2発
明)は、水に放射線を照射した時に発生するH,H2
2 ,H2 **などの反応性に富む活性種を燃焼
室に供給することで、燃焼性の向上を図ることができる
エンジンの燃焼改善装置の提供を目的とする。
【0005】この発明の請求項3記載の発明は、水に放
射線を照射した時に発生するH,H2 ,H2 ,H2
**などの反応性に富む活性種を排気系に供給するこ
とで、排気系の未燃焼ガスを上述の活性種により再燃焼
させてエミッションの改善を図ることができるエンジン
の燃焼改善装置の提供を目的とする。
【0006】この発明の請求項4記載の発明は、水また
は液体状炭化水素燃料に放射線を照射した時に発生する
H,H2 ,H2 ,H2 **などの活性種または反
応性の高い改質燃料を、燃料供給部、燃焼室もしくは排
気系に導くことにより、希薄空燃比燃焼(リーンバー
ン)を可能とすることができるエンジンの燃焼改善装置
の提供を目的とする。
【0007】この発明の請求項5記載の発明は、燃焼性
の悪い冷間始動時に上述のH,H2 ,H2 ,H2
**などの活性種を排気系に供給することで、未燃焼ガ
スを再燃焼されて、冷間始動時の燃費改善およびハイド
ロカーボンの低減を図ることができるエンジンの燃焼改
善装置の提供を目的とする。
【0008】この発明の請求項6記載の発明は、上述の
冷間始動時にH,H2 ,H2 ,H2 **などの活
性種を触媒コンバータ上流の排気系に供給することで、
特に接触が充分活性化していない時においても、排気温
の向上により、触媒を早期に活性化温度に到達とさせ、
排ガス浄化性能の向上を図ることができるエンジンの燃
焼改善装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項7記載の発明は、炭化水
素燃料もしくは水を供給する通路の中途部にチャンバを
形成し、このチハャンバに放射性物質を配置すること
で、放射線の照射効率の向上を図り、反応をより一層確
実に行なわせることができるエンジンの燃焼改善装置の
提供を目的とする。
【0010】この発明の請求項8記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、炭化水素燃料に放射
線を照射した時に発生する水素ガスを燃焼室に供給する
ことにより、燃焼性のより一層良好な向上を図ることが
できるエンジンの燃焼改善装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明(第1発明)は、炭化水素燃料を用いるエンジン
において、液体状態の上記炭化水素燃料に放射線を照射
する放射線照射手段と、炭化水素燃料に放射線を照射し
た時に発生する改質燃料をエンジンの燃料供給部に供給
する改質燃料供給通路とを備えたエンジンの燃焼改善装
置であることを特徴とする。
【0012】この発明の請求項2記載の発明(第2発
明)は、炭化水素燃料を用いるエンジンにおいて、水に
放射線を照射する放射線照射手段と、上記水に放射線を
照射した時に発生する活性種を燃焼室に供給する活性種
供給通路とを備えたエンジンの燃焼改善装置であること
を特徴とする。
【0013】この発明の請求項3記載の発明は、炭化水
素燃料を用いるエンジンにおいて、水に放射線を照射す
る放射線照射手段と、上記水に放射線を照射した時に発
生する活性種を排気系に供給する活性種供給通路とを備
えたエンジンの燃焼改善装置であることを特徴とする。
【0014】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1、請求項2もしくは請求項3記載の発明の構成と
併せて、理論空燃比より希薄の混合気で燃焼させるエン
ジンの燃焼改善装置であることを特徴とする。
【0015】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の構成と併せて、上記活性種を冷間始
動時に供給するエンジンの燃焼改善装置であることを特
徴とする。
【0016】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項5記載の発明の構成と併せて、上記活性種を触媒コ
ンバータ上流の排気系に供給するエンジンの燃焼改善装
置であることを特徴とする。
【0017】この発明の請求項7記載の発明は、上記請
求項1、請求項2もしくは請求項3記載の発明の構成と
併せて、炭化水素燃料もしくは水を供給する通路の中途
部にチャンバを形成し、該チャンバに放射性物質を配置
したエンジンの燃焼改善装置であることを特徴とする。
【0018】この発明の請求項8記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、炭化水素燃料に放射
線を照射した時に発生する水素ガスを燃焼室に供給する
水素ガス供給通路を設けたエンジンの燃焼改善装置であ
ることを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】この発明の請求項1記載の発明によれ
ば、上述の放射線照射手段により液体状態の炭化水素燃
料に放射線を照射すると、ガソリン、軽油の中の飽和炭
化水素CnH2 n+2(paraffin、パラフィン)は反応
性、活性度の高い不飽和炭化水素CnH2 n(orefin、
オレフィン)と水素とに分離し、燃焼性の良好な改質燃
料(主としてCnH2 n)を確実な反応により得ること
ができ、この改質燃料を上述の供給通路からインジェク
タやキャブレタなどのエンジンの燃料供給部に供給する
ので、燃焼性の向上を図ることができる効果がある。
【0020】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上述の放射線照射手段により水(H2 O)に放射線を照
射すると、H2 OはH,OH,H2 ,H2 2 ,eaq
- ,H3 + ,H2 ,H2 **等に分離し、この
うちH,H2 ,H2 ,H2 **は極めて反応性に
富む活性種であり、これらの活性種を供給通路から燃焼
室に供給するので、燃焼性の向上を図ることができる効
果がある。
【0021】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上述の放射線照射手段によりH2 Oに放射線を照射する
と、極めて反応性に富むH,H2,H2 ,H2
**等の活性種を得ることができ、これらの活性種を供
給通路から排気系に供給するので、この排気系の未燃焼
ガスを上述の活性種により再燃焼させ、HCの燃焼およ
び排ガス温度の上昇を図るので、エミッションを改善す
ることができる効果がある。
【0022】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上記請求項1、請求項2もしくは請求項3記載の発明の
効果と併せて、水または液体状炭化水素燃料に放射線を
照射した時に発生するH,H2 ,H2 ,H2 **
などの活性種または反応性の高い改質燃料を、燃料供給
部、燃焼室もしくは排気系に導くので、理論空燃比(A
/F=14.7)より希薄の混合気であっても良好な燃
焼性を確保することができ、この結果、希薄空燃比燃焼
(リーンバーン)を可能とすることができる効果があ
る。
【0023】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項3記載の発明の効果と併せて、燃焼性の悪い
冷間始動時に上述のH,H2 ,H2 ,H2 **
の活性種を排気系に供給するので、未燃焼ガスを再燃焼
させて、冷間始動時の燃費改善およびハイドロカーボン
の低減を図ることができる効果がある。
【0024】この発明の請求項6記載の発明によれば、
上記請求項5記載の発明の効果と併せて、上述冷間始動
時にH,H2,H2 ,H2 **などの活性種を触
媒コンバータ上流の排気系に供給するので、触媒が充分
活性化していない冷間始動時においても、排気温の向上
により触媒を早期に活性化温度に到達させることがで
き、この結果、排ガス浄化性能の向上を図ることができ
る効果がある。
【0025】この発明の請求項7記載の発明によれば、
上記請求項1、請求項2もしくは請求項3記載の発明の
効果と併せて、炭化水素燃料もしくは水を供給する通路
の中途部にチャンバを形成し、このチャンバに放射生物
質(たとえばラジウムやウラン)を配置したので、放射
線の照射効率の向上を図ることができ、反応をより一層
確実に行なわせることができる効果がある。
【0026】この発明の請求8記載の発明によれば、上
述の放射線照射手段により液体状態の炭化水素燃料に放
射線を照射して得られる不飽和炭化水素CnH2 nと水
素ガスとのうち、燃焼性の良好な改質燃料(主としてC
nH2 n)は一方の供給通路を介してインジェクタやキ
ャブレタなどのエンジンの燃料供給部に供給し、水素ガ
スは他方の供給通路を介して燃焼室に供給するので、燃
焼性のより一層良好な向上を図ることができる効果があ
る。
【0027】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はエンジンの燃焼改善を示し、シリンダブ
ロック1に固定したシリンダヘッド2には、吸気ポート
3と排気ポート4とを形成し、上述の吸気ポート3に吸
気弁5を、また上述の排気ポート4に排気弁6をそれぞ
れ配設し、これら各弁5,6の開閉制御により上述の各
ポート3,4をピストン7上部の燃焼室8に適宜連通す
べく構成すると共に、上述の吸気ポート3にはインジェ
クタ9を、また上述の燃焼室8には点火プラグ10をそ
れぞれ臨設している。
【0028】液体状態の炭化水素燃料ガス(ガソリン
等)を供給する通路11の中途部にチャンバ12を形成
し、このチャンバ12の内底部には放射性物質としての
ラジウム13(化学記号Ra、原子番号88、原子量2
26の放射性元素)を配置し、上述のチャンバ12とイ
ンジェクタ9との間を改質燃料通路14で連通すると共
に、上述のチャンバ12の上部と燃焼室8との間を水素
ガス供給通路15で連通し、この水素ガス供給通路15
の中途部上流側に畜圧室としてのリザーバ16を、水素
ガス供給通路15の中途部下流側に制御弁17をそれぞ
れ介設し、この制御弁17をバルブアクチュエータ18
で開閉制御すべく構成している。
【0029】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下作用を説明する。液体状態の炭化水素燃料とし
てのガソリンを通路11から上述のチャンバ12に供給
すると、このガソリンはラジウム13から照射される放
射線(この場合はα線)を受けて次に[化1][化2]
に示す如く反応する。
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】上述の反応式のうち[化1]の反応は約4
0%の割合で起こり、[化2]の反応は約60%の割合
で起こる。つまりガソリンの主成分としての飽和炭化水
素(CnH2 n+2、パラフィン)はα線の照射によ
り、反応性、活性度の高い不飽和炭化水素(CnH
2 n、オレフィン)と水素ガスとに分離する。
【0033】このようにして分離された液体の改質燃料
は通路14を介してインジェクタ9に分配され、一方、
水素ガスは着火用燃料として水素ガス供給通路15を介
してリザーバ16内に送られ、例えばエンジン20の
軽、中負荷域のリーン燃焼領域において、上述のバルブ
アクチュエータ18で制御弁17を開弁操作すると、上
述のリザーバ16内の水素ガスは燃焼室8内に供給され
る。
【0034】このように、上述の放射線照射手段(チャ
ンバ12およびラジウム13参照)により液体状態の炭
化水素燃料(ガソリン等)にα線を照射して得られる不
飽和炭化水素CnH2 nと水素ガスとのうち、燃焼性の
良好な改質燃料(主としてCnH2 n)は一方の通路1
4を介してインジェクタ9に供給され、水素ガスは着火
用燃料として他方の通路15を介して燃焼室8に供給さ
れるので、燃焼性の大幅な向上を図ることができる効果
があり、さらには希薄空燃比燃焼(リーンバーン)を可
能とすることができる。
【0035】また上述の炭化水素燃料(ガソリン等)を
供給する通路11の中途部にチャンバ12を形成し、液
状の炭化水素燃料に対してラジウム13からのα線を照
射するので、照射効率の向上を図ることができ、上述の
[化1][化2]で示した反応を確実に行なわしめるこ
とができる効果がある。
【0036】図2はエンジンの燃焼改善装置の他の実施
例を示し、この実施例では燃料供給通路21をインジェ
クタ9に接続する一方、微量の水H2 Oを供給する通路
22の中途部にチャンバ23を形成し、このチャンバ2
3の内底部には上述同様にして放射性物質としてのラジ
ウム13を配置し、さらに上述のチャンバ23の上部と
燃焼室8との間を活性種供給通路24で連通し、この活
性種供給通路24の中途部上流側に畜圧室としてのリザ
ーバ25を、活性種供給通路24の中途部下流側に制御
弁17をそれぞれ介設し、この制御弁17をバルブアク
チュエータ18で開閉制御すべく構成している。なお、
図2において図1と同一の部分には同一番号を付してい
る。
【0037】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下作用を説明する。水H2 Oを通路22から上述
のチャンバ23に微量供給すると、この水はラジウム1
3から照射されるα線を受けて次に[化3]で示す如く
反応する。
【0038】[化3]
【0039】ここにH2 2 は過酸化水素 eaq- は水和電子 H2 ,H2 **は励起された水分子である。
【0040】上述の[化3]で示す連鎖反応のうちH,
2 ,H2 ,H2 **は極めて反応性に富む活性
種であり、これらの活性種が活性種供給通路24、リザ
ーバ25、制御弁17を介して燃焼室8に供給されるの
で、燃焼性の向上を図ることができる効果があり、さら
には希薄空燃比燃焼(リーンバーン)を可能とすること
ができる。
【0041】図3はエンジンの燃焼改善装置のさらに他
の実施例を示し、この実施例では燃料供給通路21をイ
ンジェクタ9に接続する一方、微量の水H2Oを供給す
る通路22の中途部にチャンバ23を形成し、このチャ
ンバ23の内底部には上述同様にして放射性物質として
のラジウム13を配置し、さらに上述のチャンバ23
と、触媒コンバータ(図示せず)上流側の排気通路26
との間を活性種供給通路24で連通し、この活性種供給
通路24の中途部には冷間始動時に開弁される制御弁1
7を介設し、この制御弁17をバルブアクチュエータ1
8で開閉制御すべく構成している。なお、図3において
図1、図2と同一の部分には同一番号を付している。
【0042】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下作用を説明する。水H2 Oを通路22から上述
のチャンバ23に微量供給すると、この水はラジウム1
3から照射されるα線を受けて次に[化3]で示す如く
反応する。
【0043】[化3]
【0044】上述の[化3]で示す連鎖反応のうちH,
2 ,H2 ,H2 **は極めて反応性に富む活性
種であり、これらの活性種がエンジン20の冷間始動時
に開弁される制御弁17の開弁時に、活性種供給通路2
4を介して、触媒コンバータ上流側の排気通路26に供
給される。
【0045】このため上述の排気通路26内の未燃焼ガ
スを活性種により、再燃焼させることができるので、H
Cの燃焼および排ガス温度の上昇を図ることができて、
エミッションを改善することができる効果がある。しか
も上述の活性種は冷間始動時に上述の触媒コンバータ上
流の排気通路26に供給されるので、触媒が充分活性化
していない冷間始動時においても、排気温の向上によ
り、触媒を早期に活性化温度に到達させることができ、
この結果、排ガス浄化性能の向上を図ることができる効
果があり、さらには希薄空燃比燃焼(リーンバーン)を
可能とすることができる。
【0046】図4はエンジンの燃焼改善装置のさらに他
の実施例を示し、上述の各実施例(図1、図2、図3参
照)ではレシプロエンジンを例示したが、この実施例で
はロータリピストンエンジンに上記燃焼改善装置を付設
している。すなわち、ロータリピストンエンジン30に
おいて、ロータハウジング31のペリトロコイド面31
a内部に作動室32を形成する一方、上述のロータハウ
ジング31の一側には吸気ポート33および排気ポート
34を形成し、他側にはトレーリング側点火プラグ35
Tおよびリーディング側点火プラグ35Lをそれぞれ配
設し、上述のロータハウジング31内には、エキセント
リックシャフト36により軸芯37を中心として偏心運
動するロータ38を設けている。
【0047】このロータ38は三葉の内方包絡面39…
を有し、ロータ頂点部にはアペックスシール(図示せ
ず)を取付けている。このように構成したロータリピス
ンエンジン30の上述の吸気ポート33にフンジェクタ
9を臨設する一方、液体状態の炭化水素燃料ガス(ガソ
リン等)を供給する通路11の中途部にチャンバ12を
形成し、このチャンバ12の内定部には放射性物質とし
てのラジウム13を配置し、上述のチャンバ12とイン
ジェクタ9との間を改質燃料通路14で連通すると共
に、上述のチャンバ12の上部と燃焼室40との間を水
素ガス供給通路15で連通し、この水素ガス供給通路1
5の中途部上流側に畜圧室としてのリザーバ16を、水
素ガス供給通路15の中途部下流側に制御弁17をそれ
ぞれ介設し、この制御弁17をバルブアクチュエータ1
8で開閉制御すべく構成している。
【0048】このように構成しても、先の図1とほぼ同
様の作用、効果を奏する。すなわち、液体状態の炭化水
素燃料としてのガソリンを通路11から上述のチャンバ
12に供給すると、このガソリンはラジウム13から照
射される放射線(この場合はα線)を受けて次に[化
1][化2]に示す如く反応する。
【0049】
【化1】
【0050】
【化2】
【0051】上述の反応式のうち[化1]の反応は約4
0%の割合で起こり、[化2]の反応は約60%の割合
で起こる。つまりガソリンの主成分としての飽和炭化水
素(CnH2 n+2、パラフィン)はα線の照射によ
り、反応性、活性度の高い不飽和炭化水素(CnH
2 n、オレフィン)と水素ガスとに分離する。
【0052】このようにして分離された液体の改質燃料
は通路14を介してインジェクタ9に分配され、一方、
水素ガスは着火用燃料として水素ガス供給通路15を介
してリザーバ16内に送られ、例えばロータリピストン
エンジン30の軽、中負荷域のリーン燃焼領域におい
て、上述のバルブアクチュエータ18で制御弁17を開
弁操作すると、上述のリザーバ16内の水素ガスは燃焼
室40内に供給される。
【0053】このように、上述の放射線照射手段(チャ
ンバ12およびラジウム13参照)により液体状態の炭
化水素燃料(ガソリン等)にα線を照射して得られる不
飽和炭化水素CnH2 nと水素ガスとのうち、燃焼性の
良好な改質燃料(主としてCnH2 n)は一方の通路1
4を介してインジェクタ9に供給され、水素ガスは着火
用燃料として他方の通路15を介して燃焼室40に供給
されるので、燃焼性の大幅な向上を図ることができる効
果があり、さらには希薄空燃比燃焼(リーンバーン)を
可能とすることができる。
【0054】また上述の炭化水素燃料(ガソリン等)を
供給する通路11の中途部にチャンバ12を形成し、液
状の炭化水素燃料に対してラジウム13からのα線を照
射するので、照射効率の向上を図ることができ、上述の
[化1][化2]で示した反応を確実に行なわしめるこ
とができる効果がある。
【0055】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の炭化水素燃料は、実施例のガソリ
ンに対応し、以下同様に、放射線は、α線(α−ra
y)に対応し、放射線照射手段は、チャンバ12,23
およびラジウム13に対応し、エンジンの燃料供給部
は、インジェクタ9に対応し、活性種は、H,H2 ,H
2 ,H2 **に対応し、排気系は、排気通路26
に対応し、放射性物質は、ラジウム13に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるもの
ではなく、例えば放射線としてはα線の他にβ線、γ線
であってもよく、放射性物質はラジウムに代えてウラン
等の他の放射性物質であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレシプロエンジンの燃焼改善装置を示
す系統図。
【図2】レシプロエンジンの燃焼改善装置の他の実施例
を示す系統図。
【図3】レシプロエンジンの燃焼改善装置のさらに他の
実施例を示す系統図。
【図4】本発明のロータリピストンエンジンの燃焼改善
装置を示す系統図。
【符号の説明】
8,40…燃焼室 9…インジェクタ 11,22…通路 12,23…チャンバ 13…ラジウム 14…改質燃料供給通路 15…水素ガス供給通路 24…活性種供給通路 26…排気通路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素燃料を用いるエンジンにおいて、 液体状態の上記炭化水素燃料に放射線を照射する放射線
    照射手段と、 炭化水素燃料に放射線を照射した時に発生する改質燃料
    をエンジンの燃料供給部に供給する改質燃料供給通路と
    を備えたエンジンの燃焼改善装置。
  2. 【請求項2】炭化水素燃料を用いるエンジンにおいて、 水に放射線を照射する放射線照射手段と、 上記水に放射線を照射した時に発生する活性種を燃焼室
    に供給する活性種供給通路とを備えたエンジンの燃焼改
    善装置。
  3. 【請求項3】炭化水素燃料を用いるエンジンにおいて、 水に放射線を照射する放射線照射手段と、 上記水に放射線を照射した時に発生する活性種を排気系
    に供給する活性種供給通路とを備えたエンジンの燃焼改
    善装置。
  4. 【請求項4】論理空燃比より希薄の混合気で燃焼させる
    上記請求項1、請求項2もしくは請求項3記載のエンジ
    ンの燃焼改善装置。
  5. 【請求項5】上記活性種を冷間始動時に供給する上記請
    求項3記載のエンジンの燃焼改善装置。
  6. 【請求項6】上記活性種を触媒コンバータ上流の排気系
    に供給する上記請求項5記載のエンジンの燃焼改善装
    置。
  7. 【請求項7】炭化水素燃料もしくは水を供給する通路の
    中途部にチャンバを形成し、該チャンバに放射性物質を
    配置した上記請求項1、請求項2もしくは請求項3記載
    のエンジンの燃焼改善装置。
  8. 【請求項8】炭化水素燃料に放射線を照射した時に発生
    する水素ガスを燃焼室に供給する水素ガス供給通路を設
    けた上記請求項1記載のエンジンの燃焼改善装置。
JP28911491A 1991-10-07 1991-10-07 エンジンの燃焼改善装置 Pending JPH0599084A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28911491A JPH0599084A (ja) 1991-10-07 1991-10-07 エンジンの燃焼改善装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28911491A JPH0599084A (ja) 1991-10-07 1991-10-07 エンジンの燃焼改善装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0599084A true JPH0599084A (ja) 1993-04-20

Family

ID=17738968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28911491A Pending JPH0599084A (ja) 1991-10-07 1991-10-07 エンジンの燃焼改善装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0599084A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000030124A1 (fr) * 1998-11-13 2000-05-25 W.F.N Co., Ltd. Procede et dispositif permettant d'activer une substance
CN109630245A (zh) * 2018-12-14 2019-04-16 武汉理工大学 一种轻烃/柴油燃料重整系统及重整方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000030124A1 (fr) * 1998-11-13 2000-05-25 W.F.N Co., Ltd. Procede et dispositif permettant d'activer une substance
US6653646B1 (en) 1998-11-13 2003-11-25 W.F.N. Co., Ltd. Material activating method and device for carrying out the same
CN109630245A (zh) * 2018-12-14 2019-04-16 武汉理工大学 一种轻烃/柴油燃料重整系统及重整方法
CN109630245B (zh) * 2018-12-14 2020-12-01 武汉理工大学 一种轻烃/柴油燃料重整系统及重整方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4109461A (en) Method for operating internal combustion engine
SU491238A3 (ru) Способ питани двигател внутреннего сгорани
US4004413A (en) Combustible mixture supply system
US3908606A (en) Internal combustion engine
US5297515A (en) Fuel supply systems for engines and combustion processes therefor
US3872839A (en) Rotary piston engine
GB1522407A (en) Fuel reformer for generating gaseous fuel containing hydrogen and/or carbon monoxide
JPS60230556A (ja) 内燃機関およびその作動方法
JP5014797B2 (ja) 接触改質器と組合わせた圧縮点火内燃機関の操作方法
EP1674682A1 (en) Exhaust gas purifying apparatus for internal combustion engine
JP2007332891A (ja) 内燃機関
CN1202219A (zh) 净化内燃机排气的方法和装置
CN1755089A (zh) 减少内燃机排放的系统和方法
US20160195041A1 (en) Stable Combustion In Spark-Ignited Lean-Burn Engine
US5779879A (en) Apparatus and method for reducing harmful substances in combustion gases
JP2019178623A (ja) アンモニアの燃焼により駆動力を得る内燃機関
KR890701877A (ko) 2행정 엔진용 배기가스 처리
US4793135A (en) Method of detoxification of exhaust gas from an internal combustion engine using a catalytic system, and apparatus for performing the method
JPH0599084A (ja) エンジンの燃焼改善装置
JP2003293867A (ja) 燃料改質ガスエンジン
JPS5821099B2 (ja) ネンリヨウカイシツソウチツキナイネンキカン
JP4052847B2 (ja) 燃料改質装置を備えたガスエンジン
CN1977104A (zh) 燃料重整设备
JP2005105909A (ja) エンジンシステム
JP2001355472A (ja) 燃焼装置および内燃機関