JPH0597896A - 味覚修飾物質 - Google Patents

味覚修飾物質

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JPH0597896A
JPH0597896A JP3253914A JP25391491A JPH0597896A JP H0597896 A JPH0597896 A JP H0597896A JP 3253914 A JP3253914 A JP 3253914A JP 25391491 A JP25391491 A JP 25391491A JP H0597896 A JPH0597896 A JP H0597896A
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JP
Japan
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gly
asn
leu
taste
substance
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JP3253914A
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English (en)
Inventor
Yoshie Kurihara
良枝 栗原
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/415Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants
    • C07K14/43Sweetening agents, e.g. thaumatin, monellin

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新しいアミノ酸配列を有し、二量体として存
在する、安定で、味覚修飾活性効果の強い味覚修飾物資
を提供すること。 【構成】 29番目のシステイン残基と52番目のシス
テイン残基が鎖内結合し、77番目のシステイン残基同
士及び109番目のシステイン残基同士が鎖間結合する
ことにより二量体を形成し、かつ単量体としては下記配
列表のアミノ酸配列を有する味覚修飾物質。 (配列表:Asp Asn Val Leu Leu Ser Gly Gln ThrLeu H
is Ala Asp His Ser Leu Gln Ala Gly Ala Tyr Thr Leu
ThrIle Gln Asn Lys Cys Asn Leu Val Lys Tyr Gln As
n Gly Arg Gln Ile Trp Ala Ser Asn Thr Asp Arg Arg
Gly Ser Gly Cys Arg Leu Thr Leu Leu Ser Asp Gly As
n Leu Val Ile Tyr Asp His Asn Asn Asn Asp Val Asn
Gly Ser Ala Cys Trp Gly Asp Asn Gly Lys Tyr Ala Le
u Val Leu Gln Lys Asp Gly Arg Phe Val Ile Tyr Gly
Pro Val Leu Trp Ser Leu Gly Pro Asn Gly Cys Arg Ar
g Val Asn Gly )

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクルクリゴ・ラチフォリ
アから得られるクルクリン様の味覚修飾物質からなり、
安定で、味覚修飾効果の強い味覚修飾物質に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】先に、
本発明者らは、西マレーシアやタイ南部等に自生するき
んばいざさ科又はひがんばな科きんばいざさ属の植物ク
ルクリゴ・ラチフォリア(Curculigo latifolia )の果
実から味覚修飾物質となるクルクリン(本発明者が命名
した仮名)を見い出し、さらに、このクルクリンは、こ
れを食した後水または酸味物質を飲食することにより、
甘味を感じさせる蛋白質であることを見い出し出願し
た。(特開平2−104263号)。続いて、本発明者
らは、この蛋白質クルクリンを高度に精製し、そのアミ
ノ酸配列を有する味覚修飾物質を出願した(特開平3−
190899号)。
【0003】しかしながら、上記発明にもかかわらず、
更に味覚修飾効果の安定で強いものが望まれている。本
発明は、新しいアミノ酸配列を有し、二量体として存在
する、安定で、味覚修飾効果の強い味覚修飾物質を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の味覚修飾物質
は、29番目のシステイン残基と52番目のシステイン
残基が鎖内結合し、77番目のシステイン残基同士及び
109番目のシステイン残基同士においてそれぞれ鎖間
結合することにより二量体を形成し、かつ、単量体とし
ては下記配列表のアミノ酸配列を有する。
【0005】 配列表: Asp Asn Val Leu Leu Ser Gly Gln Thr Leu His Ala Asp His Ser 15 Leu Gln Ala Gly Ala Tyr Thr Leu Thr Ile Gln Asn Lys Cys Asn 30 Leu Val Lys Tyr Gln Asn Gly Arg Gln Ile Trp Ala Ser Asn Thr 45 Asp Arg Arg Gly Ser Gly Cys Arg Leu Thr Leu Leu Ser Asp Gly 60 Asn Leu Val Ile Tyr Asp His Asn Asn Asn Asp Val Asn Gly Ser 75 Ala Cys Trp Gly Asp Asn Gly Lys Tyr Ala Leu Val Leu Gln Lys 90 Asp Gly Arg Phe Val Ile Tyr Gly Pro Val Leu Trp Ser Leu Gly 105 Pro Asn Gly Cys Arg Arg Val Asn Gly 114) 以下、本発明の味覚修飾物質について詳述する。
【0006】本発明の味覚修飾物質は、例えば、次のよ
うにして得られる。まず、クルクリゴ・ラチフォリアの
果実又はその果肉に、水を加えてホモジナイズし遠心分
離する。この時上清は、濃い褐色を示す。さらに、この
沈渣に当初の果実又はその果肉と等量の水を加えてホモ
ジナイズし、遠心分離する。上清が無色になるまで水洗
操作を繰り返し、沈渣を得る。どの上清にも味覚修飾活
性はない。
【0007】続いて、上記から得られた沈渣は、0.0
1M以上の濃度の塩の水溶液で抽出して、クルクリン様
物質を含む粗抽出液を得ることができる。上記の塩とし
ては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム若しくはアンモニウムの塩酸塩、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウム若しくはアンモニウムの
リン酸塩、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム若しくはアンモニウムの炭酸塩、ナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム若しくはアンモニウ
ムの硫酸塩又は亜硫酸塩、ナトリウム若しくはカリウム
の硝酸塩または亜硝酸塩、ナトリウム若しくはカルシウ
ムの乳酸塩、ミョウバン、焼ミョウバン、酢酸ナトリウ
ム、ナトリウム若しくはカリウムのピロリン酸塩、ナト
リウム若しくはカルシウムのプロピオン酸塩、安息香酸
ナトリウム、フマル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナト
リウム等が用いられる。
【0008】上記の塩の水溶液による抽出手段の一例を
あげると、次の通りである。上記水洗操作後、得られた
沈渣に塩化ナトリウム溶液を加えてホモジナイズし、遠
心分離又は濾過を行なって、クルクリン様物質を含む粗
抽出液を得る。次いで、上記のクルクリン様物質を含む
粗抽出液を以下の通り精製し、高純度味覚修飾物質を得
る。
【0009】上記粗抽出液の精製は、硫酸アンモニウ
ム、硫酸ナトリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウ
ム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどで塩析
し、通常のクロマトグラフィーによって精製することが
できる。一例としては、硫酸アンモニウムで塩析して得
られた沈澱を、CM−セファロースイオン交換クロマト
グラフィーにかけ、さらに分子ふるいクロマトグラフィ
ーにかけることによって、高純度クルクリン様の味覚修
飾物質が得られる。
【0010】上記高純度の味覚修飾物質のアミノ酸配列
の決定は、該高純度物質を還元しSH基をブロックした
後、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチ
ダーゼ等の酵素で加水分解した後、水系の逆相のカラム
を用いHPLCで各ペプチドフラグメントを精製し、さ
らに、このペプチドフラグメントの構造を決定すること
によって行う。
【0011】上記味覚修飾物質は、クルクリン様蛋白質
の二量体で形成されることにより、安定で、味覚修飾効
果の高い味覚修飾物質として得られ、二量体は、77番
目のシステイン残基同士及び109番目のシステイン残
基同士において、それぞれ鎖間結合(ジスルフィド結
合)することにより形成する。鎖間結合の決定は、高純
度味覚修飾物質を、サーモリシン、トリプシン等の各種
蛋白質分解酵素を用いて断片化し、この中からシスチン
を含むペプチドフラグメントをHPLC等により精製
し、このペプチドフラグメントの構造を決定し、さら
に、一次構造と比較することにより確認する。
【0012】さらに、本発明の味覚修飾物質の一量体に
おいて、29番目のシステイン残基と52番目のシステ
イン残基において、鎖内結合(ジスルフィド結合)して
いる。鎖内結合の決定は、鎖間結合の決定と同様にして
行う。即ち、上記高純度味覚修飾物質を、サーモリシ
ン、トリプシン等の各種蛋白質分解酵素を用いて断片化
し、この中からシスチンを含むペプチドフラグメントを
HPLC等により精製し、このペプチド断片の構造を決
定し、さらに、一次構造と比較することにより確認すれ
ばよい。
【0013】以上から得られる高純度味覚修飾物質は、
液状調味剤として10-7M以上の濃度で存在することが
望ましく、また乾物調味剤として10ppm w/w %以上存
在させることが望ましい。また、本発明に係る高純度味
覚修飾物質は、前記のアミノ酸配列を有するので、この
アミノ酸配列通りに、適当な合成方法、例えば、固相合
成、部分固相合成、フラグメント縮合または溶液合成に
よって合成してもよいし、適当な宿主を選び、組み換え
DNA技術を用いても得ることができるものである。
【0014】
【発明の効果】本発明の味覚修飾物質は、高純度クルク
リン様物質からなる甘味を誘導する物質で、二量体を形
成してなる安定で、味覚修飾効果の強い甘味物質とし
て、食品、飲料、飼料、ペットフード又は薬剤などに適
宜含有させて用いることができる。
【0015】又、本発明の味覚修飾物質は、そのアミノ
酸配列を決定したので、化学的および遺伝子工学的手法
により、大量に製造することが可能で有用である。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕(水洗および塩化ナトリウム溶液による抽
出) クルクリゴ・ラチフォリアの果肉30gをとり40mlの
水を加えてホモジナイズし、遠心分離(12,500rp
m、60分間)した。この上清は褐色を示し、味覚修飾
活性はなかった。更に得られた沈渣に、40mlの水を加
えてホモジナイズし、遠心分離(12,500rpm、2
0分間)した。この上清は、無色で、味覚修飾活性はな
かった。
【0017】次に、得られた沈渣に0.5M塩化ナトリ
ウム溶液を加えてホモジナイズし、遠心分離(30,0
00rpm、60分間)した。得られた上清は、無色で、
味覚修飾活性を示した。更に、40mlの0.5M塩化ナ
トリウム溶液による抽出操作を2回繰り返し、これら3
回分の上清を合わせ、クルクリン様の味覚修飾物質を含
む粗抽出液を得た。 〔実施例2〕(硫酸アンモニウムによる塩析) 実施例1で得られた粗抽出液に、80%飽和になるよう
に硫酸アンモニウムを添加して活性物質を析出させた。
これを遠心分離(32,000rpm、60分間)して得
た沈澱を、100mlの0.01Mリン酸緩衝液(pH
6.8)に溶解した。 〔実施例3〕(CM−セファロースイオン交換クロマト
グラフィー) 実施例2で得られた溶液を、CM−セファロースCL−
6Bカラム(直径2.2cm×長さ18cm、ベッド体積6
8ml、ファルマシアLKBバイオテクノロジー社製)に
流し吸着させた。
【0018】続いて、0.01Mリン酸緩衝液(pH
6.8)で素通り画分を除去した後、塩化ナトリウム溶
液0〜1.0Mの直線濃度勾配溶出法でクルクリン様味
覚修飾物質を溶出させた(流速5ml/1時間、1分画5
ml、全溶出液量500ml)。溶出した蛋白質は280nm
の吸収によりモニターした。その結果を第1図に示し
た。第1図に示すピーク(B)が味覚修飾物質を含む画
分である。 〔実施例4〕(分子ふるいクロマトグラフィー) 実施例3で得られた第1図のピーク(B)の斜線部分に
示された画分に、80%飽和になるように硫酸アンモニ
ウムを添加して、活性物質を析出させた。これを遠心分
離(32,000rpm、60分間)して得た沈澱を、
1.5mlの0.01Mリン酸緩衝液(PH 6.8)に溶
解した。
【0019】この濃縮液をセファデックス(ファルマシ
アLKBバイオテクノロジー社製)G−100カラム
(直径1.6cm×58cm、ベッド体積160ml)を用い
0.5MNaClを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH
6.8)により分離した(流速8.4ml/1時間、1分
画2.8ml、全溶出量182ml)。蛋白質は280nmの
吸収によりモニターした。その結果を第2図に示した。
第2図に示すピーク(A)がクルクリン様味覚修飾物質
を含む画分である。
【0020】この第2図に示すピーク(A)の画分を、
80%飽和になるように硫酸アンモニウムを添加して、
活性物質を析出させた。これを遠心分離(32,000
rpm、60分間)して得た沈澱を、1.5mlの2M酢酸
アンモニウム溶液に溶解した。この溶液を、2M酢酸ア
ンモニウム溶液で平衡化したセファデックスG−25
(9.1ml)カラムで処理後、凍結乾燥することによ
り高純度味覚修飾物質8.6mgが得られた。 〔実施例5〕(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動) 実施例4より得られた高純度味覚修飾物質の純度及び分
子量を、レムリー(Laemmli)の方法(ネイチャ
ー、227巻、680頁、1970年)により、還元剤
(β−メルカプトエタノール)存在下及び非存在下で、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により確認し
た。
【0021】その結果、還元剤存在下では分子量13,
000(dalton)のところにバンドを示したが、
還元剤非存在下では分子量24,000(dalto
n)のところにバンドが確認された。以上から、実施例
4より得られた高純度味覚修飾物質は、充分に精製され
ていること、及び、ジスルフィド結合により二量体を形
成してることが確認できた。
【0022】クルクリゴ・ラチフォリアの果肉30gか
ら得られた、各味覚修飾物質の画分の蛋白質含量、活性
収率及び精製度は第1表に示す通りである。第1表 味
覚修飾物質の各精製段階における蛋白質含量、活性収率
及び精製度 *1;果肉重量(蛋白質以外の成分も含む) なお、蛋白質含量は、ローリー(Lowry)らの方法
により測定した。
【0023】又、実施例4で得られた高純度味覚修飾物
質の味覚修飾活性は、各試料を3分間口に含んだ後水で
口をすすぎ、0.02Mクエン酸溶液を味わった時の甘
さを各種濃度のショ糖溶液と比較し、同等の甘さのショ
糖濃度を求めることにより測定した。その結果を第3図
に示す。第3図から、高純度味覚修飾物質の活性は、
0.3Mショ糖の甘さに相当した。なお、実施例4より
得られた高純度味覚修飾物質は、味覚修飾効果が長く続
いた。 〔参考例1〕(等電点電気泳動) ファーストシステム(PhastSystemTM、ファ
ルマシアLKBバイオテクノロジー社製)により、ファ
ーストゲル(PhastGel IEF5−8)を用い
て、実施例4により得られた高純度味覚修飾物質の等電
点電気泳動を行ったところ、等電点は7.1であった。 〔参考例2〕(遊離SH基の存在しないことの確認) 実施例4より得られた高純度味覚修飾物質1.2mg(5
0n モル)を、0.1Mトリス塩酸緩衝液(PH 8.
0)(8M尿素、0.01M EDTA(エチレンジア
ミン4酢酸)を含む)2.5mlに溶解し、室温で20分
放置した。
【0024】これに、0.01M DTNB(5,5−
ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を含む0.05Mリ
ン酸緩衝液(PH 7.0)を加え、システインと高純度
味覚修飾物質の412nmの吸光度を測定した。その結
果、システイン50nモルの吸光度が0.25となる条
件において、高純度味覚修飾物質50nモルの吸光度は
0.005以下であった。
【0025】以上から、高純度味覚修飾物質の分子中に
は、遊離のSH基が存在しないことが判った。 〔実施例6〕(S−カルボキシアミドメチル化クルクリ
ン様物質の調製) 実施例4より得られた高純度味覚修飾物質7mgを、6M
グアニジン塩酸塩、2mMEDTA及び60mMジチオスレ
イトールを含む0.4Mトリス緩衝液5mlに溶解した。
この溶液を窒素ガス中で37℃、24時間インキュベー
トした。この溶液にヨードアセトアミド0.2gを加
え、室温で10分間静置し、続いて、氷水浴中で60分
間静置した。得られるS−カルボキシアミドメチル化ク
ルクリン様物質をセファデックスG−25を用い、2M
尿素及び2mMEDTAを含む50mM重炭酸ナトリウム緩
衝液(pH8.0)に溶媒を交換し酵素消化の試料とし
た。 〔実施例7〕(アミノ酸組成) アミノ酸組成の決定は、ウォーターズ社のピコタグシス
テム(Waters Picotagsystem)により実施した。
【0026】すなわち、実施例4より得られた高純度味
覚修飾物質の10μgを1%フェノールを含む6N−H
Clにより、110℃、22時間の条件で加水分解し、
得られたアミノ酸をフェニルチオカルバミル(PTC)
化して、TSKゲル ODS−80TMカラム(直径
0.46cm×15cm、東ソー(株)製)を用いたHPL
Cにより分析した。PTC−アミノ酸は、254nmの吸
光度により検知した。結果を第2表に示す。
【0027】ただし、セリン、トレオニンはそれぞれ分
解による損失を10%、5%ととして補正した値を示し
た。また、システインは、実施例6で調製したS−カル
ボキシアミドメチル化したものを用いて測定した値を使
用し、トリプトファンは、(H.Edelhock)の
方法(バイオケミストリー、7巻、1948ページ、1
967年)により求めた値を使用した。
【0028】 〔実施例8〕(S−カルボキシアミドメチル化クルクリ
ン様物質の酵素消化) 実施例6で得られたS−カルボキシアミドメチル化クル
クリン様物質のリシルエンドペプチターゼ消化を、2M
尿素及び2mMEDTAを含む50mM重炭酸ナトリウム緩
衝液(pH8.0)中で37℃、17.5時間行った。蛋
白質濃度は1mg/mlで、酵素対基質比が1対120(V
/V、残量水)である。反応は、HClを加えpH 2.
0とすることにより停止した。
【0029】又、S−カルボキシアミドメチル化クルク
リン様物質のキモトリプシン消化を上記消化と同じ緩衝
液、蛋白質濃度及び酵素対基質比の下、37℃、30分
間行った。消化反応は上記と同じ方法で停止した。さら
に、S−カルボキシアミドメチル化クルクリン様物質の
トリプシン消化を上記消化と同じ緩衝液、蛋白質濃度及
び酵素対基質比の下、37℃、3時間行った。消化反応
は上記と同じ方法で停止した。 〔実施例9〕(ペプチドの分離) 実施例8により得られた三種類のペプチド混合物は、T
SKゲル ODS−120T(東ソー(株)製)カラム
を用い、HPLCにより分離した。各ペプチドは、0.
05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの直線濃
度勾配溶出法で溶出した。ペプチドは、210nmの吸収
により検知され、各ピークが集められた。
【0030】リシルエンドペプチダーゼ消化物、キモト
リプシン消化物及びトリプシン消化物のHPLC溶出パ
ターンを、それぞれ第4図、第5図及び第6図に示す。
ただし、リシルエンドペプチダーゼ消化物及びトリプシ
ン消化物については、アセトニトリル20%(V/V、
残量水)から40%(V/V、残量水)までの30分間
の直線濃度勾配溶出パターンであり、キモトリプシン消
化物については、アセトニトリル10%(V/V、残量
水)から40%(V/V、残量水)までの45分間の直
線濃度勾配溶出パターンである。又、後述するペプチド
の名前は、これらのHPLC溶出パターン中のピークの
名前に従った。 〔実施例10〕(アミノ酸組成分析及びアミノ酸配列の
決定) 実施例9で得られた各ペプチドは、ウォーターズ社のピ
コタグシステム(Waters Picotag system)によりアミ
ノ酸組成分析を実施し、その結果を第3表及び第4表に
示した。
【0031】 セリン及びスレオニンは、それぞれ分解による損失を1
0%及び5%として補正した値を示す。
【0032】 * 配列分析からの結果 ** ND:検出されず。
【0033】セリン及びトレオニンは、それぞれ分解に
よる損失を10%及び5%として補正した値を示す。た
だし、セリン及びトレオニンは、それぞれ分解による損
失を10%及び5%として補正した値を示した。アミノ
酸配列の決定は、470A アプライドバイオシステム
プロテインシークエンサー(Applied Biosystem Protei
n Sequencer )により行った。すなわち、アミノ酸をフ
ェニルチオヒダントイン(PTH)化して、このPTH
−アミノ酸を、TSKゲル ODS−120Tカラムを
用いたHPLCにより分析した。その結果を第5表及び
第6表に示す。
【0034】 カルボキシ末端アミノ酸配列は、カルボキシペプチター
ゼを用いて、次の方法により決定した。
【0035】すなわち、実施例4より得られた高純度味
覚修飾物質200μgを、0.1MN−エチルモルホリ
ン酢酸緩衝液(pH 8.0)0.9mlに溶解する。この
溶液に、カルボキシペプチターゼAを10μgを加え、
反応混合物を室温でインキュベートする。反応液の一部
を、15分、30分、60分及び120分毎に採取す
る。これらの反応液にトリクロル酢酸を加え蛋白質を沈
澱させ、これを遠心分離により除き、上清にある遊離し
たアミノ酸を、ウォーターズ社のピコタグシステム(Wa
ters Picotag system)により分析した。その結果、カ
ルボキシ末端アミノ酸残基は、グリシンであることが明
らかとなった。
【0036】以上の方法により決定されたアミノ酸配列
は、第7図に示す通りである。第7図において、LE
P、CH及びTは、各々リシルエンドペプチダーゼ、キ
モトリプシン及びトリプシン消化からのペプチドを、N
は高純度味覚修飾物質のN末端からエドマン分解により
決定したアミノ酸配列を示す。又、実線は、各ペプチド
のエドマン分解により同定されたアミノ酸残基を示し、
点線は、各ペプチドのエドマン分解により同定されなか
ったアミノ酸残基を示す。 〔実施例11〕(過蟻酸酸化法によるシステイン又はシ
スチンを含むアミノ酸組成の分析法) 1.9mgの蟻酸に30%過酸化水素水0.1mlを加えた
過蟻酸溶液を調製した。次に、高純度味覚修飾物質又は
その酵素消化ペプチドフラグメント0.5nモル〜1n
モルに、上記過蟻酸溶液50μl を添加して、0℃で2
5時間反応させた。
【0037】反応後、該高純度味覚修飾物質含有過蟻酸
溶液を乾燥させ、ウォーターズ社のピコタグシステム
(Waters Picotag system)によりアミノ酸組成分析を
行った。この方法により、以下の実施例12〜14にお
けるシステイン又はシスチンを含むアミノ酸組成を決定
した。 〔実施例12〕(29番目のシステイン残基と52番目
のシステイン残基の鎖内結合の決定) 実施例4より得られた高純度味覚修飾物質をトリプシン
消化した。すなわち、高純度味覚修飾物質0.5mgを、
200μl の0.25M酢酸アンモニウム緩衝液(pH
6.5)(8M尿素、2mM酢酸カルシウムを含む)に溶
解し、37℃で4時間変性させた。
【0038】次に、上記溶液は、尿素の最終濃度が2M
となるように0.25M酢酸アンモニウム緩衝液(pH
6.5)(2mM酢酸カルシウムを含む)で希釈した。上
記高純度味覚修飾物質含有溶液に対して、酵素対基質比
が重量比で1対25となるようにトリプシンを加え、3
7℃で3時間消化を行った。反応後、この消化液は、下
記条件のHPLC処理することにより、各ペプチドを分
取した。結果を第8図に示す。HPLCの条件は以下の
通りである。
【0039】カラム:TSKゲルODS−120T 移動相:0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニト
リル水(10%v/vから60%v/vまでの40分間
の直線濃度勾配) 検出方法:UV検出器210nm(レンジ0.5) 流速:1ml/分 以上から得られたペプチドのうち、第8図のT2に示さ
れる画分の物質について、実施例10と同様の方法によ
り、アミノ酸組成分析及びアミノ酸配列分析を行った。
結果をそれぞれ第7表、第8表に示す。
【0040】 以上から、29番目のシステイン残基と52番目のシ
ステイン残基の鎖内結合が確認された。 〔実施例13〕(77番目のシステイン残基の鎖間結合
の位置決定) 実施例4より得られた高純度味覚修飾物質のサーモリシ
ン消化を行なった。
【0041】すなわち、高純度味覚修飾物質10mgを、
0.25M酢酸アンモニウム緩衝液(pH 6.5)(8
M尿素、2mM酢酸カルシウムを含む)に溶解させた。サ
ーモリシンは、0.25M酢酸アンモニウム緩衝液(pH
6.5)(2mM酢酸カルシウムを含む)に添加、溶解
した。上記の高純度味覚修飾物質含有液に、酵素対基質
比が重量比で1対25となるようにサーモリシン含有液
を添加し、37℃で15時間消化を行った。
【0042】この消化液は、下記条件でHPLCを用い
て、分離したペプチドをピーク毎に分取した。結果を第
9図に示す。条件は以下の通りである。 カラム : TSKゲル ODS−120T 移動相 : 0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセト
ニトリル水(10%v/vから60%v/vまで40分
の直線濃度勾配) 検出方法: UV検出器210nm(レンジ0,5) 流速 : 1ml/分 次に、各ピークについて、実施例11と同様の方法によ
りアミノ酸組成分析したところ、第9図に示されたピー
クE4の画分に、システイン酸が検出された(0.30
pmole/pmole)ため、第9図に示されたピークE4の画
分を、さらにHPLCにより分離した。
【0043】分離は、移動相の直線濃度勾配を20%v
/vアセトニトリルから40%v/vアセトニトリルま
で40分で行なう以外は、上記HPLCの条件と同様に
行なった。分離したペプチドをピーク毎に分取した後、
再び、実施例11と同様の方法により、アミノ酸組成分
析を行ないシステイン酸の検出を行なった。その結果を
第10図に示す。
【0044】第10図に示されたピークE4−1の画分
に、システイン酸が検出された(0.41pmole/pmol
e)ため、再び第10図に示されたピークE4−1の画
分をHPLCにより分離した。分離は、移動相の直線濃
度勾配を20%v/vから30%v/vまで40分で行
なう以外は、上記HPLCの条件と同様に行なった。
【0045】その結果、第11図に示すように、V−1
及びV−2の2本のペプチド(ピーク)を得た。各ぺプ
チドは、実施例10及び実施例11と同様の方法によ
り、アミノ酸組成分析し、結果を第9表に示した。 *;過蟻酸酸化法(実施例11)
による結果 さらに、V−1画分のペプチドのアミノ酸配列分析を行
なったところ、6サイクル目にシスチンが確認され、該
蛋白質の77残基目のシステインが分子間ジスルフィド
結合を形成していることを確認した。結果を第10表に
示す。 〔実施例14〕(109番目のシステイン残基の鎖間結
合の位置決定) 実施例13と同様に、実施例4より得られた高純度味覚
修飾物質を酵素消化し、その消化物からシスチンを含む
消化断片を取り出しその構造を決定した。その結果、該
蛋白質の109番目のシステインが鎖間結合を形成して
いることを確認した。
【0046】以上の方法により決定された味覚修飾物質
は次の通りである。29番目のシステイン残基と52番
目のシステイン残基が鎖内結合(ジスルフィド結合)
し、77番目のシステイン残基同士及び109番目のシ
ステイン残基同士においてそれぞれ鎖間結合(ジスルフ
ィド結合)することにより二量体を形成し、かつ、単量
体としては配列表のアミノ酸配列を有する。
【0047】〔配列表〕 配列番号:1 配列の長さ:114 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:クルクリゴ・ラチフォリア(Curculig
o latifolia) 配列: Asp Asn Val Leu Leu Ser Gly Gln Thr Leu His Ala Asp His Ser 15 Leu Gln Ala Gly Ala Tyr Thr Leu Thr Ile Gln Asn Lys Cys Asn 30 Leu Val Lys Tyr Gln Asn Gly Arg Gln Ile Trp Ala Ser Asn Thr 45 Asp Arg Arg Gly Ser Gly Cys Arg Leu Thr Leu Leu Ser Asp Gly 60 Asn Leu Val Ile Tyr Asp His Asn Asn Asn Asp Val Asn Gly Ser 75 Ala Cys Trp Gly Asp Asn Gly Lys Tyr Ala Leu Val Leu Gln Lys 90 Asp Gly Arg Phe Val Ile Tyr Gly Pro Val Leu Trp Ser Leu Gly 105 Pro Asn Gly Cys Arg Arg Val Asn Gly 114
【図面の簡単な説明】
【図1】クルクリゴ・ラチフォリアの実から水洗、抽
出、塩析操作によって得た味覚修飾物質のCM−セファ
ロースイオン交換クロマトグラフィーの溶出パターン図
である。
【図2】図1のピーク(B)部分を、セファデックスG
−100分子ふるいクロマトグラフィーの溶出パターン
図である。
【図3】本発明の高純度味覚修飾物質からなる味覚修飾
物質の活性を示す特性線図である。
【図4】S−カルボキシアミドメチル化クルクリン様物
質のリシルエンドペプチターゼ消化により得られるペプ
チドのHPLC溶出パターン図である。
【図5】S−カルボキシアミドメチル化クルクリン様物
質のキモトリプシン消化により得られるペプチドのHP
LC溶出パターン図である。
【図6】S−カルボキシアミドメチル化クルクリン様物
質のトリプシン消化により得られるペプチドのHPLC
溶出パターン図である。
【図7】クルクリンのアミノ酸配列を示す図である。
【図8】高純度味覚修飾物質のトリプシン消化により得
られるペプチドのHPLC溶出パターン図である。
【図9】高純度味覚修飾物質のサーモリシン消化により
得られるペプチドのHPLC溶出パターン図である。
【図10】ピークE4のHPLC抽出パターン図であ
る。
【図11】ピークE4−1のHPLC抽出パターン図で
ある。
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】〔実施例5〕(脱塩及び粉末化) この第2図に示すピーク(A)の画分を、80%飽和に
なるように硫酸アンモニウムを添加して、活性物質を析
出させた。これを遠心分離(32,000rpm、60分
間)して得た沈澱を、1.5mlの2M酢酸アンモニウム
溶液に溶解した。この溶液を、2M酢酸アンモニウム溶
液で平衡化したセファデックスG−25(9.1ml)
カラムで処理後、凍結乾燥することにより高純度味覚修
飾物質8.6mgが得られた。〔実施例6〕(味覚修飾物質の各精製段階における活性
の測定) クルクリゴ・ラチフォリアの果肉30gを用いて、実施
例1〜4で得られた各味覚修飾物質の画分の蛋白質含
量、活性収率及び精製度は第1表に示す通りである。 第1表 味覚修飾物質の各精製段階における蛋白質含量、活性収率及び精製度 ───────────────────────────────── 精 製 段 階 蛋白質含量(g) 活性収率(%) 精製度(倍) ───────────────────────────────── 果 肉 30(*1) 100 1 ───────────────────────────────── 0.5M食塩水抽出物 0.106 80.0 225 ───────────────────────────────── CM−セファロース 溶 出 画 分 0.018 55.5 940 ───────────────────────────────── セファテックス G-100 溶 出 画 分 0.0086 36.0 1255 ─────────────────────────────────*一;果肉重量(蛋白質以外の成分も含む) なお、蛋白質含量は、ローリー(Lowry)らの方法
により測定した。また、味覚修飾物質の味覚修飾活性
は、各試料を3分間口に含んだ後水で口をすすぎ、0.
02Mクエン酸溶液を味わった時の甘さを各種濃度のシ
ョ糖溶液と比較し、同等の甘さのショ糖濃度を求めるこ
とにより測定した。上記測定結果より、活性収率を第1
表に示した。さらに、クルクリン濃度と甘さ(ショ糖相
当)の関係を第3図に示した。第3図から、実施例5で
得られた高純度味覚修飾物質の活性は、0.3Mショ糖
の甘さに相当した。なお、実施例4より得られた高純度
味覚修飾物質は、味覚修飾効果が長く続いた。 〔実施例〕(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動) 実施例より得られた高純度味覚修飾物質の純度及び分
子量を、レムリー(Laemmli)の方法(ネイチャ
ー、227巻、680頁、1970年)により、還元剤
(β−メルカプトエタノール)存在下及び非存在下で、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により確認し
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】その結果、還元剤存在下では分子量13,
000(dalton)のところにバンドを示したが、
還元剤非存在下では分子量24,000(dalto
n)のところにバンドが確認された。以上から、実施例
より得られた高純度味覚修飾物質は、充分に精製され
ていること、及び、ジスルフィド結合により二量体を形
成してることが確認できた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】〔参考例1〕(等電点電気泳動) ファーストシステム(PhastSystemTM、ファ
ルマシアLKBバイオテクノロジー社製)により、ファ
ーストゲル(PhastGel IEF5−8)を用い
て、実施例5により得られた高純度味覚修飾物質の等電
点電気泳動を行ったところ、等電点は7.1であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 〔参考例2〕(遊離SH基の存在しないことの確認) 実施例より得られた高純度味覚修飾物質1.2mg(5
0n モル)を、0.1Mトリス塩酸緩衝液(PH 8.
0)(8M尿素、0.01M EDTA(エチレンジア
ミン4酢酸)を含む)2.5mlに溶解し、室温で20分
放置した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】以上から、高純度味覚修飾物質の分子中に
は、遊離のSH基が存在しないことが判った。 〔実施例〕(S−カルボキシアミドメチル化クルクリ
ン様物質の調製) 実施例より得られた高純度味覚修飾物質7mgを、6M
グアニジン塩酸塩、2mMEDTA及び60mMジチオスレ
イトールを含む0.4Mトリス緩衝液5mlに溶解した。
この溶液を窒素ガス中で37℃、24時間インキュベー
トした。この溶液にヨードアセトアミド0.2gを加
え、室温で10分間静置し、続いて、氷水浴中で60分
間静置した。得られるS−カルボキシアミドメチル化ク
ルクリン様物質をセファデックスG−25を用い、2M
尿素及び2mMEDTAを含む50mM重炭酸ナトリウム緩
衝液(pH8.0)に溶媒を交換し酵素消化の試料とし
た。 〔実施例〕(アミノ酸組成) アミノ酸組成の決定は、ウォーターズ社のピコタグシス
テム(Waters Picotagsystem )により実施した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】すなわち、実施例より得られた高純度味
覚修飾物質の10μgを1%フェノールを含む6N−H
Clにより、110℃、22時間の条件で加水分解し、
得られたアミノ酸をフェニルチオカルバミル(PTC)
化して、TSKゲル ODS−80TMカラム(直径
0.46cm×15cm、東ソー(株)製)を用いたHPL
Cにより分析した。PTC−アミノ酸は、254nmの吸
光度により検知した。結果を第2表に示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】 第2表 アミノ酸組成 ─────────────────────────── アミノ酸 Mole% アミノ酸 Mole% ─────────────────────────── Asx 17.2 Met 0.4 Thr 5.0 Ile 3.9 Ser 6.6 Leu 13.6 Glx 5.9 Tyr 4.9 Pro 1.1 Phe 1.2 Gly 11.7 Lys 2.9 Ala 5.0 His 2.2 Half-cys 4.0 Arg 5.7 Val 6.4 Trp 2.3 ─────────────────────────── 合 計 100.0 ─────────────────────────── 〔実施例10〕(S−カルボキシアミドメチル化クルク
リン様物質の酵素消化) 実施例で得られたS−カルボキシアミドメチル化クル
クリン様物質のリシルエンドペプチターゼ消化を、2M
尿素及び2mMEDTAを含む50mM重炭酸ナトリウム緩
衝液(pH8.0)中で37℃、17.5時間行った。蛋
白質濃度は1mg/mlで、酵素対基質比が1対120(V
/V、残量水)である。反応は、HClを加えpH 2.
0とすることにより停止した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】又、S−カルボキシアミドメチル化クルク
リン様物質のキモトリプシン消化を上記消化と同じ緩衝
液、蛋白質濃度及び酵素対基質比の下、37℃、30分
間行った。消化反応は上記と同じ方法で停止した。さら
に、S−カルボキシアミドメチル化クルクリン様物質の
トリプシン消化を上記消化と同じ緩衝液、蛋白質濃度及
び酵素対基質比の下、37℃、3時間行った。消化反応
は上記と同じ方法で停止した。 〔実施例11〕(ペプチドの分離) 実施例10により得られた三種類のペプチド混合物は、
TSKゲル ODS−120T(東ソー(株)製)カラ
ムを用い、HPLCにより分離した。各ペプチドは、
0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの直
線濃度勾配溶出法で溶出した。ペプチドは、210nmの
吸収により検知され、各ピークが集められた。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】リシルエンドペプチダーゼ消化物、キモト
リプシン消化物及びトリプシン消化物のHPLC溶出パ
ターンを、それぞれ第4図、第5図及び第6図に示す。
ただし、リシルエンドペプチダーゼ消化物及びトリプシ
ン消化物については、アセトニトリル20%(V/V、
残量水)から40%(V/V、残量水)までの30分間
の直線濃度勾配溶出パターンであり、キモトリプシン消
化物については、アセトニトリル10%(V/V、残量
水)から40%(V/V、残量水)までの45分間の直
線濃度勾配溶出パターンである。又、後述するペプチド
の名前は、これらのHPLC溶出パターン中のピークの
名前に従った。 〔実施例12〕(アミノ酸組成分析及びアミノ酸配列の
決定) 実施例11で得られた各ペプチドは、ウォーターズ社の
ピコタグシステム(Waters Picotag system )によりア
ミノ酸組成分析を実施し、その結果を第3表及び第4表
に示した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】すなわち、実施例より得られた高純度味
覚修飾物質200μgを、0.1MN−エチルモルホリ
ン酢酸緩衝液(pH 8.0)0.9mlに溶解する。この
溶液に、カルボキシペプチターゼAを10μgを加え、
反応混合物を室温でインキュベートする。反応液の一部
を、15分、30分、60分及び120分毎に採取す
る。これらの反応液にトリクロル酢酸を加え蛋白質を沈
澱させ、これを遠心分離により除き、上清にある遊離し
たアミノ酸を、ウォーターズ社のピコタグシステム(Wa
ters Picotag system)により分析した。その結果、カ
ルボキシ末端アミノ酸残基は、グリシンであることが明
らかとなった。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】以上の方法により決定されたアミノ酸配列
は、第7図に示す通りである。第7図において、LE
P、CH及びTは、各々リシルエンドペプチダーゼ、キ
モトリプシン及びトリプシン消化からのペプチドを、N
は高純度味覚修飾物質のN末端からエドマン分解により
決定したアミノ酸配列を示す。又、実線は、各ペプチド
のエドマン分解により同定されたアミノ酸残基を示し、
点線は、各ペプチドのエドマン分解により同定されなか
ったアミノ酸残基を示す。 〔実施例13〕(過蟻酸酸化法によるシステイン又はシ
スチンを含むアミノ酸組成の分析法) 1.9mgの蟻酸に30%過酸化水素水0.1mlを加えた
過蟻酸溶液を調製した。次に、高純度味覚修飾物質又は
その酵素消化ペプチドフラグメント0.5nモル〜1n
モルに、上記過蟻酸溶液50μl を添加して、0℃で2
5時間反応させた。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】反応後、該高純度味覚修飾物質含有過蟻酸
溶液を乾燥させ、ウォーターズ社のピコタグシステム
(Waters Picotag system)によりアミノ酸組成分析を
行った。この方法により、以下の実施例12〜14にお
けるシステイン又はシスチンを含むアミノ酸組成を決定
した。 〔実施例14〕(29番目のシステイン残基と52番目
のシステイン残基の鎖内結合の決定) 実施例より得られた高純度味覚修飾物質をトリプシン
消化した。すなわち、高純度味覚修飾物質0.5mgを、
200μl の0.25M酢酸アンモニウム緩衝液(pH
6.5)(8M尿素、2mM酢酸カルシウムを含む)に溶
解し、37℃で4時間変性させた。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】カラム:TSKゲルODS−120T 移動相:0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニト
リル水(10%v/vから60%v/vまでの40分間
の直線濃度勾配) 検出方法:UV検出器210nm(レンジ0.5) 流速:1ml/分 以上から得られたペプチドのうち、第8図のT2に示さ
れる画分の物質について、実施例12と同様の方法によ
り、アミノ酸組成分析及びアミノ酸配列分析を行った。
結果をそれぞれ第7表、第8表に示す。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】 第7表 ペプチドT2のアミノ酸組成分析(単位;モル/ペプチドのモル) アミノ酸 Asn Ser Gly Arg Val Leu Lys ──────────────────────────────── 0.9 1.0 2.1 0.6 1.1 1.2 0.7 第8表 ペプチドT2のアミノ酸配列分析(単位;ピコモル) サイクル 1 2 3 4 5 ───────────────────────────────── アミノ酸 Gly Ser Gly Cystine Arg (pmole) 481 168 401 7 69 Asn Leu Val Lys 289 416 401 181 以上から、29番目のシステイン残基と52番目のシス
テイン残基の鎖内結合が確認された。 〔実施例15〕(77番目のシステイン残基の鎖間結合
の位置決定) 実施例より得られた高純度味覚修飾物質のサーモリシ
ン消化を行なった。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】この消化液は、下記条件でHPLCを用い
て、分離したペプチドをピーク毎に分取した。結果を第
9図に示す。条件は以下の通りである。 カラム : TSKゲル ODS−120T 移動相 : 0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセト
ニトリル水(10%v/vから60%v/vまで40分
の直線濃度勾配) 検出方法: UV検出器210nm(レンジ0,5) 流速 : 1ml/分 次に、各ピークについて、実施例13と同様の方法によ
りアミノ酸組成分析したところ、第9図に示されたピー
クE4の画分に、システイン酸が検出された(0.30
pmole /pmole )ため、第9図に示されたピークE4の
画分を、さらにHPLCにより分離した。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】その結果、第11図に示すように、V−1
及びV−2の2本のペプチド(ピーク)を得た。各ぺプ
チドは、実施例12及び実施例13と同様の方法によ
り、アミノ酸組成分析し、結果を第9表に示した。 第9表 ペプチドV−1のアミノ酸組成分析 (単位;各アミノ酸のモル/ペプチドのモル) アミノ酸 Asx Ser Gly Ala 2.5(3) 1.4(1) 3.6(3) 1.4(2) Tyr Lys Val Cys* Trp 0.6(1) 0.5(1) 1.3(1)0.5(1)ND(1) *;過蟻酸酸化法(実施例11)による結果 さらに、V−1画分のペプチドのアミノ酸配列分析を行
なったところ、6サイクル目にシスチンが確認され、該
蛋白質の77残基目のシステインが分子間ジスルフィド
結合を形成していることを確認した。結果を第10表に
示す。 第10表 ペプチドV−1のアミノ酸配列分析(単位;ピコモル) サイクル 1 2 3 4 5 アミノ酸 Val Asn Gly Ser Ala (pmole) 1537 606 1850 314 906 サイクル 6 7 8 9 10 アミノ酸 Cystine Trp Gly Asp Asn (pmole) 14 156 632 287 337 サイクル 11 12 13 14 アミノ酸 Gly Lys Tyr Ala (pmole) 534 257 186 145 〔実施例16〕(109番目のシステイン残基の鎖間結
合の位置決定) 実施例15と同様に、実施例より得られた高純度味覚
修飾物質を酵素消化し、その消化物からシスチンを含む
消化断片を取り出しその構造を決定した。その結果、該
蛋白質の109番目のシステインが鎖間結合を形成して
いることを確認した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】29番目のシステイン残基と52番目のシ
    ステイン残基が鎖内結合し、77番目のシステイン残基
    同士及び109番目のシステイン残基同士においてそれ
    ぞれ鎖間結合することにより二量体を形成し、かつ単量
    体としては下記配列表の、( 配列表: Asp Asn Val Leu Leu Ser Gly Gln Thr Leu His Ala Asp His Ser 15 Leu Gln Ala Gly Ala Tyr Thr Leu Thr Ile Gln Asn Lys Cys Asn 30 Leu Val Lys Tyr Gln Asn Gly Arg Gln Ile Trp Ala Ser Asn Thr 45 Asp Arg Arg Gly Ser Gly Cys Arg Leu Thr Leu Leu Ser Asp Gly 60 Asn Leu Val Ile Tyr Asp His Asn Asn Asn Asp Val Asn Gly Ser 75 Ala Cys Trp Gly Asp Asn Gly Lys Tyr Ala Leu Val Leu Gln Lys 90 Asp Gly Arg Phe Val Ile Tyr Gly Pro Val Leu Trp Ser Leu Gly 105 Pro Asn Gly Cys Arg Arg Val Asn Gly 114) アミノ酸配列を有する味覚修飾物質。
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