JPH0596157A - 油吸着材の製造方法 - Google Patents

油吸着材の製造方法

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JPH0596157A
JPH0596157A JP3258029A JP25802991A JPH0596157A JP H0596157 A JPH0596157 A JP H0596157A JP 3258029 A JP3258029 A JP 3258029A JP 25802991 A JP25802991 A JP 25802991A JP H0596157 A JPH0596157 A JP H0596157A
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JP
Japan
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oil
graphite
binder
density
expanded graphite
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JP3258029A
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English (en)
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Takeshi Suzuki
武嗣 鈴木
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Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kasei Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/20Controlling water pollution; Waste water treatment
    • Y02A20/204Keeping clear the surface of open water from oil spills

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  • Cleaning Or Clearing Of The Surface Of Open Water (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Removal Of Floating Material (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、油を吸収する能力にすぐれ、かつ
回収容易な油吸着材を得ることを目的とする。 【構成】 黒鉛を酸処理して製造される酸処理黒鉛を急
熱して得られる膨張黒鉛を、密度が0.01〜0.03
g/ccとなるまで圧縮して板状に成形した後、バインダ
ーで処理して油吸着材を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油吸着材の製造方法に関
する。得られる油吸着材は、油等の液状物質の吸収を効
率的に行うことができ、特に原油流出事故における回収
処理や一般の排水中の油あるいは有機塩素系溶剤の除去
等、特に公害防止の分野で有効に利用される。
【0002】
【従来の技術】近年、地球規模での新たな環境問題に対
する積極的な提言がなされているが、とりわけタンカー
あるいは大型船の海難事故や海上原油生産基地の事故に
伴う油の流出による大規模な海洋汚染の問題は、沿岸漁
業や海苔、カキ、ハマチ等の養殖漁業に対する直接的な
被害以上に、自然の生体系に及ぼす影響等計り知れない
ものがある。
【0003】このような海上汚染に対して従来はオイル
フェンスで流出油を包囲し、ポンプで組み上げて回収す
る方法等が採られ、そのために各種のオイルフェンスや
回収方法が提案されている。しかしながら回収は完全な
ものではないため、さらに油捕集材を追加使用したり、
油ゲル化剤を使用したり、油処理剤を散布して油を中
和、分散させる等の方法も提案されている。
【0004】油捕集材としては、無機質や有機質の粒状
物及びポリプロピレンなどの有機繊維からなる不織布を
シート状、マット状に成形加工されたものが種々提案さ
れている。また、処理材自体が海中に浮遊したり海底に
沈下して動植物その他の環境に悪影響を及ぼすという被
害の発生を防ぎ、かつ効率的に油の回収処理や一般の排
水中の油あるいは有機塩素系溶剤等の除去を行うため、
本発明者らによって膨張黒鉛を使用する方法(特願平2
−127177号)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】処理材自体が海中に浮
遊したり海底に沈下して動植物その他の環境に悪影響を
及ぼすという被害の発生を防ぎ、かつ効率的に油の回収
処理や一般の排水中の油あるいは有機塩素系溶剤の除去
を行うため本発明者らによって提案された膨張黒鉛を使
用する方法(特願平2−127177号)は、膨張黒鉛
が重油、潤滑油等を極めて良く吸収して、自重の50倍
にも達するものであり、更にこの膨張黒鉛が油を吸収し
た後、塊状に凝集するため非常に回収し易くなるもので
あった。しかしながら膨張黒鉛が油吸着剤として優れた
効果を発揮するにもかかわらず、それ自体、嵩高できわ
めて軽い粉体であるため取り扱いが困難となる場合があ
った。
【0006】一方、この膨張黒鉛は圧縮成形により容易
に0.8〜1.4g/cc程度の密度を有するシート状に
なることが知られているが、このようなシートでは空隙
構造が破壊されるため、油を吸収する能力の大半が失わ
れてしまうことになる。本発明の課題は、油等の吸着材
として利用できる、主として膨張黒鉛から成る油吸着材
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者は、黒鉛を酸処理して製造される酸処理黒鉛
を急熱して得た、嵩密度が通常0.004〜0.006
g/ccである膨張黒鉛を密度が0.01〜0.03g/
ccまで圧縮し、同時に所望の形状に成形した後、バイン
ダーで処理することにより使用しやすい形状の油吸着材
が得られることを見い出し、本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、熱膨張性黒鉛を加熱
膨張させて得られる膨張黒鉛を、密度が0.01〜0.
03g/ccとなるように加圧成形した後、バインダーで
処理することを特徴とする油吸着材の製造方法を要旨と
する。以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明に
おける熱膨張性黒鉛は、広義には種々の方法でつくら
れ、多様な組成物をあげることができ、膨張性が高く膨
張後に嵩高の膨張黒鉛を形成するものであればその何れ
でも良いが、天然黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛など
の黒鉛を、濃厚な硫酸と強い酸化剤との混合物で処理し
た後、水洗し、乾燥して得られるものが工業的に利用さ
れており、本発明でもこのものが有利に使用できる。
【0009】この熱膨張性黒鉛は、約500℃以上に急
激に加熱することによりC軸方向に数10〜数100倍
に膨張する性質を有するものであり、本発明で使用され
るものは、原料黒鉛、製造方法に特別な制限はないもの
の、その特性として、1000℃で10秒間、急激に加
熱するときの膨張度が160〜250g/cc程度である
ことが望ましく、膨張後の嵩密度は通常0.004〜
0.006g/cc程度である。このような熱膨張性黒鉛
は、例えば、98%濃硫酸と60%過酸化水素水の混合
物中におよそ20〜150メッシュに粉砕された黒鉛
を、45℃以下で10分〜30分接触させ、水洗、乾燥
を行うことにより製造することができる。
【0010】本発明で使用される嵩高い膨張黒鉛は、黒
鉛の層状結晶がC軸方向に膨張して、広がった黒鉛結晶
の空隙はきわめて大きく、液状物質の多くのものを吸収
することができる。また、その吸収能は(吸収後重量)
/(吸収前重量)を以て表現すると、例えばC重油の場
合およそ50〜80であり、四塩化炭素の場合およそ7
0〜100程度の値となる。
【0011】本発明は、嵩密度が通常0.004〜0.
006g/cc程度の膨張黒鉛を密度が0.01〜0.0
3g/ccとなるように圧縮成形する第1工程と圧縮成形
物をバインダーを含む溶液で処理し、黒鉛をバインダー
で結合する第2工程より構成される。第1工程における
圧縮工程の実施態様としては、所望の形状の金型に膨張
黒鉛を充填し、所望の密度まで静かに圧縮する方法と、
所望の密度でかつ所望の大きさの板状になるように所定
の圧縮成形を行い、その後所望の形状に打ち抜くか、裁
断する方法等を挙げることができる。
【0012】第1工程で圧縮成形された成形物の密度が
0.01g/ccより小さい場合は成形物の強度が不足
し、第2工程におけるバインダー処理の際型くずれを起
こすばかりでなく、バインダーの使用量が多くなり、そ
の結果バインダーで空隙を埋めてしまうため良好な吸油
特性を示さない。また、成形物の密度が0.03g/cc
より大きい場合は膨張して大きく開いた空隙が圧縮によ
って閉塞するため、成形物の強度は上昇するものの良好
な吸油特性を示さない。
【0013】第2工程におけるバインダーで処理させる
工程の実施態様としては、バインダーを溶媒に溶解また
は分散させておき、このバインダー液に第1工程で得ら
れる圧縮成形物を浸漬し、ついでバインダー液から離脱
させ、必要であれば加熱し、溶媒を除去する方法と、第
1工程で得られる圧縮成形物に直接バインダー液をスプ
レーなどの方法により吹き付けて圧縮成形物が十分バイ
ンダー液で濡れるようにし、ついで必要であれば加熱
し、溶媒を除去する方法を挙げることができる。
【0014】本発明で使用されるバインダーとしては、
黒鉛に対する結合力を有し、製膜性のあるものなら何れ
のものでもよいが、塗料用の皮膜成分として使用される
樹脂類が有利である。具体的には、塩化ビニル樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、アクリル樹脂、アクリル共重合樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アミノ樹脂、フェ
ノール樹脂、繊維素誘導体を挙げることができる。
【0015】これらの樹脂類は溶媒に溶解または分散
し、通常1〜10%の固形分濃度に調整して用いられる
が、溶媒は樹脂の種類によりその溶解性に応じて、ま
た、溶媒の回収、乾燥性等を考慮して適宜選択されるこ
とが望ましい。その際、溶媒は単一溶媒であっても混合
溶媒であってもよい。なお、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂等のようにバインダー
で成膜する際に化学反応を伴ってもよく、その場合必要
であれば乾燥時に必要な熱の供給を行うことができる。
【0016】本発明によって製造される油吸着材は、炭
化水素、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、
有機酸、芳香族化合物、ハロゲン化物等大部分の有機化
合物と直接接触させることによって極めて速やかに効率
良く吸収できる。常温で液体のものには特に有利に適用
できるが、常温で固体のものに対しては加熱等により融
点以上の温度で流動状態を保持すれば吸収が可能であ
る。
【0017】また、これらの有機化合物のうち、疎水性
の大きなものが、水中に分散していたりあるいは少量溶
解している場合、バインダー成分を疎水性の大きなもの
で製造した吸着材で選択的に吸着することができる。一
方、臭素、硫黄、リン、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸、弗
酸、アンモニア水等の無機化合物とその水溶液及び重ク
ロム酸カリ、過マンガン酸カリ、等の無機塩類の水溶
液、あるいは銅、亜鉛、鉄、鉛、水銀、カドミウム等の
有害金属イオン、弗素、砒素、シアン、弗素の有害無機
イオンを含む水溶液等についても、直接接触させること
によって効率的に吸収することができる。
【0018】本発明によって製造される油吸着材は、た
とえば原油、重油、灯油等の液体化石燃料、機械油等の
潤滑油あるいはその廃油、塗料・シンナー類あるいはそ
の廃油、食用油等の動植物油あるいはその廃油及びトリ
クロロエタン、トリクレン、パークレン、四塩化炭素等
の有機ハロゲン化合物等の吸着に適用しうる。また、本
発明によって製造される油吸着材の代表的な使用例とし
ては、海水に浮遊している重油、原油等を吸収除去する
例を挙げることができる。
【0019】この場合、本発明によって製造される油吸
着材は油を吸着する前はもとより吸着した後も水中に沈
むことなく容易に回収が行われる。
【0020】
【発明の効果】本発明によって製造される油吸着材によ
って、特に原油流出事故における回収処理や一般の排水
中の油あるいは有機塩素系溶剤の除去等が有効に行われ
る。本発明によって製造される油吸着材は油を吸収して
もなお海中あるいは水中では浮上するので、処理を完璧
に行いやすい。また、本発明によって製造される油吸着
材は主として黒鉛で構成されるものであって、本発明に
よって製造される油吸着材で処理した後、一部のものが
海中あるいは水中に投棄されても安全性の高いものであ
る。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。 実施例1〜4及び比較例1〜2 熱膨張性黒鉛として、固定炭素分90%、灰分8%であ
るカナダ産出の天然鱗片状黒鉛(粒度;36メッシュ〜
80メッシュ)を酸処理し、水洗、乾燥されたものを使
用した。この熱膨張性黒鉛を電気炉で予め1000℃に
保持された石英ビーカー中に投入し10秒間加熱して嵩
密度0.005g/ccの膨張黒鉛を得た。
【0022】この膨張黒鉛を70mm×120mmの大きさ
の角形容器に移し、軽く圧縮して板状に成形した。この
ものの嵩密度は表1に示す。この板状の成形物を目開き
がおよそ15mmの調理用金網上に置き、上部からスプレ
ーにより、板状の成形物全体がバインダー液で濡れるま
でバインダー液を吹きかけ、ついで風乾した後、約50
℃の乾燥器中で重量変化が無くなるまで乾燥させた。
【0023】バインダー液は、重合度1500のポリ塩
化ビニル(PVC)を、テトラヒドロフラン(TH
F),メチルエチルケトン(MEK),酢酸エチルから
なる混合溶媒に溶解し、表1に示す固形分濃度に調製し
た。乾燥物は、バインダー処理により、僅かに収縮する
傾向があるものの、形状、寸法に大きな変化は認められ
なかった。このものの嵩密度は表1に示す。
【0024】乾燥物は30mm×30mmの大きさに裁断し
て吸油試験を行った。吸油試験としては「吸油量」、
「吸水量」、「吸油の速さ」を測定したが、測定方法は
次の通りである。尚、試験片の厚さは表1に示す。
【0025】吸油量の測定 30mm×30mmの大きさに裁断された試験片を20±1
℃のC重油の油面に浮かべ、5分間静置した後、これを
目開きがおよそ15mmの調理用金網上に5分間放置し、
試験片の重量を測定する。結果は試験前の試験片重量1
g及び容積1cc当りの吸油量として算出する。
【0026】吸水量の測定 30mm×30mmの大きさに裁断された試験片を20±1
℃の水道水の水面に浮かべ、5分間静置した後、これを
目開きがおよそ15mmの調理用金網上に5分間放置し、
試験片の重量を測定する。結果は試験前の試験片重量1
g及び容積1cc当りの吸水量として算出する。
【0027】吸油の速さ 上記の吸油量を測定する際、試験片が油面に浮かべてか
ら、油が試験片の上面に到達し、油による濡れの状態が
視認されるまでの時間を測定する。結果は試験片の厚さ
を10mmとしたときの値として算出する。
【0028】吸油試験の結果はまとめて表1に示すが、
実施例の何れの油吸着剤も優れた吸油性を示す一方吸水
性はほとんどなく水が付着する程度であった。また吸油
の速さはきわめて速いものであった。なお、比較例2
は、圧縮成形物の強度が不足し、一部が崩れてしまい、
そのものに引続きバインダー処理を実施したが更に崩壊
が進んでしまい、所定の吸油試験が出来なかった。
【0029】
【表1】
【0030】※圧縮成形物の強度が不足し、一部が崩れ
た。またバインダー液をスプレーし、乾燥した時更に崩
壊が進んでおり、所定の吸油試験が出来なかった。
【0031】実施例5 ポリイソシアネート(NCO:44.8%)、ポリオー
ル(OHV:35)、ジブチル錫ジラウレートおよび溶
剤としての1,1,1−トリクロルエタンから成るポリ
ウレタン(PU)を形成するバインダー液を用いた他は
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 V 9049−4H 3/32 8318−4H E02B 15/10 B 6654−2D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱膨張性黒鉛を加熱膨張させて得られる
    膨張黒鉛を、密度が0.01〜0.03g/ccとなるよ
    うに加圧成形した後、バインダーで処理することを特徴
    とする油吸着材の製造方法。
JP3258029A 1991-10-04 1991-10-04 油吸着材の製造方法 Pending JPH0596157A (ja)

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