JPH0591873A - ユーカリ属植物における形質転換体プロトプラストを使用した細胞融合培養方法 - Google Patents

ユーカリ属植物における形質転換体プロトプラストを使用した細胞融合培養方法

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JPH0591873A
JPH0591873A JP3280334A JP28033491A JPH0591873A JP H0591873 A JPH0591873 A JP H0591873A JP 3280334 A JP3280334 A JP 3280334A JP 28033491 A JP28033491 A JP 28033491A JP H0591873 A JPH0591873 A JP H0591873A
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eucalyptus
protoplast
protoplasts
plant
cell fusion
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JP3280334A
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Yoshiyasu Tatemichi
良泰 立道
Keigo Doi
敬悟 土肥
Kazuya Ito
一弥 伊藤
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユーカリ属植物における形質転換体プロトプ
ラストを使用した細胞融合によって得られたコロニーか
ら、倍数性候補コロニーを効率的に選抜する培養方法を
提供することを目的とする。 【構成】 形質転換された Eucalyptus saligna (ユー
カリ属植物の一種)の苗条原基及び形質転換してない E
ucalyptus camaldulensis の苗条原基から誘導したプロ
トプラストを融合処理し、得られた融合細胞をケナフの
カルスから誘導されたプロトプラストと混合し、ホルモ
ン類などを添加したガンボーグのB5培地に加えシャー
レにプレートした。27℃で42日間培養した後 Genet
icinを加えた変性したガンボーグB5の培地に移し、暗
条件で20日間培養することによりGeneticin耐性の倍
数性候補コロニーを選抜した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユーカリ属植物におけ
る形質転換体プロトプラストを使用した細胞融合方法に
関し、更に詳しくは融合する2種類のユーカリ属植物の
プロトプラストのうち、その一方に形質転換体プロトプ
ラストを使用し、細胞融合によって得られたコロニーか
ら倍数体候補コロニーを効率よく選抜する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】細胞融合により得られた倍数性細胞の選
抜にはさまざまな手法が使用されているが、一般的な方
法としては不活性化剤の利用があげられる。
【0003】ヨードアセトアミドなどの不活性化剤で処
理されたプロトプラストは、分裂能を失い融合したハイ
ブリッド細胞のみが分裂することになる。
【0004】この方法はイネ、ブラシカ、ニンジンなど
草本類で使われているが、ユーカリなどの木本性植物の
細胞融合については、その基礎となるプロトプラストの
培養が困難である場合が多く、カンキツ類(小林、大河
原1990、植物細胞工学、2巻 第45〜49頁)以
外その体細胞雑種の報告例はほとんどなく、この場合は
不活性化剤は使用されてない。
【0005】本発明者らはすでにユーカリ属植物をはじ
めとする木本性植物のプロトプラストの培養方法につい
て提案した(特開昭64−43138号公報、特開平2
−129631号公報)。
【0006】これらの方法によれば、再生を目的とする
ユーカリ属植物などの木本性植物のプロトプラストを分
裂、増殖の旺盛な草本性植物のプロトプラスト特にケナ
フのプロトプラストと共存させて培養し、コロニーある
いはカルスを得た後、回転培養器に移して苗条原基を作
出し、さらに、植物体を再生させることが可能となっ
た。
【0007】細胞融合によって得られる倍数性細胞の培
養については、特願平3−63692号明細書で提案し
た方法、すなわち、細胞融合したプロトプラストの分
裂、コロニー形成が困難な木本性植物について細胞融合
したのち、分裂、増殖の旺盛な草本性植物のプロトプラ
ストと共存下で培養することにより、目的とする分裂、
増殖能を有する倍数性細胞の培養が可能となった。しか
し、細胞融合で得られる倍数性細胞の効率的な選抜方法
については全く知見が得られていなかった。そこで体細
胞雑種作出の基礎となる倍数性細胞の選抜の簡素化につ
いて鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ユーカリ属植物の形質
転換体プロトプラストを使用した細胞融合によって得ら
れたコロニーの中から、倍数性コロニーを効率的に選抜
する培養方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、融合すべき二
種類のユーカリ属植物のうち、少なくとも一方に形質転
換体プロトプラストを使用し、細胞融合し、次いで分裂
増殖の旺盛な草本性植物のプロトプラストと共存培養す
ることによって得られたコロニーを抗生物質を含む培地
で培養することにより、倍数体候補コロニーを選抜する
ユーカリ属植物の細胞融合培養方法である。
【0010】なお、本発明に用いるプロトプラストを単
離するために使用する苗条原基、及び苗条、カルスの作
出方法、プロトプラストの単離・調整方法は本発明者等
が提案した特開昭63−301784号公報、特開平2
−128631号公報に記載されている方法に従って行
えばよい。
【0011】本発明に用いる形質転換体苗条原基の作出
方法等については本発明者等が提案した特開平2−13
8966号公報の方法に従って行えばよい。
【0012】以下、ユーカリ属植物の形質転換されたプ
ロトプラストとの細胞融合方法、融合処理後に得られる
倍数性細胞のプロトプラストの培養方法および選抜方法
等について詳しく説明する。
【0013】(形質転換されたユーカリプロトプラスト
との細胞融合方法)2種類のユーカリプロトプラストを
単離・調整したのち、一般的に用いられている細胞融合
方法、例えばPEG法、電気刺激法などにより融合処理
を行う。これによって倍数性プロトプラストが得られ
る。
【0014】(倍数性プロトプラストの培養方法および
選抜方法)融合・調整して得られた目的とするユーカリ
属植物のプロトプラスト(倍数性細胞)とこれと共存し
て培養する草本性植物のプロトプラストを各々104
いし105 コ/mlの濃度に調整する。次に、両プロト
プラストを1:3〜3:1の割合で混合して、例えばガ
ンボーグのB5培地、ムラシゲ・スクーグのMS培地等
をプロトプラストの性質に応じて選択して植物ホルモン
類、例えばナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロ
ロフェノキシ酢酸(2,4−D)、インドール酢酸(I
AA)等のオーキシン類およびベンジルアデニン(B
A)、1−(2−クロロ−4−ピリジル)−3−フェニ
ルウレア(4PU)、カイネチン、ゼアチン、チジアズ
ロン等のサイトカイニン類を添加した液体培地あるいは
培地固化剤であるGellam Gumを添加した培地で培養す
る。
【0015】プレートしたプロトプラストの培養初期
は、暗条件で培養するのが好適であり、培養期間中の温
度としては、20℃ないし30℃が好ましいが、特に2
5℃ないし28℃の間が好ましい。
【0016】培養後30〜50日後に例えば、Genetici
n (G418)5〜30μg/ml、カナマイシン10
0〜1000μg/ml、ハイグロマイシン100〜5
00μg/ml等の抗生物質を添加し、選抜期間10〜
30日間で目的とする抗生物質耐性の倍数性のコロニー
のみが得られる。
【0017】以下、実施例によって本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0018】
【実施例】
実施例1供試植物 細胞融合に供するプロトプラストを単離する材料とし
て、倍数性細胞を選抜するマーカーを有する特開平2−
138966号公報記載の方法で形質転換したユーカリ
属植物( Eucalyptus saligna 以下 E.salignaと記す)
から作出した苗条原基及びマーカーを有しない E.salig
na非形質転換苗条原基を用いた。さらに、これと共存さ
せて培養する草本性植物のプロトプラストとしてケナフ
( Hibisc-us cannabinus ) のカルス由来のものを使用
した。
【0019】(プロトプラストの単離・調整方法)形質
転換された E.salignaの苗条原基より作出されたカル
ス、形質転換されていない E.salignaの苗条原基より作
出されたカルスおよびケナフから作出されたカルス各々
1gに対して、20mlの酵素液(1%セルラーゼオノ
ズカRS、0.05%ペクトリアーゼY−23.1%ポ
リビニルピロリドン(PVP)、13%マニトール、p
H5.6)を加えて27℃の温度、振盪回数30rpm
で16時間の酵素処理を行ない3種のプロトプラストを
別々に単離した。
【0020】得られたプロトプラストの懸濁液をナイロ
ンメッシュでろ過して未消化の細胞塊等を除き、さらに
750rpmで3分間の遠心分離処理をして酵素液とプ
ロトプラストを分離し、13%マニトールで2回洗浄し
た後、2種類のE.salignaのプロトプラストをそれぞれ
106 コ/mlの濃度に調整し、融合に供試した。な
お、ケナフのプロトプラストは5×104 コ/mlの濃
度に調整し、共存培養に供試した。
【0021】(プロトプラストの融合と培養方法および
選抜方法)上記の方法により調整した2種類の E.salig
naのプロトプラストを分子量1,540〜6,000の
40%ポリエチレングリコール液(PEG)で融合処理
を行った。その後、0.5Mマニトール、50mM C
aCl2 2H2 O液(洗い液)でプロトプラストを洗浄
することにより細胞融合したプロトプラストが得られ
た。なお、この融合処理は、電気パルスによっても行う
ことができる。
【0022】次に、融合した E.salignaのプロトプラス
トを5×104 コ/mlの濃度に調整し、これにケナフ
のプロトプラストを3:1(ユーカリ3:ケナフ1)の
割合で混合する。
【0023】これを表−1に示したガンボーグのB5培
地にNAA 5mg/ml、BA0.5mg/ml、シ
ョ糖1%、マニトール9%を加えた液体培地、あるいは
Gelrite 0.05%を含む培地2mlに懸濁して直径6
cmのシャーレにプレートした。
【0024】培養後約30日目にマニトールの濃度を6
%に下げた上記と同様のホルモン濃度の液体培地を添加
した。
【0025】さらに、27℃の温度の暗条件で42日間
培養した後、表−1に示すガンボーグのB5培地に0.
02mg/mlのNAA、0.5mg/mlの4PU、
1%のショ糖、3%のマニトール、10μg/mlのG
418を加えた液体選抜培地に移し、暗条件で20日間
培養することによりG418耐性の倍数性コロニーが選
抜される。なお、選抜効率の結果を表2に示した。表に
示した結果からわかるように倍数性コロニーの候補の割
合は、細胞融合処理後に得られた全コロニーに対して約
12%となり、倍数性細胞選抜の過程を簡素化できるこ
とが明らかとなった。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2供試植物 細胞融合に供試するプロトプラストを単離する材料とし
て、倍数性細胞を選抜するマーカーを有する Eucalyptu
s saligna の形質転換苗条原基及びマーカーを有しない
非形質転換苗条原基( Eucalyptus camaldulensis ) を
用いた。さらに、これと共存させて培養する草本性植物
のプロトプラストとしてケナフ( Hibi-scus cannabinu
s ) のカルス由来のものを使用した。
【0028】実施例−1と同様の方法によりプロトプラ
スト単離、融合処理を行いG418を含む液体培地で選
抜することによりG418耐性のコロニーを選抜した。
なお、選抜効率の結果を表2に示した。表2に示した結
果からわかるように倍数性コロニーの割合は、細胞融合
処理後に得られた全コロニーに対して5%となり、倍数
性細胞選抜の過程を簡素化できることか明らかになっ
た。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上説明したようにこれまでのユーカリ
の細胞融合は、選抜マーカーを持たないプロトプラスト
同士の細胞融合であったために細胞融合処理後に得られ
るコロニー数が多く、目的である細胞の選抜が困難であ
った。しかし、細胞融合すべき一方に形質転換されたユ
ーカリのプロトプラストを用いることより効率的に目的
である細胞を選抜することが可能となり、植物の新品種
創成に極めて有力な方法を提供する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A01H 4/00 8502−2B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融合する2種類のユーカリ属植物プロト
    プラストのうち、少なくとも一方に形質転換体プロトプ
    ラストを使用して細胞融合し、次いで分裂増殖の旺盛な
    草本性植物のプロトプラストと共存培養することによっ
    て得られたコロニーを抗生物質を含む培地で培養するこ
    とにより、倍数体候補コロニーを選抜することを特徴と
    するユーカリ属植物の細胞融合培養方法。
JP3280334A 1991-10-02 1991-10-02 ユーカリ属植物における形質転換体プロトプラストを使用した細胞融合培養方法 Pending JPH0591873A (ja)

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JP3280334A JPH0591873A (ja) 1991-10-02 1991-10-02 ユーカリ属植物における形質転換体プロトプラストを使用した細胞融合培養方法

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JPH0591873A true JPH0591873A (ja) 1993-04-16

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG89425A1 (en) * 2000-10-11 2002-06-18 Niwa Kozo Man-planted forest, method of planting trees and method of growing plants

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG89425A1 (en) * 2000-10-11 2002-06-18 Niwa Kozo Man-planted forest, method of planting trees and method of growing plants
AT411517B (de) * 2000-10-11 2004-02-25 Niwa Kozo Verfahren zum pflanzen von bäumen und verfahren zum ziehen von pflanzen

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