JPH0591841A - 冷菓製造装置の分配装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２種類のクリームが均一に混じって抽出さ
れ、均一の色の層、良好な風味を持つアイスクリーム等
を提供する。 【構成】 別種のクリームを製造する一対の冷却シリン
ダ１，２と、各シリンダよりのクリームをミックスした
冷菓を注出する中央プランジャ１７を備え、各シリンダ
内の撹拌器５，６の撹拌羽根３，４の回転方向及び螺旋
状の撹拌羽根の螺旋の向きを互いに逆にして、シリンダ
からのクリームを均一な勢いで押し出す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ソフトアイスクリーム
等の冷菓を抽出販売する冷蔵製造装置に関し、特に異な
る複数の冷菓ベースを混合した混合冷菓の提供に好適な
冷菓製造装置の分配装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開昭４７−１６６８１号公報には、異
なる冷菓（例えばバニラとチョコレートのソフトアイス
クリーム）を製造する２つの冷却シリンダと、それぞれ
の冷却シリンダの前端に装備されてそれぞれの冷菓を抽
出するためのプランジャと２つの冷却シリンダの間に置
かれて、各冷却シリンダと連通する連通路を介して両方
のクリームを導入して冷菓の混合室から混合冷菓を抽出
する中央プランジャーを有する冷菓製造装置が開示され
ている。

【０００３】ここで、図４に示すように２つの冷却シリ
ンダ１，２の中には、螺旋状の撹拌羽根３，４を有する
ミックスの撹拌器５，６が設けられ、この撹拌器５、６
が回転して、クリームの製造およびその押し出しを行っ
ている。ミックスの撹拌器５，６は、それぞれモーター
７，８と連結され、回転駆動される。一点鎖線で示す
９，１０はミックスの撹拌器５，６の回転軸線を示す。
また１１は冷却シリンダ１内のクリーム取り出しに対応
する注出穴で、フリーザー蓋１２に取り付けたプランジ
ャ１３が上下方向に案内摺動操作されると、同クリーム
が取り出される。同様に１５は冷却シリンダ２例のクリ
ーム取り出し用の注出穴で、プランジャ１６の上下作動
で抽出される。そして、中央のプランジャ１７を上下作
動すると左右の連通路１８，１９を介して、左右冷却シ
リンダ１，２内のクリームが注出されて両クリームが混
じり合い取出される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この両クリームがミッ
クスして取り出される場合に、ミックスの撹拌器５，６
の撹拌羽根３，４の螺旋方向が同じでありまた回転方向
が同じとなっている。従って、仮りにミックスの撹拌器
５，６が双方とも右回りの回転方向とすると、左の撹拌
羽根３によって左の冷却シリンダ１内のクリームは連通
路１８へスムーズに押し出されるが、右の冷却シリンダ
２では、撹拌羽根４によるクリームの押し出し方向と、
連通路１９の延びる方向とが逆なのでクリームの押し出
しが弱い。

【０００５】従って、冷却シリンダ１のクリームの方が
余計に混じり合い、クリームの色の層が均一にできなく
なる欠点がある。本発明は上記の点に鑑み成されたもの
で、両者のクリームが均等に押し出され、色の層が均一
に混じり、味、及び見た目にも客に十分満足を与えるこ
とのできる冷菓製造装置の分配装置を提供するものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は異なる冷菓を製
造する左右一対の冷却シリンダと、この各冷却シリンダ
内に設けられ螺旋状の撹拌羽根を有して回転する撹拌器
と、この各撹拌器を回転駆動するモータと、各冷却シリ
ンダの前方部に装備されている冷菓抽出用の各プランジ
ャと、２つの冷却シリンダの間に配備され、双方の冷却
シリンダよりの冷菓を左右の連通口より各々導入して混
合抽出する中央のプランジャとを備え、左右の撹拌器の
撹拌羽根の螺旋方向およびその回転方向とを互いに逆に
したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】中央のプランジャを作動し、左右の冷却シリン
ダの異なるミックスを混合抽出する時、撹拌羽根の螺旋
方向が逆で、回転方向も逆になっている撹拌器により、
各冷却シリンダ内から押し出されるクリームは、その押
し出し方向と左右から中央のプランジャに集まる方向に
延びている左右の連通路の方向とが一致することで、両
者のクリームは連通路と同じ押し出され方をし、均等に
混合する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、従来と同一若しくは同等の構成部は同一番
号で示す。

【０００９】２０は冷菓製造装置の本体、２１はミック
スを貯溜するミックス容器にして、蛇行状に配設した冷
却パイプ２２にて冷却されている。１は冷却シリンダ
で、その外周胴には、冷却パイプ２４が巻回装着され、
ミックス供給管２５より供給された前記ミックス容器２
０からのミックスを冷却している。又、同時に内部に設
けた撹拌器５の回転作用にて、適度の粘性を与えられて
いる。撹拌器５はモータ７の回転力がプーリー２５、位
置ベルト２６、プーリー２７、縦片２８、連結軸２９を
介して連結され、回転される。ミックス容器２０、冷却
シリンダ１は共に断熱壁材３０で取り囲まれている。そ
して、プランジャ１３をその操作レバー１３ａを操作し
上動すると、注出穴１３を介して、クリームが抽出す
る。

【００１０】撹拌器５の構造は図２に示す通りである。
連結棒軸３２で結合されている両端の円板体３３，３３
はその周囲に刃３４を形成され、冷却シリンダ１の内面
に凍り付くクリーム層を削り取る。そして、この円板体
３３，３３間に、同様に刃３Ａを有する撹拌羽根３が取
り付けられている。更に、両端の突出軸３５，３５を前
記円板板３３，３３側の取付穴３６，３６に嵌め込んで
装着固定される板状削刃３７を有すると共に、前記連結
棒軸３２の中央に掻き取り刃３８が装着されている。

【００１１】そして、同様の構造をした撹拌器６が冷却
シリンダ２内に設けられている。

【００１２】次に、本発明の要旨を示す図３に付き説明
する。左の冷却シリンダ１内に設けられる撹拌器５の撹
拌羽根３と右の冷却シリンダ２内に設けられる撹拌器６
の撹拌羽根４とは、その螺旋方向とが全く逆となってい
る。その上、撹拌羽根３は右方向の回転であり、逆に撹
拌羽根４は左方向の回転とされている。

【００１３】これにより、右方向に回転する撹拌羽根３
により冷却シリンダ１内のクリームは右方向に出口を向
いている連通路１８にスムーズに押し出され、一方、左
方向に回転する撹拌羽根４により、冷却シリンダ２内の
クリームは、左方向に出口を向いている連通路１９にス
ムーズに押し出され、左右の連通路１８，１９をクリー
ムは均等の圧力で押し出されて行く。

【００１４】これにより、プランジャ１７を上動した
時、両クリームは均等に混じり合い、味も片寄らないそ
して、色の層も均一となって、抽出され客の満足するソ
フトクリームとなる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、左右の
撹拌器の撹拌羽根の螺旋方向を互いに逆にし、同時にそ
の回転方向を逆にすることによって、左右の冷却シリン
ダの異なるミックスを同時に注出して混じり合わせる
時、そのミックスは均等に押し出されて行くので、両者
の色がバランス良く混じり合う。

【００１６】こうして、均一の味また均一の色の層のソ
フトアイスクリームが提供できると共に、装置的にも大
きな改良を要さないものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】冷菓製造装置の概略的な要部縦断側面図

【図２】撹拌器の構成分解斜視図

【図３】回転方向、及び撹拌羽根の螺旋方向を互いに逆
にした撹拌器を備える本発明冷菓製造装置の要部平面構
造図

【図４】回転方向及び撹拌羽根の螺旋方向の同じ撹拌器
を備える従来の冷菓製造装置の要部平面構成図

【符号の説明】

１，２ 冷却シリンダ ２，３ 撹拌羽根 ４，５ 撹拌器 ７，８ モータ １７ 中央のプランジャ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 異なる冷菓を製造する左右一対の冷却シ
   リンダと、この各冷却シリンダ内に設けられ螺旋状の撹
   拌羽根を有して回転する撹拌器と、この各撹拌器を回転
   駆動するモータと、各冷却シリンダの前方部に装備され
   ている冷菓抽出用の各プランジャと、２つの冷却シリン
   ダの間に配備され、双方の冷却シリンダよりの冷菓を左
   右の連通口より各々導入して混合抽出する中央のプラン
   ジャとを備え、左右の撹拌器の撹拌羽根の螺旋方向およ
   びその回転方向とを互いに逆にしたことを特徴とする冷
   菓製造装置の分配装置。