JPH0591214U - 植付機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は芋類の植付機に関し、排出シュート
に送られる種芋等の量を増加させる場合であっても、こ
の種芋等を搬送ベルトに移し替える作業が容易に行え、
しかも排出シュート内などで種芋等が詰まることを防止
する。 【構成】 搬送ベルト３２の長手方向に延びる少なくと
も１つの縦仕切板３６を設け、搬送ベルト面を搬送ベル
ト３２の長手方向に沿った複数列３７ａ、３７ｂに区画
する。また、縦仕切板３６によって複数列に区画された
搬送ベルト面上に、搬送ベルト３２の短手方向と略平行
に複数の横仕切板３８ａ、３８ｂをそれぞれ互いに所定
間隔ずらして設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、種芋を畑に植え付ける植付機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

畑に溝を掘り、この溝内に芋等の種芋を落下させた後に覆土させて種芋を畑に 植え付ける植付機が従来から知られている。 特公昭６２−３２８８４号公報には、多量の種芋を収容する主芋容器と、この 主芋容器の側方前方側に設けられて主芋容器内に収容された種芋が送られてくる 補助芋容器とを備えた芋植付機が開示されている。この芋植付機を使用する作業 者は、この芋植付機の進行と共に歩きながら補助芋容器内の種芋をこの補助芋容 器の前方に横設されたベルトコンベアの搬送ベルトに移し替え、この移し替えら れた種芋は、搬送ベルトの終端に設けられた排出シュートを通って畑に掘られた 溝に落下するようになっている。

【０００３】 植え付け作業を行っている際に、一度に多量の種芋が排出シュートに入ると、 排出シュート内などで種芋が詰まりその後の植え付け作業が中断されることとな る。種芋を１個ずつ排出シュートに入れて植え付け作業を連続して行うために、 搬送ベルトにはこの搬送ベルトの短手方向に延びた仕切板が所定間隔おいて複数 設けられており、この仕切板で区画された一区画毎に１個の種芋が入れられて、 １個ずつ排出シュートを通って溝に落下するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来の芋植付機を使用して種芋の植え付け速度を向上させるた めには、植付機の進行速度を速くすると共に排出シュートへ送られる種芋の量を 増加させるとよい。しかし、排出シュートへ送られる種芋の量を増加させるため には搬送ベルトの回転速度を上げる必要があり、このため補助芋容器内の種芋を 搬送ベルトの複数の区画に適切に移し替える作業が困難になるという問題がある 。

【０００５】 また、搬送ベルトを複数設けて多量の種芋が次々に排出シュートに搬送される ようにすると、排出シュートを落下する種芋の量は増加するが、上述したように 、一度に多数の種芋が排出シュートを落下するとこの多数の種芋が詰まる場合が あり、その後の植え付け作業が中断するという不都合が生じることとなる。

【０００６】 本考案は、上記事情に鑑み、排出シュートに送られる種芋等の量を増加させる 場合であっても、この種芋等を搬送ベルトに移し替える作業が容易に行え、しか も排出シュートで種芋等が詰まることを防止できる植付機を提供することを目的 とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の植付機は、 ベルトコンベアの搬送ベルト面を搬送される多数の種芋を前記搬送ベルトの終 端に設けられた排出シュートを通して落下させて、前記種芋を畑に順次植え付け る植付機において、 （１）前記搬送ベルトの長手方向に延びた少なくとも１つの縦仕切板を設け、 前記搬送ベルト面を前記搬送ベルトの長手方向に沿った複数列に区画し、 （２）前記縦仕切板によって複数列に区画された前記搬送ベルト面上に、前記 搬送ベルトの短手方向と略平行に複数の横仕切板をそれぞれ互いに所定間隔ずら して設け、 （３）前記縦仕切板と前記横仕切板とで区画された一区画毎に少なくとも１個 ずつ前記種芋を入れることを可能にしたことを特徴とするものである。

【０００８】 上記植付機では、１つの搬送ベルトを縦仕切板によって複数列に区画したが、 複数の搬送ベルトを並列に近接させて並べて、各搬送ベルトの間に縦仕切板を設 けても良い。

【０００９】 また、縦仕切板は、搬送ベルトの面上にこの搬送ベルトと一体になるように設 けても良く、搬送ベルトとは別個に設けても良い。 また、縦仕切板と横仕切板は、一枚の板で製造する必要は必ずしもなく、種芋 が通過できない程度の隙間を有するものであれば良い。 更にまた、縦仕切板と横仕切板は、例えばプラスチックのような可撓性材料で 製造しても良い。

【００１０】

【作用】

種芋が搬送される搬送ベルト面は、縦仕切板によって搬送ベルトの長手方向に 沿って複数列に区画されており、この複数の長い各区画は更に横仕切板によって 短い長さに区画されているので、搬送ベルトの単位長さ当りに種芋を入れられる 量が増加する。このため、搬送ベルトの回転速度を速くしなくても排出シュート に送る種芋の量を増加させることができるので、種芋を搬送ベルトに移し替える 作業が容易に行える。

【００１１】 しかも、この横仕切板はそれぞれ互いに所定間隔ずらして設けられているので 、縦仕切板と横仕切板とで区画された各区画が同時に排出シュートに到達するこ とはない。従って、各区画に１個ずつ種芋が入れられると、種芋は１個ずつ排出 シュートに到達して、１個ずつ排出シュートを通って落下するので、途中で多数 の種芋が詰って植付機作業が中断されることはない。

【００１２】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の実施例について説明する。 図１は本考案の一実施例に係る植付機を使用して種芋を植え付けている過程を 示す平面図、図２は図１に示す植付機の正面図、図３は図１に示す植付機の一部 拡大図、図４は図１に示す植付機の搬送ベルトを斜め上方から見た斜視図、図５ はベルトコンベアを示す一部断面側面図である。

【００１３】 本実施例に係る植付機１０は、機体１２と図示しない原動機とを備えて構成さ れており、この機体１２が本機１４によって牽引されるために、機体１２と本機 １４とは回転自在連結金具１６で連結されている。本機１４は周知の牽引装置を 使用しているのでその説明は省略する。

【００１４】 機体１２には、本機１４の進行に伴って回転して機体１２を進行させる車輪１ ８と、この車輪１８の進行と共に進んで畑に溝を掘る排土板２０と、この掘られ た溝に植え付けられた種芋に土を覆う覆土板２２と、この覆土板２２の取付アー ム２４とが備えられており（図２参照）、更に、機体１２の中央上部には多量の 種芋を収容する主芋容器２６と、この主芋容器２６の側方前方側に設けられて、 主芋容器２６内に収容された種芋が送られてくる補助芋容器２８とが備えられて いる（図１参照）。また、機体１２の前方上部には横方向に突出してベルトコン ベア３０が設けられており、このベルトコンベア３０の搬送ベルト３２の終端に は排出シュート３４が設けられている。搬送ベルト３２は車輪１８の回転力をチ ェーン・スプロケット・ベベル等（図示せず）で伝達された駆動力で動かされる 。

【００１５】 搬送ベルト３２の長手方向に沿った中央部には一枚の縦仕切板３６が搬送ベル ト面に近接して設けられており、この縦仕切板３６によって搬送ベルト面は長手 方向に沿って２列３７ａ、３７ｂに区画されている。さらに列３７ａには複数の 横仕切板３８ａが搬送ベルト３２の短手方向に所定間隔おいて設けられており、 列３７ｂにも同様に複数の横仕切板３８ｂが所定間隔おいて設けられている。

【００１６】 このように搬送ベルト面は、縦仕切板３６によって搬送ベルト３２の長手方向 に沿って２列３７ａ、３７ｂに区画されると共に、この２列３７ａ、３７ｂの長 い区画は更に、横仕切板３８ａ、３８ｂによって短い長さに区画されているので 、搬送ベルト３２の単位長さ当りに種芋を入れられる量が増加する。例えば図４ に示すように、１列のときは６個の種芋しか搬送させることができないが、縦仕 切板３６によって２列にすると２倍の１２個の種芋を搬送させることができる。 このため、搬送ベルト３２の回転速度を速くしなくても排出シュート３４に送る 種芋の量を増加させることができるので、種芋を搬送ベルト３４に移し替える作 業が容易に行えることとなる。

【００１７】 さらに、複数の横仕切板３８ａと横仕切板３８ｂとはそれぞれ互いに所定間隔 ずらして配置されているので、一つの横仕切板３８ａと横仕切板３８ｂとは、交 互に搬送ベルト３２の終端に到達する。従って、縦仕切板３６と横仕切板３８ａ 、３８ｂとで区画された複数の区画毎に種芋Ａを１個ずつ入れると、これらの種 芋Ａは順々に搬送ベルト３２の終端に搬送されて１個ずつ排出シュート３４内を 落下するので、排出シュート３４内で複数の種芋Ａが詰まることはない。 次に、本実施例に係る植付機１０を使用して種芋Ａを植え付ける工程について 説明する。

【００１８】 図１に示すように、この植付機１０は二人の作業者Ｂ、Ｃによって操作され、 作業者Ｂは本機１４を操作して機体１２を牽引させる。作業者Ｃは補助芋容器２ ８の後端に位置して種芋Ａを補助芋容器２８から搬送ベルト３２の一区画に１個 の種芋が入るように移し替え、形の悪い種芋や不良の種芋はこの移し替えの際に 搬送ベルトに乗せずに別の箱に入れる。補助芋容器２８の種芋が不足したときは 、主芋容器２６から補助芋容器２８に種芋を移動させる。搬送ベルト３２に移し 替えられた種芋は、搬送ベルト３２の終端から排出シュート３４に落下し、排土 板２０で掘られた畑の溝内に落下して覆土板２２で覆土されて植え付けられる。

【００１９】 種芋の植え付け作業を行う場合、植え付け速度を向上させるときは、一般には 植付機の進行速度を速くすると共に搬送ベルトの回転速度を速くして排出シュー トへ送られる種芋の量を増加させる。しかし本実施例の植付機１０では、上述し たように搬送ベルト３２の単位長さ当りに種芋が入る量が増加するので、搬送ベ ルト３２の回転速度を速くしなくても排出シュート３４へ送られる種芋の量を増 加させることができる。このため、作業者Ｃは種芋の移し替え作業を容易に行う ことができる。さらに、上述したように排出シュート３４内で複数の種芋Ａが詰 まることはないので、植え付け作業が中断されることはない。

【００２０】 尚、本実施例の植付機１０では縦仕切板３６を搬送ベルト３２とは別個のもの として設けたが、搬送ベルトと一体のものとして設けても良い。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の植付機は、搬送ベルトを縦仕切板と千鳥状の横 仕切板とで区画したので、単位長さ当たり多くの種芋を搬送することができて送 り量を高めることができると共に、排出シュートに１個ずつ種芋を送ることがで きる。このため、容易な作業で植え付け作業速度を向上することができ、さらに 中断することなく連続して植え付け作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る植付機を使用して種芋
を植え付けている過程を示す平面図である。

【図２】図１に示す植付機の正面図である。

【図３】図１に示す植付機の一部拡大図である。

【図４】図１に示す植付機の搬送ベルトを斜め上方から
見た斜視図である。

【図５】ベルトコンベアを示す一部断面側面図である。

【符号の説明】

１０ 植付機 ３０ ベルトコンベア ３２ 搬送ベルト ３４ 排出シュート ３６ 縦仕切板 ３８ａ 横仕切板 ３８ｂ 横仕切板 Ａ 種芋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベルトコンベアの搬送ベルト面を搬送さ
   れる多数の種芋を、前記搬送ベルトの終端に設けられた
   排出シュートを通して落下させて、種芋を畑に順次植え
   付ける植付機において、 前記搬送ベルトの長手方向に延びた少なくとも１つの縦
   仕切板を設け、前記搬送ベルト面を前記搬送ベルトの長
   手方向に沿った複数列に区画し、 前記縦仕切板によって複数列に区画された前記搬送ベル
   ト面上に、前記搬送ベルトの短手方向と略平行に複数の
   横仕切板をそれぞれ互いに所定間隔ずらして設け、 前記縦仕切板と前記横仕切板とで区画された一区画毎に
   少なくとも１個ずつ前記種芋を入れるようにしたことを
   特徴とする植付機。