JPH0590357U - 流量チェッカー付き水質測定槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案の流量チェッカー付き水質測定槽は、
測定槽１のオーバーフロー部にサイホン排水管８をその
入口端９がオーバーフロー水位よりも下方に位置するよ
うに設け、このサイホン排水管８の入口端９のレベルを
ゼロ点とし測定槽１の内容積に対応したレベル目盛１０
を測定槽１の側壁面の透明部分に設けたことを特徴とす
る。 【効果】 水位がサイホン排水管８の頂部１２に達する
と排水が始まり、水位がサイホン排水管８の入口端９ま
で下がると止る間欠的な自動排水動作の中で、自動排水
後の水位上昇時に水位の変化時間を計測することで、レ
ベル目盛１０から試料水の供給流量を測定できる。これ
により、試料水の流量を計測する流量計を設ける必要が
なく、その分価格を低減できるとともに流量計の保守も
不要となる。また、自動排水による水位の変化で壁面の
洗浄が同時に行われる利点もある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、上水、下水の水質測定装置の測定槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の水質測定槽を例えば残留塩素計を例として図２に示す。測定槽１は、透 明樹脂などで作られ、内部が透視できる構造になっている。測定槽１は、回転電 極槽２と対極槽３に分けられ、それぞれ測定用回転電極４と測定用対極５が上方 から挿入されている。

【０００３】 測定用回転電極４の周囲には、ガラスビーズまたはセラミックビーズなどの洗 浄用粒状物６が充填されており、その洗浄用粒状物６の下にそれを支える網７が 設けられている。

【０００４】 被測定試料水は、手動バルブ１１、流量計１３を経て規定の流量で測定槽１に 供給される。供給された試料水は、網７、洗浄用粒状物６を経て測定用回転電極 ４に達し、回転電極槽２の上端を経て対極槽３に流入し、測定用対極５を経て対 極槽３上端からオーバーフローし、排水口１４から排出される。

【０００５】 測定用回転電極４は、測定感度を高めるため一定速度で回転している。測定用 回転電極４の側面に位置するスポット電極１５は、面積が小さいため試料水によ る汚れの影響を受けるので、測定用回転電極４の回転を利用してスポット電極１ ５を洗浄する目的で洗浄用粒状物６が回転電極槽２に充填されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

被測定試料水の供給流量が規定流量より多いと、洗浄用粒状物６が浮き上り測 定用回転電極４のスポット電極１５と洗浄用粒状物６の接触が弱くなり、電極面 の洗浄効果が弱くなる。また、供給流量が少ないと応答速度が遅くなる。このた め、規定流量のチェック用として流量計（テーパ管式等）１３を使用するが、こ 流量計を設けることで価格が上昇する上、汚れによる流量計の保守も必要になる 。

【０００７】 このような問題は、例示した残留塩素計だけでなく、ＰＨ計、導電率計など浸 漬形電極を用いる水質測定槽の場合も、供給流量が多すぎれば溢れるし、少ない と応答が遅くなるし、試料水の節水の点からも供給流量を適切なものとする必要 があり、規定流量のチェック用の流量計の使用には同様な難点がある。

【０００８】 そこで本考案は、上記の価格、保守の難点を解消した流量チェッカー付き水質 測定槽を実現することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の流量チェッカー付き水質測定槽は、測定槽のオーバーフロー部に、サ イホン排水管をその入口端がオーバーフロー水位よりも下方に位置するように設 け、このサイホン排水管の入口端のレベルをゼロ点とし前記測定槽の内容積に対 応したレベル目盛を測定槽の側壁面の透明部分に設けたことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

本考案の流量チェッカー付き水質測定槽においては、測定槽の水位がサイホン 排水管の頂部に達し、サイホン排水管の排水側が水で満たされると、サイホン効 果で試料水の排水が始まる。測定槽の水位がサイホン排水管の入口端まで下がる と、サイホン効果の停止とともに排水が停止する。排水が停止すると測定槽の水 位が上昇し、サイホン排水管の頂部に達し、同様の動作を繰り返し、サイホン排 水管による排水が間欠的に自動で繰返し行なわれる。このような動作を繰返す中 で、自動排水後の水位上昇時に水位の変化時間を計測することで、測定槽の壁面 のレベル目盛から試料水供給流量を測定でき、流量計を設ける必要がない。

【００１１】

【実施例】 以下、図面に示した実施例に基いて本考案を詳細に説明する。

【００１２】 図１に本考案一実施例の流量チェッカー付き水質測定槽を示す。この水質測定 槽は、残留塩素計に適用した場合であって、測定槽１は透明樹脂などで作られ、 内部が透視できる構造になっている。測定槽１は、回転電極槽２と対極槽３に分 けられ、それぞれ測定用回転電極４と測定用対極５が上方から挿入されている。 測定用回転電極４の周囲には、ガラスビーズまたはセラミックビーズなどの洗浄 用粒状物６が充填されており、その洗浄用粒状物６の下にそれを支える網７が設 けられている。さらに、測定槽１のオーバーフロー部にサイホン排水管８がその 入口端９をオーバーフロー水位よりも下方に位置して設けられ、そのサイホン排 水管８の入口端９のレベルをゼロ点とし測定槽１の内容積に対応したレベル目盛 １０が測定槽１の側壁面の透明部分に目盛られている。被測定試料水は、手動バ ルブ１１を経て規定の流量で回転電極槽２の底部から測定槽１に供給される。

【００１３】 上記のように構成された本考案一実施例の流量チェッカー付き水質測定槽にお いては、規定の流量で供給された試料水は、網７、洗浄用粒状物６を経て測定用 回転電極４に達し、回転電極槽２の上端を経て対極槽３に流入する。測定槽１の 水位が上昇してサイホン排水管８の頂部１２に達し、サイホン排水管８の排水側 が水で満たされると、サイホン効果で測定槽１の試料水の排水が始まる。

【００１４】 測定槽１の水位がサイホン排水管８の入口端９まで下がると、サイホン効果の 停止とともに排水が停止する。排水が停止すると測定槽１の水位が上昇し、サイ ホン排水管８の頂部１２に達し、同様の動作を繰り返し、サイホン排水管８によ る排水が間欠的に自動で繰り返し行なわれる。

【００１５】 このような動作を繰り返す中で、サイホン排水管８による自動排水後の水位上 昇時に水位の変化時間を計測することで、測定槽１の壁面のレベル目盛１０から 試料水の供給流量を測定でき、この流量を手動バルブ１１で規定流量に調整すれ ばよく、流量計を設ける必要がない。

【００１６】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案によれば、測定槽のオーバーフロー部にサイホン排 水管をその入口端がオーバーフロー水位よりも下方に位置するように設け、この サイホン排水管の入口端のレベルをゼロ点とし測定槽の内容積に対応したレベル 目盛を測定槽の側壁面の透明部分に設けたことを特徴とする流量チェッカー付水 質測定槽を実現したことにより、サイホン排水管により間欠的に繰り返される自 動排水動作の中で、自動排水後の水位上昇時に水位の変化時間を計測することで 、測定槽の壁面のレベル目盛から試料水の供給流量を測定することができる。こ れにより、試料水の流量を計測する流量計を設ける必要がなく、その分価格を低 減できるとともに流量計の保守も不要となる。また、自動排水による水位の変化 で壁面の洗浄が同時に行われるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の流量チェッカー付水質測定槽
を示す断面図である。

【図２】従来の水質測定槽を示す断面図である。

【符号の説明】 １…測定槽 ２…回転電極槽 ３…対極槽 ４…測定用回転電極 ５…測定用対極 ６…洗浄用粒状物 ７…網 ８…サイホン排水管 ９…サイホン排水管の入口端 １０…レベル目盛 １１…手動バルブ １２…サイホン排水管の頂部 １３…流量計 １４…排水口 １５…スポット電極

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０１Ｎ 27/416

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定用の電極が槽内の試料水に浸漬して
   設けられ前記試料水が規定流量で連続して供給されオー
   バーフローにより排水される水質測定槽において、測定
   槽のオーバーフロー部にサイホン排水管がその入口端を
   オーバーフロー水位よりも下方に位置して設けられ、こ
   のサイホン排水管の入口端のレベルをゼロ点とし前記測
   定槽の内容積に対応したレベル目盛が測定槽の側壁面の
   透明部分に設けられたことを特徴とする流量チェッカー
   付き水質測定槽。