JPH0588506U - 医療用腹壁吊り上げ具 - Google Patents

医療用腹壁吊り上げ具

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JPH0588506U
JPH0588506U JP3002892U JP3002892U JPH0588506U JP H0588506 U JPH0588506 U JP H0588506U JP 3002892 U JP3002892 U JP 3002892U JP 3002892 U JP3002892 U JP 3002892U JP H0588506 U JPH0588506 U JP H0588506U
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tube
abdominal wall
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body tube
abdominal
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晴洋 井上
研二 河井
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腹腔鏡下外科手術における腹腔内術野を確保
するため、術操作の障害になることなく、安全、確実に
腹壁を任意の方向へ吊り上げる。 【構成】 流通路を有し補強ワイヤーを内蔵した本体チ
ューブ1と、その先端に連結された誘導針、コック8を
介して後端側に連結された排気チューブ9より成る可撓
性チューブ部材、チューブ部材をループ状に形成し固定
する留具部材10、及びループを開いた形状に保持する
支持部材14で構成し、腹壁16を通した本体チューブ
の両側を留具部材に嵌込んで固定し、腹壁を吊り上げ
る。 【効果】 腹壁の吊り上げが容易で、術中に吊り上げ幅
が変化しないので腹腔内術野の安定性に優れ、また、側
孔3から本体チューブ、排気チューブを通して、電気メ
スによる焼煙を排気することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、腹腔鏡下外科手術において、体腔内の術視野を確保するために、腹 壁を吊り上げ固定する医療用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
腹腔鏡的胆嚢摘出術に代表される腹腔鏡下外科手術は、腹腔内にベレス針から 炭酸ガスを送気して、腹腔内圧が12mmHgになったところでトラカールを挿入 し、腹腔鏡、電気メス、種々の鉗子類等の処置具を挿入して行う術式である。こ の術式が施行されている間は、腹腔内圧が通常10〜14mmHgの陽圧である気 腹状態を維持して、視野の確保を行うのが一般的である。
【0003】 そのため、使用されるトラカールには、処置具の挿入状態、抜去状態いづれで も気密性を維持できる複雑な開閉弁装置が必要とされ、 Hasson cannula や、バ ルーンカテーテル(実願平3−106410号)のように、トラカール刺入部の 送気ガス漏れ防止の工夫がなされているが、術者にもガス漏れ防止の細心の注意 が要求される。また、気腹操作による皮下気腫、CO2 塞栓等の偶発症、気腹に 使用する炭酸ガスが体内に吸収されることによる呼吸、循環系の合併症等を考慮 して、過度の陽圧にならない術中管理が必要とされる。気腹による腹腔鏡下外科 手術におけるこのような制約を減少させる目的で、腹壁吊り上げ法が考案された 。
【0004】 主に本法に使用されている用具として、北野らにより考案されたU型リトラク ターがある。腹壁をU字状に穿刺、貫通させる曲針と、それに誘導され貫通後留 置されるU字状金属パイプと、更に延長連結される吸引チューブで構成される部 材、手術台に固定され腹壁上方に横断する支持アーム、及びU字状パイプをアー ムに連結するチェーンで構成されている。そして、チェーンを掛け変えることに よりU字状パイプの吊り上げ高さを調整して腹壁を吊り上げ、腹腔に空間を生じ させ、更に必要に応じて腹腔に位置するU字状パイプの側孔から吸引チューブを 介して術中に電気メス等の焼煙を吸引排気できる構造になっている。この用具は 、機械的に腹壁を吊り上げ固定するので、腹腔内陽圧の気腹状態と比較して、腹 腔内圧が常圧に近くて吸引・排気の制約が少なく、気腹の合併症の軽減が図れ、 気密性維持の必要性が少なくなるので、使用する処置具の使用制限が緩和される 等のメリットが認められている。また、必要に応じて小切開の追加が可能である 。
【0005】 しかしながら、腹壁の吊り上げ巾は、予め一定の曲率で成形された金属製のU 字型パイプで規定されるので、任意の巾には調整できないため、設置する際に誘 導針で穿刺した2点間の腹壁組織がU字型パイプの湾曲にそって吊り上げた状態 の、一定の形での腹壁挙上しかできない。また、トラカールを通じて、挿入され た鉗子類を腹部上で種々の角度で操作する時、U字型パイプ及び腹部上を横断す る位置に設けられた支持アームが邪魔になることがある。
【0006】 また、腹腔鏡的胆嚢摘出術の対象となる胆嚢は、腹壁側から比較的表層近くに 位置する内蔵器であるが、現在、腹腔鏡下外科手術の適応は、腎臓、脾臓、胃食 道背面等深部の患部に拡大しつつあり、その場合、本用具には、術者が希望する 腹部の任意の位置を吊り上げられる、自由度が必要とされる。U字型パイプは、 筋弛緩効果が消失してきた場合にも腹壁の荷重に十分耐えられるように、主要部 材が金属製となっているが、高価であり、感染防止の観点より種々の医療用具が 使い捨てとなっている現在でも、再使用せざるを得ないと言う問題もある。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、腹部を吊り上げ固定する手段の、前述のような問題点を解決するた めに、種々の検討の結果なされたもので、その目的とするところは、術者の処置 具操作に支障を与えることなく、腹腔鏡下術野を安全、確実にそして容易に確保 するための、腹壁の任意の部位を任意の方向へ吊り上げ固定する手段を提供する ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本考案による医療用腹壁吊り上げ具は、長さ方向 に設けられた流通路を有するチューブ本体、該チューブ本体の先端に連結された 針部材、及び本体チューブの後端側に連結された排気チューブより成る可撓性チ ューブ部材、該チューブ部材をループ状に形成し固定する留具部材、並びにルー プ状態に形成されたチューブ部材に嵌合、固定され該ループを開いた形状に保持 する支持部材で構成され、前記チューブ本体は長さ方向に補強ワイヤーを埋込み 内蔵すると共に、流通路の先端は該チューブ本体の中央部近傍に設けられた側孔 に開口し、後端側は前記排気チューブに連通していることを特徴とする。
【0009】 以下、図示した実施例に基づいて本考案を詳細に説明する。 図1〜3は本考案による医療用腹壁吊り上げ具を構成する各部材の一例を示す 概略図で、図1はチューブ部材、図2は留具部材、図3は支持部材であり、図4 〜5はその使用状態を示す概略図である。
【0010】 図1(a)に示すチューブ部材は、図1(b)に示したように、長さ方向に設 けられ先端側はほぼ中央部の側孔で開口した流通路(5)を有し、ワイヤー(2 )を埋込み内蔵した本体チューブ(1)と、本体チューブ(1)の先端に連結さ れた針部材となる誘導針(6)、本体チューブの後端側に必要に応じて連結され た流通開閉装置であるコック(8)、および排気チューブ(9)とで構成されて いる。これらの各部材は、一般的には気密嵌合或いは接着により連結されている 。本体チューブのほぼ中央部には流通路(5)に連通した側孔(3)が開口して おり、本体チューブ(1)内の流通路(5)を通って、コック(8)、排気チュ ーブ(9)を経由して吸引排気源に接続されるようになっている。
【0011】 誘導針(6)は、体表から腹腔内へ、そして腹腔内から体表へと腹壁を縫うよ うにして一針で貫通させやすいように、その先端は鋭利な形状であることが要求 され、刃(7)形状、或いは円錐状や角錐状のテーパー形状になっているのが望 ましい。また、後端は使用中に不用意に脱離しないように、本体チューブ(1) の先端部に確実、且つ強固に嵌合、連結するため、竹の子状もしくはネジ状に節 加されている。そして、誘導針(6)本体部の外径寸法は、本体チューブ(1) と同じにするのが一般的であり、特にその接合部では刺入した組織に損傷を与え る鋭利な突起がないことが要求される。また、その形状はR30〜R200mmの 円弧状、或いは本体チューブ(1)に対して曲げ角度3°〜60°に屈曲してい るのが望ましい。誘導針の全長は、術者がその後部を把持して所望の吊上げ腹壁 長さを縫うのに必要な長さがあれば満足され、一般的には100〜600mmであ る。材質は、一般的に医療用具に使用されるステンレス鋼、もしくは炭素鋼の防 錆メッキされたものが望ましい。
【0012】 本体チューブ(1)は可撓性の樹脂製チューブであり、図4に示したように、 腹壁(16)の刺入口より垂直に吊り上げ方向に立ち上る可撓性と、腹壁の組織 を損傷しない柔軟性を有するのが望ましく、且つ図4に示した使用状態で、少な くともループを形成する部位は、破断荷重30kg以上、破断伸び10%以下の引 張強度が必要とされる。一般的に使用される材質は、軟質塩化ビニル樹脂、ナイ ロン樹脂、ポリプロピン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム等であるが、 図1に示したように、金属製もしくはナイロン樹脂等の樹脂製のワイヤー(2) で引張強度を補強するのが望ましい。補強せずに前述の引張強度が満足できれば 、その限りではない。
【0013】 図1に例示した本体チューブ(1)の製造方法としては、二腔チューブを押出 成形により製作し、二腔のうちの一腔にステンレスSVC304の撚線ワイヤー (2)を2液反応型ウレタン樹脂等を用いて封入してある。この他、樹脂被覆電 線の製造方法に類似した手段を応用して、ワイヤー(2)に樹脂を被覆同時押出 成形することも可能である。また、補強ワイヤーとしては、図1に示すように線 状のワイヤー(2)を本体チューブ(1)の断面中に埋込むものには限定されず 、編組チューブ状に形成し、本体チューブ(1)のほぼ全周を取り巻くように設 けても良い。この場合は、可撓性樹脂の内層チューブにワイヤーを編込み、或い はワイヤーの編組チューブを被せて、その外周に押出成形或いはコーティング法 により外層被覆を施こすことができる。
【0014】 流通路(5)は、側孔(3)から後端側に向って流通している必要があり、逆 に先端側は盲端になっている。誘導針(6)で腹壁を貫通し、本体チューブ(1 )を引き出した後に、誘導針(6)は、本体チューブ(1)から離断するが、そ の時以降、流通路(5)の先端側は気密性が保たれる必要があり、通常は側孔( 3)から先端側の流通路(5)に液状樹脂を注入硬化させる方法で製作される。
【0015】 また、誘導針(6)は、本体チューブ(1)が腹壁を通って引き出された後は 、本体チューブ(1)から切り離されるが、術者が容易に離断できることが要求 される。そのため、特に補強ワイヤーが金属製の場合には、本体チューブ(1) 先端側の接続部近傍には、術者が通常の鋏で切断できるように、ワイヤー(2) を内蔵しない切断可能部位1〜5cmを設ける。
【0016】 更に、本体チューブ(1)の外面には、側孔(3)を中心としてその両側の対 称の位置に目盛(4)を印刷表示する。これは、図4に示したように、腹腔内に 留置された本体チューブ(1)の中央部に側孔(3)が位置するように調節する ためで、これによって施術時における腹腔内の吸引・排気が均質に行える利点が 得られる。
【0017】 本体チューブ(1)の外径は、患者の術後瘢痕を軽微にする観点から、10mm 以下にするのが好ましく、通常3〜5mmが選択される。これに対して、流通路( 5)は、空気や炭酸ガスの他、腹腔(17)内における電気メスの操作で生じた 焼煙を吸引・排気する気体流通路であり、医療現場に設置された吸引源の一般的 性能を考慮すると、1mm以上の内径が必要とされ、後部に連結するコック(8) 、排気チューブ(9)を通して1mm以上の内径を確保できれば良い。また、本体 チューブ全体の長さは、図4および図5に示す使用状態図のように、吊板(10 )、(20)から腹壁(16)までの距離の2倍に、腹壁(16)の2つの刺入 点間距離、および吊板(10)もしくは(20)に本体チューブを固定するのに 必要な長さを合計した長さl1 が少なくとも必要とされる。これに医療現場の実 情により、すなわち手術台から手術室内に設置された吸引源までの距離l2 を、 必要に応じて加算した長さを用意する。一般的には、l1 は0.5〜2mで、l2 は1〜5mである。尚、l1 の長さ分は補強ワイヤー入りのチューブが必要であ るが、l2 の長さ分については補強は必ずしも必要ではなく、排気チューブ(9 )で代替しても良い。
【0018】 本体チューブ(1)の後端側で流通路(5)に付設されたコック(8)は、腹 腔内の気腹ガスや、電気メス等の使用によって発生した煙を排出するための吸引 を操作する流通開閉装置であって、吸引源側に設けられている場合は必ずしも必 要なものではないが、術者及び手術補助者の手元近くに設けることにより、施術 時に吸引、排気の迅速な調節が可能になり、また、操作労力が軽減される利点が 得られる。コック(8)を設ける至適位置は、医療現場の実情により決定される が、手術台と吸引源の位置が近く、排気チューブ(9)の長さがごく短かい場合 は、コック(8)の設置は不要である。コック(8)は市販の二方コックと同機 能を有する部材であり、樹脂製、金属製のいづれでも良い。
【0019】 排気チューブ(9)は、流通路(5)の後端に連結され、腹腔内の気腹ガスや 、電気メス等の使用によって発生した煙などを吸引、除去するためのもので、天 然ゴム、軟質塩化ビニル樹脂等の可撓性樹脂押出成形チューブが使用される。
【0020】 留具部材は、図2に示したような、一辺30〜150mmの近似的三角形の吊具 (10)や、長方形の吊具(20)であるが、形状はこれらに限定されるもので はなく、円形や多角形であっても何ら差しつかえはない。厚さ0.5〜10mmのス テンレス鋼、防錆メッキを施した炭素鋼等の金属板、或いは、硬質塩化ビニル樹 脂、ポリカーボネイト樹脂、ABS樹脂等の硬質樹脂板の加工品であり、図2( a)に示した吊板(10)のように、外周部にスリット(11)と通穴(12) からなる切欠き部4個を設けると共に、フックを用いて吊り下げるための吊穴( 13)を設けた構造、もしくは、図2(b)の吊板(20)のように、平板面に 適切に配置した4個の通穴(22)を設けると共に、中心部にフックにより吊り 下げるための吊穴(23)を設けた構造を有している。
【0021】 通穴(12)、(22)の内径は、本体チューブ(1)の外径より0.2〜1.5 mm細くし、また、スリット(11)の幅は本体チューブの外径より1.0〜2.5mm 狭くすることにより、チューブを通して固定したときに滑り抜けない強度を保持 できるが、その時、本体チューブ(1)の流通路(5)の内径が1mm以上開口維 持できるように、通穴(12)や(22)の寸法を選定することが必要である。 また、通穴(12)、(22)やスリット(11)のエッジ部は、本体チューブ (1)の装着作業性及び流通路(5)の閉塞防止のため、R0.5程度の面取加工 を施こすのが望ましい。
【0022】 保持部材は、図3に示すような突っ張り棒(14)であり、曲げ剛性及び靭性 の強い材料であることが必要で、防錆処理した金属或いはポリカーボネイト樹脂 、硬質塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等の硬質樹脂で製作された、板状、棒状、パ イプ状等の切削加工品や押出成形品である。断面形状は、曲げ剛性を向上させる ため、リブ形状、中空形状等にして軽量化を図ることも肝要である。また、両端 は、図3に示したように、本体チューブ(1)の外径寸法に合わせて半円状或い はクサビ状の切欠き(15)加工を施こし、図4の使用状態図に示すように、本 体チューブ(1)のループを横断する形で腹壁直上の位置で装着したとき、本体 チューブ(1)の張力でしっかりと保持される切欠き(15)寸法が最適である 。
【0023】 突っ張り棒(14)の長さは、50〜200mmで、図4および図5に示したよ うにして、吊板(10)もしくは(20)に固定されて下方に下がった2本の本 体チューブの間隔寸法より10〜100mm長く、また、施術時の腹壁(16)の 2つの刺入点間距離より10〜30mm程度長くするのが良い。この寸法は、術者 が腹腔鏡下外科手術の術野を満足できる範囲で確保できる吊り上げ長さに相当し ており、その適応部位を考慮して、数種類用意しておき、術者の選択にゆだねる ようにするのが良い。また、ネジ機構を内蔵して、ネジ切り長さの範囲内で任意 の長さに装着時に調整できるようにする工夫も、本考案の範囲内である。
【0024】 次に、本考案による腹壁吊り上げ具の使用方法について説明する。 術者は誘導針(6)を把持して、図4に示したように、先ず腹腔(17)を貫 通して腹壁(16)の2点間を縫い、本体チューブ(1)を腹壁の外に引き出す 。ここで、目盛(4)を目安にして、側孔(3)が2つの刺入点の中央に位置す るように本体チューブ(1)の位置を調整し、本体チューブから誘導針(6)を 鋏で切離する。次いで、本体チューブ(1)の先端部と後端側の途中とを、吊板 (10)もしくは(20)に装着、固定し、これを手術台の側に設置した肩胛骨 挙上鉤(外科手術室には常備されているもので、鋼線ワイヤーの小型巻きリール を使って身体の一部や医療器具を任意の高さに吊り上げる器具)のフック(19 )に引懸け、肩胛骨挙上鉤のワイヤー(18)を挙き上げて、腹壁(16)を所 望の高さまで吊り上げる。
【0025】 本体チューブ(1)を吊板(10)、(20)に装着、固定する方法は種々あ るが、例えば三角形の吊板(10)では、図4に示したように、本体チューブの 両側を吊板の表面でタスキ状に交差させ、各辺の外側からスリット(11)を通 って通穴(12)に嵌め込み、裏側に抜けさせる方法や、図5(a)のように、 本体チューブの両側をそれぞれ、吊板(10)の2つの辺に設けられた各2個の 通穴(12)に嵌め込んで固定する方法がある。また、長方形の吊板(20)で は、図5(b)のように、吊穴(23)の両側に設けられた各2個の通穴(22 )に本体チューブ(1)の両端部を通して固定する。
【0026】 さらに、腹壁の2つの刺入点から外に出ている2本の本体チューブ(1)の間 に橋渡すように、突っ張り棒(14)を装着し、肩胛骨挙上鉤のワイヤー(18 )を巻き直して吊り上げ高さを微調整する。更に、排気チューブ(9)を手術室 の吸引源に接続し、術中、必要に応じて、術者或いは補助者がコック(8)を開 閉操作して、腹腔内の吸引排気を行う。
【0027】
【作用】
本考案による医療用腹壁吊り上げ具は、本体チューブが可撓性で、術者が希望 する腹壁の任意の位置や幅に吊り上げ部位を設定できるばかりでなく、突っ張り 棒の長さを適切に選択することにより、術中に吊り上げ幅が弛緩して変化し、あ るいは縮まることがなく、術中、腹腔内の術野の安定性を向上させることが可能 である。また、吊板の通穴に本体チューブの両側を装着して固定することにより 、腹壁荷重を十分に保持できると共に、腹壁の吊り上げ幅に比べて上部に行くに 従い、細幅に設置でき、汎用の肩胛骨挙上鉤と組み合わせることにより、省スペ ースでかつ、術者の希望する任意の角度、位置、高さに腹壁を吊り上げることが 可能になる。
【0028】 更に、本体チューブが中空で側孔を有し、その側孔はチューブの目盛りを目印 にして腹腔内の中央部に位置させることができるので、医療現場の吸引源を利用 して、コック(8)の手軽な開閉操作のみで、術野視界の支障となる電気メス等 の焼煙を容易に排気することができる。
【0029】
【考案の効果】
以上のように、腹腔鏡下外科手術において本考案による医療用腹壁吊り上げ具 を使用すると、制約の多い気腹操作をすることなく、腹壁の任意の位置を吊り上 げることができ、安定した術野の確保と、術者の処置具操作の障害軽減が得られ るため、手術の安全性を高めると共に、この手技の適応を拡大し、患者の侵襲度 低減と治癒期間の短縮化が図られる。 また、構造上、樹脂材料を多用でき、安価に製造できるので、使い捨てが可能 となり、感染の予防が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による医療用腹壁吊り上げ具を構成する
チューブ部材の一例を示す図で、(a)は全体の概略
図、(b)は(a)図のA−A’断面図である。
【図2】本考案による腹壁吊り上げ具を構成する留具部
材の一例を示す上面図である。
【図3】本考案による腹吊り上げ具を構成する支持部材
の一例を示す側面図である。
【図4】本考案による腹壁吊り上げ具の使用状態の一例
を示す概略図である。
【図5】本考案による留具部材の使用状態の他の例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1:本体チューブ 2:ワイヤー 3:側 孔 4:目 盛 5:流通路 6:誘導針 7:刃 9:排気チューブ 10:吊 板 11:スリット 12:通 穴 14:突っ張り棒 16:腹 壁

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に設けられた流通路を有するチ
    ューブ本体、該チューブ本体の先端に連結された針部
    材、及び本体チューブの後端側に連結された排気チュー
    ブより成る可撓性チューブ部材、該チューブ部材をルー
    プ状に形成し固定する留具部材、並びにループ状に形成
    されたチューブ部材に嵌合、固定され該ループを開いた
    形状に保持する支持部材で構成され、前記チューブ本体
    は長さ方向に補強ワイヤーを埋込み内蔵すると共に、流
    通路の先端は該チューブ本体の中央部近傍に設けられた
    側孔に開口し、後端側は前記排気チューブに連通してい
    ることを特徴とする医療用腹壁吊り上げ具。
JP3002892U 1992-05-08 1992-05-08 医療用腹壁吊り上げ具 Pending JPH0588506U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015129395A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 オリンパス株式会社 圧排装置およびロボットシステム

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