JPH0588283B2 - - Google Patents

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JPH0588283B2
JPH0588283B2 JP6032785A JP6032785A JPH0588283B2 JP H0588283 B2 JPH0588283 B2 JP H0588283B2 JP 6032785 A JP6032785 A JP 6032785A JP 6032785 A JP6032785 A JP 6032785A JP H0588283 B2 JPH0588283 B2 JP H0588283B2
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slag
suction
dephosphorization
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soda ash
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JP6032785A
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Shuji Yoshida
Masaki Tateno
Setsuo Okamoto
Shigeyoshi Matsuo
Yatsuhiro Kawayoshi
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C1/00Refining of pig-iron; Cast iron
    • C21C1/02Dephosphorising or desulfurising

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はソーダ灰系予備脱燐剤の製造方法、特
にエジエクター式吸引排滓装置による溶融スラグ
の除滓を利用して、溶銑の一次脱燐処理に適した
粒状の安価な予備脱燐剤を製造する方法に関す
る。 (従来の技術) 出銑後、転炉装入前の溶銑に脱硅、脱燐、脱硫
などの溶銑予備処理を施し、これらの各予備処理
で発生したスラグを完全に除去したのち転炉で脱
炭精錬する、いわゆるスラグレス精錬が、精錬効
率および合金還元率の面から最近注目され、一部
実施に移されている。 かかる溶銑予備処理においては、高炉より出銑
した溶銑は、高炉樋上で高炉スラグを分離してか
ら、まず酸化鉄などの脱硅剤による樋脱硅処理を
受け、次いで普通には別の容器、たとえば混銑
車、取鍋などに移された後で脱流と脱燐を受け
る。 溶銑予備脱燐処理に使用する脱燐剤は、石灰系
とソーダ灰(Na2CO3)系とに大別されるが、Ca
OとFe2O3からなる石灰系脱燐剤に比べて、ソー
ダ灰系脱燐剤の方が反応時間が短く、脱燐効率も
高いため、脱燐剤としての性能はすぐれている。
しかし、ソーダ灰脱燐剤は高価であり、また生成
スラグの処理が複雑になることから、広く実用化
されるには至つていない。 本発明者らは先に、溶銑をまず脱硅処理してSi
含有量を十分に低下させた後、ソーダ灰を吹込ん
で脱燐処理し、生成スラグからソーダ灰を回収・
再利用することを提案した(特開昭57−35604
号)。これは、高価なソーダ灰が溶銑中のSiと反
応して脱燐剤の損失となるのを防ぐことを主眼と
したものであるが、反応しないまま溶銑上スラグ
または粉塵として回収されるソーダ灰が多く、回
収再利用により精錬剤の原単位は抑えられるもの
の、多量のソーダ灰の添加補充を要した。 溶銑脱燐における脱燐剤の使用量を低減させる
方法として、高炉樋上で脱硅処理に続いて連続的
に一次脱燐を実施し、次いで容器内で二次脱燐を
行う2段階脱燐方法が提案された(特開昭58−
48614号)。これは、高燐域で少量の脱燐剤により
短時間の一次脱燐を行つた後、低燐域で十分な量
の脱燐剤により十分時間をかけて目標値まで脱燐
処理する方法であつて、従来の方法に比べて同じ
脱燐率を得るのに必要な脱燐剤の原単位が低減さ
れるので、特に高価なソーダ灰系脱燐剤による脱
燐に適した方法である。より詳しく説明すると、
樋上での一次脱燐は比較的高燐濃度域での反応で
あるため、ごく少量の脱燐剤で効率よく脱燐が進
み、この段階で燐の大半は溶銑から除去される。
その後に排滓して容器内での本格脱燐を行うこと
で、この二次脱燐の負荷を大幅に軽減でき、結果
として脱燐剤の合計使用量は従来の2/3程度で
転炉吹錬前に燐濃度を目標値まで低減させること
ができる。さらに、一般に脱燐においては溶銑中
のSiが脱燐剤と反応してスラグ塩基度が低下し、
スラグ性状が悪化するため、塩基度調整の目的で
Siとの反応量も見越して脱燐剤を余分に投入して
いるが、上記方法での一次脱燐においては連続処
理であるためSiの影響が小さく、そのため塩基度
調整に使用される脱燐剤量が少なくなることも原
単位の低減に寄与している。 上記の2段階脱燐法において、一次脱燐は極め
て反応効率の高い高燐域で行われ、しかもその後
に二次脱燐、脱硫などの精錬を受けることより、
この一次段階に高価なソーダ灰を用いる必要はな
く、多少の夾雑物が混入した精錬剤でも十分にそ
の目的は達することができるので、できるだけ安
価なものを使用するのが有利である。 また、一次脱燐は普通には樋上で行われる。樋
上を流れる溶銑への精錬剤の添加方法には上置き
法、ブラステイング法(上部吹付け法)、インジ
エクシヨン法(ランスを浸漬して吹込む方法)な
どがあるが、装置の耐久性および反応効率に優れ
たブラステイング法が最も多用されている。この
ブラステイング法では精錬剤は上から吹付けて添
加するので、精錬剤が微粉状であるとその大部分
が末反応のまま溶銑上にすぐに浮上してしまい、
精錬効率が低下する。そのため、精錬剤は、溶銑
への侵入性や搬送時の取扱い性も考慮して、粒径
2〜20mm程度の粒状であるのが好ましい。 しかし、従来の脱燐剤はインジエクシヨン法に
より添加されることが多かつたので微粉状のもの
が多く、これを粒状化するには造粒工程を要し、
コストがかかる。 かかる状況から、脱燐効率のよいソーダ灰系材
料から溶銑の一次脱燐(予備脱燐)に適した安価
な粒状の脱燐剤を供給することがなお要望されて
いる。 安価な精錬剤として、製鉄所内で発生する各種
スラグおよびダストを使用して精錬剤を製造する
試みがなされている(例、特開昭50−160115号、
同58−16010号、同58−64307号、特公昭54−
41005号、同55−21812号参照)。しかし、これら
のほとんどは微粉状の精錬剤を製造するものであ
るので粒状化するには造粒工程が必要であり、ま
た粒状精錬剤が得られる方法でも水ガラスのよう
な高価な造粒剤を必要とし、しかも多くの方法は
脱硅剤の製造を目的としている。したがつて、粒
状の脱燐剤をスラグやダストから造粒工程を要し
ないで安価に製造する方法はなかつた。 一方、前述したスラグレス精錬では、各溶銑予
備処理工程で発生したスラグは、次工程の精錬へ
の妨害や復燐、復硫などを避けるために、原則と
して各処理ごとにその都度排滓される。特に、転
炉装入に際しては、予備処理スラグ中の不純物が
転炉内で還元されて溶鋼内に入るのを避けるた
め、スラグの完全除去が求められる。また、転炉
出鋼時にも同様に溶鋼清浄化のために完全除滓が
求められる。 これらの排滓手段としては、従来はノロ掻きに
よるか、あるいは取鍋や転炉の場合は残銑もしく
は残鋼が少なくなりスラグが巻き込まれる直前に
出銑もしくは出鋼を止め、スラグを残銑もしくは
残鋼とともに排出する方法が普通であつた。しか
し、特にスラグレス精錬の場合は、各溶銑予備処
理工程で迅速かつ可及的に完全な排滓が必要であ
るが、ノロ掻き方式ではノロの量が少なくなるに
つれて掻き時に同時に溶銑も掻き出されるため完
全なノロ排出が行えず、また排滓に時間もかかる
ため、前述したスラグレス精錬の効果を十分に発
揮させることができなかつた。 迅速な排滓方法として、特開昭56−160868号
に、取鍋内のスラグを掻き寄せながら真空吸引す
る方法が提案されている。この方法では、真空吸
引後の溶融スラグが管壁などに付着し、管が詰ま
るのを防止するため、吸引直後に注水してスラグ
を凝固、破砕し、スラリー状でスラグを回収す
る。しかし、溶銑上で水を出すことより、水蒸気
爆発などの危険があり、作業員の多い工場内では
実施できない。そのため、この方法は混銑車中の
スラグの排滓に適用できる程度である。また、高
温のスラグを水で冷却するため大量の水を必要と
し、設備の規模が大きくなる上、高温のスラグの
持つ顕熱が全く利用されず、エネルギー的に損失
である。しかも、回収スラグはスラリー状である
ため、固液分離後にそのまま投棄されるのが普通
で、再利用するには乾燥などの工程が必要であ
る。 (発明が解決しようとする問題点) 上述したように、現状では溶銑の予備脱燐処
理、特にブラステイング法による樋脱燐処理に適
した粒状の脱燐剤を、製鉄所内の副生材料から少
ない工程で簡便かつ安価に製造できる方法がな
い。 また、一方では、溶銑の予備精錬あるいは転炉
精錬で生成したスラグを迅速かつ可及的完全に排
滓でき、しかもその際にスラグの顕熱を有効利用
してスラグを何らかの用途に再利用できる形態で
回収する排滓方法が要望されている。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは先に、高速気流の噴射による周囲
空気の巻込みに伴つて生ずる吸引力を利用したエ
ジエクター方式による水不要の簡便かつ迅速な溶
融スラグの吸引排滓装置を提案した(特開昭60−
50380号)。またその改良として、上記吸引排滓装
置により吸引中の溶融スラグに、吸引中の溶融ス
ラグの管壁への付着の防止とスラグの造粒性の向
上のために粒状の塩基性物質を添加しながら溶融
スラグを吸引排滓し、固体スラグを粒状で回収す
ることも提案した(特開昭61−44292号)。 かかるエジエクター方式による排滓についてさ
らに研究を続けたところ、ソーダ灰系精錬剤によ
る溶銑精錬時に生成する溶融スラグの排滓にあつ
ては、上記のように塩基性物質の粉末を添加する
代わりに製鉄所内で捕集された集塵ダストなどの
ソーダ灰含有粉末を添加しても、付着の防止効果
はほぼ同等であり、造粒性も良好であつた。しか
も、回収されたスラグは粒径の揃つた粒状で、集
塵ダスト等の混入によりソーダ灰を多く含有し、
さらに適度に酸化鉄も含有するため、特にブラス
テイング法により溶銑に添加する脱燐剤として極
めて好適な組成および性状のものが得られること
を見出し、本発明を完成させた。 ここに、本発明は、ソーダ灰系精錬剤による溶
銑精錬により生じたスラグを高圧気体を駆動源と
するエジエクター式吸引排滓装置により吸引除滓
する際に、吸引途中のスラグにソーダ灰含有粉末
を添加し、前記吸引排滓装置から粒状物を回収す
ることからなる、予備脱燐剤の製造方法である。 (作用) 以下、本発明を添付図面を参照しながらさらに
詳しく説明する。本発明において、%は特に指定
のない限り重量%である。 添付図面は、本発明の方法による脱燐剤の製造
に使用するエジエクター式吸引排滓装置の1例を
示す模式図である。この吸引排滓装置は、前述の
特開昭61−44292号に記載の装置とほぼ同じもの
であるので、装置の詳細については特開昭61−
44292号の明細書を参照されたい。 添付図面に示したエジエクター方式による乾式
の吸引排滓装置について簡単に説明すると、この
排滓装置1は、内部を高速気体流が流れる一端閉
鎖管からなる吐出管2、この吐出管から連通、分
岐した吸引管3、吐出管2の閉鎖端面を貫通して
吐出管内に挿入された高圧気体噴出管4、および
溶融スラグの吸引域に管璧を貫通して開口してい
る粉体の噴射添加管5から構成される。粉体添加
管5は、これに連通している容器内に収容されて
いる集塵ダスト6をキヤリヤガスにより気流搬送
し、排滓装置内に噴射するためのものである。 噴出管4は、高圧気体(例、圧縮空気)の供給
源(図示せず)、たとえばコンプレツサに接続さ
れており、噴出管4の先端は好ましくは吸引管3
の中心軸の延長上よりやや引込んだ位置に達して
いる。噴出管4から高圧気体を噴出させると、吐
出管2の内部に高速気流が生じ、この気流は吸引
管3内の空気を巻込んで吐出管2の吹出し口から
噴出する。この吸引管内空気の巻込みに伴つて、
吸引管3の下端からは周囲の空気が吸込まれ、吸
引管内への吸引風を生じ、吸引管内に上昇気流、
すなわち吸引力が発生する。 かかる構成のエジエクター式吸引排滓装置1を
上方より溶融スラグ7に近づけると、溶融スラグ
はその周囲の空気と共に吸込まれ、液滴状で上昇
気流により吸引管3内を上方に搬送された後、吐
出管2に入ると噴出管(エジエクター)4からの
高速気流にぶつかつてスラグ滴の進路変更と吹飛
ばしが起こる。すなわち、8がスラグ吸引域、9
がスラグ吹飛び域である。スラグ滴は、吐出管出
口から排出されるまでに凝固して粒状スラグとし
て回収される。 本発明の方法にあつては、粉体添加管5からソ
ーダ灰含有集塵ダストをキヤリヤガスにより噴射
して、スラグ液滴の凝固を促進させ、液滴の管壁
への付着による目詰り防止および粒状化促進を図
ると共に、生成する粒状スラグの組成を脱燐剤と
して適当な成分に調整する。この粉体添加管5の
開口位置は、スラグ吸引域内(すなわち、吹飛ば
される前)であればよく、図示のように吐出管2
の閉鎖端面を貫通して噴出管4の下方にほぼ平行
に開口させても、あるいはさらに下側の位置、す
なわち吸引管の管壁を貫通して開口させてもよ
い。ただし、図示の位置の方が吐出管内の高速気
流によるエジエクター効果が高まる利点がある。 吐出管出口から排出される粒状スラグ、すなわ
ち脱燐剤の回収を容易にするために、図示例にあ
つては、吸引排滓装置1の吐出管2の出口に続け
て導出管10を設け、排出された脱燐剤を導出管
10により回収箱11に案内し、回収箱11内で
粒状脱燐剤12は気流から分離されて堆積する。
回収箱からの気流に同伴されるダストの分離のた
めにエアフイルター13を、また気流の排出促進
のために排風機14を設置するのが好ましい。 本発明の方法によれば、上述したようにエジエ
クター式吸引排滓装置で粉体を添加しつつ溶融ス
ラグを排滓、造粒することによつて脱燐剤を製造
する。この目的を達成するには、溶融スラグと粉
体がいずれも脱燐剤の製造に適した組成のもので
あることが必要である。 具体的には、溶融スラグはNa2CO3または
Na2Oを多く含んでいる必要があり、また滓化が
十分に行われたものが好ましい。この意味で好ま
しい溶融スラグは、転炉装入前の取鍋内でのソー
ダ灰系精錬剤による溶銑の予備脱硫処理で生成し
た脱硫スラグである。かかる予備脱硫は溶銑を機
械的手段で撹拌することにより行われるので、生
成スラグは滓化が十分で、しかも未反応のソーダ
灰をかなりの量で含んでいる。ただし、このよう
な脱硫スラグの吸引排滓によつて本発明により脱
燐剤を製造すると、スラグ中のS分が脱燐剤の中
に入つてくるが、溶銑の予備脱燐処理は前述した
ように通常は樋上で行われ、その後取鍋内でさら
に本格脱燐および脱硫が行われるため、S分の脱
燐剤への混入はさはど問題とならない。一般に、
本発明に用いるスラグは、Na2CO3を約20%以
上、好ましくは約40%以上含有するものであれば
よく、このようなスラグであれば上記以外のもの
でもよい。ただし、ソーダ灰を含有する必要があ
ることから、ソーダ灰系精錬剤による溶銑の精錬
で生じたスラグを使用する。 一方、吸引途中のスラグに添加する粉体として
は、ソーダ灰系脱燐剤を製造するという目的か
ら、ソーダ灰を主成分として含有する粉末を使用
する。このような粉末の代表例は、混銑車などの
容器内溶銑中にソーダ灰を吹込み脱燐脱硫処理す
る際に発生するダストである。この処理中に多量
のNa2O、Na2CO3が発生し、Na2Oはガス中の
CO2と反応してNa2CO3となるため、集塵器で捕
集されるダスト中の半分以上、通常は60%以上が
Na2CO3となる。従来かかるダストは溶銑1トン
当たり6Kgも捕集されており、その処理に多大の
費用を要しているのが現状である。このような集
塵ダストを本発明において使用すると、これはソ
ーダ灰以外に酸化鉄もかなりの割合(例、30%程
度)含有しているため、製造される脱燐剤に適度
の酸化鉄も混入し、これが脱燐効率の一層の向上
とともに脱硅作用も与える。したがつて、この組
成上の利点と脱燐剤の製造コストの両面から、こ
のような製鉄所内で捕集されるソーダ灰含有集塵
ダストを使用するのが好ましいが、これ以外のソ
ーダ灰を主成分とする粉末も使用できるのは当然
である。なお、添付図面および以下の説明には便
宜上「集塵ダスト」と記載するが、本発明の方法
においてスラグに添加する粉体は製鉄所内などで
捕集された集塵ダストに限定されるものではな
い。 次に、本発明の方法の操業条件について簡単に
説明する。エジエクター式排滓装置1の噴出管4
からは高圧気体、たとえば5Kg/cm2の圧力の圧縮
空気を、吐出管2内にマツハ0.5〜1.5程度の高速
気流が流れるような流量で噴出させる。吐出管内
の気流の流速は、吐出管および噴出管の管径によ
つても変動するので、所望の流速が得られるよう
に流量を調整する。溶融スラグ7の吸引排滓は、
排滓装置1を上方より適当な溶融スラグに近づけ
ることにより行うが、比重が約2〜3の溶融スラ
グの吸引にはスラグ上面で5m/sec以上の吸引気
流が必要なので、吐出管内の気流の流速が上記範
囲内の場合には、吸引管下端とスラグ上面との距
離を20〜80mmの範囲内とするのがよい。 集塵ダストの添加は、その搬送・噴射に適した
流量でキヤリヤガス(例、圧縮空気)を流しなが
ら、この気流に同伴させて吸引域に噴射させるこ
とにより行う。集塵ダストの添加量は、溶融スラ
グの排滓装置内での付着を防止し、粒状化させる
のに十分な量とし、通常は溶融スラグ1トンに対
して0.5〜1トンの割合で添加する。 このようにして本発明の方法により脱燐剤を製
造すると、集塵ダストの添加により目詰りを起こ
さずに溶融スラグを排滓しながら、粒径2〜20mm
程度に造粒された脱燐剤を得ることができる。こ
の脱燐剤は、前述したように溶銑の樋脱燐にブラ
ステイング法で添加するのに適しているが、もち
ろんその他の脱燐処理にも使用できる。粒径は吐
出管内の高速気流の流速により調整できる。造粒
されずにそのままエアフイルター13で捕集され
る集塵ダストが少し出るが、エアフイルターで捕
集されたダストあるいは回収箱11で回収された
粒状脱燐剤のうち粒径の小さすぎるものは、集塵
ダスト6に混合して再利用するか、インジエクシ
ヨン法による吹込みで添加する脱燐剤として使用
することができる。 次に実施例により、本発明を説明する。 実施例 高炉樋上でミルスケールを主とする脱硅剤40
Kg/溶銑Tにより脱硅処理した溶銑を排滓後に混
銑車に移し、ソーダ灰(Na2CO395.9%、SiO210
%、T.Fe0.2%、P0.5%、S0.3%)15Kg/溶銑ト
ンをインジエクシヨン法により溶銑に吹込んで脱
燐・脱硫処理した。これらの工程における溶銑成
分の変化を次の第1表に示す。
【表】 この脱燐により生成した溶融スラグの約半量を
真空吸引式排滓装置により混銑車より除滓した。
次に溶銑を取鍋に移し、溶銑上に浮上しているス
ラグのうち、まず大塊および未滓化部分をノロ掻
き法で除去し、残り約1.5トンのほぼ100%を本発
明の方法により添付図面に示したエジエクター式
吸引排滓装置を2台使用して排滓しつつ、集塵ダ
スタを添加して粒状の脱燐剤を製造した。使用し
た各排滓装置は吐出管、吸引管とも直径120mmの
鋼管からなるものであり、長さは吐出管1200mm、
吸引管800mmであつた。エジエクター駆動源とし
て、噴出管から圧力5Kg/cm2の圧縮空気を70N
m3/min/台の流量で噴出させた。粉体添加管か
らは、上記の混銑車内でのソーダ灰による脱燐・
脱硫処理時に集塵機で捕集されたダスト(平均組
成:Fe29.22%、Na2CO361.27%、Sio20.80%、
S0.39%)を、圧力が上と同じで流量が25Nm3
min/台の圧縮空気をキヤリヤガスとして、合計
100Kg/minの割合で添加した。粉体添加管は図
示例のように、エジエクター効果を高めるように
噴出管の下側に噴出管とほぼ平行(やや上向き)
になるように吐出管内に挿入した。回収箱上は図
示例のように密閉し、エアフイルターおよび排風
機を設けた。 上記条件下で、吸引管下端と溶融スラグ上面と
の距離を約50mmに制御して排滓を行つたが、最初
にノロ掻きにより大塊を除去したため、管内目詰
り等の問題もなく約10分間隔で吸引排滓を終了し
た。その間に管壁には約5〜15mm程度の厚みで溶
融スラグが付着しただけであつた。排滓終了後に
回収箱には約2トンの粒状物が堆積していた。そ
のうち粒径2mm未満の微細粒子をフルイにより分
離した結果、平均粒径約5mmの粒状脱燐剤が得ら
れた。得られた脱燐剤の組成を、集塵ダストを添
加する前の脱燐スラグの組成と共に次の第2表に
示す。
【表】 本実施例で得た脱燐剤を使つて、試験炉内で溶
銑中にこの脱燐剤10Kg/トンを添加して脱燐試験
を行つた。次の第3表に示す結果から明らかなよ
うに、この脱燐剤は予備脱燐剤として十分な脱燐
能を有しており、また脱硅効果もかなりあること
が確認された。さらに、滓化性が良好で、反応時
の発塵も少ないなどソーダ灰単味以上に良好な脱
燐剤であつた。
【表】 なお、回収物からフルイで分離された粒径2mm
未満の微細粒子は、次回の排滓作業時に集塵ダス
トに混入して使用するか、インジエクシヨン法に
より添加する脱燐剤として使用することができ
た。 (発明の効果) 以上の説明より明らかなように、本発明の脱燐
剤の製造方法は、次に挙げる効果を有する。 従来廃棄または再生処理を行つていた集塵ダ
ストおよび溶融スラグを簡単な手段で再生する
ことにより、脱燐剤が非常に低コストで得ら
れ、特にスラグ中の鉄源(粒鉄および酸化鉄)
を回収でき、ダスト処理およびスラグ処理が必
要になるか、もしくは大幅に軽減できる。 溶融スラグをほぼ完全に溶銑から分離するこ
とができ、しかも吸引管内への付着および目詰
りも防止できるので、全体としての安定した操
業が維持できる。 得られる脱燐剤は粒状であり、特にブラステ
イング法による一次脱燐に適しており、また溶
融スラグの持つ顕熱が造粒に有効に利用され
る。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明の方法による脱燐剤の製造
に用いるエジエクター式の吸引排滓装置の1例を
示す模式図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ソーダ灰系精錬剤による溶銑精錬により生じ
    たスラグを高圧気体を駆動源とするエジエクター
    式吸引排滓装置により吸引除滓する際に、吸引途
    中のスラグにソーダ灰含有粉末を添加し、前記吸
    引排滓装置から粒状物を回収することからなる、
    予備脱燐剤の製造方法。 2 前記ソーダ灰含有粉末がソーダ灰系精錬剤に
    よる溶銑精錬時に捕集された集塵ダストである特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
JP6032785A 1985-03-25 1985-03-25 予備脱燐剤の製造方法 Granted JPS61217514A (ja)

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