JPH0587539A - 溶接ビード形状検査方法 - Google Patents

溶接ビード形状検査方法

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JPH0587539A
JPH0587539A JP24622791A JP24622791A JPH0587539A JP H0587539 A JPH0587539 A JP H0587539A JP 24622791 A JP24622791 A JP 24622791A JP 24622791 A JP24622791 A JP 24622791A JP H0587539 A JPH0587539 A JP H0587539A
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welding bead
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Hidekazu Araki
秀和 荒木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶接ビードの外観形状の美醜を判定する。 【構成】溶接ビードの溶接線に沿って多数の測定点を設
定する。溶接線に交差する平面を形成する光を各測定点
で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビードに跨が
る部位に光切断線を形成する。光切断線の形状を撮像し
て溶接ビードの形状を検査する。各測定点ごとの光切断
線の曲線部の端点を結ぶ直線と、直線部の延長線とによ
り形成される三角形の面積を求める(ステップS10
3)。各測定点ごとの光切断線の曲線部と、曲線部の端
点を結ぶ直線とに囲まれる部分の面積を求める(ステッ
プS105)。両面積の比を評価値Viと定義し(ステ
ップS106)、評価値Viの大きさにより溶接ビード
の凹凸を評価する(ステップS107)。また、隣接す
る測定点について評価値Viの差分に基づいて、溶接ビ
ードの全長の凹凸の変化を評価する(ステップS10
9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてT形継手、十
字継手、かど継手、重ね継手等のすみ肉溶接継手におけ
る溶接ビードの仕上がり形状を検査する溶接ビード形状
検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶接の良否を判別するため
に、溶接ビードの形状を計測する方法が考えられてい
る。すなわち、溶接ビードの寸法を計測することによっ
て溶接部分の強度などの品質が確保されているかどうか
を判定するのである。たとえば、特開昭52−9604
9号公報では、溶接線に交差する直線を含むような平面
を形成する光を検査対象物に照射するとともに、ITV
カメラによって反射光の形状を観察する、いわゆる光切
断法によるビード形状の観察方法が記載されている。こ
の観察方法では、反射光が溶接ビードの表面形状を反映
していることを利用して、寸法目盛りとともに溶接ビー
ドの表面形状をモニタ画面に表示し、高所やパイプの内
面などの人が目視できない部分のビードの形状をモニタ
画面によって観察する。また、特開昭59−11220
9号公報には、非接触で距離を測定することができる光
ギャップセンサを溶接線に交差する方向に移動させるこ
とによって、光ギャップセンサの各位置での測定値に基
づいてビードの外形寸法を測定する方法が記載されてい
る。さらに、特開昭61−142408号公報では、光
切断法によって溶接線に沿う各位置での溶接ビードの表
面形状を解析し、溶接の止端部分での応力集中計数を演
算することによって、溶接部の疲労強度などについて溶
接の良否を判定する装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、溶接部分に
余盛などがあると製品として美麗な仕上がり形状が得ら
れずユーザの要求を満たすことができないものであるか
ら、溶接部分を研削することによって美麗な外観に仕上
げた後に製品としているのが現状である。したがって、
溶接部分の美醜に基づいて研削すべきかどうかの判定が
必要になる。
【0004】一方、上述した従来例のうち特開昭52−
96049号公報および特開昭59−112209号公
報に記載された方法は、いずれも溶接の良否判定を人が
行うものであって、溶接ビードの外観寸法を測定するた
めの補助的方法に過ぎないものである。また、特開昭6
1−142408号公報に記載された装置では、人手に
よらず溶接ビードの良否を判定することができるが、溶
接ビードの形状を強度面について判定するのであって、
溶接部分を研削すべきかどうかは判定することができな
い。このように、従来は、溶接ビードについて、丸み、
対称性、余盛、へこみ等の外観形状の美醜を判定するこ
とは考えられていなかった。
【0005】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、主にすみ肉溶接継手の溶接ビードを対象とし
て、溶接ビードの外観形状の美醜を判定できるようにし
た溶接ビード形状検査方法を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶接ビードの
溶接線に沿って多数の測定点を設定し、溶接線に交差す
る平面を形成する光を各測定点で溶接ビードに跨がるよ
うに照射して溶接ビードに跨がる部位に光切断線を形成
し、光切断線の形状に基づいて溶接ビードの形状を検査
する溶接ビード形状検査方法を前提とするものである。
【0007】請求項1の発明では、各測定点ごとの溶接
ビードの表面の凹凸を光切断線の形状に基づいて計測
し、溶接線に沿う方向での凹凸の変化に基づいて溶接ビ
ードの外観形状の美醜を評価する。請求項2の発明で
は、請求項1の方法において、各測定点ごとの溶接ビー
ドの凹凸の計測値を、溶接ビードの表面の丸みに相当す
る評価値により与えるのである。
【0008】請求項3の発明では、請求項1の方法にお
いて、各測定点ごとの溶接ビードの凹凸の計測値を、溶
接ビードの特定点の位置に相当する評価値により与える
のである。請求項4の発明では、各測定点ごとの溶接ビ
ードの余盛の大きさを光切断線の形状に基づいて計測
し、余盛の大きさに基づいて溶接ビードの外観形状の美
醜を評価する。
【0009】請求項5の発明では、各測定点ごとの溶接
ビードの対称性を光切断線の形状に基づいて計測し、溶
接線に沿う方向での対称性の変化に基づいて溶接ビード
の外観形状の美醜を評価する。請求項6の発明では、各
測定点ごとの溶接ビードの幅を光切断線の形状に基づい
て計測し、溶接線に沿う方向での幅の変化に基づいて溶
接ビードの外観形状の美醜を評価する。
【0010】請求項7の発明では、各測定点ごとの特定
点の位置を光切断線の形状に基づいて計測し、溶接線に
沿う方向での特定点の位置の変化によって判定される溶
接ビードの直線性に基づいて溶接ビードの外観形状の美
醜を評価する。請求項8の発明では、各測定点ごとの溶
接ビードの表面のへこみを光切断線の形状に基づいて計
測し、全測定点に対するへこみが検出された測定点の占
める割合に基づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評価
する。
【0011】請求項9の発明では、請求項1ないし請求
項8に記載の溶接ビード形状検査方法のうちの複数を組
み合わせているのである。請求項10の発明では、溶接
ビードに対応する部位の光切断線の曲線部と、光切断線
の曲線部の両端点につながる一対の直線部の延長線と、
光切断線の曲線部の両端点を結ぶ直線と、両延長線の交
点における角度の二等分線とのうちの複数の線に囲まれ
た部分の面積の関係に基づいて、溶接ビードの表面の丸
み、余盛の大きさ、溶接ビードの対称性を計測し、丸
み、余盛の大きさ、対称性の変化に基づいて溶接ビード
の外観形状の美醜を評価する。
【0012】請求項11の発明では、溶接ビードに対応
する部位の光切断線の曲線部と、光切断線の曲線部の両
端点につながる一対の直線部の延長線と、光切断線の曲
線部の両端点を結ぶ直線と、両延長線の交点における角
度の二等分線とを求め、光切断線の曲線部の端点を結ぶ
直線と両延長線の交点および光切断線の曲線部との間の
二等分線上での寸法関係に基づいて溶接ビードの丸みを
計測し、光切断線の曲線部が延長線から突出する寸法に
基づいて余盛の大きさを計測し、両延長線の交点と光切
断線の曲線部の各端点までの寸法関係に基づいて溶接ビ
ードの対称性を計測し、丸み、余盛の大きさ、対称性の
変化に基づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評価す
る。
【0013】請求項12の発明では、溶接ビードに対応
する部位の光切断線の曲線部と、光切断線の曲線部の両
端点につながる一対の直線部の延長線と、光切断線の曲
線部の両端点を結ぶ直線と、両延長線の交点における角
度の二等分線とを求め、光切断線の曲線部と二等分線と
の交点と光切断線の曲線部の各端点とを結ぶ一対の直線
のなす角度に基づいて溶接ビードの丸みを計測し、光切
断線の曲線部の端点における接線と上記延長線とのなす
角度に基づいて余盛の大きさを計測し、光切断線の曲線
部の両端点を結ぶ直線と上記各延長線とのなす角度の関
係に基づいて溶接ビードの対称性を計測し、丸み、余盛
の大きさ、対称性の変化に基づいて溶接ビードの外観形
状の美醜を評価する。
【0014】請求項13の発明では、溶接ビードに対応
する部位の光切断線の曲線部と、光切断線の曲線部の両
端点につながる一対の直線部の延長線とを求め、光切断
線の曲線部と延長線との交点の有無に基づいて余盛の有
無を判定し、光切断線の曲線部の傾きの不連続点の有無
に基づいて溶接ビードの表面のへこみの有無を判定し、
余盛および溶接ビードのへこみの有無に基づいて溶接ビ
ードの外観形状の美醜を評価する。
【0015】請求項14の発明では、請求項1ないし請
求項8に記載の溶接ビード形状検査方法の少なくとも1
つを、溶接欠陥の検査とともに行うのである。
【0016】
【作用】請求項1ないし請求項9の方法によれば、溶接
ビードについて、溶接線に沿う方向での表面の凹凸、余
盛の大きさ、対称性、幅の変化、直線性、へこみによっ
て、溶接ビードの全体形状の美醜を判定できるのであっ
て、従来は行われていなかった、溶接ビードの美醜の判
定基準を与えることができるのである。
【0017】請求項10ないし請求項13の方法は、溶
接ビードの美醜を判定する6種類の判定基準のうちの複
数の組み合わせ方の具体例であって、それぞれ面積、寸
法、角度、特定点の有無による判定を行うようにしてい
るから、判定基準が複数であっても手順の一部を共通化
することができ、処理効率の向上につながるものであ
る。
【0018】請求項14の方法は、従来より行われてい
た溶接欠陥の検査と同時に、溶接ビードの美醜を判定す
るものであって、溶接ビードに関する強度面および美醜
に関する総合的な判定が行えることになる。
【0019】
【実施例】以下の実施例において、溶接ビードの形状の
美醜の判定方法はそれぞれ異なるが、評価すべき溶接ビ
ードの外観形状を取り込む方法はすべての実施例で共通
の方法を用いることができる。たとえば、図5では、板
材である一対の母材1,2を交差させて突き合わせ、突
き合わせ部分を溶接して溶接ビード3が形成されるかど
継手溶接を施した検査対象物を示しており、溶接ビード
3の外観形状の取込み方法としては、いわゆる光切断法
が用いられる。すなわち、溶接線11に対して交差する
直線を含むような平面を形成する光を投光装置4から検
査対象物に照射し、その反射光をITVカメラ等の撮像
装置5によって受光するのであり、輝線(以下、光切断
線と呼称する)の画像を抽出することによって溶接ビー
ド3の表面形状を得るのである。光切断線10は、図6
に示すように、母材1,2の上では直線状になり、溶接
ビード3の上では曲線状になるのであって、光切断線1
0は溶接ビード3の表面形状を反映していることにな
る。投光装置4は、レーザ発生装置のような光源からの
光を一直線状のスリットに通したり、照射対象に対して
点状のスポットを形成する光ビームを一直線上で走査す
ることによって上記形状の光を得るように構成される。
ここで、投光装置4と撮像装置5とは、一定の角度関係
を保った状態で溶接線11の方向に移動するように位置
が制御され、溶接線11に沿って一定間隔ないし不定間
隔で設定された多数の測定点で光切断線10が取り込ま
れるようになっている。したがって、溶接線11に交差
する平行な多数の平面内での溶接ビード3の表面形状が
得られることになる。このような装置によって撮像装置
5に取り込まれた光切断線10の画像について、コンピ
ュータ処理により以下の各実施例のような種々の演算を
行うことによって溶接ビードの美醜を判定するのであ
る。
【0020】以下の説明のために光切断線10の画像の
各部位に付与する記号ついては、図7のように定義して
おく。すなわち、光切断線10のうち、各母材1,2の
上に形成される直線部をそれぞれ直線L1,L2とし、
両直線L1,L2の延長線の交点を点Aとする。また、
光切断線10のうち、溶接ビード3の上に形成される曲
線部と直線L1,L2との交点をそれぞれ点B,Cと
し、∠BACの二等分線L3と光切断線10の曲線部B
DCとの交点を点D、二等分線L3と直線BCとの交点
を点Eとする。
【0021】1.溶接ビードの凹凸の評価 (実施例1)本実施例では、図1に示すように、光切断
線10の画像を取り込んだ後、まず、図7において定義
した点A,B,Cを検出し(ステップS102)、三角
形ABCの面積(S1)を求める(ステップS10
3)。また、光切断線10の曲線部BDCを求めて(ス
テップS104)、曲線部BDCと直線BCとに囲まれ
た部分(面BDCE)の面積(S2)を求める(ステッ
プS105)。こうして得られた面積S1,S2の比
(=S1/S2)を評価値Viと定義する(ステップS
106)。ここで、評価値Viが大きいほど溶接ビード
3の丸みが大きいと評価できるから、Vi判定ルーチン
(ステップS107)において、溶接ビード3が十分な
丸みがあるかどうかを判定する。
【0022】すなわち、Vi判定ルーチンでは、図2に
示すように、評価値Viを閾値Th1と比較し(ステッ
プS11)、評価値Viが閾値Th1以下であると、不
良点カウンタkをインクリメントする(ステップS1
2)。このようにして一つの測定点について評価値Vi
の評価を行った後、長さカウンタiをインクリンメント
し(ステップS108)、溶接線11に沿って溶接ビー
ド3の終端まで移動したかどうかを判定し(ステップS
101)、溶接ビード3の終端であれば、溶接ビード3
の外観形状の美醜についての評価を、差分判定ルーチン
(ステップS109)および最終判定ルーチン(ステッ
プS110)によって行う。ここにおいて、長さカウン
タiは、測定点が一定間隔であれば溶接ビード3の長さ
に一対一対応するのであり、また、不良点カウンタkは
評価値Viが所定の条件を満たさなかった測定点の数を
示すことになる。したがって、測定開始時には、長さカ
ウンタiおよび不良点カウンタkは、ともに初期値が0
に設定される(ステップS100)。
【0023】差分判定ルーチンは、図3に示すように、
隣接する測定点の間での評価値Viの変化を判定するも
のであって、変化が大きいときには美麗ではないと判定
することになる。すなわち、隣接する測定点の評価値V
j,Vj+1の差分を所定の閾値Th2と比較し(ステ
ップS22)、差分が閾値Th2以上であるときには、
この測定点では美麗な溶接ビード3としての要件が満た
されていないものとして、不良点カウンタmをインクリ
メントする(ステップS23)。一つの測定点について
評価値Viの差分を評価した後、測定点カウンタjをイ
ンクリメントし(ステップS24)、測定点が終了する
まで差分の評価を繰り返す(ステップS25)。ここに
おいて、不良点カウンタmおよび測定点カウンタjの初
期値は0として与えられ、測定点jの終了の判定のため
に、長さカウンタiによって求めた溶接ビード3の長さ
に対応する値endを用いている(ステップS21)。
【0024】最終判定ルーチンでは、図4に示すよう
に、図2に示したVi判定ルーチンで求めた不良点カウ
ンタkと、図3に示した差分判定ルーチンで求めた不良
点カウンタmとの値を、それぞれ所定の閾値Th3,T
h4と比較し(ステップS31,S32)、両ルーチン
によって不良であると判定された測定点の数が、ともに
対応する閾値Th3,Th4より少ないときには、溶接
ビード3の外観形状は美麗であって研削を必要としない
良品であるという表示を行う(ステップS33)。ま
た、不良点カウンタk,mのうち、いずれか一方でも対
応する閾値Th3,Th4以上であるときには、溶接ビ
ード3の外観形状に製品として不都合な欠陥があるもの
として不良品の表示を行う(ステップS34)。
【0025】以上のようにして、最終判定ルーチンで
は、溶接ビード3の表面の凹凸に基づいて全体形状の美
醜を判定できるのである。 (実施例2)本実施例は、溶接ビード3の丸みの評価方
法として、∠BACの二等分線L3の上で、直線AEと
直線DEとの関係を用いたものである。すなわち、直線
AEに対して、直線DEの長さが大きいほど溶接ビード
3の丸みが大きいと評価するのである。
【0026】したがって、図8に示すように、まず、図
7で示した点A,D,Eを検出し(ステップS12
2)、線分AEおよび線分DEについて長さ(AE),
(DE)を求める(ステップS123,S124)。次
に、長さ(AE),(DE)の比を評価値Vi(=(A
E)/(DE))とし(ステップS125)、この評価
値Viを実施例1と同様のVi判定ルーチンで評価する
(ステップS126)。溶接ビード3の全長に亙って評
価値Viを評価した後(ステップS127,S12
1)、実施例1と同様の処理によって溶接ビード3の外
観形状に製品として不都合な欠陥があるかどうかを判定
する。すなわち、評価値Viが異なるのみであって、溶
接ビード3の表面の凹凸に基づく外観形状の美醜を判定
する手順としては、実施例1と同じ手順を用いることが
できるのである。つまり、ステップS122〜S125
を除く手順は、実施例1のステップS102〜S106
を除く手順と同じになる。このことは、以下の実施例3
ないし実施例5でも同様である。
【0027】(実施例3)本実施例は、溶接ビード3の
丸みの評価方法として、∠BACと∠BDCとの関係を
用いたものである。すなわち、実施例2で説明したよう
に、直線AEに対して直線DEの長さが大きいほど溶接
ビード3の丸みが大きいのであるから、直線BCを底辺
として共有する2つの三角形ABC,BDCの頂角であ
る∠BACと∠BDCとの間には、溶接ビード3の丸み
が大きいほど∠BDCが∠BACに近い角度になるとい
う関係がある。
【0028】したがって、図9に示すように、まず、図
7で示した点A,B,C,Dを検出し(ステップS13
2)、次に、∠BACおよび∠BDCの値を求める(ス
テップS133,S134)。その後、両角度∠BA
C,∠BDCの比として評価値Vi(=∠BAC/∠B
DC)を求める(ステップS135)。評価値Viを求
めた後の処理は実施例1と同様であるから説明を省略す
る。
【0029】(実施例4)本実施例は、光切断線10の
曲線部BDCの点Dにおける曲率に基づいて溶接ビード
3の丸みを評価するものである。要するに、曲率が大き
いほど溶接ビード3の丸みが大きいと判定するのであ
る。このために、図10に示すように、まず図7におけ
る点B,C,Dを検出し(ステップS142)、その
後、点Dにおける曲線部BDCの曲率を求め、この曲率
を評価値Viとするのである(ステップS143)。以
後の処理は実施例1と同様であるから説明を省略する。
【0030】(実施例5)本実施例では、∠BACの二
等分線L3をY軸方向と定め、光切断線10の曲線部B
DCの上の点DのY座標に基づいて、溶接ビード3の丸
みの評価を行うものである。すなわち、点Eから点Aに
向かう向きにY座標の値が大きくなるものとすれば、実
施例2で説明した関係によって、溶接ビード3の丸みが
大きいほど点DのY座標は大きくなるのである。
【0031】このような知見に基づいて、図11に示す
ように、まず図7における点Dを検出し(ステップS1
52)、次に、点DのY座標を評価値Viと定めるので
ある(ステップS153)。評価値Viを定めた後の手
順は実施例1と同様であり、溶接ビード3の全長に亙っ
て評価値Viを評価した後(ステップS154,S15
5,S151)、隣接する測定点の評価値Viの差分を
評価し(ステップS156)、評価値Viおよび差分に
関する評価結果に基づいて、溶接ビード3の美醜を判定
するのである(ステップS157)。
【0032】2.溶接ビードの余盛の評価 以下の実施例6ないし実施例10は、溶接ビード3の余
盛の程度によって溶接ビード3の外観形状の美醜を判定
するものである。ここにおいて、余盛12は、図12に
示すように、一方の母材1,2の表面を延長した平面に
対して溶接ビード3が突出している部分であるものと定
義する。一般に、このような余盛12があれば、余盛1
2を研削することが必要である。光切断線10について
考えれば、図13に示すように、余盛12は、光切断線
10の曲線部BDCのうちで、光切断線10の直線部で
ある直線L1(またはL2)の少なくとも一方の延長線
に対して、光切断線10の曲線部BDCが外側に突出し
ている部分(図13の斜線部)であると考えることがで
きる。以下の実施例では、余盛12の直線L1(または
L2)からの最大距離を高さH、点Bまたは点Cにおけ
る余盛12の接線が直線L1(またはL2)となす角度
をθとする。また、曲線部BDCと直線BCとに囲まれ
る面の重心をG1、曲線部BDCと直線BCとに囲まれ
る部分のうち余盛12を除く面(曲線部BDCと直線B
Cと直線L1(またはL2)とに囲まれる面)の重心を
G2とし、両重心G1,G2の距離をLとする。さら
に、曲線部BDCと直線L1(またはL2)との交点を
Pとする。
【0033】(実施例6)本実施例は、図13に示した
余盛12の面積S3を用いて、余盛12の大きさを評価
するものである。すなわち、図14に示すように、光切
断線10の画像を取り込んだ後、まず、図7および図1
3において定義した点B,C,Dを検出することによっ
て曲線部BDCを検出する(ステップS162)。次
に、曲線部BDCと直線L2(またはL1)とにより囲
まれる部分の面積S3を余盛12に相当する面積として
求め(ステップS163)、得られた面積S3を評価値
Viと定める(ステップS164)。その後、Vi判定
ルーチンによって評価値Viの大きさを判定する(ステ
ップS165)。
【0034】ここで、評価値Viが大きいときには余盛
12が大きく、美麗な溶接ビード3としての要件が満た
されていないと判断できるから、図2に示したVi判定
ルーチンにおいて、ステップS11における比較条件
(Vi≦Th1)を、Vi≧Th1に代えて、評価値V
iが所定の閾値Th1以上のときには、その測定点での
余盛12の状態は不良であると判定して、不良点カウン
タkをインクリメントする。
【0035】このようにして一つの測定点について評価
値Viの評価を行った後、長さカウンタiをインクリン
メントし(ステップS166)、溶接線11に沿って溶
接ビード3の終端まで移動したかどうかを判定し(ステ
ップS161)、溶接ビード3の終端であれば、溶接ビ
ード3の外観形状の美醜についての評価を、積分判定ル
ーチン(ステップS167)および最終判定ルーチン
(ステップS168)によって行う。ここに、測定開始
時に、長さカウンタiおよび不良点カウンタkの初期値
を0に設定しておくのはもちろんのことである(ステッ
プS160)。
【0036】積分判定ルーチンでは、図15に示すよう
に、各測定点での評価値Viの積分値addを求めるの
であって(ステップS42)、評価値Viの積分値ad
dが所定の閾値Th5と比較される(ステップS4
3)。すなわち、溶接ビード3の全体での余盛12の体
積を評価することに相当する。積分値addが閾値Th
5以上であると余盛12が大きく、このときには美麗な
溶接ビード3としての要件が満たされていないものとし
て不良点カウンタmをインクリメントする(ステップS
44)。一つの測定点について積分値addを評価した
後、測定点カウンタjをインクリメントし(ステップS
45)、測定点が終了するまで積分値addの評価を繰
り返す(ステップS46)。ここにおいて、不良点カウ
ンタm、測定点カウンタj、積分値addの初期値は0
として与えられ、測定点jの終了の判定のために、長さ
カウンタiによって求めた溶接ビード3の長さに対応す
る値endを用いている(ステップS41)。また、不
良点カウンタmは、積分値addが閾値Th5以上にな
った測定点以後の測定点の個数を表すことになる。
【0037】最終判定ルーチンでは、実施例1と同様に
図4に示した手順が用いられるのであって、図2に示し
たVi判定ルーチンで求めた不良点カウンタkと、図1
5に示した積分判定ルーチンで求めた不良点カウンタm
との値を、それぞれ所定の閾値Th3,Th4と比較し
(ステップS31,S32)、両ルーチンによって不良
であると判定された測定点の数が、ともに対応する閾値
Th3,Th4より少ないときには、溶接ビード3の外
観形状は美麗であって研削を必要としない良品であると
いう表示を行う(ステップS33)。また、不良点カウ
ンタk,mのうち、いずれか一方でも対応する閾値Th
3,Th4以上であるときには、溶接ビード3の外観形
状に製品として不都合な欠陥があるものとして不良品の
表示を行う(ステップS34)。ここで、不良点カウン
タmは、余盛12の体積が所定値以上であると1以上の
値になるから、閾値Th4は1と設定しておけばよい。
逆に、積分判定ルーチンにおいて不良点カウンタmをイ
ンクリメントする処理を行わずに、不良点カウンタmに
不良品フラグとして一定値を与え、閾値Th4を不良品
フラグよりも小さい値に設定するようにしてもよい。
【0038】以上のようにして、最終判定ルーチンで
は、溶接ビード3の余盛12の大きさに基づいて全体形
状の美醜を判定できるのである。ここに、以下の実施例
7ないし実施例10においても、Vi評価ルーチン、積
分評価ルーチン、最終判定ルーチンの処理手順は本実施
例と同様である。 (実施例7)本実施例では、余盛12の大きさを余盛1
2の高さHによって評価するものである。すなわち、図
16に示すように、図7および図13で定義した点B,
C,Dを求め、光切断線10の曲線部BDCを検出する
(ステップS172)。上述したように、直線L1(ま
たはL2)と曲線部BDCとの最大距離を余盛12の高
さHとし、この高さHを求める(ステップS173)。
その後、高さHを評価値Viに設定し(ステップS17
4)、Vi判定ルーチンにおいて評価値Viの評価を行
う。余盛12が大きいときには高さHが大きくなるので
あって、Vi判定ルーチンでは余盛12が大きいときに
は美麗な溶接ビード3としての要件を満たしていないも
のと判断する。すなわち、実施例6と同様に、図2に示
したVi判定ルーチンにおいて、ステップS11での判
定条件(Vi≦Th1)を、Vi≧Th1に代える。
【0039】以後の処理は、実施例6と同様であって、
溶接ビード3の全長に亙って評価値Viを求めた後(ス
テップS176,S171)、積分判定ルーチンでは余
盛12の高さHの積分値を評価し、最終判定ルーチンに
よって溶接ビード3の余盛12についての外観形状の美
醜を最終的に評価するのである(ステップS177,S
178)。
【0040】(実施例8)本実施例では、光切断線10
の曲線部BDCの点B(または点C)における接線が直
線L1(またはL2)となす角度θを、余盛12の大き
さを判断する評価値Viとして用いるものである。すな
わち、角度θが大きいほど余盛12が大きいと判断する
ものである。
【0041】図17に示すように、光切断線10の曲線
部BDCを検出した後(ステップS182)、点B(ま
たは点C)における曲線部BDCの接線と直線L1(ま
たはL2)との角度θを求める(ステップS183)。
この角度θを評価値Viに設定し(ステップS18
4)、以後は、実施例6と同様に、溶接ビード3の全長
に亙ってVi判定ルーチンによる評価を行った後(ステ
ップS185,S186,S181)、積分判定ルーチ
ンおよび最終判定ルーチンによって余盛12の大きさを
評価して、溶接ビード3の美醜を判定するのである(ス
テップS187,S188)。
【0042】(実施例9)本実施例では、光切断線10
の曲線部BDCと直線BCとに囲まれる図形の重心G1
と、この図形から余盛12を除いた図形(すなわち、曲
線部BDCと直線BCと直線L1(またはL2)とに囲
まれた図形)の重心G2との距離Lに基づいて余盛12
の大きさを判定するものである。すなわち、重心G1,
G2の距離Lが大きいほど余盛12が大きいと判定する
のである。
【0043】したがって、図18に示すように、まず図
7および図13において定義した点B,C,Dを検出す
る(ステップS192)。次に、曲線部BDCと直線B
Cとで囲まれる面の重心G1、および、曲線部BDCと
直線BCと直線L1(またはL2)とに囲まれる面の重
心G2を求め(ステップS193,S194)、その
後、重心G1,G2の距離Lを求める(ステップS19
5)。このようにして求めた重心G1,G2の距離Lを
評価値Viと定義する(ステップS196)。
【0044】以後の処理は、実施例6と同様であって、
Vi判定ルーチンで評価値Viが所定の閾値Th1以上
の測定点の数を不良品カウンタkの計数値として求め、
積分判定ルーチンでは各測定点における距離Lの合計が
所定の閾値Th5を越えるかどうかを判定して不良品カ
ウンタmの値をセットする。その後、最終判定ルーチン
では不良品カウンタk,mに基づいて溶接ビード3の美
醜を判定する。
【0045】(実施例10)本実施例では、光切断線1
0の曲線部BDCと直線L1(またはL2)との交点P
の存否に基づいて、余盛12の存否を判定するものであ
る。すなわち、交点Pが存在すれば余盛12が存在する
から、余盛12が存在するときには溶接ビード3が美麗
ではない可能性があると判定するようになっているので
ある。
【0046】すなわち、図19に示すように、まず図7
および図13で定義した光切断線10の曲線部BDCを
求め(ステップS212)、曲線部BDCと直線L1
(またはL2)との交点Pの有無を求める(ステップS
213)。交点Pの存否を判定して(ステップS21
4)、存在しないときには評価値Viを0に設定し(ス
テップS215)、存在するときには評価値Viを1に
設定する(ステップS216)。
【0047】次に、Vi判定ルーチンにおいて評価値V
iの大きさによって測定点における溶接ビード3の良否
を判定する。ここで、図2に示したステップS11の判
定条件としては、評価値Viが1、0の2値であること
から、Vi=1かどうかを判定すればよい。すなわち、
Vi=1のときに不良品カウンタkをインクリメントす
るのである。こうして、溶接ビード3の全長に亙って測
定点ごとに交点Pの存否を検出した後に、積分判定ルー
チンおよび最終判定ルーチンによって溶接ビード3の美
醜を判定する(ステップS219,S220)。ただ
し、評価値Viは2値であるから、図15に示した積分
判定ルーチンで求める積分値addは、不良品カウンタ
kと同じ値になる。したがって、図4に示した最終判定
ルーチンでは、ステップS31とステップS32との一
方の判定条件で十分である。
【0048】3.溶接ビードの対称性の評価 以下の実施例11ないし実施例16は、溶接ビード3の
各測定点での対称性に基づいて溶接ビード3の美醜を判
定するものである。 (実施例11)本実施例では、三角形ABEと三角形A
CEとの面積の比に基づいて溶接ビード3の各測定点に
おける対称性を評価する。すなわち、両三角形ABE,
ACEの面積比が1に近いほど対称性が良好であると判
定するのである。
【0049】したがって、図20に示すように、まず、
図7で定義した点A,B,C,Eを検出し(ステップS
232)、その後、各三角形ABE,ACEの面積(S
4),(S5)を求める(ステップS233,S23
4)。次に、両面積(S4),(S5)の比を評価値V
i(=S4/S5)と定義し(ステップS235)、V
i判定ルーチンによって評価値Viに基づいて各測定点
ごとの対称性を判定する(ステップS236)。ここに
おいて、図2に示したVi判定ルーチンでは、所定の閾
値Th1に対して評価値Viが、Vi≦Th1であると
きに不良品カウンタkをインクリメントしているが、本
実施例では、評価値Viの1からのずれが大きいときに
不良品カウンタkをインクリメントするようにすること
が必要である。したがって、ステップS11の判定条件
としては、|Vi−1|≧Th1のときに不良品カウン
タkをインクリメントすればよい。
【0050】こうして、溶接ビード3の全測定点につい
て対称性を評価した後(ステップS237,S23
1)、図3に示した差分判定ルーチンに従って溶接線に
沿った対称性の変化を検出し(ステップS238)、図
4に示した最終判定ルーチンによって、対称性に基づい
た溶接ビード3の美醜の判定を行うのである(ステップ
S239)。
【0051】以下の実施例12ないし実施例13におい
ても、Vi判定ルーチンの処理は本実施例と同様にな
る。 (実施例12)本実施例では、線分ABと線分ACとの
長さ(AB),(AC)の比を評価値Vi(=AB/A
C)として対称性の判定を行う。すなわち、図21に示
すように、図7で定義した点A,B,C,Eを検出し
(ステップS242)、線分ABおよび線分ACの長さ
(AB),(AC)をそれぞれ求め(ステップS24
3,S244)、さらに、長さ(AB),(AC)の比
を評価値Vi(=AB/AC)と定めるのである(ステ
ップS245)。以後の処理は、実施例11と同様であ
って、Vi判定ルーチンで測定点での対称性を判定し
(ステップS246)、差分判定ルーチンでは隣接する
測定点での対称性の変化を判定し(ステップS24
8)、最終的には各測定点および溶接ビード3の全体で
の対称性に基づいて最終判定ルーチンで、溶接ビード3
の美醜を判定するのである(ステップS249)。
【0052】(実施例13)本実施例では、∠ABCと
∠ACBとの比を評価値Vi(=∠ABC/∠ACB)
としたものであって、実施例11と同様に、評価値Vi
が1に近いほど対称性がよいと判定する。すなわち、図
22に示すように、まず、図7で定義した点A,B,
C,Eを検出し(ステップS252)、∠ABCと∠A
CBとを求め(ステップS253,S254)、次に評
価値Viを、Vi=∠ABC/∠ACBと定義する(ス
テップS255)。こうして得られた評価値Viの評価
は、実施例11と同様の手順で評価する。
【0053】(実施例14)本実施例では、図23に示
すように、光切断線10の曲線部BDCの近似的な中心
点Oを求め、∠BACの二等分線L3と中心点Oとの距
離ΔXに基づいて溶接ビード3の各測定点での対称性を
評価するものである。すなわち、対称性がよいほど距離
ΔXが小さくなることを利用して対称性を評価するので
ある。
【0054】したがって、図24に示すように、まず図
7で定義した点A,B,C,Dを検出した後(ステップ
S262)、点B,C,Dに基づいて曲線部BDCの近
似的中心点Oを求める(ステップS263)。この処理
は、たとえば、直線BDと直線DCとについて垂直二等
分線の交点を近似中心点Oと定めればよい。次に、∠B
ACの二等分線L3と中心点Oとの距離ΔXを求め(ス
テップS264)、この距離ΔXを評価値Viと定義す
る(ステップS265)。
【0055】評価値Viを定めた後は、実施例11と同
様にしてVi判定ルーチンによって測定点ごとの評価値
Viの評価を行った後(ステップS266)、差分判定
ルーチンによって隣接する測定点の間の変化による評価
を行い(ステップS267)、最終判定ルーチンによっ
て溶接ビード3の全体としての美醜を判定するのである
(ステップS268)。ここにおいて、Vi判定ルーチ
ンでは、距離ΔXが小さいほど対称性がよいと判定する
のであるから、図2に示したステップS11では、Vi
≧Th1のときに不良点カウンタkをインクリメントす
るように判定条件を設定する。他の手順については、実
施例11と同様である。
【0056】(実施例15)本実施例では、図25に示
すように、光切断線10の曲線部BDCと直線BCとで
囲まれる図形の重心Gを求め、∠BACの二等分線L3
と重心Gとの距離ΔYに基づいて溶接ビード3の各測定
点での対称性を評価するものである。この場合、実施例
14と同様に、対称性がよいほど距離ΔYが小さくなる
ことを利用して対称性を評価する。
【0057】したがって、図26に示すように、まず図
7で定義した点A,B,C,Dを検出した後(ステップ
S272)、光切断線10の曲線部BDCを検出し(ス
テップS273)、曲線部BDCと直線BCとに囲まれ
た図形の重心Gを求める(ステップS274)。次に、
∠BACの二等分線L3と重心Gとの距離ΔYを求め
(ステップS275)、この距離ΔYを評価値Viと定
義する(ステップS276)。
【0058】評価値Viを定めた後は、実施例14と同
様の処理を行えば、溶接ビード3の対称性についての評
価を行うことができる。すなわち、Vi判定ルーチンに
おける判定条件は実施例14と同様になる。ステップS
273〜S276を除く他の手順は実施例14と同様で
ある。 (実施例16)本実施例では、図27に示すように、∠
BACの二等分線L3に沿う方向における点B,Cの距
離H1、および二等分線L3に直交する方向に対する直
線BCのなす角度θ1に基づいて溶接ビード3の対称性
を判定するものである。すなわち、距離H1や角度θ1
は対称性がよいほど小さい値になることを利用して、対
称性の評価を行うのである。
【0059】したがって、図28に示すように、点B,
Cを検出した後(ステップS292)、∠BACの二等
分線L3に直交する方向と直線BCとのなす角度θ1、
および二等分線L3に沿う方向の点B,Cの距離H1を
求める(ステップS293,S294)。評価値Viと
しては、角度θ1と距離H1との少なくともいずれか一
方を用いるのであって、両方を用いるようにしてもよい
(ステップS295)。評価値Viが小さいほど対称性
に優れていると判定できるから、Vi判定ルーチンで
は、実施例14と同様の判定条件によって不良点カウン
タkをインクリメントする。また、評価値Viとして
は、角度θ1と距離H1との一方を用いれば足りるが、
両方を用いる場合には、両方がともに所定の閾値よりも
小さいときにのみ良品と判定するようにすればよい。他
の手順については実施例14と同様である。
【0060】4.溶接ビードの幅の評価 (実施例17)本実施例は、図29に示すように、溶接
ビード3の幅H2によって溶接ビード3の美醜を判定す
るものである。すなわち、∠BACの二等分線L3に直
交する方向における点B,Cの距離H2を求めることに
よって、溶接ビード3の量を評価しているのであって、
溶接ビード3の量が過剰であって美麗な溶接ビード3が
得られないときには、距離H2が小さくなることを利用
して溶接ビード3の評価を行うのである。
【0061】したがって、図30に示すように、点B,
Cを検出した後(ステップS302)、二等分線L3に
直交する方向での点B,Cの距離H2を求め(ステップ
S303)、この距離H2を評価値Viと定義する(ス
テップS304)。評価値Viは、図2に示したVi判
定ルーチンを用いて評価され(ステップS305)、溶
接ビード3の全測定点について評価値Viを評価した後
(ステップS306,S301)、図3に示した差分判
定ルーチンによって隣接する測定点での幅の変化を評価
し(ステップS307)、図4に示した最終判定ルーチ
ンによって、溶接ビード3の美醜を判定するのである
(ステップS308)。ステップS302〜S304を
除く手順は、実施例1と同様であるから説明を省略す
る。
【0062】5.溶接ビードの直線性の評価 (実施例18)本実施例では、図7で定義した光切断線
10の曲線部BDCの上で、∠BACの二等分線L3と
の交点である点Dについて、二等分線L3に直交する方
向での位置の変化を検出することによって溶接ビード3
の直線性に関する評価を行うものである。すなわち、二
等分線L3に直交する方向に座標軸を定め、点Dの座標
値を評価値Viとして定義し、座標値が所定の範囲内で
あるときに直線性がよいと判定すればよい。
【0063】具体的には、図31に示すように、まず、
曲線部BDCの上の点Dを検出し(ステップS31
2)、点Dの座標値(x)を求め(ステップS31
3)、この座標値(x)を評価値Viと定義する(ステ
ップS314)。評価値Viを決定した後は、Vi判定
ルーチンによって評価値Viを評価するのであって(ス
テップS315)、評価値Viが所定範囲内であるとき
に、不良点カウンタkをインクリメントする。すなわ
ち、図2におけるステップS11では、|Vi−V0
≧Th1のときに不良点カウンタkをインクリメントす
ればよい。ただし、V0 は基準となる座標値であって定
数である。
【0064】溶接ビード3の全測定点について点Dの座
標値(x)を評価した後(ステップS316,S31
1)、差分判定ルーチンによって隣接する測定点の間で
の点Dの位置の変化を評価し(ステップS317)、最
終判定ルーチンでは、Vi判定ルーチンおよび差分判定
ルーチンによる判定結果に基づいて、溶接ビード3の美
醜を判定するのである(ステップS318)。
【0065】以上のような手順によって溶接ビード3の
直線性に基づいて、溶接ビード3の美醜を評価すること
ができる。6.溶接ビードのへこみの評価 (実施例19)本実施例では、溶接ビード3に図32に
示すような、へこみ点P1が形成されているときに不良
であると判定するものである。
【0066】すなわち、図33に示すように、光切断線
10の直線部である直線L1(またはL2)から始めて
光切断線10を追跡し(ステップS322)、光切断線
10の傾きが不連続になる点をへこみ点P1として検出
する(ステップS323)。次に、測定点においてへこ
み点P1が存在しないときには、評価値Viを0に設定
し(ステップS325)、へこみ点P1が存在するとき
には、評価値Viを1に設定する(ステップS32
6)。
【0067】次に、Vi判定ルーチンにおいて評価値V
iの大きさによって測定点における溶接ビード3の良否
を判定する(ステップS327)。ここで、評価値Vi
が1、0の2値であることから、実施例10と同様の手
順で、図2に示したステップS11でVi=1と判定し
たときに、不良品カウンタkをインクリメントする。溶
接ビード3の全長に亙って測定点ごとのへこみ点P1の
存否を検出した後に(ステップS328、S321)、
積分判定ルーチンおよび最終判定ルーチンによって溶接
ビード3の美醜を判定する(ステップS329,S33
0)。ただし、評価値Viは2値であるから、図15に
示した積分判定ルーチンで求める積分値addは、不良
品カウンタkと同じ値になる。したがって、図4に示し
た最終判定ルーチンでは、ステップS31とステップS
32との一方の判定条件で十分である。
【0068】7.溶接ビードの各種評価法の組み合わせ
による評価 (実施例20)本実施例は、上述した溶接ビード3の外
観形状の美醜に関する評価法を組み合わせたものであっ
て、凹凸、余盛、対称性、幅、直線性、へこみの6種の
評価法のうちの複数種のものを組み合わせるのである。
組み合わせ方は、目的に応じて適宜選択すればよい。ま
た、Vi判定ルーチン、差分判定ルーチン、積分判定ル
ーチン、最終判定ルーチンについては、サブルーチン化
することによって、各種評価方法で共有することができ
るから、判定条件や閾値のみを外部から引き渡すように
すれば、メインルーチンの可読性が高まるものである。
【0069】(実施例21)本実施例は、上述したよう
な評価方法に基づく溶接ビード3の外観形状の美醜の評
価と同時に、溶接ビード3の不良や欠陥(ハンピング、
アンダーカット、ピットなど)を検出して記録するもの
である。すなわち、図34に示すように、各測定点につ
いて溶接不良を判定し(ステップS341)、溶接不良
がなければ上述した外観形状の評価を行う(ステップS
342)。ここでは、各測定点ごとの評価であるから、
Vi判定ルーチンのみを評価法として採用すればよい。
判定結果は形状データとして記録され(ステップS34
3)、溶接ビード3のすべての測定点について溶接不良
と外観形状の美醜との評価を行った後に(ステップS3
40)、検査結果の表示および記録が行われる(ステッ
プS345)。ここに、ステップS345において、差
分ルーチンや積分ルーチン、および最終判定ルーチンに
よる溶接ビード3の全体形状の評価を行うようにしても
よい。一方、ステップS341において溶接不良が検出
されたときには、溶接ビード3の外観形状の美醜を判定
しても無駄であるから、不良であることを記録して(ス
テップS344)、検査結果の表示および記録が行われ
る(ステップS345)。
【0070】(実施例22)本実施例では、上述した溶
接ビード3の外観形状の美醜に関する各評価法のうち面
積を評価値Viとして用いた方法を組み合わせるもので
ある。すなわち、実施例1、実施例6、実施例11を組
み合わせたものであって、溶接ビード3の丸み、余盛、
対称性に基づいて美醜を評価することができる。
【0071】この場合、複数種の評価を行うために、い
ずれも面積を用いているから、面積を求める部分のルー
チンをサブルーチン化することによって、可読性が高く
効率のよいプログラムを作成することができるのであ
る。 (実施例23)本実施例では、上述した溶接ビード3の
外観形状の美醜に関する各評価法のうち線分の長さを評
価値Viとして用いた方法を組み合わせたものである。
すなわち、実施例2、実施例7、実施例12を組み合わ
せたものであって、実施例22と同様に、溶接ビード3
の丸み、余盛、対称性に基づいて美醜を評価できるので
ある。
【0072】本実施例でも実施例22と同様に、複数の
評価法について線分の長さを評価値Viとして用いるか
ら、線分の長さを求める部分のルーチンをサブルーチン
化してプログラムを簡略化することができる。 (実施例24)本実施例では、角度を評価値Viに用い
た方法を組み合わせたものである。すなわち、実施例
3、実施例8、実施例13を組み合わせたものである。
したがって、本実施例でも実施例22と同様に、溶接ビ
ード3の丸み、余盛、対称性に基づく美醜の評価がで
き、また、プログラムにおける角度を求めるルーチンを
サブルーチン化できるのである。
【0073】(実施例25)本実施例では、特定の点の
有無を評価値Viとして設定した方法を組み合わせたも
のであって、実施例10と実施例19とを組み合わせた
ものである。この組み合わせによって、余盛とへこみと
に基づく溶接ビード3の美醜を評価できるのである。こ
の実施例でもプログラムの一部のルーチンをサブルーチ
ン化できることになる。
【0074】8.美麗な溶接ビードを得るための溶接制
御方法 以下の実施例では、溶接作業と同時に、形成された溶接
ビード3の美醜を監視し、美麗な溶接ビードが形成され
るように溶接条件をフィードバック制御する溶接制御方
法について説明する。溶接装置としては、図35に示す
ように、ワイヤ状のフィラ22を送給機23より送給す
るとともに、溶接トーチ21の電極の近傍にフィラ22
を配置し、溶接トーチ21の電極と母材1,2との間に
溶接電源24から溶接電流を供給することによって、溶
接トーチ21の電極と母材1,2との間にアークを形成
して母材1,2を溶接し、溶接ビード3を形成するよう
にしたアーク溶接装置を示す。また、溶接トーチ21は
多関節ロボット25により位置が制御される。
【0075】このような溶接装置では、溶接条件とし
て、溶接トーチ21の電極位置・移動速度、溶接トーチ
21への溶接電流・アーク電圧、溶接トーチ21が消耗
電極を有していれば電極の送り速度、フィラ22の送給
速度などが考えられる。これらの溶接条件のうち、実施
例としては、溶接電流、溶接トーチ21の電極位置、フ
ィラ22の送給速度、溶接速度を制御する例を示す。溶
接電流は大きいほど溶接ビード3の余盛が大きくなる。
また、溶接トーチ21の位置が所定位置からずれると余
盛が大きくなり、対称性がくずれることになる。フィラ
22の送給速度については、単位溶接長さ当たりのフィ
ラ22の送給量が大きいほど(すなわち、フィラ22の
送給速度が大きいほど)溶接ビード3の丸みが大きくな
る。溶接速度については、小さいほど丸みが大きくなる
ものである。これらの実験結果に基づく知見によって、
溶接電流、溶接トーチ21の電極位置、フィラ22の送
給速度を溶接条件として制御するのである。
【0076】溶接ビード3の外観形状の美醜は、溶接ト
ーチ21と一体に結合された外観センサ20により検出
される。外観センサ20は、図36に示すように、図5
に示した投光装置4と撮像装置5とをケースに内蔵した
ものであり、光切断線10が母材1,2と溶接ビード3
に跨がって形成されるような位置で、溶接線に沿って溶
接トーチ21の電極と外観センサ20の中心軸とが並ぶ
ように配置される。
【0077】(実施例26)本実施例では、図37に示
すように、外観センサ20によって実施例6ないし実施
例10のいずれかの方法によって各測定点ごとに余盛を
検出し、余盛の大きさに対応する評価値Viを得て(ス
テップS346)、評価値Viに対応させて溶接電流を
制御するとともに(ステップS347)、溶接トーチ2
1の位置を制御する(ステップS348)。すなわち、
余盛が大きくなると、溶接電流を小さくするとともに、
余盛が発生していない向きに溶接トーチ21を移動させ
るように多関節ロボット25の位置制御を行うのであ
る。こうして、溶接の終了位置まで移動したことが検出
されると(ステップS345)、溶接を終了する。
【0078】このように、外観センサ20に基づいて余
盛に関する評価値Viを得て、余盛を減少させるよう
に、溶接電流および溶接トーチ21の位置をフィードバ
ック制御するので、余盛の小さい外観の美麗な溶接ビー
ド3を形成することができるのである。 (実施例27)本実施例では、図38に示すように、溶
接ビードの対称性を実施例11ないし実施例16のいず
れかの方法に基づいて各測定点ごとに検出し、溶接ビー
ド3の対称性に対応した評価値Viを得て(ステップS
351)、溶接ビード3の対称性が保たれるように溶接
トーチ21の電極の位置を評価値Viに基づいてフィー
ドバック制御するものである(ステップS352)。す
なわち、評価値Viに基づいて溶接ビード3が偏ってい
る方へ溶接トーチ21の電極を移動させるようにフィー
ドバック制御することによって、溶接ビード3の対称性
が保たれるようにしているのである。溶接トーチ21が
溶接の終了位置まで移動すれば(ステップS350)、
溶接を終了する。溶接装置の構成は実施例26と同様で
ある。
【0079】(実施例28)本実施例では、溶接ビード
3の丸みを実施例1ないし実施例5のいずれかの方法に
基づいて各測定点ごとに検出することにより、溶接条件
をフィードバック制御するものである。すなわち、図3
9に示すように、各測定点ごとに溶接ビード3の丸みを
検出し(ステップS361)、丸みが小さいときにはフ
ィラ22の送給量を増加させるか、溶接電流を増加させ
るか、溶接速度を減少させることによって、丸みを大き
くするのである(ステップS362)。ここにおいて、
フィラ22の送給量、溶接電流、溶接速度の制御は、い
ずれか一つでもまた組み合わせて制御してもよい。溶接
トーチ21が溶接の終了位置まで移動すると(ステップ
S360)、溶接を終了する。このような制御によっ
て、溶接ビード3を丸みのある美麗な外観に仕上げるこ
とができるのである。
【0080】(実施例29)本実施例は、実施例26な
いし実施例28の制御方法のうちの複数を組み合わせる
ものであって、このような制御を行うことによって、余
盛、対称性、丸みの2項目以上について美麗な溶接ビー
ド3を形成することができるのである。 (実施例30)本実施例は、図40に示すように、図3
5の構成に第2の外観センサ20aを追加したものであ
って、溶接線に沿う方向において溶接トーチ21を挟ん
で外観センサ20とは反対側に第2の外観センサ20a
を配置している。第2の外観センサ20aは外観センサ
20と同様の構成を有しているものであって、第2の外
観センサ20aでは、光切断法によって溶接前の母材
1,2の接合部の形状を検出することができるのであ
る。
【0081】すなわち、図41に示すように、溶接前の
母材1,2の接合すべき部分の位置および寸法を測定す
ると同時に、溶接ビード3の各測定点での丸み、余盛、
対称性を検査し(ステップS371,S372)、次
に、溶接前の形状および溶接ビード3の形状に基づいて
溶接条件を決定する(ステップS373)。溶接ビード
3の丸み、余盛、対称性は、実施例1ないし実施例16
の方法によればよく、評価値Viに基づいて測定点での
丸み、余盛、対称性に関する情報が得られることにな
る。すなわち、溶接前の形状に基づいて、溶接トーチ2
1の位置および溶接電流が決定され、さらに、溶接ビー
ド3の形状に基づく情報をデータベースに照合すること
によって、単位溶接長当たりのフィラ22の送給量が制
御されるのである。要するに、基本的な溶接条件は溶接
前の形状に基づいて決定され、溶接ビード3の外観から
得られる情報に基づいて美麗な溶接ビード3が形成され
るように溶接条件が補正されるのである。
【0082】以上のように、実施例26ないし実施例3
0の溶接制御方法を用いれば、溶接ビード3の外観形状
に基づいて溶接条件をフィードバック制御することがで
き、美麗な外観を有した溶接ビード3が形成できること
になる。
【0083】
【発明の効果】請求項1ないし請求項9の方法によれ
ば、溶接ビードについて、溶接線に沿う方向での表面の
凹凸、余盛の大きさ、対称性、幅の変化、直線性、へこ
みによって、溶接ビードの全体形状の美醜を判定できる
のであって、従来は行われていなかった、溶接ビードの
美醜の判定基準を与えることができるという利点があ
る。したがって、主としてすみ肉溶接継手の場合に、溶
接ビードが美麗であるかどうかの判定を感によらず定量
的に判断できるのであって、均質な製品を提供できると
いう効果を奏するのである。
【0084】請求項10ないし請求項13の方法は、溶
接ビードの美醜を判定する6種類の判定基準のうちの複
数の組み合わせ方の具体例であって、それぞれ面積、寸
法、角度、特定点の有無による判定を行うようにしてい
るから、判定基準が複数であっても手順の一部を共通化
することができ、処理効率の向上につながるものであ
る。すなわち、溶接ビードの美醜の判定をコンピュータ
処理によって行う際に、プログラムの一部をサブルーチ
ン化しやすくなるのであって、プログラムの可読性が高
まるとともに、メモリ領域の節約にもつながるという利
点がある。
【0085】請求項14の方法は、従来より行われてい
た溶接欠陥の検査と同時に、溶接ビードの美醜を判定す
るものであって、溶接ビードに関する強度面および美醜
に関する総合的な判定が行えるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の手順を示す動作説明図である。
【図2】実施例に用いるVi判定ルーチンを示す動作説
明図である。
【図3】実施例に用いる差分判定ルーチンを示す動作説
明図である。
【図4】実施例に用いる最終判定ルーチンを示す動作説
明図である。
【図5】実施例における光切断法に用いる装置の概略構
成図である。
【図6】実施例における光切断線の概念を示す説明図で
ある。
【図7】実施例における光切断線に関して付与した記号
を定義する説明図である。
【図8】実施例2の手順を示す動作説明図である。
【図9】実施例3の手順を示す動作説明図である。
【図10】実施例4の手順を示す動作説明図である。
【図11】実施例5の手順を示す動作説明図である。
【図12】実施例における余盛の概念を示す説明図であ
る。
【図13】実施例6ないし実施例10で用いる記号を定
義する説明図である。
【図14】実施例6の手順を示す動作説明図である。
【図15】実施例で用いる積分判定ルーチンを示す動作
説明図である。
【図16】実施例7の手順を示す動作説明図である。
【図17】実施例8の手順を示す動作説明図である。
【図18】実施例9の手順を示す動作説明図である。
【図19】実施例10の手順を示す動作説明図である。
【図20】実施例11の手順を示す動作説明図である。
【図21】実施例12の手順を示す動作説明図である。
【図22】実施例13の手順を示す動作説明図である。
【図23】実施例14で用いる記号を定義する説明図で
ある。
【図24】実施例14の手順を示す動作説明図である。
【図25】実施例15で用いる記号を定義する説明図で
ある。
【図26】実施例15の手順を示す動作説明図である。
【図27】実施例16で用いる記号を定義する説明図で
ある。
【図28】実施例16の手順を示す動作説明図である。
【図29】実施例17で用いる記号を定義する説明図で
ある。
【図30】実施例17の手順を示す動作説明図である。
【図31】実施例18の手順を示す動作説明図である。
【図32】実施例19で用いる記号を定義する説明図で
ある。
【図33】実施例19の手順を示す動作説明図である。
【図34】実施例21の手順を示す動作説明図である。
【図35】実施例26ないし実施例29で用いる装置の
概略構成図である。
【図36】実施例26ないし実施例30で用いる外観セ
ンサの概略構成図である。
【図37】実施例26の手順を示す動作説明図である。
【図38】実施例27の手順を示す動作説明図である。
【図39】実施例28の手順を示す動作説明図である。
【図40】実施例30で用いる装置の概略構成図であ
る。
【図41】実施例30の手順を示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 母材 2 母材 3 溶接ビード 4 投光装置 5 撮像装置 10 光切断線 11 溶接線 12 余盛 20 外観センサ 20a 外観センサ 21 溶接トーチ 22 フィラ 23 フィラ送給機 24 溶接電源 25 多関節ロボット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】1.溶接ビードの凹凸の評価 (実施例1)本実施例では、図1に示すように、光切断
線10の画像を取り込んだ後、まず、図7において定義
した点A,B,Cを検出し(ステップS102)、三角
形ABCの面積(S2)を求める(ステップS10
3)。また、光切断線10の曲線部BDCを求めて(ス
テップS104)、曲線部BDCと直線BCとに囲まれ
た部分(面BDCE)の面積(S1)を求める(ステッ
プS105)。こうして得られた面積S1,S2の比
(=S1/S2)を評価値Viと定義する(ステップS
106)。ここで、評価値Viが大きいほど溶接ビード
3の丸みが大きいと評価できるから、Vi判定ルーチン
(ステップS107)において、溶接ビード3が十分な
丸みがあるかどうかを判定する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】したがって、図8に示すように、まず、図
7で示した点A,D,Eを検出し(ステップS12
2)、線分AEおよび線分DEについて長さ(AE),
(DE)を求める(ステップS123,S124)。次
に、長さ(AE),(DE)の比を評価値Vi(=(D
E)/(AE))とし(ステップS125)、この評価
値Viを実施例1と同様のVi判定ルーチンで評価する
(ステップS126)。溶接ビード3の全長に亙って評
価値Viを評価した後(ステップS127,S12
1)、実施例1と同様の処理によって溶接ビード3の外
観形状に製品として不都合な欠陥があるかどうかを判定
する。すなわち、評価値Viが異なるのみであって、溶
接ビード3の表面の凹凸に基づく外観形状の美醜を判定
する手順としては、実施例1と同じ手順を用いることが
できるのである。つまり、ステップS122〜S125
を除く手順は、実施例1のステップS102〜S106
を除く手順と同じになる。このことは、以下の実施例3
ないし実施例5でも同様である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】4.溶接ビードの幅の評価 (実施例17)本実施例は、図29に示すように、溶接
ビード3の幅H2によって溶接ビード3の美醜を判定す
るものである。すなわち、∠BACの二等分線L3に直
交する方向における点B,Cの距離H2を求め、溶接ビ
ード3の全長に亙るその値の変化が大きいと美麗ではな
いということを利用して溶接ビード3の評価を行うので
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】具体的には、図31に示すように、まず、
曲線部BDCの上の点Dを検出し(ステップS31
2)、点Dの座標値(x)を求め(ステップS31
3)、この座標値(x)を評価値Viと定義する(ステ
ップS314)。評価値Viを決定した後は、Vi判定
ルーチンによって評価値Viを評価するのであって(ス
テップS315)、評価値Viが所定範囲であるとき
に、不良点カウンタkをインクリメントする。すなわ
ち、図2におけるステップS11では、|Vi−V0
≧Th1のときに不良点カウンタkをインクリメントす
ればよい。ただし、V0 は基準となる座標値であって定
数である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】このような溶接装置では、溶接条件とし
て、溶接トーチ21の電極位置・移動速度、溶接トーチ
21への溶接電流・アーク電圧、溶接トーチ21が消耗
電極を有していれば電極の送り速度、フィラ22の送給
速度などが考えられる。これらの溶接条件のうち、実施
例としては、溶接電流、溶接トーチ21の電極位置、フ
ィラ22の送給速度、溶接速度を制御する例を示す。溶
接電流は大きいほど溶接ビード3の余盛が大きくなる。
また、溶接トーチ21の位置が所定位置からずれると余
盛が大きくなり、対称性がくずれることになる。溶接ト
ーチ21の移動速度およびフィラ22の送給速度につい
ては、単位溶接長さ当たりのフィラ22の送給量が大き
いほど(すなわち、溶接トーチ21の移動速度が一定で
あれば、フィラ22の送給速度が大きいほど、またフィ
ラ22の送給速度が一定であれば、溶接トーチ21の移
動速度が小さいほど)溶接ビード3の丸みが大きくな
る。ただし、フィラ22の送給速度が一定で溶接トーチ
21の移動速度が小さいと、単位長さ当たりに加えられ
る熱量が大きくなるので、溶接電流を下げるような制御
が必要になる。これらの実験結果に基づく知見によっ
て、溶接電流、溶接トーチ21の電極位置および移動速
、フィラ22の送給速度を溶接条件として制御するの
である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測定
    点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各測
    定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビードに
    跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基づ
    いて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査方
    法において、各測定点ごとの溶接ビードの表面の凹凸を
    光切断線の形状に基づいて計測し、溶接線に沿う方向で
    の凹凸の変化に基づいて溶接ビードの外観形状の美醜を
    評価することを特徴とする溶接ビード形状検査方法。
  2. 【請求項2】 各測定点ごとの溶接ビードの凹凸の計測
    値は、溶接ビードの表面の丸みに相当する評価値により
    与えられることを特徴とする請求項1記載の溶接ビード
    形状検査方法。
  3. 【請求項3】 各測定点ごとの溶接ビードの凹凸の計測
    値は、溶接ビードの特定点の位置に相当する評価値によ
    り与えられることを特徴とする請求項1記載の溶接ビー
    ド形状検査方法。
  4. 【請求項4】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測定
    点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各測
    定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビードに
    跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基づ
    いて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査方
    法において、各測定点ごとの溶接ビードの余盛の大きさ
    を光切断線の形状に基づいて計測し、余盛の大きさに基
    づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評価することを特
    徴とする溶接ビード形状検査方法。
  5. 【請求項5】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測定
    点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各測
    定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビードに
    跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基づ
    いて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査方
    法において、各測定点ごとの溶接ビードの対称性を光切
    断線の形状に基づいて計測し、溶接線に沿う方向での対
    称性の変化に基づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評
    価することを特徴とする溶接ビード形状検査方法。
  6. 【請求項6】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測定
    点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各測
    定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビードに
    跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基づ
    いて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査方
    法において、各測定点ごとの溶接ビードの幅を光切断線
    の形状に基づいて計測し、溶接線に沿う方向での幅の変
    化に基づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評価するこ
    とを特徴とする溶接ビード形状検査方法。
  7. 【請求項7】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測定
    点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各測
    定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビードに
    跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基づ
    いて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査方
    法において、各測定点ごとの特定点の位置を光切断線の
    形状に基づいて計測し、溶接線に沿う方向での特定点の
    位置の変化によって判定される溶接ビードの直線性に基
    づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評価することを特
    徴とする溶接ビード形状検査方法。
  8. 【請求項8】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測定
    点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各測
    定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビードに
    跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基づ
    いて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査方
    法において、各測定点ごとの溶接ビードの表面のへこみ
    を光切断線の形状に基づいて計測し、全測定点に対する
    へこみが検出された測定点の占める割合に基づいて溶接
    ビードの外観形状の美醜を評価することを特徴とする溶
    接ビード形状検査方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8に記載の溶接ビ
    ード形状検査方法のうちの複数を組み合わせたことを特
    徴とする溶接ビード形状検査方法。
  10. 【請求項10】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測
    定点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各
    測定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビード
    に跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基
    づいて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査
    方法において、溶接ビードに対応する部位の光切断線の
    曲線部と、光切断線の曲線部の両端点につながる一対の
    直線部の延長線と、光切断線の曲線部の両端点を結ぶ直
    線と、両延長線の交点における角度の二等分線とのうち
    の複数の線に囲まれた部分の面積の関係に基づいて、溶
    接ビードの表面の丸み、余盛の大きさ、溶接ビードの対
    称性を計測し、丸み、余盛の大きさ、対称性の変化に基
    づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評価することを特
    徴とする溶接ビード形状検査方法。
  11. 【請求項11】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測
    定点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各
    測定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビード
    に跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基
    づいて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査
    方法において、溶接ビードに対応する部位の光切断線の
    曲線部と、光切断線の曲線部の両端点につながる一対の
    直線部の延長線と、光切断線の曲線部の両端点を結ぶ直
    線と、両延長線の交点における角度の二等分線とを求
    め、光切断線の曲線部の端点を結ぶ直線と両延長線の交
    点および光切断線の曲線部との間の二等分線上での寸法
    関係に基づいて溶接ビードの丸みを計測し、光切断線の
    曲線部が延長線から突出する寸法に基づいて余盛の大き
    さを計測し、両延長線の交点と光切断線の曲線部の各端
    点までの寸法関係に基づいて溶接ビードの対称性を計測
    し、丸み、余盛の大きさ、対称性の変化に基づいて溶接
    ビードの外観形状の美醜を評価することを特徴とする溶
    接ビード形状検査方法。
  12. 【請求項12】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測
    定点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各
    測定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビード
    に跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基
    づいて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査
    方法において、溶接ビードに対応する部位の光切断線の
    曲線部と、光切断線の曲線部の両端点につながる一対の
    直線部の延長線と、光切断線の曲線部の両端点を結ぶ直
    線と、両延長線の交点における角度の二等分線とを求
    め、光切断線の曲線部と二等分線との交点と光切断線の
    曲線部の各端点とを結ぶ一対の直線のなす角度に基づい
    て溶接ビードの丸みを計測し、光切断線の曲線部の端点
    における接線と上記延長線とのなす角度に基づいて余盛
    の大きさを計測し、光切断線の曲線部の両端点を結ぶ直
    線と上記各延長線とのなす角度の関係に基づいて溶接ビ
    ードの対称性を計測し、丸み、余盛の大きさ、対称性の
    変化に基づいて溶接ビードの外観形状の美醜を評価する
    ことを特徴とする溶接ビード形状検査方法。
  13. 【請求項13】 溶接ビードの溶接線に沿って多数の測
    定点を設定し、溶接線に交差する平面を形成する光を各
    測定点で溶接ビードに跨がるように照射して溶接ビード
    に跨がる部位に光切断線を形成し、光切断線の形状に基
    づいて溶接ビードの形状を検査する溶接ビード形状検査
    方法において、溶接ビードに対応する部位の光切断線の
    曲線部と、光切断線の曲線部の両端点につながる一対の
    直線部の延長線とを求め、光切断線の曲線部と延長線と
    の交点の有無に基づいて余盛の有無を判定し、光切断線
    の曲線部の傾きの不連続点の有無に基づいて溶接ビード
    の表面のへこみの有無を判定し、余盛および溶接ビード
    のへこみの有無に基づいて溶接ビードの外観形状の美醜
    を評価することを特徴とする溶接ビード形状検査方法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項8に記載の溶接
    ビード形状検査方法の少なくとも1つを、溶接欠陥の検
    査とともに行うことを特徴とする溶接ビード形状検査方
    法。
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