JPH0587488U - 傘の脱水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】傘布表面との接触性に優れた吸水層を経済的に
生産できる傘の脱水装置を提供する。 【構成】上面が略朝顔形状に開口する２１の内側面に間
隙２２を隔てて多孔性曲板２３の内周面に短繊維を植毛
して吸水層２４を形成している。吸水層２４の厚みは均
一でその表面は平坦であり、これにより傘受器２１内に
差し込んだ雨傘の傘布と吸水層２４との接触度が高めら
れ、また吸水層２４を植毛構造としたので、毛細管作用
によって傘布表面に付着されている水分を、きわめて有
効に吸収し、脱水効率を高められる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、雨で濡れた傘を瞬時に脱水して屋内において床面を、雨水で濡らす ことなく傘を携行することができる傘の脱水装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の傘脱水装置として例えば図１に示す如き構造のものがある。す なわち、１は上側開口部が朝顔形に開口する傘受器であって、この傘受器１の内 側面には通気用の間隙２を隔てて、多孔性プレート３が取付けられている。さら にこの多孔性プレート３の内周面には綿布、セーヌ皮等の吸水性に優れたシート 材による吸水シート４が添設されているものである。

【０００３】 また上記傘受器１の下端開口部は、ダクト５を介してシロッコファン６を内装 している吸気ケーシング７に接続されている。８は上記シロッコファン６を駆動 せしめるためのモータ、９及び１０は吸気ケーシング７に設けられている排水口 、及び排気口である。

【０００４】 従来の傘脱水装置は、以上の構造であって、雨水によって濡れている傘の脱水 を行なうときは、先ずモータ８を駆動してシロッコファン６を回転させて朝顔形 である傘受器１の内部を負圧状態とした上で、その傘受器１の内部に濡れた傘１ １を差し込むと、上記負圧作用によって濡れている傘布１２が吸水シート４に接 着して傘布１２の水分が吸水シート４に吸水されて、傘布１２に付着されていた 雨水が直に除去されるものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このような従来の傘脱水装置にあっては、傘布１２の表面に付着し ている雨水を吸収せしめるための吸水シート４は、文字通りのシートであってこ のシート４を多孔性プレート３の表面に適宜の接着剤を使用して貼着しているも のであるから、その脱水装置の長期使用、あるいはその吸水シートにおける吸水 時の膨張と乾燥時の収縮とが繰返し行なわれることにより接着剤による接着力が 衰退されて、例えば図２に示すように、その吸水シート４の表面に波型の凹凸が 生じる。さらにはこの吸水シート４を多孔性プレートに貼着するときの継ぎ合せ 目が浮き上がったりして、この吸水シート４全面への傘布１２の接触性が損なわ れて、傘の脱水効率が低下するという不具合や、多孔性プレート３の内周面に吸 水シート４を平坦に貼着する作業には熟練と手間がかかるという不具合があった 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、かかる従来の問題点に着目してなされたもので、略朝顔形状に形成 された筒形状の多孔性プレート又は金網の内周面に、吸収性に優れた短繊維を植 毛貼着、又は吹き着け等の手段で、吸水層を形成することにより、その多孔性プ レート又は金網の内周面に凹凸の生じることのない吸水層が形成され、これによ って、傘布表面との接触性に優れた吸水層を経済的に生産することができる傘の 脱水装置を提供することにある。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案を図３及び図４に示す実施例に基いて詳細に説明するが、本考案 は傘脱水装置における傘受器の内部構造のみが従来例と異なるのみで、他の機構 は、図１で示す従来例と同一であるのでその同一構造部分についての構造説明は 省略する。

【０００８】 すなわち、図３において、２１は上側開口部が朝顔形に開口している筒状の傘 受器であって、この傘受器２１の内側周面には通気用の間隙２２を隔てて多孔性 の曲板２３が、その傘受器２１と一体に設けられている。この多孔性曲板２３の 内周面には、例えば合成繊維、綿、パルプ等の天然繊維等からなる吸水性に優れ た短繊維が、例えば電着法等により植毛された吸水層２４が形成されているもの である。

【０００９】 このように本実施例にあっては、多孔性曲板の内周面に短繊維を植毛せしめて 吸水層２４を形成したものであるから、その吸水層２４の厚みは均一となって吸 水層２４表面は平坦に形成され、これによって傘受器２１内に差し込んだ雨傘の 傘布と吸水層２４との接触度が高められ、雨傘の脱水効率が高められる。また吸 水層２４を植毛構造としたことによって、毛細管作用によって傘布表面に付着さ れている水分を、きわめて有効に吸収し、これによって傘の脱水効率がさらに高 められる。

【００１０】 図４に示す実施例は、金網２５の片面に、前記実施例と同様の短繊維植毛によ る吸水層２４を形成したものであり、また図５に示す実施例は、金網２５の両面 に短繊維植毛による吸水層２４を形成したもので、この実施例によれば表裏両面 の吸水層２４によって吸水量が高められるという特長もある。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように本考案は、上面が略朝顔形状に開口する傘受器２１の内側面に間 隙２２を隔てて設けられている多孔性板もしくは金網の片面もしくは両面に植毛 による吸水層２４を形成した傘の脱水装置であるから、これによれば、植毛によ る吸水層２４の厚みは均一となって吸水層２４表面は平坦に形成され、これによ って傘受器２１内に差し込んだ雨傘の傘布と吸水層２４との接触度が高められ、 雨傘の脱水効率が高められる。また吸水層２４を植毛構造としたことによって、 毛細管作用によって傘布表面に付着されている水分を、きわめて有効に吸収し、 これによって傘の脱水効率がさらに高められるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の傘脱水装置の構造説明図。

【図２】従来例の傘受器の構造説明図。

【図３】本考案実施例の傘受器の構造説明図。

【図４】本考案の他の実施例を示した要部拡大構造説明
図。

【図５】本考案のさらに他の実施例を示した要部構造説
明図。

【符号の説明】

２１…傘受器 ２２…間隙 ２３…多孔性曲板 ２４…吸水層 ２５…金網

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面が略朝顔形状に開口する傘受器（２
   １）の内側面に間隙（２２）を隔てて設けられている多
   孔性板もしくは金網の片面もしくは両面に植毛による吸
   水層（２４）を形成したことを特徴とする傘の脱水装
   置。