JPH0586845U - ピルファープルーフ機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 容器口部２２の螺子下方に容器側逆止突起３
２が設けられた容器と、ＰＰリング内側にその逆止突起
と係合するキャップ側逆止突起３１が設けられたＰＰリ
ング付き合成樹脂製キャップとからなるピルファープル
ーフ機構において、容器口部の容器側逆止突起と螺子部
との間に、容器側逆止突起の最大径に等しい外径の環状
のビード部３３を設けたものである。 【効果】 キャップを容器口部に装着する際に、キャッ
プ側逆止突起がビード部を乗り越えながら容器側逆止突
起と係合するためＰＰリングの変形が抑制され、キャッ
プ装着の際にブリッジが破断することがなく、キャップ
装着不良の発生率が低下し、またブリッジを細くするこ
とができ、キャップ開栓性を向上させることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は瓶首部と瓶首部に着脱自在に装着される合成樹脂製のキャップとから なる封止装置に使用されるピルファープルーフ機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、飲料物等の内容物の詰め替え等の不正防止のために、キャップ開栓 によってキャップの下部（ピルファープルーフリング）が切り離されるように構 成されたピルファープルーフ特性を有する合成樹脂製のキャップが提供されてい る。さらに、ピルファープルーフリングの回転を防止するために、容器口部に逆 止突起を設けるとともに、キャップのピルファープルーフリング内壁に逆止突起 を設けた構造のピルファープルーフ機構が知られている。

【０００３】 図４及び図５は、容器口部とピルファープルーフリングに逆止機構を設けた従 来の封止機構を示すものである（特公昭５２−１４６７７号公報参照）。この従 来の封止機構は、上部に螺子部１が形成された容器口部２を有する容器本体３と 、この容器口部２に着脱自在に装着される合成樹脂製のキャップ４とからなるも のである。このキャップ４は、頂板５とその周縁から垂下した筒部６を有するキ ャップ本体７と、このキャップ本体７の下方に設けられたピルファープルーフリ ング８と、これらピルファープルーフリング８とキャップ本体７とを連結するブ リッジ９とを具備している。これらブリッジ９により連結されたピルファープル ーフリング８とキャップ本体７との間はスリット１０になっている。 このピルファープルーフリング８の内壁には、複数のキャップ側逆止突起１１ が設けられている。一方、容器口部２側には、螺子部１の下方外周面に複数の容 器側逆止突起１２が設けられている。これらキャップ側逆止突起１１と容器側逆 止突起１２とは、双方がかみ合うように形成されている。

【０００４】 このキャップ４を容器口部２に装着するには、キャップ４を回動用具を使って キャップ本体７とピルファープルーフリング８とを同期的に作動して、キャッピ ングする。これによりキャップ４は容器口部２を密封すると共に容易にピルファ ープルーフリング８の内側に設けたキャップ側逆止突起１１と容器口部２の螺子 部１下方に設けた容器側逆止突起１２とが係合して封緘を行う。そして開封する 際に、キャップ本体７を開封方向に回動すると、キャップ本体７は螺子部１に沿 って上方へ移動するが、キャップ側逆止突起１１と容器側逆止突起１２との係合 によってピルファープルーフリング８の回動及び上方への移動が阻止され、ブリ ッジ９が切断されてピルファープルーフリング８がキャップ本体７と切り放され る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来の封止機構にあっては、キャップ４を容器口部２に装 着して封緘する時に、キャップ側逆止突起１１が容器側逆止突起１２を乗り越え る場合、キャップ側逆止突起１１が外方に押し出されてピルファープルーフリン グ８が変形し、その結果キャップ本体７とピルファープルーフリング８とを連結 するブリッジ９が弱められて切断されてしまう不具合が生じていた。一方、この 不具合を防止するためにブリッジ９を太くして強度を持たせると、ブリッジ９を 切るために強い力が必要となって、開栓が困難となる不都合を生じる。

【０００６】 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、キャップを容器口部に装着する時 に、キャップ側逆止突起が容器側逆止突起を乗り越える場合、キャップ側逆止突 起が外方に押し出されてピルファープルーフリングが変形し、その結果ブリッジ が切断されてしまう不具合を防止するためのピルファープルーフ機構の提供を目 的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するための手段として、請求項１に記載したように、 上部に螺子部が形成された容器口部を有する容器本体と、該容器口部に着脱自在 に装着される合成樹脂製のキャップとからなり、該キャップは頂板とその周縁か ら垂下した筒部を有するキャップ本体と、このキャップ本体の下方に設けられた ピルファープルーフリングと、これらピルファープルーフリングとキャップ本体 とを連結するブリッジとを具備し、該ピルファープルーフリング内壁に複数のキ ャップ側逆止突起が設けられ、かつ上記容器口部の螺子部の下方外周面に複数の 容器側逆止突起が設けられてなるピルファープルーフ機構において、上記容器口 部の容器側逆止突起と螺子部との間に、容器側逆止突起の最大径に等しい外径の 環状のビード部を設けたものである。

【０００８】 また請求項２に記載した考案は、上記容器側逆止突起にキャップ側逆止突起が 乗り上げた時の各キャップ側逆止突起間の円弧長さと、キャップ側逆止突起がビ ード部及び容器側逆止突起に乗り上げない時の各キャップ側逆止突起間の円弧長 さとが等しい寸法関係にあることを特徴とするものである。

【０００９】 また請求項３に記載した考案は、キャップ側逆止突起が容器側逆止突起に乗り 上げない時の状態と、キャップ側逆止突起が容器側逆止突起に乗り上げた時の状 態とを比較した時に、それぞれの状態で変位の無い位置に、ブリッジを設けたも のである。

【００１０】

【作用】

本考案のピルファープルーフ機構は、容器口部の容器側逆止突起と螺子部との 間に、容器側逆止突起の最大径に等しい外径の環状のビード部を設けたものなの で、キャップを容器口部に装着する際に、キャップ側逆止突起が上記ビード部を 乗り越えながら容器側逆止突起と係合するため、ピルファープルーフリングの変 形が抑制される。

【００１１】 また容器側逆止突起にキャップ側逆止突起が乗り上げた時の各キャップ側逆止 突起間の円弧長さと、キャップ側逆止突起がビード部及び容器側逆止突起に乗り 上げない時の各キャップ側逆止突起間の円弧長さとが等しい寸法関係にあるよう にピルファープルーフリングを形成したことにより、キャップ側逆止突起が容器 側逆止突起に乗り上げた場合でも、ピルファープルーフリングが若干変形するも のの寸法的に延びることがない。

【００１２】 さらにキャップ側逆止突起が容器側逆止突起に乗り上げない時の状態と、キャ ップ側逆止突起が容器側逆止突起に乗り上げた時の状態とを比較した時に、それ ぞれの状態で変位の無い位置に、ブリッジを設けたことにより、キャップ装着時 にピルファープルーフリングが変形してもブリッジに余分な力がかからない。

【００１３】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案を詳細に説明する。 図１は本考案のピルファープルーフ機構の一実施例を示すものである。このピ ルファープルーフ機構２０は、上部に螺子部２１が形成された容器口部２２を有 する容器本体２３と、この容器口部２２に着脱自在に装着される合成樹脂製のキ ャップ２４とからなるものである。 このキャップ２４は、円板状の頂板２５とその周縁から垂下した円形の筒部２ ６を有するキャップ本体２７と、このキャップ本体２７の下方に設けられたピル ファープルーフリング２８（以下、ＰＰリングと略称する）と、これらＰＰリン グ２８とキャップ本体２７とを連結するブリッジ２９とを具備している。これら ブリッジ２９により連結されたＰＰリング２８とキャップ本体２７との間はスリ ット３０になっている。

【００１４】 このＰＰリング２８の内壁には、複数のキャップ側逆止突起３１が設けられて いる。一方、容器口部２２側には、図２に示すように、螺子部２１の下方外周面 に複数の容器側逆止突起３２が設けられている。本実施例ではこれらキャップ側 逆止突起３１と容器側逆止突起３２をそれぞれ４つとした場合を例示しているが 、これら突起の数はこれに限定されない。これらキャップ側逆止突起３１と容器 側逆止突起３２とは、双方がかみ合うように形成されている。

【００１５】 このピルファープルーフ機構２０にあっては、容器口部２２の容器側逆止突起 ３２と螺子部２１との間に、容器側逆止突起３２の最大径に等しい外径の環状の ビード部３３が設けられている。 このビード部３３は、キャップ２４を容器口部２２に装着する際に、キャップ 側逆止突起３１が上記ビード部３３を乗り越えながら容器側逆止突起３２と係合 させ、ファープルーフリング２８の変形を抑制するためのものである。

【００１６】 またキャップ２４は、容器側逆止突起３２にキャップ側逆止突起３１が乗り上 げた時の各キャップ側逆止突起間の円弧長さＬ1と、キャップ側逆止突起３１が ビード部３３及び容器側逆止突起３２に乗り上げない時の各キャップ側逆止突起 間の円弧長さＬ2とが等しい寸法関係（Ｌ1＝Ｌ2）にあり、かつキャップ側逆止 突起３１が容器側逆止突起３２に乗り上げない時の状態と、キャップ側逆止突起 ３１が容器側逆止突起３２に乗り上げた時の状態とを比較した時に、それぞれの 状態で変位の無い位置に、ブリッジ２９を設けた構成になっている。

【００１７】 このキャップ２４の特性について、図３を参照して説明する。なお図３では、 各逆止突起３１，３２の作用を明確にするために、キャップ側逆止突起３１と容 器側逆止突起３２とがそれぞれ２つ形成された場合を例示している。 図３においてＰＰリング２８を示す実線は、容器口部２２に装着されたキャッ プ２４のＰＰリング２８がビード部３３下方に嵌着され、かつキャップ側逆止突 起３１が容器側逆止突起３２に乗り上げていない場合（以下、未接触状態という ）のＰＰリング２８の位置を示している。また、図３中の二点鎖線は、キャップ 側逆止突起３１が容器側逆止突起３２に乗り上げた場合（以下、乗り上げ状態と いう）のＰＰリング２８の位置を示している。 この双方の状態でのＰＰリング２８の位置を比較すると、乗り上げ状態となる と、ＰＰリング２８のキャップ側逆止突起３１の部分が外方に押し出される一方 、この逆止突起３１以外のＰＰリング部分は内方側にへこみ、この乗り上げ状態 ではＰＰリング２８が略楕円形状となる。このように乗り上げ状態時にはＰＰリ ング２８が変形するものの、上述したように、未接触状態での各逆止突起間の円 弧長さと乗り上げ状態での円弧長さとは等しい関係であり、乗り上げ状態の時で もＰＰリング２８に延びを生じていない。

【００１８】 またブリッジ２９は、上記未接触状態を示す実線と、乗り上げ状態を示す二点 鎖線との交点付近を中心として配置されている。即ちこの交点付近は、キャップ ２４のＰＰリング２８が未接触状態−乗り上げ状態の間で変化した場合でも、変 位が生じない部分である。この変位が生じない部分に設けられたブリッジ２９は 、容器口部２２にキャップ２４を装着する際に、キャップ側逆止突起３１が容器 側逆止突起３２に乗り上げても、ブリッジ２９に余分な力が作用することがない 。

【００１９】 このピルファープルーフ機構２０は、容器口部２２の容器側逆止突起３２と螺 子部２１との間に、容器側逆止突起３２の最大径に等しい外径の環状のビード部 ３３を設けたものなので、キャップ２４を容器口部２２に装着する際に、キャッ プ側逆止突起３１がビード部３３を乗り越えながら容器側逆止突起３２と係合す るためＰＰリング２８の変形が抑制される。

【００２０】 また容器側逆止突起３２にキャップ側逆止突起３１が乗り上げた時の各キャッ プ側逆止突起間の円弧長さと、キャップ側逆止突起３１がビード部３３及び容器 側逆止突起３２に乗り上げない時の各キャップ側逆止突起間の円弧長さとが等し い寸法関係にあるようにＰＰリング２８を形成したことにより、キャップ側逆止 突起３１が容器側逆止突起３２に乗り上げた場合でも、ＰＰリング２８が若干変 形するもののＰＰリング２８が延びることがない。

【００２１】 さらにキャップ側逆止突起３１が容器側逆止突起３２に乗り上げない時の状態 と、キャップ側逆止突起３１が容器側逆止突起３２に乗り上げた時の状態とを比 較した時に、それぞれの状態で変位の無い位置に、ブリッジ２９を設けたことに より、キャップ装着時にＰＰリング２８が変形してもブリッジ２９に余分な力が かからない。

【００２２】 これらのことから、このピルファープルーフ機構２０によれば、キャップ装着 の際にブリッジ２９が破断することがなく、キャップ装着不良の発生率を低下で き、キャップ装着能率を向上させることができる。またキャップ開栓性に影響の ない程度までブリッジ２９を細くすることができ、キャップ開栓性を向上させる ことができる。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のピルファープルーフ機構は、容器口部の螺子下 方に容器側逆止突起が設けられた容器と、ＰＰリング内側にその逆止突起と係合 するキャップ側逆止突起が設けられたＰＰリング付き合成樹脂製キャップとから なるピルファープルーフ機構において、容器口部の容器側逆止突起と螺子部との 間に、容器側逆止突起の最大径に等しい外径の環状のビード部を設けたものなの で、キャップを容器口部に装着する際に、キャップ側逆止突起がビード部を乗り 越えながら容器側逆止突起と係合するためＰＰリングの変形が抑制される。また 容器側逆止突起にキャップ側逆止突起が乗り上げた時の各キャップ側逆止突起間 の円弧長さと、キャップ側逆止突起がビード部及び容器側逆止突起に乗り上げな い時の各キャップ側逆止突起間の円弧長さとが等しい寸法関係にあるようにＰＰ リングを形成したことにより、キャップ側逆止突起が容器側逆止突起に乗り上げ た場合でもＰＰリングが延びることがない。さらにキャップ側逆止突起が容器側 逆止突起に乗り上げない時の状態と、キャップ側逆止突起が容器側逆止突起に乗 り上げた時の状態とを比較した時に、それぞれの状態で変位の無い位置に、ブリ ッジを設けたことにより、キャップ装着時にＰＰリングが変形してもブリッジに 余分な力がかからない。

【００２４】 これらのことから本考案のピルファープルーフ機構によれば、キャップ装着の 際にブリッジが破断することがなく、キャップ装着不良の発生率を低下でき、キ ャップ装着能率を向上させることができる。またキャップ開栓性に影響のない程 度までブリッジを細くすることができ、キャップ開栓性を向上させることができ るなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案のピルファープルーフ機構の一実
施例を示す側面断面図である。

【図２】図２は同じピルファープルーフ機構の容器を示
す側面図である。

【図３】図３は容器側とキャップ側の逆止突起の位置関
係によるＰＰリングの形状を説明するための図である。

【図４】図４は従来の封止機構のキャップを示す一部断
面視した斜視図である。

【図５】図５は同じ従来の封止機構の容器を示す斜視図
である。

【符号の説明】

２０……ピルファープルーフ機構、２１……螺子部、２
２……容器口部、２３……容器本体、２４……キャッ
プ、２５……頂板、２６……筒部、２７……キャップ本
体、２８……ＰＰリング、２９……ブリッジ、３０……
スリット、３１……キャップ側逆止突起、３２……容器
側逆止突起、３３……ビード部。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に螺子部が形成された容器口部を有
   する容器本体と、該容器口部に着脱自在に装着される合
   成樹脂製のキャップとからなり、該キャップは頂板とそ
   の周縁から垂下した筒部を有するキャップ本体と、この
   キャップ本体の下方に設けられたピルファープルーフリ
   ングと、これらピルファープルーフリングとキャップ本
   体とを連結するブリッジとを具備し、該ピルファープル
   ーフリング内壁に複数のキャップ側逆止突起が設けら
   れ、かつ上記容器口部の螺子部の下方外周面に複数の容
   器側逆止突起が設けられてなるピルファープルーフ機構
   において、 上記容器口部の容器側逆止突起と螺子部との間に、容器
   側逆止突起の最大径に等しい外径の環状のビード部が設
   けられたことを特徴とするピルファープルーフ機構。
2. 【請求項２】 上記容器側逆止突起にキャップ側逆止突
   起が乗り上げた時の各キャップ側逆止突起間の円弧長さ
   と、キャップ側逆止突起がビード部及び容器側逆止突起
   に乗り上げない時の各キャップ側逆止突起間の円弧長さ
   とが等しい寸法関係にあることを特徴とする請求項１記
   載のピルファープルーフ機構。
3. 【請求項３】 キャップ側逆止突起が容器側逆止突起に
   乗り上げない時の状態と、キャップ側逆止突起が容器側
   逆止突起に乗り上げた時の状態とを比較した時に、それ
   ぞれの状態で変位の無い位置にブリッジが設けられたこ
   とを特徴とする請求項１又は２記載のピルファープルー
   フ機構。