JPH0586792A - ボーリング深度計測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】穿孔ロッドの先端の深度を連続的かつ常時表示
させる。 【構成】地中に穿孔ロッド１を圧入する油圧ピストン２
を備えているとともに、油圧ピストン２の降下距離を測
定する距離測定部３を備えたボーリング部４と、前記油
圧ピストン２の圧力及び前記距離測定部３のデータを入
力するデータ入力部５と、このデータ入力部５からのデ
ータを入力する演算部６と、この演算部６に接続され、
油圧ピストン２における圧力と前記穿孔ロッド１の先端
の深度との関係を予め記憶させた記憶部７と、前記演算
部６に接続された表示部８を備え、前記演算部６は油圧
ピストン２の圧力データを記憶部７のデータと照合して
およその距離を算出するとともに、前記距離測定部３か
らのデータで校正して、前記穿孔ロッド１の先端の深度
を表示部８に表示させるよう構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボーリング深度計測装置
に係り、特に、穿孔深度を連続的に表示させるものに関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ボーリング深度を計測する場合
には、その孔の穿孔長を確認する方法として、穿孔に使
用したロッドを順次引き抜き、それらロッドの長さを測
定するか、または、ロッドをすべて引き抜いた後、この
ロッドよりも細い径のロッドを穿孔部に差し入れて深度
を計測している。

【０００３】また、ダムのカーテングラウドのように穿
孔長が深い場合には、約１０ｍ穿孔が進む毎にこれら深
度測定作業を繰り返すステップ工法が必要となってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来
のものにおいては、測定の度にボーリングを中止しなけ
ればならないため非効率的である。また、穿孔部の深さ
を測定するために、長いスケールや細いロッドが必要と
なる等の問題がある。

【０００５】しかも、ボーリング深度の確認の際には発
注側の立ち会いが必要であるため、前記した作業の間は
常に発注側責任者と受注側責任者が現場に待機していな
ければならず経済効率に欠ける面がある。

【０００６】なお掘削深度を内外に証明する場合、写真
を用いることがあるが客観的な信頼性に欠けるという問
題がある。本発明は前記事項に鑑みてなされたもので、
測定の度にボーリングを中止することなくボーリングの
最中でも連続的に穿孔部の深さを表示することができ、
掘削深度を内外に証明する場合でも信頼性の高いボーリ
ング深度計測装置を提供することを技術的課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前記技術的課題
を解決するために、以下のような構成とした。即ち、地
中に穿孔ロッドを圧入する油圧ピストンを備えていると
ともに、油圧ピストンの降下距離を測定する距離測定部
を備えたボーリング部と、前記油圧ピストンの圧力及び
前記距離測定部のデータ入力するデータ入力部と、この
データ入力部からのデータを入力する演算部と、この演
算部に接続され、前記油圧ピストンの圧力と前記穿孔ロ
ッドの先端の深度との関係を予め記憶させた記憶部と、
前記演算部に接続された表示部を備え、前記演算部は油
圧ピストンの圧力を記憶部のデータと照合しておよその
距離を算出するとともに、前記距離測定部からのデータ
で校正して、前記穿孔ロッドの先端の深度を表示部に表
示させるよう構成した。

【０００８】

【作用】本出願人は穿孔深さと油圧ピストンにおける圧
力との間に一定の関係があることを見いだし、その関係
を記憶部に記憶させてある。

【０００９】ここで、データ入力部を介して油圧ピスト
ンにおける圧力情報が演算部に入力されると、演算部で
は記憶部のデータを検索し、入力データに対応する深度
情報を取り出す。またこの情報と距離測定部からのデー
タを照合して表示部へ出力する。距離測定部からのデー
タは油圧ピストンの実際の位置を正確に示すものである
ため、油圧ピストンのストロークの範囲では正確な値が
得られる。これと深度情報とを照合して油圧ピストンの
ストローク以下の誤差が生じた場合には距離測定部から
のデータに置き換えて表示する。

【００１０】これにより、穿孔部における数メートル単
位のおおまかな深度は油圧ピストンの圧力情報から得
て、数センチメートル単位のこまかな深度は距離測定部
からのデータから得る。これにより穿孔の深度に拘わら
ず正確な深度測定が可能となる。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を図１ないし図５に基づいて
説明する。地中に穿孔ロッド１を圧入するボーリング部
４につき簡単に説明する。フレーム４ａの一側部にはス
イベルヘッド４ｅが突設され、このスイベルヘッドに２
本の油圧ピストン２が垂直に設けられている。

【００１２】この油圧ピストン２の下端は油圧シリンダ
４ｂで保持されており、油圧ピストン２の上端はカプラ
４ｃで連結され、このカプラ４ｃにスピンドル４ｄが設
けられている。スピンドル４ｄはスイベルヘッド４ｅに
挿通されており、スピンドル４ｄの下端にはスクリュー
チャック４ｆが設けられている。このスクリューチャッ
ク４ｆはチャックピース４ｇとチャックボルト４ｈとを
内装している。

【００１３】スピンドル４ｄ内は空洞になっており、内
部に穿孔ロッド１が挿通されるようになっている。そし
て、穿孔ロッド１はチャックピース４ｇで挟持されてお
りチャックボルト４ｈを回転させることによって強固に
固定される。前記穿孔ロッド１の先端には穿孔ビット１
ａが設けられており、地中を掘削するようになってい
る。

【００１４】前記カプラ４ｃにはスケールＳが垂設され
ている一方、スイベルヘッド４ｅにはこのスケールＳを
非接触で挟持するフォトインタラプタＰが設けられてい
る。前記スケールＳにはバーコードによる位置情報が印
刷され、これをフォトインタラプタＰが読み取ることに
よって油圧ピストン２の降下距離を測定するようになっ
ている。前記スケールＳとフォトインタラプタＰとは距
離測定部３を構成している。また、前記油圧シリンダ４
ｂには２系統の油圧ポンプＡ、及び圧力センサ５ａが接
続されている。

【００１５】前記圧力センサ５ａは油圧ピストン２への
加圧力を示し、このデータと前記距離測定部３のデータ
とはデータ入力部５に入力される。データ入力部５でフ
ォーマット化されたデータは演算部６に入力される。こ
の演算部６には記憶部７が接続されている。この記憶部
７には油圧ピストン２の降下距離と油圧ピストン２にお
ける圧力との関係が記憶されており、演算部６からの指
令により油圧ピストン２の降下距離情報が出力されるよ
うになっている。

【００１６】前記演算部６には深度の表示部８、動作モ
ード表示部８ａ、ハイブリッドレコーダ８ｂ、及びオシ
ログラフ８ｃが接続されており、深度及び深度変化の情
況がリアルタイムで表示されるようになっている。

【００１７】また、データ入力部５からのデータはＡ／
Ｄ変換器７０を介して直接前記記憶部７に書き込めるよ
うにもなっている。さらに演算部６にはアンドゲート７
１を介して基準時刻発生器Ｔからのデータが入力される
ようになっている。

【００１８】これら、演算部６、記憶部７、深度の表示
部８、動作モード表示部８ａ、アンドゲート７１、及び
基準時刻発生器Ｔはデータ記録器Ｄを構成している。前
記演算部６からはシリアルデータ送受信ポートが設けら
れ、遠隔地へのデータ送受が行えるようになっている。

【００１９】即ち、電話回線等を介して送られたデータ
はコンピュータ５１に入力され、このコンピュータ５１
に接続されたＸ−Ｙプロッタ５２、プリンター５３に入
力され、表示部８、動作モード表示部８ａ、ハイブリッ
ドレコーダ８ｂ、及びオシログラフ８ｃに表示された各
データの作図及び作表ができるようになっている。

【００２０】尚、前記した一連の操作は遠隔操作盤５０
で行われるが、操作の前に記憶用メモリーカード（図示
せず）をデータ記録器Ｄに挿入するようになっており、
記憶用メモリーカードには管理用暗証番号が記憶されて
おり、不正な操作を防止できるようになっている。

【００２１】以下、動作例を説明するまず、ボーリング
部４をボーリング可能な状態にセットし、データ記録器
Ｄにメモリーカードを挿入する。

【００２２】続いて遠隔操作盤５０を操作し、ボーリン
グの起動、継続停止、または終了停止の指令を発する。
これにより穿孔が開始され、圧力センサ５ａ及びフォト
インタラプタＰからのデータがデータ入力部５に入力さ
れる。データ入力部５からのデータは演算部６に入力さ
れ記憶部７のデータと照合される。

【００２３】記憶部７には、穿孔深さと油圧ピストン２
における圧力との関係が記憶されているため、演算部６
に入力された圧力データから穿孔深さを算出することが
できる。そしてこのように算出されたデータは前記した
基準時間とともに表示部８に表示される。

【００２４】そして、表示部８の表示値は、油圧ピスト
ン圧が穿孔前に予め設定された圧力以上になったこと、
及び、遠隔操作盤５０で設定した動作モードがスタート
モードになっていることを条件に累積加算される。即
ち、油圧ピストン２は穿孔にあたって往復運動を繰り返
すが、穿孔に要する油圧が設定以上になったときにのみ
深度を加算する。

【００２５】前記ハイブリッドレコーダ８ｂには、ボー
リングナンバー、穿孔開始月日、設定圧力値、特定時間
毎の累積深度長とその時刻、継続停止月日とその時刻、
終了停止とその時刻が印字されるようになっているとと
もに、油圧値、油圧ピストン２のストロークを時系列グ
ラフ化して同一紙面上に記録する。

【００２６】この記録はメモリーカードにも記録される
ため、このメモリーカードを本体から抜き去り、前記し
たコンピュータ５１で再生することもできる。本装置は
ＢＨ杭築造、基礎杭工事、地質調査、探鉱ボーリング工
事、ダムのカーテングラウド工事、さく井工事、地盤補
強工事、薬液注入工事、及びアースアンカー孔工事等に
応用できる。

【００２７】そしてこれらの工事において信頼性が大き
く向上するとともに、作業時間の短縮、立ち会い検尺の
省略、不良工事の防止を図ることができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、油圧ピストンの圧力に
より穿孔ロッドの先端の深度を連続的かつ常時表示させ
ることができるように構成したので効率的な工事が行え
る。また、客観的なデータが得られるため信頼性が大幅
に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すクレーム対応図

【図２】本発明の一実施例を示すボーリング部の斜視図

【図３】本発明の一実施例を示すボーリング部の斜視図

【図４】本発明の一実施例を示すボーリング部の斜視図

【図５】本発明の一実施例を示すブロック図、

【符号の説明】

１ 穿孔ロッド、 ２ 油圧ピストン、 ３ 距離測定部、 ４ ボーリング部、 ５ データ入力部、 ６ 演算部、 ７ 記憶部、 ８ 表示部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地中に穿孔ロッドを圧入する油圧ピスト
   ンを備えているとともに、油圧ピストンの降下距離を測
   定する距離測定部を備えたボーリング部と、前記油圧ピ
   ストンの圧力及び前記距離測定部のデータ入力するデー
   タ入力部と、このデータ入力部からのデータを入力する
   演算部と、この演算部に接続され、前記油圧ピストンの
   圧力と前記穿孔ロッドの先端の深度との関係を予め記憶
   させた記憶部と、前記演算部に接続された表示部を備
   え、前記演算部は油圧ピストンの圧力を記憶部のデータ
   と照合しておよその距離を算出するとともに、前記距離
   測定部からのデータで校正して、前記穿孔ロッドの先端
   の深度を表示部に表示させることを特徴とするボーリン
   グ深度計測装置。