JPH0585033U - ユニット形進相コンデンサ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一定格の進相コンデンサを用いて、容量が
可変できるユニット形進相コンデンサ装置を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 進相コンデンサと、この進相コンデンサに直
列に接続されるリアクトルとによってユニット形進相コ
ンデンサ装置を構成する。このユニット形進相コンデン
サ装置に変圧器を設ける。この変圧器の一次コイルを線
路に接続し、二次コイルを進相コンデンサとリアクトル
の直列回路に接続する。この変圧器の二次コイルに二次
電圧可変用の切替タップを設ける。この切替タップの調
整によってユニット形進相コンデンサ装置の容量を可変
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はユニット形進相コンデンサ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のようにユニット形進相コンデンサ装置は、線路の力率改善のために使用 されるもので、コンデンサにリアクトルを直列に接続して構成されるのを普通と している。図２はその従来構成の結線図を示し、１は進相コンデンサ、２はこれ に直列接続されたリアクトル、３は進相コンデンサ１に残留する電荷を放電させ るための放電コイルである。４は線路に接続される端子である。

【０００３】 ところでここに使用される進相コンデンサはその容量が固定されているため、 メーカー側においては、ユーザーの注文毎にその定格を設定して製作する必要が ある。しかしユーザーの注文は多岐にわたるため、それに応じて製作図面、使用 部品なども多くなり、設計段階、材料調達段階、生産段階での管理が極めて面倒 となる。

【０００４】 またユーザー側においても、電気設備を増減した場合、それに見合った定格の コンデンサ設備を増設したり、あるいは既設の設備を撤去したりする必要がある 。また増設が相次ぐような場合、設備台数が多くなり、設置のためのスペースを 確保しなければならず、その保守も面倒となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、要求される容量（ｋＶＡ）が異なる場合でも、同じ定格の進相コン デンサを使用して、任意の容量のユニット形進相コンデンサ装置が得られるよう にすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案は、進相コンデンサと、この進相コンデンサに直列に接続されるリアク トルと、一次コイルが線路に接続され、二次コイルが進相コンデンサとリアクト ルの直列回路に接続される変圧器とを備え、この変圧器の二次コイルに二次電圧 可変用の切替タップを設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

進相コンデンサの容量は、これに印加される電圧の自乗に比例して変化するこ とが知られている。したがって変圧器の二次コイルに設けた切替タップを調整し て、進相コンデンサに印加される電圧を変化させれば、これに応じて進相コンデ ンサの容量が変化するようになる。そのため同じ定格の進相コンデンサを使用し ても、要求される容量のものが得られるようになる。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を図１によって説明する。なお図２と同じ符号を付した部分は 同一または対応する部分を示す。ユニット形の進相コンデンサ１はコンデンサ室 ５に収納される。６はリアクトル２を収納するリアクトル室である。そしてここ には一次コイル７及び二次コイル８を有する変圧器９が収納されてある。

【０００９】 一次コイル７は端子４に接続され、二次コイル８は進相コンデンサ１とリアク トル２との直列回路に、二次コイル８に設けられた二次電圧可変用の切替タップ １０を介して接続されている。この切替タップ１０は、リアクトル室６の外部か らタップ切替用のハンドル１１によって調整されるようにしてある。このハンド ル１１の調整によって、進相コンデンサ１に印加される電圧を変更させることが できる。

【００１０】 ここでたとえば定格容量の異なるユニット形進相コンデンサ装置が要求される 場合は、切替タップ１０をハンドル１１によって調整し、二次コイル８の二次電 圧を変更させ、進相コンデンサ１に印加される電圧を調整する。進相コンデンサ の容量（ｋＶＡ）は、これに印加される電圧の自乗に比例して変化するので、こ の二次電圧の調整によって任意の容量のものが得られるようになる。

【００１１】 これによってメーカー側では同一定格の進相コンデンサを使用しても、切替タ ップ１０の調整によって任意の容量のものが得られるようになるし、またユーザ ー側においても、電気設備の増減に応じて容量の変更が必要となる場合でも、切 替タップ１０の調整によって、目的どおりの容量に変更させることができるよう になる。

【００１２】 そしてこのように変圧器９を使用することにより、その各コイルが進相コンデ ンサ１に残留する電荷を放電させるための放電コイルとして兼用できるので、図 ２に示すような放電コイル３の設置を省略することができる。

【００１３】 なお図１では変圧器９として、一次コイル７、二次コイル８を独立して設けた 構成のものを示しているが、これに代えて単巻変圧器を使用することも可能であ る。また図１では変圧器９をリアクトル室６に収納した構成を示しているが、こ れをリアクトル室６とは別に独立して変圧器室を設け、これに収納するようにし てもよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、二次電圧の調整自在な変圧器を設け、そ の二次電圧を進相コンデンサに印加するようにしたので、同一定格の進相コンデ ンサであっても、変圧器の二次電圧を調整することによって、任意の容量の進相 コンデンサが得られるようになり、また変圧器を設けたことによって、これを放 電コイルとして兼用することができ、したがって従来のような放電コイルの設置 が省略できるといった効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す構成図である。

【図２】従来例の結線図である。

【符号の説明】

１ 進相コンデンサ ２ リアクトル ７ 一次コイル ８ 二次コイル ９ 変圧器 １０ 切替タップ １１ タップ切替用のハンドル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 進相コンデンサと、前記進相コンデンサ
   に直列に接続されるリアクトルと、一次コイルが線路に
   接続され、二次コイルが前記進相コンデンサとリアクト
   ルの直列回路に接続される変圧器とを備え、前記変圧器
   に、前記進相コンデンサに印加される二次電圧を可変と
   する切替タップを設けてなるユニット形進相コンデンサ
   装置。