JPH0581921A - 導電性有機薄膜 - Google Patents

導電性有機薄膜

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JPH0581921A
JPH0581921A JP24143391A JP24143391A JPH0581921A JP H0581921 A JPH0581921 A JP H0581921A JP 24143391 A JP24143391 A JP 24143391A JP 24143391 A JP24143391 A JP 24143391A JP H0581921 A JPH0581921 A JP H0581921A
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JP
Japan
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thin film
doping
conductivity
aromatic compound
electron
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JP24143391A
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Takashi Namikata
尚 南方
Masaru Ozaki
勝 尾崎
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の課題は、高い電導度を有し、薄膜形
成能に優れた導電材料を提供することを目的とするもの
である。 【構成】 下記の式(1)に示される直線状縮合多環芳
香族化合物Mと電子受容性分子Aからなり、その組成が
1 y (yは0.01以上5以下)であることを特徴
とする導電性有機薄膜。 【化1】 【効果】 本発明の導電性薄膜は電導度が高く、大気中
に放置しても酸化やドーパントとの反応が少ないため安
定性に優れる。また薄膜形成が常温で可能であり、表面
平滑性、均一性が高いなどの特徴を有する。このため電
子材料としてエレクトロニクス、オプトエレクトロニク
スなどの分野に応用できるため工業上有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】これまで、有機導電材料としてポリアセ
チレン、ポリピロール、ポリアリレンビニレン、ポリチ
エニレンビニレンなどの共役系高分子に電子供与性分子
または電子受容性分子をドーピングすることによって導
電性材料が得られることが知られている。またテトラチ
アフルバレン、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレ
ンなどの電子供与性分子とテトラシアノキノジメタン、
テトラシアノエチレンなどの電子受容性分子の組合せに
よる電荷移動錯体が導電性を示すことも知られている。
これらの有機導電性材料中には高い電導度を有するもの
もあるが薄膜を形成することが難しく、また、これらの
導電性材料は大気中で酸化しやすいため安定性に問題が
あった。導電性有機材料の薄膜作製法としてLB法を用
いた検討がなされているが高い電導度を有し安定性に優
れた薄膜は未だ得られていない。
【0003】一方、縮合多環芳香族化合物薄膜を真空蒸
着法で作製し、配向性薄膜が得られることは報告されて
いる(Z.Physik.Chem.,19 206
(1959))が、導電性薄膜を得た例は示されていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
電導度を有し、薄膜形成が容易な薄膜を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、安定性に優
れ、高い電導度を有する有機薄膜材料を得るべく鋭意検
討を重ねた結果、高性能の導電性有機薄膜を見いだし、
本発明を成すに至った。すなわち本発明は、下記の式
(1)で示される直鎖状縮合多環芳香族化合物Mと電子
受容性分子Aからなり、その組成がM1 y (yは0.
01以上5以下)であることを特徴とする導電性有機薄
膜である。
【0006】
【化2】
【0007】本発明に用いる直鎖状縮合多環芳香族化合
物について説明する。本発明に用いる直鎖状縮合多環芳
香族化合物はナフタセン(x=2)、ペンタセン(x=
3)、ヘキサセン(x=4)、ヘプタセン(x=5)お
よびそれらの混合物である。次に本発明に用いる電子受
容性分子について説明する。この分子としては、たとえ
ばCl2 、Br2 、I2 、ICl、ICl3 、IBr、
IFなどのハロゲン、PF5 、AsF5 、SbF5 、B
3 、BCl3 、BBr3 、SO3 などのルイス酸、H
F、HCl、HNO3 、H2 SO4 、HClO4 、FS
3 H、CF 3 SO3 Hなどのプロトン酸、酢酸、蟻
酸、アミノ酸などの有機酸、FeCl3 、FeOCl、
TiCl4 、ZrCl4 、HfCl4 、NbF5 、Nb
Cl5 、TaCl5 、MoCl5 、WF6 、WCl6
UF6 、LnCl3 (Ln=La、Ce、Pr、Nd、
Sm、などのランタノイドとY)などの遷移金属化合
物、Cl- 、Br- 、I- 、I3 - 、I4 - 、I5 -
6 - 、I7 - 、ClO4 - 、PF6 - 、AsF5 -
SbF6 - 、BF4 - 、スルホン酸などの電解質アニオ
ン、酸素、オゾン、酸素イオンおよびこれらの混合物を
挙げることができる。
【0008】これらの電子受容性分子は前記の直鎖状縮
合多環芳香族化合物と共存した場合に両者の間で電荷移
動が生じ電子受容性分子の分子構造は変化するものもあ
る。たとえばI2 の場合にはI2 が電荷移動の進行とと
もにI7 - 、I5 - 、I3 - 、I- などに変化する。本
発明の式(1)において電子受容性分子を表すAは上記
の電子受容性分子の電荷移動前の分子式で表されるもの
である。例えば、電子受容性分子がI2 の場合M1
(I2 y 、SO3 の場合M1 ・(SO3 y 、CIO
4 - の場合M1 ・(CIO4 - y で示すものとする。
組成は重量法、吸収スペクトルや発光スペクトルなどの
分光学的方法などにより求めることができるが、本発明
では重量法 即ち、石英基板上に縮合多環芳香族化合物
薄膜を形成させ、ドーピング前後の重量変化を共鳴振動
数変化から検出することで決定した。
【0009】前記の直鎖状縮合多環芳香族化合物の薄膜
を作製する方法についてその例を示す。縮合多環芳香族
化合物の薄膜は、たとえば真空蒸着法、MBE法、CV
D法、スパッタリング法、CVD法などの乾式薄膜形成
法によって作製することができる。作製された縮合多環
芳香族化合物薄膜は、基板温度が常温の場合でも優れた
平滑性、表面性を有する。また、薄膜は縮合多環芳香族
化合物の溶液、溶融液体を用いてスプレーコート法、ス
ピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法な
どで形成することもできる。たとえば、真空蒸着法で薄
膜を作製する場合、作製条件によって分子の配向性が影
響を受ける。本発明の薄膜はその配向性が高いほど一定
方向の電導度が高くなる傾向があり、高導電性薄膜を得
るためには作製条件の適正化にって高配向化を図ること
が必要であり、この配向性薄膜を得るための作製条件と
して雰囲気圧力の低い方が不純物の含有が少なくなるた
め好ましく、10-2Torr以下好ましくは10-4To
rr以下である。基板温度が高温の場合は成膜速度が低
下するため好ましくなく、逆に、きわめて低温で成膜し
た場合は蒸着膜の分子配向性が低下するため好ましくな
い。従って、適切な基板温度は150℃以下−100℃
以上、好ましくは120℃以下−80℃以上である。ま
た成長速度は低い方が配向性薄膜の作製に好ましいが、
成長速度が極端に低い場合生産性が低下するため好まし
くない。従って、成長速度としては500オングストロ
ーム/秒以下0.01オングストローム/秒以上が好ま
しい。この際、使用する基板材料として、石英、シリ
カ、フッ化カルシウム、サファイヤ、アルミナ、マグネ
シア、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化シリウム、
窒化アルミニウム、窒化シリコン、窒化ほう素、マイ
カ、炭化珪素、マグネタイト、ヘマタイト、チタン酸ス
トロンチウム、Y−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−C
a−Cu−O系、バリウムフェライト、MnZnフェラ
イト、などのセラミックス、シリコン、ゲルマニウム、
ガリウムひ素、アルミニウムひ素、インジウムひ素、イ
ンジウムアンチモン、インジウム燐、ガリウム燐、窒化
ガリウム、窒化インジウムなどの半導体、金、銀、銅、
アルミニウム、鉄、ステンレス、鉛、ニオブ、炭素など
の金属、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、
セルロース、ポリペプチド、ナイロン、ポリイミド、ポ
リアセチレン、ポリアリレンビニレン、ポリピロール、
ポリアニリン、フタロシアニン、ナフタレン、フラーレ
ンなどの有機物などを用いることができる。また、基板
は使用する目的に応じて種々の形状、形態が使用可能で
ある。薄膜の分子配向性は通常のX線回析法で調べるこ
とができる。本発明の薄膜は、そのX線回析パターン分
析で(00n)面(nは1以上の整数)が現れることか
ら配向性薄膜であることがわかる。この回析ピークの強
度が大きく、半値幅が小さいほど、また次数(前記のn
の最大値)が高いほど配向性が高くなる。高配向性薄膜
は基板面に平行方向に高い電導度を有し、基板面に垂直
方向の電導度は低くなる傾向にある。このため基板に平
行な方向と垂直な方向の電導度異方性は高配向性の薄膜
ほど大きくなる。
【0010】一方、真空蒸着法の薄膜作製において、基
板温度が低い場合は得られる薄膜の配向性が低下する。
たとえば−100℃以下の温度の基板上に形成した薄膜
の構造はX線回析法における回折ピークが弱いかあるい
はアモルファス状である。次に、電子受容性分子を前記
の直鎖状縮合多環芳香族化合物薄膜中に導入する方法に
ついて説明する。この方法として、予め作製した縮合多
環芳香族化合物の薄膜にドーピングを行う方法、縮合多
環芳香族化合物の薄膜形成時に電子受容性分子を薄膜中
に導入してドーピングする方法を挙げることができる。
前者としては、ガス状の電子受容性分子を用いて行う気
相ドーピング、電子受容性分子の溶液または液体状の分
子を用いて行う液相ドーピング、固体状の電子受容性分
子を接触、拡散させて行う固相ドーピングのいずれの方
法も使用可能である。後者としては、たとえば、真空蒸
着法で作製する場合、縮合多環芳香族化合物とともに電
子受容性分子を基板上に供給して薄膜のドーピングを行
うことができる。またスパッタリングで薄膜作製を行う
場合、縮合多環芳香族化合物と電子受容性分子の2元タ
ーゲットを用いてスパッタリングを行い、薄膜のドーピ
ングを行うことができる。
【0011】以上のようにしてドーピングを行い導電性
薄膜を得ることができ組成はドーピングの条件によって
変化させることが可能である。本発明の導電性薄膜の組
成において導電性とするためには、前記の式(1)のy
が10以下である。さらに高導電性薄膜とするために好
ましくは0.01以上5以下である。この範囲よりドー
パントの含量が低すぎる場合や高すぎる場合は電導度が
低くなるため好ましくない。
【0012】本発明の薄膜の膜厚は利用する目的により
50オングストロームからミクロンオーダーまで作製が
可能である。必要に応じて、本発明の薄膜上にドーパン
トの拡散・飛散防止、機械的強度増加のための保護層や
他の材料の層を設けることができる。また本発明の薄膜
を応用した機能材料として、本発明の薄膜と他の材料の
薄膜の多層膜を用いることもできる。
【0013】本発明の導電性薄膜の導電性は通常の方法
である直流二端子法、直流四端子法により評価できる。
この電導度は使用する目的に応じてドーパントの種類、
含量によって変化させることができる。本発明の薄膜の
電導度は10-13 S/cmから250S/cmである。
また、薄膜が高配向性である場合電導度に高い異方性を
有する。基板面に平行な方向の電導度と垂直な方向の電
導度の比である電導度異方性(基板面に平行な方向の電
導度/基板面に垂直な方向の電導度)は1から1010
ある。ここで電導度異方性が1の場合は等方性の薄膜で
ある。この等方性は結晶構造がアモルファス状の薄膜の
場合に得られる。本発明の薄膜は使用する目的に応じて
先に述べた方法で、薄膜の配向性が調整でき、従って、
電導度異方性に富んだ薄膜を自由に作製することが可能
である。
【0014】
【実施例】次に、実施例および参考例によって本発明を
さらに詳細に説明する。本発明の電導性薄膜の組成は、
次の方法で測定、決定した。 (1)使用機器名: (機器−1) 日電アネルバ社製INFICON−XT
C及び石英振動子 (機器−2) TENCORインスツルメント社製、α
−STEP200(触針式膜厚計) (2)測定試料 A:石英振動子 B:薄膜+石英
振動子 C:ドーピングされた薄膜+石英振動子 (3)方 法 (機器−1)を用いて、試料、A、
B、Cの共鳴振動数を求めて各々の周波数の変動から、
試料B、C、の膜厚を求める。この測定には個々の膜の
比重を前もって機器にインプットしておく必要がある。
【0015】比重は石英振動子上の膜を(機器−1)と
(機器−2)とで別々に測り求める。即ち、(機器−
1)で比重を仮に1.0として膜厚を求め、次に(機器
−2)で実際の膜厚を測定して、測定値の比より求め
る。 (4)測定原理
【0016】
【実施例1】ペンタセンを石英ガラス基板上に真空蒸着
法で500オングストロームの膜厚の薄膜を作製した。
基板温度は25℃、雰囲気圧力2×10-5Torr、蒸
着速度100オングストローム/秒の蒸着速度でタング
ステンボートの抵抗加熱により作製した。該薄膜の構造
をX線回析法により測定したところ格子定数15オング
ストロームの(00n)面(n=1〜3)が観測され
た。ついで得られた薄膜をヨウ素ガス雰囲気(約2To
rrの圧力)中でドーピング5分間を行い導電性薄膜を
作製した。ドーピング後の薄膜の構造をX線回析法で測
定したところ格子定数19オングストロームの(00
n)面(n=1〜14)が観測された。石英基板の一部
に金薄膜を蒸着して電極を形成した後、上記と同条件で
薄膜作製、ドーピングを行った薄膜の電導度を直流四端
子法で測定したところ70S/cmであった。
【0017】また同条件で膜厚計(日電アネルバ社製I
NFICON−XTC)の石英振動子上にペンタセン薄
膜を作製した。この振動子の振動周波数変化から薄膜重
量を測定した結果、比重1g/cm3 とすると、膜厚9
04オングストロームであった。この薄膜を触針式膜厚
計(TENCORインスツルメント社製 α−Step
200)で測定した。(加重2mgの条件で薄膜形成部
分とマスクした部分の境界をスライス走行して膜厚を測
定)その結果、膜厚は500オングストロームであっ
た。これにより、ペンタセンの比重は1.8g/cm3
となった。更に、石英振動子の上に製作したペンタセン
薄膜をヨウ素ガス雰囲気中(2Torr)で5分間ドー
ピングした。このドーピングによるペンタセン薄膜の重
量変化を該振動子の共鳴周波数変化から測定した結果、
比重1g/cm3 仮定で、膜厚895オングストローム
の増加であった。即ち、ドーピング後のペンタセン薄膜
の組成は、ペンタセン(PEN)/I2 =1.0/1.
1であった。
【0018】10cm角の石英基板(基板厚0.3m
m)上に前記と同じ条件でペンタセン薄膜を作製とヨウ
素によるドーピングを行い、天秤による重量変化測定も
併せて行った。その結果、ペンタセン薄膜作製前後の重
量変化が92mg/100cm 2 であった。ドーピング
前後の重量変化は88mg/100cm2 であった。こ
れより、ドーピング後のペンタセン薄膜の組成はPEN
/I2 =1.0/1.1である事が確認された。
【0019】この様に、石英振動子の共鳴周波数変化か
ら求めた重量変化と天秤による直接重量変化から測定し
たドーピング後の組成は共に一致し、PEN/I2
1.0/1.1となった。
【0020】
【実施例2】実施例1と同様にして真空蒸着法でポリエ
ステル基板上に膜厚1000オングストロームのペンタ
セン薄膜を作製した。薄膜作製条件は、基板温度10
℃、雰囲気圧力5×10-5Torr、蒸着速度50オン
グストローム/秒であった。該薄膜の構造をX線回析法
により測定したところ格子定数15オングストロームの
(00n)面(n=1〜3)が観測された。得られた薄
膜を5Torrの圧力のSO3 ガス雰囲気下に1分間ド
ーピングした。ドーピング後の薄膜の構造をX線回析法
で測定した結果、格子定数18オングストロームの(0
0n)面(n=1〜4)の回析面が観測された。該薄膜
の電導度を直流四端子法で測定したところ、6S/cm
であった。
【0021】基板を代える以外は同じ条件で膜厚計に用
いる石英振動子の上に作製したペンタセン薄膜にSO3
ガスをドーピング(5Torr、1分間)した後、振動
周波数変化法によって重量変化を測定した結果、ドーピ
ング後の組成はペンタセン(PEN)/SO3 =1.0
/0.4であった。
【0022】
【実施例3】実施例1と同様にしてマグネシア単結晶基
板(100面)上にペンタセン薄膜を膜厚1500オン
グストロームで作製した。該薄膜をFeCl3 のエタノ
ール溶液に1時間浸漬してドーピングを行った。得られ
た薄膜の構造をX線回析法で評価したとたろ格子定数2
0オングストロームの(00n)面(n=1〜3)が観
測された。該薄膜の電導度を直流四端子法で測定したと
ころ1S/cmであった。また、ドーピング前後の重量
変化から求めたドーピング後の組成はペンタセン(PE
N)/FeCl3 =1.0/0.2であった。
【0023】
【実施例4】部分的に金薄膜(300オングストローム
膜厚)を設けた石英基板を用いて真空蒸着法によりペン
タセン薄膜を膜厚2000オングストロームで積層し
た。薄膜作製条件として、基板温度30℃、雰囲気圧力
4×10-5Torr、成膜速度1000オングストロー
ム/秒で蒸着源のタングステンボートを加熱して成膜を
行った。該薄膜の金電極をアノードとして過塩素酸テト
ラメチルアンモニウムのエタノール溶液(0.05mo
l/l)中で電解することによりClO4 - のドーピン
グを行った。ドーピング後乾燥して溶媒を除去した該薄
膜の電導度を直流四端子法で評価した結果10S/cm
であった。
【0024】ドーピング前後の薄膜の重量変化の測定に
よってドーピング後の組成を求めたところペンタセン
(PEN)/ClO4 - =1.0/0.3であった。
【0025】
【実施例5】部分的に金薄膜(膜厚300オングストロ
ーム)を被覆した石英ガラス基板上にペンタセン・ヨウ
素薄膜を5000オングストロームの膜厚でMBE法で
作製した。基板温度0℃、雰囲気圧力9×10-6Tor
rで2個のクヌーセンセルにペンタセンとヨウ素を入
れ、蒸着速度をそれぞれ2オングストローム/秒、1オ
ングストローム/秒に保ち成膜を行った。
【0026】該薄膜の構造をX線回析法で測定したとこ
ろ格子定数19オングストロームの(00n)面(n=
1〜14)が観測された。該薄膜の基板面に平行な方向
の電導度を直流四端子法で測定した結果80S/cmで
あった。さらに該薄膜上に金電極を500オングストロ
ームの膜厚で設けサンドイッチ状構造を形成した後、基
板に垂直な方向の電導度を直流二端子法で評価したとこ
ろ電導度は10-4S/cmであった。このことから電導
度異方性は8×105 であった。
【0027】薄膜作製において水晶振動子の上に同様に
して薄膜を形成して重量を測定、次いで該水晶振動子を
5×10-5Torrの雰囲気で150℃に加熱してヨウ
素を脱ドーピングして振動周波数変化から重量変化を測
定して導電性薄膜の組成比を求めた。その結果導電性薄
膜の組成はペンタセン(PEN)/I2 =1.0/3で
あった。
【0028】
【実施例6】シリコン基板を用い膜厚2000オングス
トロームのヘキサセン薄膜を真空蒸着法で作製した。基
板温度40℃、雰囲気圧2×10-5Torr、成膜速度
20オングストローム/秒、蒸着源はタングステンボー
トの抵抗加熱条件下に行った。得られた薄膜にヨウ素ガ
ス(1Torr、30分間)を接触させてドーピングを
行った。該薄膜の構造をX線回析法で測定した結果、格
子定数22オングストロームの(00n)面(n=1〜
8)の回折面が観測された。該薄膜の電導度を直流四端
子法で測定したところ3S/cmであった。
【0029】膜厚計の水晶振動子に同様にして作製した
ヘキサセン薄膜のドーピング前後の重量変化から求めた
組成比はヘキサセン/I2 =1.0/1.8であった。
【0030】
【実施例7】ポリエチレンフィルム基板上にヘプタセン
薄膜を膜厚1000オングストロームで真空蒸着法で作
製した。この薄膜の作製条件は、基板温度−5℃、雰囲
気圧力5×10-6Torr、蒸着速度1オングストロー
ム/秒であった。ついで真空容器内にSO3 ガスを圧力
100×10-3Torrで導入してドーピングを実施し
た。得られた薄膜の電導度を直流四端子法で測定した結
果、基板面に平行な方向の電導度は50S/cmであっ
た。真空容器内の水晶振動子の上に同様にして作製した
薄膜のドーピング前後の重量変化から求めたドーピング
後の薄膜の組成比はヘプタセン/SO3 =1.0/0.
5であった。
【0031】
【実施例8】石英ガラス基板上に真空蒸着法で膜厚80
0オングストロームのナフタセン薄膜を形成した。すな
わち、基板温度25℃、雰囲気圧力5×10-5Tor
r、蒸着速度は50オングストローム/秒で蒸着源をタ
ングステンボートの抵抗加熱によって薄膜作製を行っ
た。ついで該薄膜上の一部に金薄膜を電極として形成し
たのち電極端子付きガラス容器に電極を接続した。この
ガラス容器にAsF5 ガス(圧力5×10-3Torr)
を導入してドーピングを行った。該薄膜の電導度を直流
四端子法で評価した結果、1×10-3S/cmであっ
た。
【0032】上記と同様にして膜厚計の水晶振動子にナ
フタセン薄膜を作製、ドーピング前後の振動周波数変化
から重量変化を測定した。その結果、ドーピング後の薄
膜の組成はナフタセン/AsF5 =1.0/0.3であ
った。
【0033】
【実施例9】一部に金を蒸着したマグネシア単結晶基板
に2000オングストロームの膜厚のペンタセン薄膜を
真空蒸着法で形成した。この薄膜作製条件は、雰囲気圧
力10-6Torr、基板温度−10℃、蒸着速度10オ
ングストローム/秒であった。該薄膜上に金薄膜(膜厚
300オングストローム)を電極として積層してペンタ
セン薄膜を金電極でサンドイッチ状に挟み込んだ構造を
形成した後、ヨウ素ガス(約1Torr)を接触させて
ドーピングした。得られた薄膜の構造をX線回析法で測
定したところ格子定数19オングストロームの(00
n)面(n=1〜15)の回析面が観測された。この
(00l)面のピーク強度は30kcpsであった。
【0034】得られた薄膜の基板に平行な方向の電導度
は105S/cm、基板に垂直な方向の電導度は10-7
S/cmであった。これらの結果から求めた電導度異方
性(基板面に平行な方向の電導度/基板面に垂直な方向
の電導度)は109 であった。また薄膜作製において真
空チャンパーの膜厚計の水晶振動子上に形成したペンタ
セン薄膜にヨウ素ドーピングを施し、ドーピング前後の
振動周波数変化から重量変化を測定した結果、ドーピン
グ後の薄膜の組成はペンタセン/I2 =1.0/0.7
であった。
【0035】
【実施例10】部分的に金薄膜を設けたサファイヤ基板
上に2000オングストロームの膜厚のペンタセン薄膜
を真空蒸着法で作製した。作製は、雰囲気圧力5×10
-7Torr、基板温度10℃、蒸着速度3オングストロ
ーム/秒の条件下で実施された。該薄膜上に電導度測定
のための金電極(膜厚500オングストローム)を設け
た。次いでこの薄膜にヨウ素ガスを導入(圧力2Tor
r、1時間)してドーピングを行った。ドーピング後の
薄膜の構造をX線回析法で評価したところ、格子定数1
9オングストロームの(00n)面(n=1〜17)が
観測された。この(001)面の回折強度は40kcp
sであった。
【0036】この薄膜の基板面に平行な方向の電導度を
直流四端子法で評価したところ110S/cmであり、
基板面に垂直な方向の電導度を評価したところ10-8
/cmであった。従って、電導度異方性(基板面に平行
な方向の電導度/基板面に垂直な方向の電導度)は10
10であった。この薄膜を同様にして膜厚測定用の水晶振
動子上に形成してドーピング前後の周波数変化から重量
変化を測定した。この結果、ドーピング後の組成はペン
タセン/I2 =1.0/0.75であった。
【0037】
【実施例11】石英ガラス基板上にペンタセン薄膜を膜
厚1500オングストロームで真空蒸着法によって形成
した。この薄膜作製条件は雰囲気圧力2×10-5Tor
r、基板温度50℃、蒸着速度5オングストローム/秒
であった。得られた薄膜を容器にヨウ素粒子とともに入
れヨウ素から発生するヨウ素ガスに接触させてドーピン
グを1時間おこなった。この薄膜を容器から取り出し、
この薄膜の上に電導度測定用の金電極を形成させた後電
導度を測定した。その結果基板面に平行な方向の電導度
は50S/cmであった。この薄膜の構造をX線回析法
で評価したところ、ドーピング前の薄膜で格子定数15
オングストロームの(00n)面(n=1〜4)、ドー
ピング後の薄膜で格子定数19オングストロームの(0
0n)面(n=1〜13)が観測された。
【0038】同様の条件で膜厚測定用の石英板(石英振
動子)に形成したペンタセン薄膜にヨウ素ドーピングを
施しドーピング前後の振動周波数変化から重量変化を測
定し組成を求めた。この結果、ドーピング後の薄膜組成
はペンタセン/I2 =1.0/0.65であった。次い
でドーピングしたペンタセン薄膜を5×10-5Torr
の減圧下に置き電導度と重量変化を追跡した。その結
果、電導度と組成比は連続的に変化し、2時間減圧後の
電導度は2S/cm、組成はペンタセン/I2 =1.0
/0.05であった。
【0039】
【実施例12】石英ガラス基板上に真空蒸着法でペンタ
セン薄膜を膜厚2000オングストロームで作製した。
この作製条件は基板温度−170℃、雰囲気圧力5×1
-7Torr、蒸着速度10オングストローム/秒であ
った。得られた薄膜を室温で取り出し、ヨウ素ガス雰囲
気(1Torr)に1時間置きドーピングを施した。薄
膜の構造をX線回析法で評価したところドーピング前後
で回析ピークは見られずアモルファス状であることがわ
かった。この薄膜の電導度を直流四端子法でもとめたと
ころドーピング前の電導度は2×10-10 S/cm、ド
ーピング後の電導度は4×10-5S/cmであった。ま
た膜厚計の水晶振動子上に同様の条件で作製したペンタ
セン薄膜のドーピング前後の周波数変化から重量変化を
測定し、組成比を求めた結果ドーピング後ペンタセン/
2 =1.0/0.5であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の導電性薄膜は電導度が高く、大
気中に放置しても酸化やドーパントとの反応が少ないた
め安定性に優れる。また薄膜形成が常温で可能であり、
表面平滑性、均一性が高いなどの特徴を有する。このた
め電子材料としてエレクトロニクス、オプトエレクトロ
ニクスなどの分野に応用できるため工業上有用である。
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】比重は石英振動子上の膜を(機器−1)と
(機器−2)とで別々に測り求める。即ち、(機器−
1)で比重を仮に1.0として膜厚を求め、次に(機器
−2)で実際の膜厚を測定して、測定値の比より求め
る。 (4)測定原理

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)に示される直鎖状縮合多
    環芳香族化合物Mと電子受容性分子Aからなり、その組
    成がM1 y (yは0.01以上5以下)であることを
    特徴とする導電性有機薄膜 【化1】
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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