JPH0579286U - 空薬莢の回収具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小銃の排莢口から蹴り出される空薬莢を回収
して空薬莢の紛失を防ぐ。 【構成】 小銃の尾筒に設けられている取付ベースに着
脱可能な固定腕７に取付腕１４を回動自在に枢着し、こ
の取付腕１４に小銃の排莢口全面を覆うことができる取
入口２４を設けた収納袋１２を取付け、固定腕７と取付
腕１４には収納袋１２が尾筒に密接しかつ取入口２４が
排莢口を覆った状態で両者の回動をロックするロック装
置３０を設けた。取付腕１４を固定腕７にロックした状
態で収納袋１２内に空薬莢を回収し、ロックを解除した
状態で槓桿操作する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は小銃の射撃訓練や戦闘訓練において、空薬莢を紛失することなく、確 実に回収するようにした空薬莢の回収具に関するものである。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

自衛隊では安全保安上の対策として、射撃演習の場合には必ず空薬莢を回収し 、残弾と発射弾数（空薬莢）の合計が携行弾数と一致するように厳重にチェック しており、このため空薬莢の回収具を必要とし、この回収具には、いったん収納 した空薬莢が絶対に外部にこぼれ落ちることがなく、また操作性に優れているこ とが要求される。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

尾筒に設けられているスコープ等のアクセサリーを取付ける取付ベースに着脱 自在に取付ける取付装置を持った固定腕の銃口側に、空薬莢を収納する収納袋の 取付腕を回動自在に枢着し、この取付腕に排莢口全面を覆う取入口を設けた収納 袋を取付け、上記固定腕と取付腕に、収納袋が尾筒に密接して取入口が排莢口を 覆った状態で、両者をロックするロック装置を設けて成る。

【０００４】

【作用】

固定腕を取付装置によって取付ベースに取付けて回収具を尾筒に装着すると、 収納袋が尾筒に密接して収納袋の取入口が排莢口全面を覆うので、排莢口から蹴 り出された空薬莢は取入口から収納袋内へ確実に収納される。収納袋の取付腕は ロック装置によって固定腕にロックできるので、演習中に収納袋が不用意に開い て空薬莢が出ることがない。また、回収具の固定腕は取付装置によって取付ベー スに着脱でき、さらにロック装置を解除すれば取付腕を固定腕に対して回動させ て収納袋を排莢口から離すことができ、これにより槓桿操作も何ら支障なく行な える。

【０００５】

【実施例】

図１は空薬莢の回収具１を示し、７は小銃３（図２）の尾筒５のトップマウン トに設けてあるスコープ等のアクセサリーを取付ける取付ベース６（図３）に取 付ける固定腕である。固定腕７には取付ベース６へ取付けるための取付装置１１ を設けてある。この取付装置１１は取付ベース６へ嵌り合うように固定腕７の端 部に形成したアリ溝７ｃと、固定腕７の側面に取付けた止めねじ９に自体の内側 に介在させた図示しない板ばね（省略しても良い）と共に自体に設けた取付孔が 遊嵌され、止めねじ９の回動によって固定腕７の側面に対して板ばねの弾力に抗 して接近移動されるようにしてある止着板１０と、取付ベース６の銃尾側の端部 ６ｂに当接するように固定腕７に設けた当接部７ｂとから構成されている。止着 板１０は取付ベース６側面の窪み部６ｄへ当て込んで固定腕７を止着するもので ある。 固定腕７の銃口側端部には空薬莢を収納する収納袋１２の取付腕１４の一端が ヒンジピン２７によって回動自在に枢着され、その両方の腕７，１４の銃尾側に は取付腕１４を固定腕７と重なる位置まで回動後ロックさせるロック装置３０が 設けてある。

【０００６】 ロック装置３０は取付腕１４に取付けた筒体３４内に封装した図示しないばね により突出方向に付勢して嵌挿されたプランジャ３２と、固定腕７の当接部７ｂ に一体に設けたロック体３６のロック面３７とから構成されている。ロック面３ ７にはプランジャ３２を当接させてこれを図示しないばね力に抗して没入させる 緩やかな斜面の没入斜面３７ａと、この斜面を通過後、突出するプランジャ３２ を引掛けてロックする急な斜面のロック斜面３７ｂとが形成されている。

【０００７】 取付腕１４には上板１６ａの張出部１６ａｅが、この上板１６ａの銃口側と銃 尾側には側板１６ｂ，１６ｃが、また側板１６ｂ，１６ｃの内側には上板１６ａ から所定の間隔を持って止め板１６ｄがそれぞれ溶着されてフレーム１６を構成 し、この止め板１６ｄと上板１６ａ及び両側板１６ｂ，１６ｃで囲まれた開口部 分が空薬莢の取入口２４となり、取入口２４は排莢口４全面をすっぽり覆う大き さに設定される。

【０００８】 フレーム１６には布で作られた収納袋１２が被せられ、この収納袋１２は上板 １６ａ、側板１６ｂ，１６ｃに適宜の接着剤にて接着され、また止め板１６ｄに は金具２２により固定されている。収納袋１２の外側には図２に示すように縦中 央に空薬莢取出用のチャック２６が取付けてある。ヒンジピン２７の頭部２７ａ 及びロック体３６には夫々上記取付ベース６に替えてスコープ等のアクセサリー を取付けるための取付溝２７ｃ，３６ｃが形成されている。上板１６ａの内側で かつ銃尾側には収納袋１２の開閉操作を行なうときに手を当てるための当部１８ が設けてある。

【０００９】 なお、ロック装置３０は図４に示すように筒体３４上面に長孔４１を設け、プ ランジャ３２には長孔４１から突出する操作片４２を突設し、ロック体３６には プランジャ３２が入り込むロック孔４３を設け、操作片４２の操作によってプラ ンジャ３２をロック孔４３に係脱自在に構成したものでも本考案の目的を達する 。 以上のように構成される空薬莢の回収具１は取付腕１４をロック装置３０によ って固定腕７へロックさせた状態で、固定腕７のアリ溝７ｃを取付ベース６の銃 尾側から嵌め込み、当接部７ｂを取付ベース６の銃尾側の端部６ｂへ当接後、止 めねじ９を締め付ければ止着板１０が板ばねの弾力に抗して固定腕７の側面に向 けて接近移動即ち取付ベース６側へ移動して窪み部６ｄへ入り込み、これにより 固定腕７が取付ベース６に固定され、小銃の発射衝撃により取付位置１１がずれ ることがなくなる。また止めねじ９をゆるめると止着板１０が板ばねの弾力によ って固定腕７の側面から遠ざかり、取付ベース６の窪み部６ｄから抜け出る。し たがって、回収具１は止めねじ９の締め付け、締め外しによって着脱できるので 、工具を必要とせずに簡単、かつ迅速に取付け、取外しができる。

【００１０】 回収具１を図２に示すように小銃３へ取付けた状態においては、収納袋１２は 尾筒５に密接し、取入口２４が排莢口４を覆うので、弾の発射により排莢口４よ り蹴り出された空薬莢は取入口２４から収納袋１２内へ収納される。収納袋１２ は上記のように構成したフレーム１６に取付けられ、あたかも剛性を有する箱体 状となっているので変形したり、たわむことがなく、したがって空薬莢は確実に 取入口２４から収納袋１２内へ収納され、又槓桿８は取入口２４内へ入り込んで 射撃の度ごとに前進後退するが、この槓桿８の後復座も妨げられることはない。 取付腕１４と固定腕７とは上記のようにロック装置３０でロックされているので 、演習中に収納袋１２が不用意に開いて空薬莢が収納袋１２から出ることはない 。

【００１１】 また弾倉交換後の初弾発射時には周知のように槓桿操作を行なうが、この時は 当部１８等に手を掛けて収納袋１２の内側から外側へ向けて力を加えると、プラ ンジャ３２がロック斜面３７ｂから外れ、これにより収納袋１２を外側へ開くこ とができ、槓桿操作は何ら支障なく行なえる。その後収納袋１２を内側へ回動さ せると、固定腕７と取付腕１４とは上記の如く再びロックされ、これ等の操作は 全て片手操作によって行なえるので操作性は極めて良好であり、収納袋１２内の 空薬莢はチャック２６を開いて取出し、残弾、使用弾数の合計が携行弾数と一致 するかどうかをチェックする。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の空薬莢の回収具においては、収納袋の取付腕をロック装置により固定 腕にロックさせた状態で尾筒に装着すると、収納袋が尾筒に密接して取入口が排 莢口全面を覆うので、排莢口から蹴り出された空薬莢を取入口から収納袋へ確実 に収容でき、またロック装置によって収納袋が演習中に不用意に開くことがない ので、収容した空薬莢が収納袋から出ることがない。また固定腕を尾筒に予めア クセサリー取付用として設けてある取付ベースに取付装置によって着脱するよう にしたので、回収具を銃に装着するために銃に何ら特別な加工を要せず、また銃 の重量が増加したり、強度が低下したりすることがなく、また着脱に工具を要さ ず、簡単に取付けることができる。さらに取付腕は固定腕に回動自在に枢着して あるので、ロック装置を解除後、収納袋を回動させて排莢口から離すことができ 、これにより槓桿操作は何ら支障なく行なえ、操作性に優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】空薬莢の回収具の全体図である。

【図２】空薬莢の回収具を小銃に取付けたときの取付状
態を示す図である。

【図３】尾筒の一部を破断して示す図である。

【図４】異なる実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ 空薬莢の回収具 ４ 排莢口 ５ 尾筒 ６ 取付ベース ７ 固定腕 １１ 取付装置 １２ 収納袋 １４ 取付腕 ２４ 取入口 ３０ ロック装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】尾筒に設けられているスコープ等のアクセ
   サリーを取付ける取付ベースに着脱自在に取付ける取付
   装置を持った固定腕の銃口側に、空薬莢を収納する収納
   袋の取付腕を回動自在に枢着し、この取付腕に排莢口全
   面を覆う取入口を設けた収納袋を取付け、上記固定腕と
   取付腕に、収納袋が尾筒に密接して取入口が排莢口を覆
   った状態で、両者をロックするロック装置を設けて成る
   空薬莢の回収具。