JPH057752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の対象］ 本考案は送配電変電設備（以下送電設備と略称
する。）の異常電圧に対する保護用として設置さ
れている招弧装置に関するものである。

［従来技術］ 送電設備は、電力供給上必要不可欠の設備であ
り、この設備の事故は、高度に電化された現代社
会に極めて重大な影響を及ぼす。このため、送電
設備には、落雷等の異常電圧に対する保護装置が
設置されているが、事故は、皆無ではない。従つ
て送電設備に事故があつた場合、保護装置の動作
有無は事故点を速かに検出するため、及び保護装
置自体の異常を検出するために必要であり、現在
は保守員の巡回、目視が主な検出方法となつてい
る。

送電設備の異常電圧に対する保護装置の１つと
して、碍子等の高電位側と大地電位側にアークホ
ーンを設置し、異常電圧による閃絡をアークホー
ン間で生じさせて、異常電圧を吸収し、また碍子
連表示閃絡起因する碍子の破壊や損傷をなくし、
長時間の送電停止を防止せしめる招弧装置があ
る。このアークホーン間閃絡検知の方法として、
従来はアークホーンを通して最終的には大地へ流
れるサージ性の電圧あるいは電流またはその位相
から検知する方法が考えられたが、電磁誘導等の
外乱ノイズによる誤動作の問題で満足する機能が
達成されにくい状況にある。また、この方法での
検出回路には高速伝搬する放電電流あるいは電圧
の位相、すなわち伝搬速度等を検知する必要があ
り、高速かつ高度な回路を必要とする難点があつ
た。

［考案の目的］ 本考案は前記した従来技術の欠点を解消し、し
かも現有の送電設備保護用招弧装置の機能を損わ
ずに、落雷等の異常電圧に起因するアークホーン
間の放電光を検出することができる招弧装置を提
供することを目的とする。

［考案の概要］ 本考案は、招弧装置の接地側アークホーンと光
フアイバとを一体化することにより、アークホー
ンの放電光を光フアイバにより検知しようとする
ものである。

［実施例］ 以下に本考案の放電光検知機能を有する招弧装
置の詳細を実施例を用いて説明する。

第１図に示すように、鉄塔部材１に碍子２によ
り添架された送電線５に落雷等により異常電圧が
発生すると高電位側のアークホーン４と大地電位
側のアークホーン３間で放電光６が発生する大地
電位側のアークホーン４には、第２図に示す如く
光フアイバ９が、内蔵されており、光フアイバの
端面は、光コネクタ７が高電圧側アークホーン３
に対向するように設けられており、しかも、大地
電位側アークホーン３の先端付近は、第３図に示
すように光導入孔１１が設けられており、その先
端は、電界緩和上、曲率を有する形状としてあ
る。アークホーン３内の光フアイバコネクタ７は
適宜固定することにより（第３図の例では部材８
にパツキン１０で固定）放電光を常に適切にとり
入れる方向に向わせる。

従つて、アークホーン３と４間で生じた放電光
は、アークホーン３に内蔵された光フアイバコネ
クタ７に入光され、その光は光フアイバ９で任意
の場所へ導くことができる。

光フアイバによつて伝送された放電光６は、検
出回路に入光され放電検知出力を発する。放電光
検出回路は、常時の太陽光等の背景光と区別する
ため、高周波光のみを増幅する。一般に雷等で発
生する放電光は、太陽や電灯等よりもはるかに高
周波成分であることから、背景光との判別は容易
である。放電光検出信号は、他の伝送系を使つて
遠隔地へ伝送し、処理することができる。あるい
は、近くに表示装置を置き、その表示装置には、
信号ホールド回路を設け、保守員巡視まで表示し
ておく事も容易である。

アークホーン３，４放電時には、その周辺に極
めて大きな電磁界が発生するが、放電光６の検出
には、電磁界に強く、しかも無電源での使用が可
能な光フアイバを使用しているため、電磁誘導等
のノイズによる誤動作は皆無であり、極めて信頼
性の高い放電検知が可能になる。

放電光検出光フアイバを、アークホーンに内蔵
する以外に、光フアイバをアークホーンに沿わせ
た構成としても前記実施例と同様な効果が発揮で
きる。さらに光導入孔やフアイバ端部等にレン
ズ，フイルタ等を置き検知感度を調整しても良
い。

また、放電による発光波形と放電電流波形の間
にはかなりの相関性があるので、異常電圧のみの
放電、その後の線路電圧による持続放電等の区別
を可能となる。

また、光フアイバを高電圧側に置いても類似の
機能を発揮させることができるが、光フアイバを
大地側に引きおろすと光フアイバに常時高電圧が
加り、その絶縁特性，劣化等のチエツクが必要と
なるため常時は大地電位側にあるアークホーン側
に置く方が実用的に重要である。

［考案の効果］ 以上、説明したように本考案の放電光検出機能
を有する招弧装置は、高電圧部で発生する放電光
を光フアイバに直接入光できるので、電磁誘導等
の外乱ノイズによる誤動作がなく、全体の構成が
簡単で安価であり、招弧装置の動作有無，放電の
状況等が検知，観測でき、また動作招弧装置の位
置検出が極めて容易に可能となるので送電設備の
運用を効率的に実施することができ、停電等に伴
なう社会的な混乱，損失を最小限にとどめ得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す説明図であ
る。第２図、第３図は、本考案の一実施例の部分
を示す説明図である。 １……鉄塔部材等、２……碍子、３……大地電
位側アークホーン、４……高電位側アークホー
ン、５……送電線、６……放電光、７……光コネ
クタ、８……アークホーン部材、９……光フアイ
バ、１０……光コネクタ押えパツキン、１１……
光導入孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 送配電変電設備の異常電圧に対する保護用と
   して設置されている招弧装置において、接地電
   位側のアークホーンに、その端面が高電圧側ア
   ークホーンと対向するように光フアイバが一体
   化されており、アークホーンの放電光を光フア
   イバ端面に入光させて外部に導き検知するよう
   構成されていることを特徴とする放電光検知機
   能を有する招弧装置。 ２ 接地電位側のアークホーン内に光フアイバが
   組込まれており、かつ前記アークホーン先端部
   に光導入孔が設けられていることを特徴とする
   第１項記載の放電光検知機能を有する招弧装
   置。 ３ 接地電位側のアークホーン外に光フアイバが
   添設一体化されていることを特徴とする第１項
   記載の放電光検知機能を有する招弧装置。