JPH0573266U - 直噴火花点火式内燃機関の点火制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は点火プラグの寿命に影響なくパワート
ランジスタと点火スコイルを保護する直噴火花点火式内
燃機関の点火制御装置を提供する事を目的としている。 【構成】無噴射状態を検出する無噴射状態検出手段と無
噴射であることを検出したときにプラグの点火を遅らせ
る保持手段とを点火コントロールユニットに設けてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、負荷、エンジン回転数等の運転状態を検出する運転状態検出手段を 備え、気筒内に設けた点火プラグと、その点火プラグを点火させるために前記運 転状態検出手段からの信号により点火時期を決定する点火コントロールユニット とを有する直噴火花点火式内燃機関の点火制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

直噴火花点火式内燃機関であるスパークアシストメタノールエンジン等は安定 した燃焼を得るために点火装置として、例えばパワートランジスタを使用した高 エネルギ化した点火装置を使用する技術は知られている。通常の点火装置では一 次電流が切れたときに、２次電流が流れてプラグを点火させるようになっている 。

【０００３】 また、高温高圧縮状態で使用される点火プラグは、例えば電極先端を白金付き にしたり、運転条件に寄りエネルギを変更したりしてその耐久性を確保しようと している（実開平２−１１８１６６号公報参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、他方で従来の提案は点火制御信号がＯＮのまま保持され、その結果パ ワートランジスタがＯＮとなり点火コイルの一次側に電流が長時間流れたままに 成る。そして、トランジスタは飽和状態で電流を流すと加熱し故障しコイルも加 熱、発火等の問題が発生しやすい。

【０００５】 したがって、本考案は点火コイルを保護し点火プラグの寿命に影響しない直噴 火花点火式内燃機関の点火制御装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案によれば、負荷、エンジン回転数等の運転状態を検出する運転状態検出 手段を備え、気筒内に設けた点火プラグと、その点火プラグを点火させるために 前記運転状態検出手段からの信号により点火時期を決定する点火コントロールユ ニットとを有する直噴火花点火式内燃機関の点火制御装置において、エンジンの 気筒内に燃料が噴射されていない無噴射状態であることを検出する無噴射状態検 出手段と、プラグを点火させる点火手段と前記点火手段からの信号を膨脹行程の 終り付近まで保持する保持手段とを設けている。

【０００７】

【作用】

上記のように構成された直噴火花点火式内燃機関において、気筒内の条件が厳 しくない下死点付近で点火プラグにコイルの一次電流を切ってスパークさせるの で、プラグの寿命に影響がなく、点火コイルも電流が切れるので加熱が防止され る。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例を説明する。

【０００９】 図１において、エンジンＥに取り付けられた噴射ノズル４は噴射管１２により 燃料噴射ポンプ２に連結されている。また、噴射ノズル４に取り付けられたニー ドルモーションセンサ３はエンジンの点火コントロールユニット１に接続されて いる。そして、その点火コントロールユニット１にはキースイッチ７を介してバ ッテリ６と、エンジン回転情報を検出するクランク角センサ８と、燃料噴射ポン プ２のラック位置を検出するラック位置検出センサ９と水温センサ１０や操作ス イッチ１１等とが接続されている。

【００１０】 また、点火コントロールユニット１はパワートランジスタ１４および点火コイ ル５の一次側コイルを介してバッテリ６に接続され、その点火コイル５の二次側 コイルは点火プラグ１５に接続されている。

【００１１】 図２は制御ブロック構成概要を示し、負荷、水温、操作スイッチ等の運転状態 検出手段Ａと目標点火時期決定手段Ｂとからの信号により点火時期決定手段Ｆで 点火時期を決定し、無噴射状態になったときは、燃料無噴射状態検出手段Ｃから の信号により点火制御信号出力停止判定手段Ｄからの信号を受けて、点火時期決 定手段Ｆが点火を止める。

【００１２】 図３は点火コントロールユニット１のブロックダイヤグラムを示し、端子８ａ ，８ｂはクランク角センサ８に、端子９ａはラック位置検出センサ９に、端子１ ０ａは水温センサ１０および操作スイッチト１１等にそれぞれ接続されている。

【００１３】 また、端子３ａはニードルモーションセンサ３に接続されている。

【００１４】 そして、クランク角信号が入力される端子８ａは比較器３１、３２に接続され 、ＴＤＣ信号が入力される端子８ｂは回転速度検出手段２１を介して点火時期演 算手段２５と基本１時電流通電時間演算手段２６にそれぞれ接続されている。

【００１５】 また、点火時期演算手段２５は点火時期決定手段２９を介して比較器３１に、 基本１時電流通電時間演算手段２６は通電開始時期決定手段３０を介して比較器 ３２にそれぞれ接続されている。

【００１６】 さらに、ラック位置信号を入力する端子９ａは負荷検出手段２２を介し、水温 、操作スイッチからの信号を入力する端子１０ａは運転状態検出手段２３を介し て、それぞれ点火時期演算手段２５と基本１時電流通電時間演算手段２６とに接 続されている。

【００１７】 そして、比較器３１と３２とはそれぞれ切換器３３および点火信号気筒振り分 け器３４を介して、信号ラッチ３５に接続されている。

【００１８】 また、ニードルモーション信号を入力する端子３ａは燃料無噴射状態検出手段 ２４と点火制御信号出力停止判定手段２７とを介して信号ラッチ３５に接続され 、点火出力信号ラッチ解除判定手段２８は前記点火制御信号出力停止判定手段２ ７と信号ラッチ３５とにそれぞれ接続されている。

【００１９】 そして、信号ラッチ３５はパワートランジスタ１４に接続されている。

【００２０】 以下、作用について説明する。図４を参照して、点火コントロールユニット１ は、まずデータ更新があるか無いか判断し（ステップＳ１）、ＮＯの場合は、そ のまま比較器が一致するごとに点火制御源信号をＯＮ，、ＯＦＦして（ステップ Ｓ６）、点火制御源信号を各気筒に振り分けてプラグに点火する（ステップＳ７ ）。ＹＥＳの場合は、エンジン回転速度、負荷より点火時期θｏｆｆを決定し（ ステップＳ２）、さらに基本一次電流通電時間を決定し（ステップＳ３）通電開 始時期θｏｎを決定し（ステップＳ４）、θｏｎ、θｏｆｆを比較器にセットし て準備を終わる（ステップＳ５）。

【００２１】 ついで、作動に際し、図５および図６をも参照して、比較器３１が点火制御源 信号をＯＦＦする時期か否かを判断する（ステップＳ１）。ＮＯの場合は、ＴＤ Ｃ信号の立上がり時期か否かを判断する（ステップＳ２）。さらにＮＯの場合は リターンし、ＹＥＳだったら、ＴＤＣ信号より気筒を判断する（ステップＳ３） 。そして、該当気筒は点火制御信号出力をラッチしているか否かを判断し（ステ ップＳ４）、ＮＯの場合はリターンし、ＹＥＳだったら該当気筒の点火制御信号 出力のラッチ信号をＯＦＦして点火プラグでスパークさせる（ステップＳ５およ び図６のＴ３）。

【００２２】 無噴射判定信号を読み込み（ステップＳ６）。無噴射状態か否かを判断する（ ステップＳ７）。ＮＯの場合は点火制御源信号をＯＦＦして点火プラグでスパー クさせる（ステップＳ８、Ｔ２）。ＹＥＳだったら、どの気筒の点火制御を行う か判別し、（ステップＳ９）、該当する気筒の点火制御信号出力のラッチ信号を ＯＮして点火プラグでのスパークを膨脹行程付近まで遅らせる（ステップＳ１０ 、Ｔ２以後）。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、点火プラグの寿命に影響 することなく、かつパワートランスコイル等の電気部品の損傷を防止する事がで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す構成図。

【図２】図１のコントロールユニットのブロック構成概
要図。

【図３】点火コントロールユニットのブロックダイヤグ
ラム図。

【図４】制御のフローチャート図

【図５】制御のフローチャート図。

【図６】タイミングチャート図。

【符号の説明】

１…点火コントロールユニット ２…燃料噴射ポンプ ３…ニードルモションセンサ ４…噴射ノズル ５…点火コイル ６…バッテリ ７…キースイッチ ８…クランク角センサ ９…噴射ポンプラック位置検出センサ １０…水温センサ １１…操作スイッチ １４…パワートランジスタ １５…点火コイル ８ａ、８ｂ、９ａ、１０ａ、３ａ…端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 負荷、エンジン回転数等の運転状態を検
   出する運転状態検出手段を備え、気筒内に設けた点火プ
   ラグと、その点火プラグを点火させるために前記運転状
   態検出手段からの信号により点火時期を決定する点火コ
   ントロールユニットとを有する直噴火花点火式内燃機関
   の点火制御装置において、エンジンの気筒内に燃料が噴
   射されていない無噴射状態であることを検出する無噴射
   状態検出手段と、プラグを点火させる点火手段と前記点
   火手段からの信号を膨脹行程の終り付近まで保持する保
   持手段とを設けたことを特徴とする直噴火花点火式内燃
   機関の点火制御装置。