JPH0572583A - 低屈折率光非線形高分子材料 - Google Patents

低屈折率光非線形高分子材料

Info

Publication number
JPH0572583A
JPH0572583A JP26253391A JP26253391A JPH0572583A JP H0572583 A JPH0572583 A JP H0572583A JP 26253391 A JP26253391 A JP 26253391A JP 26253391 A JP26253391 A JP 26253391A JP H0572583 A JPH0572583 A JP H0572583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
optical
waveguide
polymer
nonlinear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26253391A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kurihara
栗原  隆
Akira Tomaru
暁 都丸
Toshikuni Kaino
俊邦 戒能
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP26253391A priority Critical patent/JPH0572583A/ja
Publication of JPH0572583A publication Critical patent/JPH0572583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石英製光ファイバ又は導波路と屈折率整合す
る低屈折率光非線形高分子材料を提供する。 【構成】 非線形光学効果を有する有機物質が主鎖に結
合してなる光非線形高分子材料において、高分子鎖を構
成する構造単位中にフッ素を含有する低屈折率光非線形
高分子材料。高分子鎖の基本構造としては、フッ素化し
た、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリカーボネートが有効で、光非線形性を担う部
分の例には、ポリアゾ型のπ共役系、ビスイミン系の色
素がある。 【効果】 10-12 〜10-14 秒で非線形屈折率効果を
完了し、高い光入射率、小さい吸収損失を確保でき、安
価な原料費と高分子微細技術を利用して経済的に導波路
を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速光スイッチング・
光双安定・光ゲーティングなどの光非線形素子機能を有
し、かつ、将来の石英系光信号処理システムへの適用が
可能な低屈折率光非線系高分子材料に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、系外からの入力光に対して高速か
つ大きな非線形屈折率変化をもたらす物質が、将来の高
速光信号処理を支える材料として注目を浴びている。中
でも有機光非線形材料は、オプティカルダメージを受け
にくく、薄膜化・パターン化などの加工性に富み、更に
数十フェムト秒のスイッチング速度を有することから、
高速光非線形素子用材料として大きな期待が寄せられて
いる。有機材料を用いて光非線形素子を構成するために
は、導波路化が最も有効な手段である。特に、低パワー
の半導体レーザで動作させるために、光の閉じ込め効果
の大きなチャネル型導波路とすることが望ましい。チャ
ネル型導波路の作製にあたっては、コアとクラッドの精
密な屈折率制御が重要である。一般に屈折率が1.55
から2.0までの範囲にある有機光非線形材料をコアと
して使用する場合、有機光非線形材料コアの屈折率より
も小さくかつ任意の屈折率のクラッド材を選択すること
は容易ではなかった。特に2.0以下付近では、クラッ
ド材の選択は困難であった。有機光非線形コアよりも小
さくかつ任意の屈折率を有するクラッドを作製する方法
としては、従来からフォトブリーチングが検討されてい
る。フォトブリーチングとは、有機光非線形材料のスラ
ブ型導波路において、コアとして使用する部分以外への
紫外線照射により当該部分の屈折率を低下させてクラッ
ド化することによって、コア−クラッド構造をつくる方
法である。この方法を用いると屈折率の微妙な調整が比
較的容易にできるため、チャネル導波路のシングルモー
ド化にも有用であると考えられている。ただし、フォト
ブリーチングを受けた部分は、色素の分解や高分子鎖の
切断による強度の低下や、表面の平坦性の低下などの問
題を有しているため、導波路の安定性や光導波特性の上
で心配がある。一方、有機光非線形材料を石英ガラス導
波路や石英ガラス光ファイバの光非線形クラッドとして
使用する場合は、屈折率の大幅な低減が必要である。し
かし、大きな光非線形性を有しかつ石英ガラス並の低屈
折率(1.46前後)をもつ材料は、いまだ開発されて
いない。有機光非線形材料の低屈折率化という課題は、
単に有機材料を光非線形クラッドとして使用する時にの
み重要なわけではない。有機光非線形素子の光信号伝送
システムへの適用性を考えた場合、以下の2つの理由に
より、有機光非線形材料の低屈折率化を推進しなければ
ならない。1つは、石英ガラス光ファイバあるいは石英
ガラス導波路と有機光非線形材料との屈折率整合性であ
る。すなわち、有機光非線形材料と石英ガラス光ファイ
バあるいは石英ガラス導波路との屈折率差が現状のまま
の大きさ(0.1程度あるいはそれ以上)であれば両者
の間で整合は得られず、有機光非線形素子のシステムへ
の導入は困難となる。もう1つは、ますますシングルモ
ード化の傾向を強めるシステムに対応した有機光非線形
導波路のシングルモード化である。有機光非線形材料の
屈折率は、石英ガラスはもとより他の有機材料に比較し
ても大きすぎるため、シングルモード化を実現するため
には、是非とも有機光非線形材料自体の低屈折率化が必
要である。以上の点に関し、従来検討されていた光非線
形色素分散メチルメタクリレート重合体、アゾ色素を結
合したポリウレタン、スチルベン系光非線系材料を結合
したメタクリレート重合体、光非線系性色素を結合した
スチレン重合体、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、
フタロシアニン、ポリアルキルチオフェンなど2次ある
いは3次の光非線形性を有する材料は、薄膜化・導波路
化の検討が行われてはいたものの、コア−クラッド構造
を有するチャネル導波路化あるいはそのシングルモード
化のための屈折率の任意制御法は十分には開発されてい
なかった。また、石英ガラス光ファイバあるいは石英ガ
ラス導波路との屈折率整合性についての材料的な検討は
全くなされていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上に詳しく説明した
ように、有機光非線形材料を将来の光信号処理システム
に適応した形で光非線形導波路化するためには、以下の
2つの課題を解決しなければならない。2つの課題と
は、すなわち、チャネル型導波路化あるいはそのシング
ルモード化を容易にする精密な屈折率制御、及び低損失
な石英光ファイバあるいは石英ガラス導波路との屈折率
整合の実現である。本発明は、これらの課題を材料の低
屈折率化という立場から根本的に解決しようとするもの
であって、その目的は低屈折率非線形高分子材料を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は低屈折率光非線形高分子材料に関する発明であっ
て、非線形光学効果を有する有機物質が主鎖に接合して
なる光非線形高分子材料において、高分子鎖を構成する
構造単位中にフッ素を含有することを特徴とする。
【0005】本発明は、有機光非線形材料を将来の光信
号処理システムに適用した形で光非線形導波路化するた
めに、上記した手段によって、低屈折率化を実現しよう
とするものである。
【0006】本発明の低屈折率光非線形高分子材料の基
本構造としては、フッ素化ポリウレタンあるいはフッ素
化ポリイミドあるいはフッ素化ポリエステルあるいはフ
ッ素化ポリアミドあるいはフッ素化ポリカーボネートが
有効である。なぜなら、ウレタン接合・イミド結合・エ
ステル結合・アミド結合により、非線形光学効果を有す
る有機物質部位とフッ素含有部位を交互に結合させるこ
とによって、容易に光非線形高分子材料のフッ素化を実
現できるからである。更に、屈折率を下げる必要が生じ
た場合にも、非線形光学効果の若干の低下は免れない
が、非線形光学効果を有する有機物質の一部をフッ素含
有率の高い物質で置き換えることによって対処すること
ができる。また、逆に、炭化水素系光非線形高分子材料
とフッ化炭素系光非線形高分子材料のコポリマーを作製
すれば、その分率によって屈折率を任意に制御すること
ができる。
【0007】以下に、ポリウレタン構造の材料を例にし
て、より具体的に説明する。下記一般式(化1)は、本
発明の一部であるポリウレタン型の低屈折率光非線形高
分子材料を示すものである。下記一般式(化2)は、光
非線形性の若干の減少と引き換えに、屈折率を更に低く
するように設計された共重合ポリウレタン型の低屈折率
光非線形高分子材料を示すものである。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】式(化1)における〔A〕は、主に光非線
形性(非線形屈折率効果)を担う部分であり、例えば、
ジスアゾあるいはトリスアゾあるいはテトラキスアゾあ
るいはペンタキスアゾ型のπ型共役系、あるいは、テレ
フタルビスアニリンのようなビスイミン系の色素に由来
する。なお、これらの色素は、分子両末端に電子供与性
置換基を有することを特徴とし、その電子供与性置換基
中には、後述するイソシアン酸化合物との重付加反応を
行うために必須な水酸基を有している。これら色素とし
ては、4,4′−ビス〔{p−(N−エチル−N−2−
ヒドロキシエチル)アミノ−o−メチルフェニル}ア
ゾ〕−3,3′−ジメトキシビフェニル(ジスアゾ色
素)、4,4′−ビス〔{p−(N−エチル−N−2−
ヒドロキシエチル)アミノ−o−メチルフェニル}ア
ゾ〕−アゾベンゼン(トリスアゾ色素)、4,4′−ビ
ス〔4−{(p−<N−エチル−N−2−ヒドロキシエ
チル>アミノ−o−メチルフェニル)アゾ}−2−メチ
ルフェニルアゾ〕−3,3′−ジメトキシビフェニル
(テトラキスアゾ色素)、4,4′−ビス〔4−{(p
−<N−エチル−N−2−ヒドロキシエチル>アミノ−
o−メチルフェニル)アゾ}−2−メチルフェニルア
ゾ〕−アゾベンゼン(ペンタキスアゾ色素)、2,5−
ジクロロ−テレフタル−ビス〔4−(N−エチル−N−
2−ヒドロキシエチル)アミノアニリン〕(ビスイミン
色素)を挙げることができる。
【0011】一方、〔B〕の部分は、フッ素を高分率で
含有するジイソシアン酸化合物に由来する。ジイソシア
ン酸化合物としては、2,2,3,3,4,4,5,5
−オクタフルオロ−1,6−ジイソシアナトヘキサンあ
るいは2,2−ビス(4−イソシアナトフェニル)ヘキ
サフルオロプロパンなどを挙げることができる。
【0012】式(化2)における〔C〕は、フッ素含有
率の高いジオール化合物に由来する。代表的なフッ素含
有ジオールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン(略称:ビスフェノー
ルAF)あるいは1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサ
フルオロイソプロピル)ベンゼンなどを挙げることがで
きる。
【0013】また、ポリイミド型の低屈折率光非線形高
分子材料については、分子両端にアミノ基を有する光非
線形性色素と、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシル
フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などのフッ
素含有率の高い化合物とを重縮合することによって製造
することができる。同様に、ポリエステルあるいはポリ
アミド型の低屈折率光非線形高分子材料は、それぞれ、
水酸基あるいはアミノ基を有する光非線形性色素と、
2,2−ビス(4−カルボキシルフェニル)ヘキサフル
オロプロパン(当該化合物の二酸クロライド化合物ある
いはジシクロヘキシルカルボジイミド存在下)などのフ
ッ素含有率の高い化合物との重縮合によって製造するこ
とができる。
【0014】ポリカーボネート型の低屈折率光非線形高
分子材料については、分子両端に水酸基を有する光非線
形性色素と、ビスフェノールAFのような分子両端に水
酸基を有するフッ素含有率の高い化合物との1:1混合
物に、2当量分のホスゲンを反応させることによって製
造することができる。
【0015】更に、本発明の低屈折率光非線形高分子材
料は、通常の高分子膜作製に適用されるスピンコート法
により、容易にμmオーダーの非晶質性の均一透明膜を
作製することができる。
【0016】本発明の低屈折率光非線形高分子材料は、
光の導波損失を最小限にするため、石英導波路上への装
荷・石英光ファイバカップラ間の近接部位・導波路型光
カップラ間の近接部位に充てんして用いる。また、低屈
折率光非線形高分子材料が極めて低損失である場合に
は、微細加工技術を利用して高分子導波路を形成し、そ
れ自体をコアとして使用することもできる。屈折率の高
い従来材料では、たとえ導波損失が低くても、膜厚が数
千オングストローム以下でなければTEの0次モードの
みを伝搬することができないが、本発明の低屈折率光非
線形高分子材料は、基板に用いる石英ガラスとの屈折率
差を非常に小さくできるため、膜が厚くともTEの0次
モードのみを伝搬することが可能になる。膜が厚くても
良い分、入射効率を向上でき、入力光強度に対する出力
光強度を2桁以上向上させることが可能である。
【0017】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明の低屈折率光非
線形高分子材料とその光学特性について詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0018】本発明の低屈折率光非線形高分子材料の3
次の光非線形性は、第3高調波発生(THG)メーカフ
リンジ法によって測定したχ(3) 値によって評価した。
また、屈折率は、エリプソメトリーを用いて評価した。
測定には約0.1μmのスピンコート膜を用い、測定波
長域は可視光域から1.6μmとした。更に、本材料の
導波損失値は、プリズム・カップリング法、すなわち、
1μm前後の厚さの膜を製作し、材料自体の吸収端波長
よりも長波長のレーザ光をプリズム結合により結合さ
せ、散乱光強度の導波長依存性のビデオ観測によって導
波損失を評価する方法、若しくは、カット・バック法、
すなわち、導波路端面からレーザ光を直接入射して出力
光を測定した後、導波路を短くカットして出力光を再度
測定し、出力光強度と導波路長さの関係から導波損失を
評価する方法により求めた。
【0019】実施例1 4,4′−ジアミノアゾベンゼンを塩酸水(塩酸1:水
5)に溶解した。これに0℃で、2倍強当量の亜硝酸ナ
トリウム水溶液を加えた。5分後、2倍モルのN−エチ
ル−N−(2−ヒドロキシエチル)−m−トルイジンの
酢酸溶液を注いだ。反応液温度を徐々に室温に戻しなが
ら一夜反応させた。中和後多量の食塩水に注ぎ、析出し
た固体を回収した。カラムクロマトグラフィー(担体:
ドライシリカゲル、溶媒:塩化メチレン及び酢酸エチ
ル)により、黄色及び赤色の不純物を除去し、紫色の目
的物:4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−2−
ヒドロキシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)ア
ゾ〕−アゾベンゼンを得た(収量:30%)。等モルの
4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−ヒドロキシ
エチル>アミノ−o−メチルフェニル)アゾ〕−アゾベ
ンゼンと2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフル
オロ−1,6−ジイソシアナトヘキサンをジメチルアセ
トアミドに溶かし、触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブ
チルすずを加え、90℃で3時間、反応させた。冷却
後、反応液を多量の食塩水に注ぎ、目的のフッ素化光非
線形ポリウレタン材料を得た。これを再度、再沈精製し
た後、ジメチルホルムアミド溶液とし、石英基板上にス
ピンコート膜を作製した。厚さ260Åのフッ素化ポリ
ウレタンフィルムの3光子共鳴χ(3) は0.9×10
-10 esuであった。また、吸収端波長よりも長波長側
での導波損失は、1dB/cm以下であった。1.5μ
m帯の屈折率は、1.46付近であった。この例で得ら
れたポリウレタン型高分子の吸収スペクトルとχ(3)
ペクトルの関係を図1に示す。吸収スペクトルについて
は横軸は波長(nm)、縦軸は吸光度であり、χ(3)
ペクトルについては横軸は基本波波長(μm)、縦軸は
χ(3) ×10-10 esu値である。 なお、この例にお
ける高分子の化学式は下記の式(化3)で表されるとお
りである。
【0020】
【化3】
【0021】実施例2 4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−2−ヒドロ
キシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)アゾ〕−ア
ゾベンゼンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)と2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6
−ジイソシアナトヘキサンを3:2:5で、ジメチルホ
ルムアミドに溶かし、触媒としてジラウリン酸ジ−n−
ブチルすずを加え、90℃で3時間、反応させた。冷却
後、反応液を多量の食塩水に注ぎ、フッ素化度を上げた
光非線形ポリウレタン材料を得た。これを再度、再沈精
製した後、ジメチルアセトアミド溶液とし、石英基板上
にスピンコート膜を作製した。厚さ280Åのフッ素化
ポリウレタンフィルムの3光子共鳴χ(3) は0.75×
10-10 esuであった。また、吸収端波長よりも長波
長側での導波損失は、1dB/cm以下であった。1.
5μm帯の屈折率は、1.46付近となった。
【0022】実施例3 4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−2−ヒドロ
キシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)アゾ〕−ア
ゾベンゼンと2,2−ビス(4−イソシアナトフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンとの重付加反応よりフッ素
化ポリウレタンを得た。厚さ250Åのこのフッ素化ポ
リウレタンフィルムの3光子共鳴χ(3) は、1.0×1
-10 esuであった。また、吸収端波長よりも長波長
側での導波損失は、1dB/cm以下であった。1.5
μm帯の屈折率は、1.46付近となった。
【0023】実施例4 4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−2−ヒドロ
キシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)アゾ〕−
3,3′−ジメトキシビフェニルと2,2,3,3,
4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ジイソシア
ナトヘキサンとの重付加反応よりフッ素化ポリウレタン
を得た。厚さ460Åのこのポリウレタンフィルムの3
光子共鳴χ(3) は、0.4×10-10 esuであった。
また、吸収端波長よりも長波長側での導波損失は、1d
B/cm以下であった。1.5μm帯の屈折率は、1.
46付近となった。
【0024】実施例5 4,4′−ビス〔4−{(p−<N−エチル−N−2−
ヒドロキシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)ア
ゾ}−2−メチルフェニルアゾ〕−3,3′−ジメトキ
シビフェニルと2,2,3,3,4,4,5,5−オク
タフルオロ−1,6−ジイソシアナトヘキサンとの重付
加反応よりフッ素化ポリウレタンを得た。厚さ210Å
のこのフッ素化ポリウレタンフィルムの3光子共鳴χ
(3) は、2.5×10-10 esuであった。また、吸収
端波長よりも長波長側での導波損失は、1dB/cm以
下であった。1.5μm帯の屈折率は、1.46付近と
なった。
【0025】実施例6 4,4′−ビス〔4−{(p−<N−エチル−N−2−
ヒドロキシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)ア
ゾ}−2−メチルフェニルアゾ〕−アゾベンゼンと2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6
−ジイソシアナトヘキサンとの重付加反応よりフッ素化
ポリウレタンを得た。厚さ160Åのこのフッ素化ポリ
ウレタンフィルムの3光子共鳴χ(3) は、3.0×10
-10 esuであった。また、吸収端波長よりも長波長側
での導波損失は、1dB/cm以下であった。1.5μ
m帯の屈折率は、1.46付近となった。
【0026】実施例7 等モルの4,4′−ビス〔(p−<N−β−アミノエチ
ル>アミノフェニル)アゾ〕−アゾベンゼンと2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン二無水物とを無水ジメチルアセトアミド中で
室温下3時間反応させた。反応溶液を石英基板にスピン
コートし、この膜を180℃で30分続いて260℃で
30分加熱脱水することにより、ポリイミド膜を得た。
厚さ220Åのこのフッ素化ポリイミド膜の3光子共鳴
χ(3) は0.3×10-10 esuであった。また、吸収
端波長よりも長波長側での導波損失は、1dB/cm以
下であった。1.5μm帯の屈折率は、1.46付近で
あった。
【0027】実施例8 4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−アミノエチ
ル>アミノ−o−メチルフェニル)アゾ〕−アゾベンゼ
ンと2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)
ヘキサフルオロプロパン二無水物とを無水ジメチルアセ
トアミド中で室温下3時間反応させた。反応溶液を石英
基板にスピンコートし、この膜を180℃で30分続い
て260℃で30分加熱脱水することにより、ポリイミ
ド膜を得た。厚さ200Åのこのフッ素化ポリイミド膜
の3光子共鳴χ(3) は1.0×10-10 esuであっ
た。また、吸収端波長よりも長波長側での導波損失は、
1dB/cm以下であった。1.5μm帯の屈折率は、
1.46付近であった。
【0028】実施例9 等量の4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−2−
ヒドロキシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)ア
ゾ〕−アゾベンゼン、2,2−ビス(4−カルボキシル
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジシクロヘキシル
カルボジイミドを無水ジメチルアセトアミドに溶かし
た。これを室温で5分間かくはんした後、0.4当量の
ジメチルアミノピリジンを加え、室温で一夜反応させ
た。反応液を多量のメタノールに注ぎ析出物をろ取し
た。目的のフッ素化ポリエステルはゲルクロマトグラフ
ィにより精製した。厚さ220Åのポリエステルフィル
ムの3光子共鳴χ(3) は0.9×10-10 esuの値を
得た。また、吸収端波長よりも長波長側での導波損失
は、1dB/cm以下であった。1.5μm帯の屈折率
は、1.46付近であった。
【0029】実施例10 2,5−ジクロロ−テレフタル−ビス〔4−(N−ブチ
ル−N−4−ヒドロキシブチル)アミノアニリン〕と
2,2−ビス(4−カルボキシルフェニル)ヘキサフル
オロプロパンの二酸クロライド化合物とを、テトラヒド
ロフラン中、トリエチルアミン存在下に反応させた。反
応液を多量の水に注ぎ、析出物を回収し、再沈により精
製した。更に、ゲルクロマトグラフィにより高分子量の
フッ素化ポリエステルを単離した。厚さ280Åのポリ
エステルフィルムの3光子共鳴χ(3) は0.7×10
-10 esuの値を得た。また、吸収端波長よりも長波長
側での導波損失は、1dB/cm以下であった。1.5
μm帯の屈折率は、1.47付近であった。
【0030】実施例11 4,4′−ビス〔(p−<N−β−アミノエチル>アミ
ノフェニル)アゾ〕−アゾベンゼンと2,2−ビス(4
−カルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパンの二
酸クロライド化合物とを無水ジメチルホルムアミド中、
トリエチルアミン存在下に反応させ、フッ素化ポリアミ
ドを製造した。厚さ280Åのフッ素化ポリアミドの3
光子共鳴χ(3) は0.3×10-10 esuの値を得た。
また、吸収端波長よりも長波長側での導波損失は、1d
B/cm以下であった。1.5μm帯の屈折率は、1.
47付近であった。
【0031】実施例12 2,5−ジクロロ−テレフタル−ビス〔p−(N−6′
−アミノヘキシル)アミノアニリン〕と2,2−ビス
(4−カルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパン
の二酸クロライド化合物とを無水ジメチルホルムアミド
中、トリエチルアミン存在下に反応させ、フッ素化ポリ
アミドを製造した。厚さ280Åのフッ素化ポリアミド
の3光子共鳴χ(3) は0.5×10-10 esuの値を得
た。また、吸収端波長よりも長波長側での導波損失は、
1dB/cm以下であった。1.5μm帯の屈折率は、
1.47付近であった。
【0032】実施例13 ビスフェノールAFと2,5−ジクロロ−テレフタル−
ビス〔4−(N−ブチル−N−4−ヒドロキシブチル)
アミノアニリン〕の1:1混合物のピリジン溶液に、2
当量のホスゲンガスを導入して、フッ素化ポリカーボネ
ートを製造した。厚さ220Åのフッ素化ポリカーボネ
ートフィルムの3光子共鳴χ(3)は0.7×10-10
suの値を得た。また、吸収端波長よりも長波長側での
導波損失は、1dB/cm以下であった。1.5μm帯
の屈折率は、1.46付近であった。
【0033】実施例14 4,4′−ビス〔(p−<N−エチル−N−2−ヒドロ
キシエチル>アミノ−o−メチルフェニル)アゾ〕−ア
ゾベンゼンと1,6−ジイソシアナトヘキサンと2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6
−ジイソシアナトヘキサンを2:1:1で、ジメチルホ
ルムアミドに溶かし、触媒としてジラウリン酸ジ−n−
ブチルすずを加え、90℃で3時間、反応させた。冷却
後、反応液を多量の食塩水に注ぎ、フッ素化度を上げた
光非線形ポリウレタン材料を得た。これを再度、再沈精
製した後、ジメチルアセトアミド溶液とし、石英基板上
にスピンコート膜を作製した。厚さ280Åのフッ素化
ポリウレタンフィルムの3光子共鳴χ(3) は1.2×1
-10 esuであった。また、吸収端波長よりも長波長
側での導波損失は、1dB/cm以下であった。1.5
μm帯の屈折率は、1.52付近となった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による低屈
折率光非線形高分子材料は、非線形光学効果が大きく、
石英系導波媒体との整合性に関して屈折率制御が容易な
上、低損失な導波路形成が可能である。したがって、本
発明の低屈折率光非線形高分子材料は、光非線形素子を
構成するための高性能な光導波路材料として、広く用い
ることができる。更に、本発明材料は、石英光ファイ
バ、石英導波路などの石英系導波媒体のみならず、フッ
化物ファイバや、プラスチック光ファイバあるいはプラ
スチック光導波路との屈折率整合性も容易に得られるた
め、これら光導波媒体との組合せによっても優れた特性
の光非線系素子を構成することができる。光非線形導波
路あるいは光非線形素子に本発明材料を用いることの利
点は、これまで詳しく述べてきた石英ファイバや石英導
波路との屈折率の整合性のほかに、10-12 〜10-14
秒の極めて短い時間内で非線形屈折率効果を完了すると
いう他の材料系では得られない高速性が保証されている
こと、半導体材料に比べて反射率が極めて低いことによ
り高い光入射率を確保でき、しかも吸収による損失が格
段に小さいこと、安価な原料費と高分子微細技術を利用
して経済的に導波路を形成することができること、など
を挙げることができる。本発明の低屈折率光非線形高分
子材料を用いることによって実現しうる光非線形素子あ
るいは装置を具体的に例示するなら、ピコ秒光ゲート素
子や導波路型高速光非線形カップラなどを挙げることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低屈折率光非線形高分子材料の1つで
ある実施例1で得られるポリウレタン型高分子の吸収ス
ペクトルとχ(3) スペクトルの関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学効果を有する有機物質が主鎖
    に結合してなる光非線形高分子材料において、高分子鎖
    を構成する構造単位中にフッ素を含有することを特徴と
    する低屈折率光非線形高分子材料。
JP26253391A 1991-09-17 1991-09-17 低屈折率光非線形高分子材料 Pending JPH0572583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26253391A JPH0572583A (ja) 1991-09-17 1991-09-17 低屈折率光非線形高分子材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26253391A JPH0572583A (ja) 1991-09-17 1991-09-17 低屈折率光非線形高分子材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0572583A true JPH0572583A (ja) 1993-03-26

Family

ID=17377124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26253391A Pending JPH0572583A (ja) 1991-09-17 1991-09-17 低屈折率光非線形高分子材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0572583A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6091879A (en) Organic photochromic compositions and method for fabrication of polymer waveguides
Kaino et al. Fabrication of DAST channel optical waveguides
US7854863B2 (en) Functional materials for use in optical systems
Kaino Waveguide fabrication using organic nonlinear optical materials
US5588083A (en) Non-linear optically active polycarbonate
US5496503A (en) Third-order nonlinear optical main chain polymer material and method for preparing the same
Mann et al. Fabrication And Characterisation Of Processable Polydiacetylene Waveguides
Qiu et al. Preparation of azo waveguide polyurethane and its analysis of Y-branch and Mach–Zehnder optical switches
Koo et al. Synthesis and characterization of methacrylate-based copolymers for integrated optical applications
Wang et al. Synthesis and characterization of cross-linkable polyurethane-imide electro-optic waveguide polymer
JPH05142600A (ja) 低屈折率光非線形高分子材料
JPH0572583A (ja) 低屈折率光非線形高分子材料
Park et al. Nonlinear optical polymer applicable for all-optical wavelength converters in communications bands near 1.5 μm
US20030201429A1 (en) Low loss electro-optic polymers and devices made therefrom
Clays et al. Blue light guiding in a polymeric nonlinear optical Langmuir-Blodgett waveguide
US5284922A (en) Organic optical nonlinear material and optical nonlinear device
EP0313477A2 (en) An optical article containing a linear polymer exhibiting a high level of second order polarization susceptibility
EP0464795B1 (en) Organic optical nonlinear material and optical nonlinear device
US5688896A (en) Non-linear optically active polycarbonate
Nemoto et al. Polyamides for nonlinear optics containing second-order NLO-phores with high density
US5381507A (en) Optical article containing a polymer that exhibits nonlinear second order polarization susceptibility
Wang et al. Synthesis of polyurethane-imids and application in surface plasmon polaritons waveguide
JP2813925B2 (ja) 有機光非線形材料および非線形素子
Ding et al. Fluorinated polycarbonate photoresists with adjustable double bond density for electro-optic switch applications by directly written method
JPH0580277A (ja) 光非線形主鎖型高分子材料