JPH0569678U - 貯尿架台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 病院内における尿処理室と手洗い所などの尿
投入室との間に配置される貯尿架台であって、尿投入室
において患者が貯尿袋に投入した尿を検査員のいる尿処
理室側で検査処理する際における、貯尿袋蓋板の開閉お
よび貯尿袋の着脱などの作業が能率的に行えるようにす
ることを目的とする。 【構成】 貯尿袋の上端開口部を吊り下げるための支持
アームが前面に突設された支持梁の両端に、前記支持梁
と平行でほぼ同じ長さの前辺と、この前辺の両端におけ
る前記貯尿袋支持アームより若干長い両側辺とからなる
回動枠の両側辺後端部を、該回動枠が前記支持梁前面の
水平位置と前記支持梁の上方位置との間を回動できるよ
うに軸着し、この回動枠の前辺における前記支持梁の各
支持アーム突設位置と対応する位置に、夫々の貯尿袋の
上端開口部を開閉するための蓋板の一端両側辺を前記回
動枠前辺側に回動自在に軸着したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、病院内に設置される貯尿架台、より詳細には、尿処理室と手洗い所 などの尿投入室との間に配置されて、尿投入室において患者が貯尿袋に投入した 尿を、検査員のいる尿処理室側において回収できるようにした貯尿架台に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より知られている貯尿架台は、病院内の手洗い所内に配置されていて、患 者が排尿の都度採取した尿を架台に吊り下げられた貯尿袋内に貯留する。貯尿架 台が配置される手洗い所の隣には、貯尿架台に貯留された患者の尿の量や比重等 を検査測定したのち、尿を廃棄するための尿処理室が設けられていて、検査員が 所定時間毎に手洗い所から貯尿袋を回収して尿処理室へ運び、検査後に尿を廃棄 し、再び貯尿架台に新しい貯尿袋を取り付ける。 このように貯尿架台が手洗い所に設置されていると、検査員が手洗い所へ出向 いて貯尿袋を架台から取り外し、これを隣の尿処理室に運び込まなければならな いという作業上の煩わしさがある。

【０００３】 そのため従来では、このような問題を解決するために、貯尿架台を手洗い所と 尿処理室との間に配置し、この架台における開閉蓋を架台の表裏両面、つまり手 洗い所及び尿処理室のいずれの側からでも開閉できるような構成とし、患者が手 洗い所側から開閉蓋を開いて貯尿袋内に尿を投入したのち、検査員が尿処理室側 から前記開閉蓋を開いた状態で貯尿袋の着脱が行えるようにした貯尿架台が本件 出願人によって提唱された（実開平１−１３０７１８）。

【０００４】

【考案が解決すべき課題】

この改良された貯尿架台は、手洗い所側に位置する支持梁から、夫々の貯尿袋 の上端開口部を吊り下げるための一対の支持アームを突出すると共に、前記支持 梁における前記夫々の支持アームと対応する位置に、夫々の貯尿袋の上端開口部 を開閉するための前辺と両側辺とからなる蓋枠の両側辺後端部を回動自在に軸着 し、これらの蓋枠上に載置した蓋板の両側端部を前記支持梁側と反対側の前記蓋 枠の前辺寄り両側辺に回動自在に軸着した構造を特徴とする。

【０００５】 上記の貯尿架台では、患者が、支持梁の位置する手洗い所側から、夫々の蓋枠 上に載置された蓋板の手洗い所側の一端を保持して、夫々の蓋板を尿処理室側に 向けて回動するように開くことによって尿を貯尿袋内に投入し、一方検査員は、 尿処理室側から、蓋板が載置されたままの蓋枠の尿処理室側の一端を保持して、 夫々の蓋枠を手洗い所側に向けて回動するように開くことにより、支持アームの 上方を開放して、該支持アームから貯尿袋を取り外すことができる。

【０００６】 しかしながら、上記の貯尿架台では、貯尿袋の開口部を開閉するための蓋板を 載置した夫々の蓋枠の両側辺後端部が、支持梁における各支持アームと対応する 位置に回動自在に軸着されるので、尿処理室において検査員が支持アームから貯 尿袋を取り外す際には、蓋板の載置された夫々の蓋枠を一個づづ個別的に上方に 回動して貯尿袋を取り外し、また、新しい貯尿袋を支持アームに装着したのちに は、夫々の蓋枠を一個づづ個別的に下方へ回動して、夫々の貯尿袋の上端開口部 を閉じることとなり、貯尿袋の個数が多い場合には、個々の蓋枠を回動すること による貯尿袋の開閉が煩わしいという問題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来における上記のような、手洗い所などの尿投入室と尿処理室と の間に配置されるタイプの貯尿架台における問題点を解消し、検査員の作業する 尿処理室における貯尿袋蓋板の開閉操作及び貯尿袋の着脱操作などが能率的に行 えるように改良された貯尿架台の提供を目的としたものである。

【０００８】 本考案は、そのための具体的手段として、支柱上に架設された支持梁の前面に 複数個の貯尿袋の上端開口部を吊り下げるための夫々一対の支持アームを所定の 間隔を置いて突設し、前記支持梁と平行でほぼ同じ長さの前辺と、この前辺の両 端における前記貯尿袋支持アームより若干長い両側辺とからなる回動枠の前記両 側辺後端部を、前記支持梁の両端に対して、該回動枠が前記支持アームの突設さ れる前記支持梁前面の水平位置と前記支持梁の上方位置との間を回動できるよう に、前記支持梁の両端に回動自在に軸着し、前記回動枠の前辺における前記支持 梁の各支持アーム突設位置と対応する位置には、前記夫々の貯尿袋の上端開口部 を開閉するための蓋板の一端両側辺を、前記回動枠前辺側に回動自在に軸着した ことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

本考案に係る貯尿架台においては、患者が尿投入室側から、予め定められた自 分の貯尿袋の蓋板を尿処理室側に向けて開くことにより、該貯尿袋内に尿を投入 し、投入後に再び蓋板を閉じておく。このようにして夫々の貯尿袋に各患者の尿 が貯留されたのち、尿処理室において、検査員が夫々の蓋板が装着された回動枠 を、この回動枠の両側辺後端部が軸着された支持梁の両端を中心にして尿投入室 側に向けて回動すると、一度に全ての蓋板が上方へ回動して、全ての貯尿袋の上 端開口部が開放されることになり、その状態で夫々の貯尿袋を支持アームから取 り外すことができる。また、支持アームに新しい貯尿袋を取り付ける際には、前 記のように回動枠を上方に開いた状態で夫々の支持アームに新しい貯尿袋を装着 したのち、回動枠を下方へ回動すれば、全ての蓋板が貯尿袋の上端開口部を一度 に閉じるこことなり、尿処理室における貯尿袋の着脱作業を能率的に行うことが できる。

【００１０】

【実施例】

次に本考案に係る貯尿架台の好ましい実施例を図面により説明すると、図１に 示すように、この貯尿架台は、複数個の貯尿袋１の下面に配置される所定の長さ をもつた受け皿付台座３と、この台座３の両端に立設された一対の支柱２と、こ の支柱２の上端に架設された支持梁４と、この支持梁４の前面から所定の間隔を 置いて突設された前記貯尿袋１を吊下げるための夫々一対の支持アーム５と、前 記支持梁４の両端に回動自在に軸着された回動枠６と、この回動枠６における前 記各支持アーム５との対応位置に設けられた前記貯尿袋１の上端開口部を開閉す るための蓋板７とから構成されている。

【００１１】 この貯尿架台の受け皿付台座３は、手洗い所などの尿投入室９と、この尿投入 室９に隣接された尿処理室10との間の隔壁11における所定の高さをもつた開口部 上面の棚板12上に、該受け皿付台座３の長さ方向が隔壁11と平行するような向き で配置されている。また前記受け皿付台座３は、前記棚板12上に前記隔壁11の長 さ方向と直交するような向き設けられたガイドレール13の上に配置されていて、 尿処理室10側において検査員が前記台座３の尿処理室10側に設けた把手14を保持 することにより、該受け皿付台座３を前記ガイドレール13に沿って尿投入室９側 へ移動したり、尿処理室10側へ移動できるようになっている。

【００１２】 受け皿付台座３の両端に立設される前記支柱２は、該台座３の尿処理室10側か ら尿投入室９側に向けて傾斜状に設けられており、これらの支柱２の上端に架設 される前記支持梁４が尿投入室９側に配置されるようになっている。

【００１３】 夫々の貯尿袋１を吊り下げるための前記各支持アーム５は、前記支持梁４の前 面に尿処理室10側に向くように突設されていると共に、この支持梁４の両端に前 記回動枠６が回動自在に軸着されている。この回動枠６は、前記支持梁４と平行 でほぼ同じ長さの前辺15と、この前辺15の両端に該前辺15と直交するように設け られた前記支持アーム５より若干長い両側辺16とからなっていて、該両側辺16の 後端部が前記支持梁４の両端に軸17を介して軸着されることにより、図１及び図 ２に示すように、この回動枠６が内側に前記の各支持アーム５が配置されるよう にして前記支持梁４の前面の水平位置と、図３に示すように、前記支持梁４の上 方で該支持梁４よりやや尿投入室９側に位置するような上方位置との間を回動で きるように設けられている。また、該回動枠６の前辺14の中央部には回動操作用 の把手18が設けられている。

【００１４】 前記回動枠６の前辺15の内側には、前記支持梁４における各支持アーム５の突 設位置と対応する位置に、前記夫々の貯尿袋１の上端開口部を開閉するための蓋 板７が取り付けられている。この蓋板７は、前記各一対の支持アーム５を内側に 嵌合することのできるような大きさの前辺19と両側辺20とを有していて、該両側 辺20の後端部が、前記支持梁４に対し着脱自在に設けられた軸受け具８に、軸21 を介して回動自在に軸着されるようになっている。また、この蓋板７の前辺19の 上方には、該蓋板７を前記軸21を中心にして回動するときに便利なような突起22 が設けられている。

【００１５】 この貯尿架台は、前記のように尿投入室９と尿処理室10との間に、貯尿袋１を 吊り下げる支持梁４が尿投入室９側に位置するように配置されるので、患者は尿 投入室９において定められた自分の貯尿袋の蓋板７の突起22を保持して、図２の ように、該蓋板７を回動枠６の前辺15側に設けられた軸受け具８の軸21を中心に 尿処理室10の方向へ回動して貯尿袋１の上端開口部を開き、紙コップなどに採取 した尿を該貯尿袋内へ投入する。

【００１６】 尿処理室10において検査員が貯尿架台から夫々の貯尿袋１を取り外す際には、 検査員が回動枠６の把手18を保持して、該回動枠６を支持梁４の両端の軸17を中 心に尿投入室９の方向へ回動すると、図３のように、この回動枠６に装着された 全ての蓋板７を一度に各貯尿袋１の上端開口部から開放することになるので、上 端が開放された夫々の支持アーム５から貯尿袋１を取り外すことができる。また 新しい貯尿袋１を支持アーム５に取り付ける際には、上記のように回動枠６を上 方に回動させた状態で夫々の支持アーム５に新しい貯尿袋１を装着すればよく、 貯尿袋１の装着後は、再び回動枠６を水平位置に回動することによって、同時に 全ての貯尿袋の開口部を蓋板７によって閉じることができる。

【００１７】 なお、上記のように、患者が尿投入室９において夫々の貯尿袋１内に尿を投入 する際には、できるだけ患者が尿の投入を行い易いように、貯尿架台を支持梁４ と受け皿付台座３とが棚板12上の尿投入室９に近い部分に位置するように配置し ておき、検査員が尿処理室10において貯尿袋１の着脱を行う際には、検査員が受 け皿付台座３に設けた把手14を保持して、該台座３をガイドレール13に沿って前 記の尿投入室９に寄った位置から尿処理室10内方向へ引き寄せて作業を行い、貯 尿袋を交換したのちは、再び台座３を押し出して前記の尿投入室９近い位置へ移 動させておく。

【００１８】

【考案の効果】

本考案に係る貯尿架台は上記のように、支持梁の両端にこの支持梁に突設され た貯尿袋支持アームを内側に配置することのできるような大きさの、前辺と両側 辺とからなる回動枠を回動自在に軸着して、夫々の貯尿袋上端開口部を開閉する ための蓋板を前記回動枠の前辺に回動自在に軸着したので、患者は尿投入室から 夫々の貯尿袋蓋板を個別的に開閉して尿の投入を行えることができると共に、尿 処理室において検査員が多数の貯尿袋を着脱する際には、回動枠を上下に回動す ることによって、一度に全ての蓋板の開閉を行うことができるので、従来のこの 種の装置のように一個づつ蓋板を開閉するものに比べて、尿処理室における検査 員の作業能率を大幅に向上することができるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る貯尿架台の構成を尿処理室側から
見た斜視図

【図２】一部の蓋板を尿投入室側から開いた状態の部分
斜視図

【図３】尿処理室側において蓋板を開放した状態の斜視
図

【符号の説明】

１ 貯尿袋 ２ 支柱 ３ 受け皿付台座 ４ 支持梁 ５ 支持アーム ６ 回動枠 ７ 蓋板 ８ 軸受け具 ９ 尿投入室 10 尿処理室 11 隔壁 12 棚板 13 ガイドレール 14 把手 15 回動枠前辺 16 回動枠両側辺 17 軸 18 把手 19 蓋板前辺 20 蓋板両側辺 21 軸

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支柱上に架設された支持梁の前面に、複
   数個の貯尿袋の上端開口部を吊り下げるための夫々一対
   の支持アームを所定の間隔を置いて突設し、該支持梁と
   平行でほぼ同じ長さの前辺と、この前辺の両端における
   前記貯尿袋支持アームより若干長い両側辺とからなる回
   動枠の前記両側辺後端部を、前記支持梁の両端に対し、
   該回動枠が前記各支持アームの突設される前記支持梁前
   面の水平位置と前記支持梁の上方位置との間を回動でき
   るように、回動自在に軸着し、前記回動枠の前辺におけ
   る前記支持梁の各支持アーム突設位置と対応する位置に
   は、前記夫々の貯尿袋の上端開口部を開閉するための蓋
   板の一端両側辺を、前記回動枠前辺側に回動自在に軸着
   したことを特徴とする貯尿架台。
2. 【請求項２】 支持梁を架設する支柱が複数の貯尿袋の
   下面に配置される受け皿付台座上に立設され、この受け
   皿付台座が、尿投入室と尿処理室とを仕切る隔壁の開口
   部上面に、前記支持梁が尿投入室側に位置するような向
   きで、且つガイドレールを介して尿投入室側及び尿処理
   室側へ自由に移動できるようにして配置されている請求
   項１に記載の貯尿架台。