JPH0568297U - 灰皿を埋設したテーブル板を備えたたばこの吸い殻回収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 たばこの吸い殻を自動的に回収し、防災上の
危険がなく、衛生的に処理することができる灰皿を埋設
したテーブル板を備えたたばこの吸い殻回収装置を提供
しようとするものである。 【構成】 透孔を穿設した灰皿を複数埋設し前記透孔を
貫通せしめたテーブル板と、一端に給水管を接続し他端
に排水管を接続してなる水路とからなり、前記水路を前
記テーブル板の下面に取り付けて前記灰皿の透孔から吸
い殻を水路内に落下せしめるようにしたことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、寿司、スナックバー等の飲食店のカウンター、あるいはパチンコ ゲーム等の遊戯場における長尺板台等のテーブル板として使用可能な灰皿を埋設 したテーブル板を備えたたばこの吸い殻回収装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、パチンコゲーム場では、ゲーム機台を数台から数十台１列に並べて取 り付け、ゲーム機の前面には出玉の受皿の下方にたばこ、小荷物あるいは玉収納 箱等を載せる長尺のテーブル板を突設している。さらに、通常、各ゲーム機台に は出玉の受皿の左に隣接して小さなたばこ用灰皿が取り付けられている。この灰 皿は吸い殻を容易に回収できるように回転自在に取り付けられており、使用時に は突起部の嵌合によって水平に保持されている。そして、吸い殻を回収するとき に係止部を外して回転させ吸い殻を落下させて回収するように構成されている。 また、ゲーム機台の前面に突設した長尺テーブル板は狭幅であるものの、たばこ 、小荷物、あるいは玉収納箱等が載せられる。さらに、寿司、スナックバー等の 飲食店では長尺のカウンターテーブルが取り付けられており、このカウンターテ ーブル上に食器類を並べたり、灰皿が置かれる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のようなパチンコゲーム場における灰皿には次のような問題があった。即 ち、パチンコゲーム場では各ゲーム機台に取り付けられている灰皿が小さいので 火の付いたたばこを置くときは注意しなければならず、また、安定して置くこと ができないのですぐに落ちたり、またゲームに夢中になっている間に燃え残り部 分が少なくなるとそのまま落下するおそれがあった。このために、火災の危険や 衣服を焦がすという問題があった。一方、吸い殻を回収するには、灰皿は各ゲー ム機に取り付けられているので数十台のゲーム機から１つ１つ回収しなけらばな らない。また、灰皿が小さいので数本の吸い殻で一杯となってしまうので頻繁に 回収しなければならない。そのために、パチンコゲーム場における吸い殻の回収 には手間がかかった。さらに、吸い殻が溜まっているとたばこの火を消すときや 、吸い殻を回収するときに灰が飛び散るので衛生的にも問題があった。

【０００４】 一方、飲食店におけるカウンターテーブルには各人にそれぞれ灰皿が出される が、ひっくり返したりテーブルから落としたりして火災の危険があるとともに、 食器類の近くに置かれるために吸い殻の臭いが飲食物の香りや味を変えてしまう という問題がある。さらに、灰皿の回収には手間がかかり衛生的にも問題があっ た。

【０００５】 この考案はかかる現況に鑑みてなされたもので、たばこの吸い殻を自動的に回 収し、防災上の危険がなく、衛生的に処理することができる灰皿を埋設したテー ブル板を備えたたばこの吸い殻回収装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、透孔を穿 設した灰皿を複数埋設し前記透孔を貫通せしめたテーブル板と、一端に給水管を 接続し他端に排水管を接続してなる水路とからなり、前記水路を前記テーブル板 の下面に取り付けて前記灰皿の透孔から吸い殻を水路内に落下せしめるようにし たことを特徴とする。また、前記灰皿の底面に円筒体を固着するとともに、円筒 体の下面を開閉する閉じ蓋を配設してもよい。

【０００７】

【考案の作用】

テーブル板に取り付けた灰皿の透孔からたばこの灰及び吸い殻を水路内に落下 せしめることができ、落下した灰、吸い殻は水路に給水することによってきれい に洗い流すことができる。吸い殻はフィルターによって濾過される。

【０００８】

【実施例】

以下に、この考案を実施例に基づき詳細に説明する。図１はこの考案に係る吸 い殻回収装置の一部を切り欠いた説明用上面斜視図、図２は灰皿埋設部における 説明用平面図、図３は同じく側面断面図、図４は閉じ蓋の作用を説明する要部斜 視図である。この考案はテーブル板１と前記テーブル板１を上面に配した吸い殻 回収装置本体３とからなる。前記テーブル板１には適宜の間隔で椀状または皿状 の灰皿５が、ゲーム機の間隔、あるいは椅子の間隔に合わせて所定の位置に穿設 した取付孔７に上面がテーブル板１とほぼ同一面となるように埋設されている。 前記灰皿５の中心部には吸い殻落し込み孔９が形成され、前記吸い殻落し込み孔 ９の周囲には前記孔９よりも小さい灰落し孔１０が形成されている。一方、前記 取付孔７は灰皿の形状に合わせて灰皿５の載置面は湾曲しており、中央部が灰及 び吸い殻を落とす貫通孔となっている。

【０００９】 前記テーブル板１がパチンコゲーム機台の前面のテーブル板として使用する場 合には、埋設する灰皿５の吸い殻落し込み孔９の大きさはたばこの直径よりも大 きいがパチンコ玉の直径よりは小さく形成するのが好ましい。このように形成す ると、吸い殻は落とし込むことができるが、パチンコ玉の落下を防止することが できる。

【００１０】 さらに、この実施例では灰皿５の底面に防煙用蓋を取り付けている。即ち、灰 皿５から落下した吸い殻が完全に消えないで燃えているときに、灰皿の孔９、１ ０から煙が出てくるのを防止するものである。灰皿５の底面にテーブル板１から 突出し灰皿の灰落とし孔１０の形成範囲よりも大きい円筒体１１を固着し、さら に、前記円筒体１１の下面に当接するとともに、水平方向に回動自在な閉じ蓋１ ３を設けてなる。前記閉じ蓋１３は円筒体１１と同一か、わずかに大きく形成さ れており、先端部に係止片１５が突設され、係止片１５と１８０度隔てた反対側 には先端に把持部１７を有する取付軸１９が一体に突設されている。前記取付軸 １９の先端部は後述する水路に形成したスリット１８から外側に突出している。

【００１１】 前記取付軸１９はテーブル板１の下面に取り付けた固定ピン２０によって回動 自在に軸支されており、閉じ蓋１３の先端部及び係止片１５はコ字状の支持杆２ １に載置されるとともに、その回動範囲が規制されるように構成されている。前 記支持杆２１の一方側の垂直部２１ａは閉じ蓋１３が円筒体１１と重なり合うよ うに規制する位置に、また、他方側の垂直部２１ｂは円筒体１１を完全に開口さ せるようにそれぞれ所定の間隔をもってテーブル板１の下面に取り付けられてお り、前記垂直部２１ａと垂直部２１ｂは水平部２１ｃによって連結している。水 平部２１ｃは閉じ蓋１３と円筒体１１とが重なり合ったときに、両者を当接させ る高さに形成されている。従って、閉じ蓋１３は円筒体１１の下面と水平部２１ ｃの間に差し込まれることになる。

【００１２】 上記構成において、水路から突出した把持部１７を持って水平方向に回動させ れば、取付軸１９は固定ピン２０を中心にして回動するから閉じ蓋１３は一体に 回動して円筒体１１の下面を開閉することができる。このとき、閉じ蓋１３の先 端部及び係止片１５は支持杆２１の水平部２１ｃ上を摺動することになり円筒体 １１の下面にスムーズに案内される。この実施例のように灰皿５の底面に円筒体 １１を設け水平に回動する閉じ蓋１３を配設した場合には、吸い殻が火の付いた まま灰皿から落下した場合でも灰皿の透孔から煙が出てくるのを防止することが できる。尚、上記実施例における円筒体１１、閉じ蓋１３及び支持杆２１は適宜 省略してもよい。

【００１３】 次に、吸い殻回収装置３について説明する。吸い殻回収装置３は、給水管２３ 、水路２５及び排水管２７とからなる。給水管２３は水道管に連結されており、 図示しないバルブの開閉によって通水または止水が行なわれる。水路２５は灰皿 ５から落下した吸い殻及び灰を洗い流すもので、この実施例では上面が開口した 略Ｕ字状の樋２６によって形成されている。そして、樋２６はテーブル板１のほ ぼ全長に亙り、一端側の側面に前記給水管２３が取り付けられており、他端側の 底面に排水管２７が取り付けられている。

【００１４】 樋２６はアングル状固定金具２９によってテーブル板１の下面に取り付けられ る。即ち、前記固定金具２９の上端部３０が前記テーブル板１の下面にねじ止め され、下端水平部３１には樋２６の下面に当接するボルト３３が螺合されている 。従って、この固定金具２９の間に樋２６を挿入し、ボルト３３を締め付けるこ とによって樋２６の上面をテーブル板１の下面に押圧させ、ボルト３３とテーブ ル板１とによって挾持することができる。前記固定金具２９は２以上であれば樋 ２６の長さに合わせて適宜の間隔に配設すればよい。

【００１５】 前記排水管２７の上部には、バルブ３５とフィルター３７が取り付けられてお り、フィルター３７で濾過された水が排水管２７から排水されるように構成され ている。バルブ３５を開き水を流しっぱなしにしておいてもよいが、節水のため にはバルブ３５を閉めて樋２６に水を溜めておき水の汚れ状態を見て排水するか 、樋２６に水を溜めずに吸い殻の量によって給水管２３から樋２６に流し込んで 吸い殻を洗い流すようにしてもよい。樋２６に水を溜めない場合には、バルブ３ ５は常に開いて置くか省略することができる。フィルター３７は適宜交換できる ようにカートリッジとすることが望ましい。フィルター３７で濾過された排水は 浄化槽を経て下水道に流される。

【００１６】 図５は水路２５にパイプ３９を利用した第２実施例を示す。即ち、パイプ３９ には灰皿５と同一間隔で灰皿５の下面に設けた円筒体１１を挿入する挿入孔４０ を設けテーブル板１の下面に固定してなる。この実施例のように水路２５にパイ プ３９を用いた場合には、パイプ３９に閉じ蓋を案内規制するスリットを設けて 支持杆を省略することができる。図５に示すように、閉じ蓋４１の先端部に係止 片４３を突設し、反対側に先端部を折り曲げて把持部４７とした取付軸４５を設 け、前記取付軸４５をパイプ３９の外側のテーブル板１の下面に取り付けた固定 ピン４９に回動自在に軸支する。そして、前記パイプ３９には閉じ蓋４１の先端 部と係止片４３を挿入するスリット５０と、取付軸４５を挿入するスリット５１ が設けられており、閉じ蓋４１を円筒体の下面に当接させるように構成されてい る。

【００１７】 上記構成において、パイプ３９から突出した把持部４７を持って水平方向に回 動させれば、取付軸４５は固定ピン４９を中心にして回動するから閉じ蓋４１は 一体に回動して円筒体１１の下面を開閉することができる。このとき、閉じ蓋４ １の先端部及び係止片４３と取付軸４５はスリット５０及び５１の間を案内され スムーズに摺動する。この実施例のように水路をパイプ３９で構成した場合には 、吸い殻の洗い流しが容易であるとともに、安価に製造することができる。尚、 上記実施例のように、パイプをそのまま使用してもよいが、軸方向に割って上面 を開口させて使用してもよい。また、この実施例においても閉じ蓋４１は適宜省 略することができる。給水管及び排水管の取り付けは第１実施例と同じであるか らその説明は簡略化のために省略する。

【００１８】 上記構成に係る吸い殻回収装置を使用するには、バルブ３５を閉めて水路２５ に水を溜めておき、水の汚れ状態によって適宜バルブ３５を開いて排水するか、 吸い殻の量によって給水管２３から水路に水を流し込んで吸い殻を洗い流すよう にしてもよい。常時水を流しておいてもよいが、節水と浄化槽を小型化するため にも水路には間欠的に流し込むのが好ましい。また、水路に水を溜めておく場合 には防煙用の閉じ蓋１３、４１は必ずしも必要でないが、吸い殻を水路に溜めて おき適宜洗い流す場合には有効である。

【００１９】 この考案を上記実施例に基づいて説明したが、テーブル板と水路との取付構造 及び水路の形状は上記実施例に限定されるものではない。また、排水管における バルブは水門構造に変更してもよく、その他、水路の流れを止水及び放水できる 構造であればよく特に限定されるものではない。さらに、排水管におけるバルブ は省略することも可能である。また、閉じ蓋を開閉させる構造も上記実施例には 限定されない。

【００２０】

【考案の効果】

この考案に係るたばこの吸い殻回収装置はテーブル板１に灰皿５を埋設し、灰 皿５に形成した透孔から吸い殻を落下させ水路によって回収する構成としたから 、吸い殻の回収が容易であるばかりでなく、完全に消化されるので火災の危険が ない。また、自動的に回収されるから吸い殻回収の手間が省け、灰皿をいつもき れいにしておくことができる。また、吸い殻を溜めて置くことがないから衛生的 であるとともに、特に飲食店においてはたばこの臭いによって飲食物の味や香り に影響を与えることがない。さらに、曲がったカウンター等であっても水路の形 成は可能であるから直線的なテーブル板でなくてもよいとともに、構造が簡単で あるから安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】吸い殻回収装置の一部を切り欠いた説明用上面
斜視図である。

【図２】灰皿埋設部における説明用平面図である。

【図３】灰皿埋設部における側面断面図である。

【図４】閉じ蓋の作用を説明する要部斜視図である。

【図５】第２実施例における側面断面図である。

【符号の説明】

１ テーブル板 ３ 吸い殻回収装置 ５ 灰皿 ９ 吸い殻落し込み孔 １１ 円筒体 １３ 閉じ蓋 １５ 係止片 １７ 把持部 １９ 取付軸 ２０ 固定ピン ２１ 支持杆 ２３ 給水管 ２５ 水路 ２６ 樋 ２７ 排水管 ３９ パイプ ３５ バルブ ３７ フィルター ４０ 挿入孔 ４１ 閉じ蓋 ４３ 係止片 ４５ 取付軸 ４７ 把持部 ４９ 固定ピン ５０ スリット ５１ スリット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透孔を穿設した灰皿を複数埋設し前記透
   孔を貫通せしめたテーブル板と、一端に給水管を接続し
   他端に排水管を接続してなる水路とからなり、前記水路
   を前記テーブル板の下面に取り付けて前記灰皿の透孔か
   ら吸い殻を水路内に落下せしめるようにしたことを特徴
   とする灰皿を埋設したテーブル板を備えたたばこの吸い
   殻回収装置。
2. 【請求項２】 前記灰皿の底面に円筒体を固着するとと
   もに、円筒体の下面を開閉する閉じ蓋を配設したことを
   特徴とする請求項１に記載の灰皿を埋設したテーブル板
   を備えたたばこの吸い殻回収装置。