JPH0568290U - 手持ち式往復動ブラシ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水産練製品の製造装置に付着した極めて落ち
にくい残り身などを比較的簡易にしかも労力少なくして
完全且つ衛生的に洗浄することのできる手持ち式往復動
ブラシ装置を提供する。 【構成】 把手１ａの設けられた本体ケース１にブラッ
シの脱着自在に固定されるブラシ取付板２を水平な往復
変位自在に設けると共に本体ケースの遮蔽空間Ｓ２内に
モータ７を設け、且つブラシ取付板とモータは遮蔽空間
内に設けられた変位変換用伝動機構１３を介して連動連
結し、ブラシ取付板はストローク１０〜３０ｍｍで往復
変位数１０００〜３０００回／ｍｉｎで作動されるもの
となす。 【効果】 モータや変位変換用伝動機構に洗浄水や残り
身が直接にかからないものとなり、またブラシの選択使
用を簡易となして合理的な洗浄の行えるものとなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は特に水産練製品の製造装置の洗浄に使用して有益である手持ち式往復 動ブラシ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

水産練製品（例えば、かまぼこ、ちくわなど）の製造装置に付着した魚肉の残 り身、即ち魚肉の塩溶性タンパク質、さらに言い換えれば魚肉に食塩を加え調味 したすり上がり身は極めて洗浄除去が困難であって業界においても苦慮している ところであるが、今日においてもその洗浄除去の手法や省力化の動きは少ないの であり、多くは昔どおり人手によっているのが実情である。そして、この洗浄除 去にさいしては例えばたわしや動力回転ブラシなどが使用されている。 いま、水産練製品の製造装置で特に洗浄処理の困難であるものの一つとされて いるサイレントカッタについてその洗浄作業を例示的に観察したところ、カッタ の洗浄処理に要する合計時間は凡そ６０分であって、その内、手に持ったたわし 類で洗浄面を擦る時間は３３分、金べら及びたわし類を併用している時間は９分 、そしてその他の手法による処理時間は１８分であり、洗浄処理に要する合計時 間の凡そ半分は手動作を基本とした作業によっているのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

水産練製品の製造装置に付着した残り身などをたわし類で擦ることにより洗浄 することは多くの労力や処理時間を必要とするのであり、これがために人手不足 が助長されるものとなっている。また洗浄のさい動力回転ブラシを使用すると残 り身がブラシの回転による遠心力で周辺に飛散され、後にこれに雑菌が発生して 腐敗を生じしめ、環境衛生を損ねるなどのおそれがある。 本考案は斯かる問題点に鑑みて、人手不足のなかでなんとか楽に、しかも短時 間で衛生的な洗浄を可能となす手持ち式往復動ブラシ装置を提供することを目的 とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案では把手の設けられた本体ケースの下面部に ブラシの脱着自在に固定されるブラシ取付板を案内機構を介して水平な往復変位 自在に設けると共に本体ケースの遮蔽空間内にはモータを設け、且つブラシ取付 板とモータを本体ケースの遮蔽空間内に収容された変位変換用伝動機構を介して 連動連結し、モータの回転がブラシ取付板にストローク１０〜３０ｍｍで往復数 １０００〜３０００回／ｍｉｎの往復変位を生じしめることを特徴とする。 このさい、モータを電気モータとなしても或いはエアモータとなしてもよいの であり、電気モータとなすさいは本体ケースの適所に充電式バッテリを設けるか 或いは本体から分離した適宜な電気供給装置から電気を供給し得るものとなす。

【０００５】

【作用】

モータはその回転により変位変換用伝動機構を介してブラシ取付板及びブラシ を往復変位させる。しかして、本考案装置の使用のさいは把手を手で握ると共に ブラシは洗浄面に押さえつけるようにして水産練製品の製造機械に付着した魚肉 の残り身などをその被洗浄面から除去する。このさい、ブラシの往復変位はスト ローク１０〜３０ｍｍで往復数１０００〜３０００回／ｍｉｎであるためブラシ 洗浄を効果的となすと共に、回転による遠心力などが作用しないため被洗浄面か ら魚肉の残り身などを飛散させることがなく被洗浄面を比較的迅速にしかも労力 少なくして完全且つ衛生的に洗浄し得ものとなす。またモータや変位変換用伝動 機構は本体ケース内に納められているため防水機能を有するものとなるのである 。さらにブラシは脱着自在となされているため洗浄の目的や条件によって適当な ものを選択して取りつけることを可能となす。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案に係る手持ち式往復動ブラシ装置に係り（ａ）は正面視断面図、 （ｂ）は同装置の側面図、（ｃ）は同装置の底面図、図２は同装置のブラシの他 の例に係り、（ａ）は正面図、そして（ｂ）は同ブラシの側面図である。

【０００７】 図において、１は把手１ａの設けられた本体ケースであり、２は本体ケース１ の下面部に配置されたブラッシ取付板である。

【０００８】 ブラシ取付板２は本体ケース１の下面に軸固定台３・・・を介して平行状に架 設された一対の軸４、４からなる案内部材とこれらの軸４、４の各々に摺動変位 自在に外嵌された一対のスライド軸受５、５からなる被案内部材とを介して水平 な往復変位自在に装着すると共に、その上面には本体ケース１内へ達するアーム ６を具備したものとなすほか、下面をブラシ取付面となしてある。このさい取付 板２の往復変位のストロークは凡そ１０ｍｍ〜３０ｍｍとなすのが好ましいので あって、即ちそれが１０ｍｍ未満では擦り落とし作用が減少し、３０ｍｍを越え ると本考案装置の使い勝手を悪くなすからである。また取付板２の往復変位数は １０００〜３０００回／ｍｉｎとなすのが好ましいのであって、即ち１０００回 未満では擦り落とし作用を奏しめるように使用するのが難しく、３０００回を越 えると後述するブラシの洗浄作用を効率的に発揮させることができず動力を浪費 する傾向が大となるからである。

【０００９】 ７は本体ケース１内に固定された防水形のエアーモータで、図示しないエアタ ンクからエアー管８及びこれの途中に設けられたエアー調節器９を介してエアを 供給されると共にモーター軸７ａの回転作動のために使用されたエアがサイレン サー１０を具備したエアー排出管１１から本体ケース１の外方へ放出されるもの となしてある。このさいエアー管８を本体ケース１内へ導くための開口部分には 螺子蓋１２を螺着して水などが本体ケース１内へ侵入しないものとなす。

【００１０】 しかして、モータ７とブラシ取付板２とは変位変換用伝動機構１３を介して連 動連結するのであり、これによりモータ７の回転が取付板２の往復変位に変換さ れるものとなすのであって、具体的には次のようになす。即ち、モーター軸７ａ の先端にピニオンギア１４を固定すると共にこのギア１４と噛み合って回転され るホイールギア１５を本体ケース１に固定された支持軸１６の廻りに回転自在に 設け、且つホイールギア１５の適当な半径位置にクランクピン１７を設けると共 にこのホイールギア１５の下方には本体ケース１の支持部１ｂ、１ｂに摺動変位 自在に案内された状態のロッド１８を設け、このロッド１８の長手方向途中にク ランクピン１７の嵌合される溝形メタル部材１９を固定し、さらにこのロッド１ ８の一端をアーム６に固定してロッド１８とブラシ取付板２を同体となす。この さい本体ケース１の遮蔽空間Ｓ１、Ｓ２は他のほぼ遮蔽された空間Ｓ３及び外界 から密閉された状態となすのがよいのであり、このためロッド１８の貫通する本 体ケース部位には軸封用のパッキン２０を設けるのが好ましい。

【００１１】 ２１はブラシ取付板２の下面に脱着自在に固定されたブラシで、具体的にはブ ラシ取付板２に植設されたボルト２２や、これに螺着されるナット２３などを介 して止着するようになす。このブラシ２１はブラッシ毛２１ａの硬いものや軟ら かいものなど数種類を用意するようになすのであり、また図１（ａ）〜（ｃ）に 示すように下面にのみブラッシ毛２１ａを有するものであっても、或いは図４（ ａ）及び（ｂ）に示すようにその側面などにもブラッシ毛２１ｂを有するものと なしてもよい。

【００１２】 次に上記の如く構成した本考案装置の使用にさいしては、把手１ａを持ってモ ータ７を回転させることによりクランクピン１７を支持軸１６廻りにホイールギ ア１５と同体に周回させ、このピン１７に溝形メタル部材１９及びロッド１８を 連動させてブラシ２１を往復動させた状態となし、この状態となされたブラシ２ １を被洗浄面に押しつけるようになすのである。これにより水産練製品の製造装 置に付着した極めて落とし難い魚肉の残り身などであってもこれを装置の周辺に 飛散させることなく比較的迅速にしかも労力少なくして完全に洗浄することがで きるのであり、したがって洗浄のさいに周辺に飛散された残り身に雑菌が発生し て腐敗を生じしめるなどして環境衛生を損ねていた従来の事態は防止されるので あり、衛生的となる。

【００１３】 このさいブラシ２１は被洗浄面の状況に応じてブラッシ毛２１ａ、２１ｂの硬 さの異なったものを使用するようになすのであり、これにより一層確実且つ合理 的な洗浄を実施することができる。

【００１４】 また、モータ７や変位変換用伝動機構１３は本体ケース１の遮蔽空間Ｓ２内に 収容されているため、これらに洗浄水や残り身などが直接に飛散してかかるよう なことはなく、保守性及び耐久性に優れたものとなる。

【００１５】 なお上記実施例において、エアーモータ７に代えて電動モータを使用すること もできる。このさい把手１ａの内方に電動モータへ電気を供給するための充電式 バッテリを設けるようになしてもよく、或いは外部の適宜な電気供給装置からリ ード線を経て電気モータへ電気を供給するようになしてもよい。 また把手１ａは本体ケース１から斜め上方へ延長させて中腰で作業し得るもの となすこともできる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、水産練製品の製造装置に付着した極めて落とし 難い残り身などであってもそれを飛散させることなく比較的迅速にしかも労力少 なくして完全且つ衛生的に洗浄することを可能となすものであり、またモータや 変位変換用伝動機構に洗浄水や残り身などが直接にかからないものとなって保守 性や耐久性に優れるのであり、さらには被洗浄面の状態に応じたブラシを簡易に 選択使用することができて合理的な洗浄を可能となすものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る手持ち式往復動ブラシ装置に係り
（ａ）は正面視断面図、（ｂ）は同装置の側面図、そし
て（ｃ）は同装置の底面図である。

【図２】本考案に係るブラシの他の例に係り（ａ）は正
面図、そして（ｂ）は同ブラシの側面図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース １ａ 把手 ２ ブラシ取付板 ３及び４及び５ 案内機構 ７ モータ １３ 変位変換用伝動機構 ２１ ブラシ Ｓ２ 遮蔽空間

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 把手の設けられた本体ケースの下面部に
   ブラシの脱着自在に固定されるブラシ取付板を案内機構
   を介して水平な往復変位自在に設けると共に本体ケース
   の遮蔽空間内にはモータを設け、且つブラシ取付板とモ
   ータとを本体ケースの遮蔽空間内に収容された変位変換
   用伝動機構を介して連動連結し、モータの回転がブラシ
   取付板にストローク１０ｍｍ〜３０ｍｍで往復数１００
   ０〜３０００回／ｍｉｎの往復変位を生じしめることを
   特徴とする手持ち式往復動ブラシ装置。
2. 【請求項２】 モータが電気モータであるか或いはエア
   モータであることを特徴とする請求項１記戴の手持ち式
   往復動ブラシ装置。