JPH0567378B2 - - Google Patents

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JPH0567378B2
JPH0567378B2 JP17895686A JP17895686A JPH0567378B2 JP H0567378 B2 JPH0567378 B2 JP H0567378B2 JP 17895686 A JP17895686 A JP 17895686A JP 17895686 A JP17895686 A JP 17895686A JP H0567378 B2 JPH0567378 B2 JP H0567378B2
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JP
Japan
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stainless steel
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polishing
polished
grinding
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JP17895686A
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English (en)
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JPS6339756A (ja
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Shigeru Kitani
Kenichi Goshokubo
Momohito Ito
Yoshio Yoneyama
Tadashi Igarashi
Hiromitsu Hoshi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> この発明は、耐食性が良好で、苛酷な腐食環境
においても発銹を殆んど生じることのないステン
レス鋼研磨仕様材の製造方法に関するものであ
る。 近年、ステンレス鋼材の用途は極めて多様化し
ており、これに応じて様々な表面仕様を施された
製品が製造されるようになつてきた。これらの中
でも、ステンレス鋼特有の表面光沢を生かした
BA仕様材や2B仕様材は最も広い需要を誇つてい
るが、用途によつては表面光沢の少ないものが好
まれる場合も多く、最近では建築内装材、家電製
品或いは厨房製品等に供される「故意に表面全面
に引つ掻き疵を付けたステンレス鋼材(研磨仕様
材)」の需要が急増してきている。 <従来技術とその問題点> 従来、上記ステンレス鋼研磨仕様材を工業的規
模で製造するためには、連続的に走行する鋼帯等
の被処理ステンレス鋼材に回転する研削ベルトを
接触させる手段が一般的に採用されていたが、こ
の手段の中でも、被処理ステンレス鋼材と研削ベ
ルトとの接触様式や得られる製品の表面模様によ
つて大別されるところの、次の2つの方法が主流
を占めていた。即ち、 (i) 第1図に示すように、研削ベルト1の回転移
動速度よりも速い速度で被処理ステンレス鋼材
2を走行させる方法で、得られる製品の全面に
互いに平行な引つ掻き疵模様が生じることから
HL(Hair Line)仕様と呼ばれている方法。 (ii) 第2図で示すように、被処理ステンレス鋼材
2の走行速度よりも研削ベルト1の回転移動速
度を速くする方法であり、比較的短い引つ掻き
疵が被処理ステンレス鋼材の長手方向に断続す
る模様が生じるものであつて、BG(Belt
Grinded)仕様と呼ばれている方法。なお、
BG仕様は、仕様する研削ベルトの粗さに応じ
て比較的研磨目の細かい“No.4”と研磨目の粗
い“No.3”に分けられる(JIS G4305及びJIS
G4307参照)。 そして、何れの方法によつても使用するベルト
の砥粒の大きさに応じて表面粗さの粗いものから
細かいものまで種々の研磨仕様材が得られるもの
であるが、これら何れの方法においても、加工熱
によるステンレス鋼材表面の酸化着色を防ぐと共
に、研削能率を上げるため、前記研削ベルト及び
ステンレス鋼材に研削油(切削油)を振り掛けて
研削することが欠かせない手段となつている。 しかしながら、上述のようにして製造される独
特な風格を醸し出すステンレス鋼研磨仕様材に
は、これまで、「海岸に近い屋外で使用した場合
に時たま発銹を見ることがある」との報告がなさ
れており、同様な条件で使用されたBA仕様材や
2B仕様材が発銹しないことから見て、研磨仕様
材は一般にBA仕様材や2B仕様材よりも耐食性が
劣ると考えられていたのである。 <問題点を解決するための手段> そこで、本発明者等は、ステンレス鋼研磨仕様
材に指摘されていた耐食性劣化原因を究明すると
共に、その原因を排除し、優れた耐食性を示すス
テンレス鋼研磨仕様材を提供すべく研究を行つた
ところ、次のような事実を知見するに至つた。即
ち、 (a) 金属材料の切削或いは研削においては、先に
も述べたように、加工熱によつて昇温しがちな
工具や工作物を冷却したり、工具の刃先と工作
物の仕上げ面との潤滑を確保したり、或いは削
り屑を洗い流して作業の容易性を維持したりす
るため、アルカリ性水溶液、乳化油、鉱油、或
いは動植物油等から成る“切削油剤(研削油)”
の使用を欠かせず、しかもこの切削油剤には、
通常、減摩作用を改善して工具の摩耗を抑制す
ると共に良好な加工仕上げ面を得るべく、3重
量%程度までのS(硫黄)を添加することが行
われているが、このS入り切削油剤(硫化油)
中のSがステンレス鋼の研磨(研削)工程中に
その表面と反応を生じ、この結果としてステン
レス鋼研磨仕様材の耐食性がBA仕様材や2B仕
様材よりも劣化してしまうものである。 つまり、例えばHL研磨やBG研磨は大量の
研削油剤で冷却しながら実施されるとは言え、
研磨されるステンレス鋼表面は局部的に見ると
数百度程度(恐らくは600〜800℃程度)に昇温
するものと推測される。そのため、この熱によ
つてステンレス鋼表面のCr成分が切削油剤中
のSと優先的に反応しクロム硫化物を作ること
となり、ステンレス鋼表面のCr濃度の低下を
招いて耐食性を劣化させるものと考えられる。
また、表面に硫化物が生成することにより不働
態皮膜(Crの酸化物を主成分とする緻密で保
護性の強い皮膜)の生成妨げられ、ステンレス
鋼本来の耐食性が得られなくなるものとも考え
られる。 (b) このような現象を防ぐ方法として表面研磨を
ゆつくり行つて工作物の昇温を極力抑えること
も考えられるが、加工熱によつて昇温される工
作物の到達温度が上記不都合を生じる温度未満
となるまでに研磨速度を落すと生産性の著しい
低下を招き、製品のコストアツプにつながるも
のであることから、この手段を工業的に採用す
ることは実際上決して得策ではない。 (c) ところが、S含有量を特に0.35重量%未満に
まで抑えた切削油剤を使用してステンレス鋼の
表面研磨を実施すれば、ステンレス鋼研磨仕様
材製造における現状の研削速度を格別に落すこ
となく良好な耐食性を示す研磨仕様面が得ら
れ、しかも切削油剤の潤滑不足に起因する“仕
上げ表面の不良”等の不都合を生じることもな
い。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であり、 ステンレス鋼の研磨仕様材を製造するに際し、
少なくとも最終研磨工程において用いる切削油剤
をS含有量が0.35重量%未満のものとすることに
より、優れた耐食性を示すステンレス鋼研磨仕様
材を生産性良く製造する点、 に特徴を有するものである。 この発明の方法において実施されるところのS
含有量が0.35重量%未満の切削油剤を用いる研磨
は、ステンレス鋼研磨仕様材の製造工程における
最終研磨工程のみで十分であり、中間の研磨工程
においては必ずしもこのような配慮が必要でない
ことは上記の通りである。即ち、例えばステンレ
ス鋼研磨仕様板の製造工程では、研磨模様を付与
する最終研磨工程以前にもステンレス鋼ホツトコ
イルの表面疵取りの目的で同様な研磨が行われる
が、このときにSを多量に含有する通常の切削油
剤を使用したとしても、その後で焼鈍や酸洗が行
われて表層のCr濃度低下層の除去がなされるの
で耐食性劣化につながる恐れがないからである。 そして、最終研磨工程において用いる切削油剤
のS含有量が0.35重量%以上であると海岸に近い
屋外で使用した場合でも発銹することのないステ
ンレス鋼研磨仕様材を得ることはできず、該S含
有量を0.35重量%未満に制限して始めて上記環境
下でも良好な耐食性を示す製品が実現されるが、
望ましくは上記S含有量は0.10重量%未満とする
ことが推奨される。 なぜなら、研削油中のSによる耐食性への悪影
響の程度はステンレス鋼の種類や耐食性の評価試
験法によつても異なり、後述の第1表に示すよう
に、例えば耐食性の良いSUS304に比べて耐食性
の劣るSUS430の方が研削油中のSが同じであつ
ても発銹が多くなるので、発銹を抑えるためには
S含有量をなるべく少なくすることが望まれる。
また、ステンレス鋼研磨仕様材製造の最終研磨工
程でS含有量が0.10〜0.35重量%の切削油剤を使
用すれば、確かに海岸に近い屋外で使用した場合
でも発銹することのない製品が得られるものの、
S含有量低減の度合がこの程度の切削油剤では、
100〜300℃程度にまで加熱された場合(例えば、
塗装焼付けしたり、水蒸気が吹き付けられる環境
で使用したりする場合)に僅かながら耐食性劣化
の兆しが認められるからである。これは、比較的
低Sの上記切削油材を使用したとしても、最終研
磨工程でステンレス鋼研磨仕様材表面に多少のク
ロム硫化物が生じて酸化の起こり易い状態がもた
らされており、この状態で加熱がなされるCrの
優先酸化によつて表層部のCr濃度が低下して耐
食性を劣化するためであると考えられる。 更に、ステンレス鋼研磨仕様材に有機塗料を塗
装したものを屋外で使用する場合、Sを0.10%以
上含有する切削油材で最終研磨したものでは“塗
膜の疵付き部分”や“板の端部”のようなステン
レス鋼表面が露出している部位から腐食が発生
し、塗膜が徐々に剥離することもあるので、この
点からも最終研磨工程において用いる切削油剤の
S含有量を0.10重量%未満とすることが望まし
い。 なお、切削油材中には一般に“遊離S”と“化
合したS”とが存在し前者の方が反応性は強い
が、機械研削を施す場合には局部過熱が起きるた
めに後者の方も十分に反応に関与し、従つて両者
の総量で含有量を規制する必要がある。 また、この発明の方法は、研削ベルトによる
HL仕様材やBG仕様材の製造のみに限定される
ものではなく、回転ブラシによるHL仕様材や回
転砥石による鱗模様仕上げ材等の研磨仕様材にも
当然適用することができ、更にはステンレス鋼材
の鋼種に制限されるものでないことも当然であ
る。 次に、この発明を、実施例により比較例と対比
しながら具体的に説明する。 <実施例> SUS430(16.5重量%Cr)ステンレス鋼及び
SUS304(18重量%Cr−8重量%Ni)ステンレス
鋼の薄板(板厚:0.7mm)に対して、第1表に示
されるようにS含有量の異なる6種類の切削油剤
〔ダフニー・ポリツシングオイル(商品名:出光
興産株式会社)〕を用いてNo.4BG仕上げを施し、
アセトンで超音波洗浄してステンレス鋼研磨仕様
製品を製造した後、これに塩水噴霧試験、スチー
ム吹き付け試験、加熱後塩水噴霧試験、並びに塗
装焼き付け後塩水噴霧試験を行つた。 なお、切削油剤中のS含有量は燃焼中和滴定法
(JIS K2541)によつて定量分析して測定した。 また、塩水噴霧試験はJIS Z2371に準じたもの
であり、〔噴霧16時間→噴霧休止8時間〕を3回
繰り返した。 更に、スチーム吹き付け試験は100℃のスチー
ムを30分間吹き付けて実施し、加熱後塩水噴霧試
験は、260℃に90秒加熱・保持した後上記と同様
条件の塩水噴霧試験を施す方法を採用した。 塗装焼き付け後塩水噴霧試験は、アクリル系樹
脂塗料を塗装して焼き付けた(255℃×60分)後、
上記と同様条件の塩水噴霧試験を施す方法で
【表】 行つた。 これら式験結果を第1表に併せて示す。 第1表に示される結果からも明らかなように、
S含有量が0.35重量%以上の切削油剤を用いて研
磨したSUS430及びSUS304は何れも塩水噴霧試
験によつて著しい発銹を見たのに対して、本発明
方法通りにS含有量の低い切削油剤を用いて研磨
したものの発銹や着色(スチームテストによる)
は十分に少なく、とりわけS含有量が0.10重量%
未満の切削油剤を使つた場合には発銹が殆ど見ら
れないことが分かる。 一方、これらの試験とは別に、研磨(BG仕上
げ)後の各供試剤表面をEDS(エネルギー分散分
析)付のSEM(走査型電子顕微鏡)で分析したと
ころ、切削油剤E及びFで研磨したものからは、
脱脂・洗浄後の表面からクロム硫化物のものと推
測されるSが検出された。また、SEMより更に
検出感度の良好なXPS(X線光電子分光分析)に
よる表面分析では、切削油剤C〜Fで研磨したも
のからSが検出され、切削油剤A及びBで研磨し
たものからはSは検出されなかつた。 以上に説明した如く、この発明によれば、比較
的苛酷な腐食環境においても発銹を殆ど生じるこ
とのない、耐食性に優れたステンレス研磨仕様材
を生産性良く安定して製造することができ、ステ
ンレス鋼材の適用分野を一層拡大することが可能
となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらさ
れるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、HL仕様材の研磨状況を説明するた
めの概略説明図、第2図は、BG仕様材の研磨状
況を説明するための概略説明図である。 図面において、1……研削ベルト、2……被処
理ステンレス鋼材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ステンレス鋼の研磨仕様材を製造するに際
    し、少なくとも最終研磨工程において用いる切削
    油剤をS含有量が0.35重量%未満のものとするこ
    とを特徴とする、ステンレス鋼研磨仕様材の製造
    方法。
JP17895686A 1986-07-31 1986-07-31 ステンレス鋼研磨仕様材の製造方法 Granted JPS6339756A (ja)

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JP17895686A JPS6339756A (ja) 1986-07-31 1986-07-31 ステンレス鋼研磨仕様材の製造方法

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JPS6339756A JPS6339756A (ja) 1988-02-20
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