JPH0566153A - 受光量測定方法および日照条件測定方法 - Google Patents

受光量測定方法および日照条件測定方法

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JPH0566153A
JPH0566153A JP25461491A JP25461491A JPH0566153A JP H0566153 A JPH0566153 A JP H0566153A JP 25461491 A JP25461491 A JP 25461491A JP 25461491 A JP25461491 A JP 25461491A JP H0566153 A JPH0566153 A JP H0566153A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定地点の所定の角度の受光面に入射する散
乱光の受光量や直達日射光による日照条件を、前記特定
地点の地形ないし環境条件を織り込んで測定・評価す
る。 【構成】 魚眼レンズを使用して撮影して得た風景の映
像と、網目パターンの画像とを重ね合わせる。また、魚
眼レンズを使用して撮影して得た風景の映像と、太陽の
運行軌道の画像とを重ね合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば造園修景計画・
工事等を行う際の植栽計画等の対象となる特定地点・特
定面、あるいは建造物のベランダ、テラス、壁面等の特
定点・特定面、あるいは太陽電池システム等を設置する
際、特定地点・特定場所における太陽電池の受光面等に
入射する散乱光の量を測定・評価する受光量測定する方
法と、個別日照条件を測定・評価する日照条件測定方法
とに関する。
【0002】
【従来の技術】造園修景計画・工事等を行う場合、植栽
計画等の対象となる地面や場所の日照条件や日射量は、
植生上重要な要因をなす。また、不動産、例えばマンシ
ョン等の建造物のベランダやテラス等の日照条件や日射
量は、生活上の重要な関心事の1つでもある。更に屋外
に設置する太陽電池システムの場合、日照条件や日射量
は、システムのエネルギー収支バランス上決定的に重要
な要因をなすものである。このように特定地点・特定面
の日照条件や受光日射量は、あらゆる生活局面、産業分
野において重要な問題を提起している。以下、本発明の
代表的な利用分野として太陽電池システムの場合を例に
説明を進める。
【0003】屋外に設置する太陽電池システムの場合、
日照条件による太陽電池の光起電力と負荷による消費電
力とのエネルギー収支バランスが重要である。この場
合、負荷による消費電力は容易に測定できるが、太陽電
池による光起電力の定量評価は設置点の地形変化やその
特徴を織り込んで行なう必要があるため困難である。
【0004】それでも例えば、国のサンシャイン計画に
於いては、日本気象協会の協力のもと、各地における直
達日射光や水平面が受光する散乱光の定量的評価が進め
られているが、これは、ある特定設置点の地形的特徴を
織り込んだものではなく、地域の平均値である。
【0005】また、日本のように建物や樹木がたてこん
だ環境では、太陽電池システムを設置する場合、太陽電
池の設置方位や、周辺環境の影響を大きく受ける。
【0006】従って太陽電池システムの設置者にとって
は、与えられた環境条件においてエネルギー収支バラン
スを達成することが必要となる。
【0007】しかし、このような特定設置点の地形条件
や環境条件まで織り込んで太陽電池システムの出力計算
を年間にわたって予想することは従来技術では不可能で
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし例えば、国のサ
ンシャイン計画で行なわれているような地域マップ毎の
日射量から、その中のある特定地点(ピンポイント)に
於ける地形条件や環境条件を織り込んだ太陽電池の光起
電力の予想計算ができれば、太陽電池システムの普及に
とって大きな力となる。
【0009】そして、国のサンシャイン計画において太
陽エネルギーシステムのために集積されつつある気象デ
ータを、より有効に設置点別の各論にまで活用できるよ
うにするためにも、地形条件や環境条件を織り込んだ太
陽電池の光起電力の評価方法の確立が望まれるところで
ある。
【0010】本発明の主目的は、地域平均的な気象デー
タから、その地域内の特定地点・特定面、特に太陽電池
システムを設置した場合における散乱光の受光量測定方
法と、日照条件測定方法とを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0012】(1)対象地点から魚眼レンズを使用して
風景を撮影して映像化し、前記対象地点を中心とし、網
目パターンを有する球面を考え、この球面から光が一様
に放出されている場合、それぞれの網目から前記対象地
点の受光面に入射する光束の垂直成分が実質的に同一と
なるように前記網目パターンを構成し、光軸方向を前記
風景を撮影する際の魚眼レンズの光軸方向と一致させた
魚眼レンズで前記網目パターンを撮影した場合に前記対
象地点に結像される画像化された網目パターンを作製
し、前記風景の映像と、前記網目パターンの画像とを重
ね合わせ、風影に対応する網目数から前記対象地点の受
光面に入射する散乱光の量を求めることを特徴とする受
光量測定方法。
【0013】(2)前記魚眼レンズの光軸の方向を天頂
方向に向ける上記(1)に記載の受光量測定方法。
【0014】(3)前記網目パターンの画像を透明な第
1の基板上に形成し、前記風景の映像を第2の基板上に
形成し、前記第1の基板と第2の基板とを重ね合わせ、
それぞれの東西南北方位を一致させる上記(1)または
(2)に記載の受光量測定方法。
【0015】(4)前記網目パターンの画像と、前記風
景の映像とを、同一ディスプレイ上に、それぞれの東西
南北方位を一致させて重ね合わせる上記(1)または
(2)に記載の受光量測定方法。
【0016】(5)対象地点から魚眼レンズを使用して
風景を撮影して映像化し、前記対象地点の緯度に相当す
る地球上のある地点から見た天球上の太陽の運行軌道
を、光軸方向を前記風景を撮影する際の魚眼レンズの光
軸方向と一致させた魚眼レンズで撮影した場合に、前記
対象地点に結像される画像化された太陽の運行軌道を作
製し、前記風景の映像と、前記太陽の運行軌道の画像と
を重ね合わせて前記対象地点の日照条件を測定すること
を特徴とする日照条件測定方法。
【0017】(6)前記魚眼レンズの光軸の方向を天頂
方向に向ける上記(5)に記載の日照条件測定方法。
【0018】(7)前記太陽の運行軌道の画像を透明な
第1の基板上に形成し、前記風景の映像を第2の基板上
に形成し、前記第1の基板と第2の基板とを重ね合わ
せ、それぞれの東西南北方位を一致させる上記(5)ま
たは(6)に記載の日照条件測定方法。
【0019】(8)前記太陽の運行軌道の画像と、前記
風景の映像とを、同一ディスプレイ上に、それぞれの東
西南北方位を一致させて重ね合わせる上記(5)または
(6)に記載の日照条件測定方法。
【0020】
【作用】本発明の受光量測定方法では、魚眼レンズによ
る風景の映像と、各網目パターンが実質的に同一の受光
量を示す網目パターンの画像とを重ね合わせて受光面、
特に太陽電池の受光面に入射する散乱光の量を測定す
る。また、本発明の日照条件測定方法では、魚眼レンズ
による風景の映像と、太陽の運行軌道の画像とを重ね合
わせて太陽電池の受光面に直達日射光が当る時間帯や受
光面に入射する直達日射光の量を測定する。
【0021】このような方法により、地域平均的な気象
データから、その地域内の特定地点に太陽電池システム
を設置した場合におけるエネルギー収支バランスの計算
ないし予想を該設置点の地形条件や環境条件、さらには
太陽電池の設置方位を織り込んで定量的に行なうことが
できる。
【0022】しかも直達日射光成分による光起電力だけ
ではなく、空や周辺物あるいは地面から受光するいわゆ
る散乱光成分による光起電力の定量予測評価をも行なう
ため、正確にエネルギー収支バランスを達成することが
できる。
【0023】また、本発明では、設置点(測定点)にお
ける現地測定を都合のよい日時に1度行なえばよいた
め、季節や天候に左右されず、測定結果に基づき希望す
る日のエネルギー収支バランスを相当な確率的信頼性で
もって予測できる。例えば、曇日の春分の日に現地測定
し、この測定結果に基づき、数日後に至冬日のエネルギ
ー収支バランスを算出することが可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を好適実施例に基づき、詳細に
説明する。
【0025】本発明の受光量測定法および日照条件測定
方法は、魚眼レンズを使用して撮映された風景の映像
と、網目パターンの画像および/または太陽の運行軌道
の画像とを重ね合わせて行なうものである。用いる魚眼
レンズは、円形視野の直径視野角180度(立体視野角
2πステラジアン)のレンズが好ましい。太陽の運行軌
道や網目パターンの画像は、所定の写像変換を用い、コ
ンピュータを使用して作製すればよい。また風影の撮映
は、光学的カメラ、スティルビデオカメラ、ビデオカメ
ラ等を用いて行なえばよく、この場合風影の映像は、撮
影後の映像そのものでも、あるいは撮影後の映像にデジ
タル処理等を行なって得られるものでもよい。なお、風
景の映像と、網目パターンの画像や太陽の運行軌道の画
像とを重ね合わせるには、基板、例えばシート、紙、フ
ィルム、薄板上のサブストレート等にプリントアウトし
て行なってもディスプレイ上で行なってもよい。
【0026】より詳細には、例えば網目パターンの画像
や太陽の運行軌道の画像を透明な第1の基板上に形成
し、風影の映像を第2の基板上に形成し、これらを重ね
合わせ、中心点を中心にして所定の回転角だけ回転させ
て両者の東西南北方位を一致させればよい。また、ディ
スプレイ上で重ね合わせるには、例えば、風景の撮影を
スティルビデオカメラ等を用いて行ない、このスティル
ビデオカメラによる撮影像(風景映像)を、所定の画像
処理を行なうことによりコンピュータの画像メモリーフ
ァイルに入力記録し、網目パターンの画像や太陽の運行
軌道の画像を所定の写像変換ないし数値計算により作製
し、このコンピュータ内の第2の画像メモリーファイル
に入力記録する。そして、両画像を前記コンピュータの
同一画像出力装置に東西南北方位を一致させて画像出力
する。あるいは、前記コンピュータの第3の画像メモリ
ーファイルにおいて合成処理ないし合成出力処理すれば
よい。
【0027】以下、対象地点の受光面、特に太陽電池の
受光面に入射する光が散乱光の場合と、直達日射光の場
合とに分けて説明する。
【0028】散乱光による日射条件および光起電力の計
算方法 太陽電池は、受光面に入射する直達日射光の他、空や周
辺物から受光面に入射する散乱光によって光起電力を発
生する。
【0029】周辺散乱光の受光量や周辺散乱光による太
陽電池の光起電力の大きさを求めるには、太陽電池が設
置されている対象地点ないし太陽電池を設置する対象地
点から、魚眼レンズを使用し、風景を撮影して映像化す
る。
【0030】また、前記太陽電池を中心とし、網目パタ
ーンを有する球面を考える。この場合、この球面から散
乱光が一様に放出されているものとしたとき、各網目パ
ターンそれぞれから前記太陽電池の受光面に入射する光
束の垂直成分が実質的に同一となるように前記網目パタ
ーンを構成する。そして、前記太陽電池が設置されてい
る対象地点から、魚眼レンズを使用し、この魚眼レンズ
の光軸方向を前記風景を撮影する際の魚眼レンズの光軸
方向と同一の方向にむけて前記網目パターンを撮影した
時の映像と実質的に同一の網目パターンの画像を作製す
る。網目パターンの網目数には特に制限がなく、網目数
が多いほど精度が高くなる。また、魚眼レンズの光軸の
方向には特に制限はないが、作業性等の点で天頂方向が
好ましい。なお、前記風景の映像の視野半径と、前記網
目パターンの画像の視野半径は実質的に同一にする。
【0031】次に、網目パターンの画像の作製方法につ
いて、写像変換を用いた方法を挙げて説明する。
【0032】話をわかりやすくするために、図1に示さ
れるように、一様な輝度の完全拡散面である球面Rによ
って形成された半径1の球上の天球の中心0に太陽電池
1が置かれているものとする。そして太陽電池1の置か
れたところから周囲のどの方向を見ても同一の明るさ
(すなわち同一の輻射輝度)であるとする。また、図
中、nは太陽電池1の受光面11の法線方位、S1、S
2はそれぞれ同一の大きさの立体角である。このような
場合、S1、S2が同一の大きさの立体角であっても、
立体角S1、S2から太陽電池1の受光面11に入射す
る輻射光による光起電力は、法線方位nと立体角S1、
S2の方位との角度が互いに異なれば同一とはならな
い。
【0033】なお球面Rの大円周Nは太陽電池1の受光
面11の視野限界であり、太陽電池1の受光面11から
見た全視野の立体角は2πステラジアンとなる。この場
合、Nより上方(法線方位nの正方向)にある球面Rの
半球部分を半球面R⊥と表記する。
【0034】次いで、図2に示される法線方位nを中心
軸とする頂点角2θの円錐を考える。
【0035】この円すいの形成する立体角Sは、 S=2π(1−cosθ) である。
【0036】また、頂点角を2△θだけ増分させたθ+
2△θの頂点角を有する円すいの立体角S3は、 S3=2π{1−cos(θ+△θ)} である。
【0037】そこで、立体角S′とSとの間の立体角△
S(斜線部)の大きさは、 △S=S3−S=2π{1−cos(θ+△θ)}−2π(1−cosθ ) =2π{cosθ−cos(θ+△θ)}
【0038】従って△θが極めて小さいとした場合、立
体角△Sから太陽電池1の受光面11が受け取る複写エ
ネルギー成分による光起電力の補正項は、 2πcosθ{cosθ−cos(θ+△θ)} で表わされる。ここで、下記数1を新たに立体角Sの
「有効開口立体角W」と定義することにする。
【0039】
【数1】
【0040】これはcosξを積分濃度として立体角S
を補正したものと考えればよい。そこで、下記数2にお
いて△ξ→0とすると、下記数3となる。
【0041】
【数2】
【0042】
【数3】
【0043】従って、下記数4のとおりWが求まる。
【0044】
【数4】
【0045】すなわち、法線方位nを中心軸とする頂点
角2θの円すいが形成する立体角Sの有効開口立体角W
は、 W=π(1−cos2θ)/2 により定義される。
【0046】従って太陽電池1の受光面11がにらむ視
野限界(半球面R⊥)の有効開口立体角Wはπとなる。
【0047】そこで、図3に示されるように法線方位n
を中心軸として例えば有効開口立体角Wがπ/20ずつ
増加する20個の円錐、すなわち有効開口立体角Wが、
π/20、2π/20、3π/20、・・・・・ 19π/2
0である円錐が半球面R⊥を切りとる円周の軌跡(緯度
円の円周)N1〜N19をえがいてみる。
【0048】そうすると太陽電池1の受光面11の視野
限界の半球面R⊥は、20個の帯状の輪B1〜B20に
分割される。なお、各帯状の輪B1〜B20の太陽電池
1の受光面11に対する有効開口立体角Wは、前記のと
おりすべてπ/20である。
【0049】従って、太陽電池1の受光面では光の侵入
角度による全反射等が無いと仮定すると、太陽電池1の
受光面11が一様な明るさ(輝度)の視野限界内の半球
面R⊥の輪B1〜B20から受けとる光量は、すべて等
しくなる。すなわち、輪B1〜B20から太陽電池1の
受光面11に入射する光による光起電力はすべて等しく
なる。
【0050】次に、法線方位nと半球面R⊥との交点を
極Pとし、この極Pを通る大円周、すなわち経度円によ
りこの半球面R⊥を等しい面積に例えば36等分し、網
目パターンを形成する。この結果、図4に示されるよう
に、半球面R⊥は、前記緯度円の円周と経度円の円周に
より、同一有効開口立体角を有する20×36=720
区の網目素片Qに分割される。この場合、720の網目
素片Qからの輻射光による太陽電池の光起電力はすべて
等しくなる。
【0051】以上の数学的操作は、中心Oを含み、法線
方位をnとする平面によって球面Rから切りとられる半
球面R⊥上に新たな面積測度(Lebesgue-Stieltjes測
度)μを導入する操作と理解することができる。
【0052】すなわち図5に示されるように球面Rを有
する球の半径をrとし、法線方位nと球面Rの交点を極
Pとし、nを中心軸とする頂点角2θの円錐が球面Rか
ら切りとるPを中心とする円状球面分をS4として、円
状球面分S4の集合関数F(S4)を、 F(S4)=πr2 (1−cos2θ)/2 で定義すると、極Pにおいて交叉角φで交わる球面R上
の2本の大円周G1、G2によって円状球面分S4か
ら、切りとられる三角形状球面分S5(斜線部)の集合
関数F(S5)は、 F(S5)=πr2 (1−cos2θ)/2×φ/2π =φr2 (1−cos2θ)/4 で定義される。そして、数学の解析学における測度論で
よくしられているように、半球面R⊥上には、2次元区
間[0,θ;0,φ]上で定義された非減少単調関数F F(θ;φ)=φr2 (1−cos2θ)/4 (0≦θ≦)π/2、0≦φ≦2π) を生成関数とするLebesgue-Stieltjes測度(L−S測
度)μF が定まる。
【0053】また、図6に示されるように、半球面R⊥
上の任意の球面分ωに対し、ω内の極微小球面分σの半
球面R⊥上の面積をdσとし、法線方位nとσのなす角
度をλとすると、球面分ωのμF によるL−S測度μF
(ω)は、cosλのω上の面積分と同一、すなわち、
下記数5となる。
【0054】
【数5】
【0055】これにより、中心Oにおいて、半球面R⊥
上の円状球面分S4が張る立体角および三角形状球面分
S5が張る立体角それぞれの太陽電池の受光面に対する
有効開口立体角測度W(S4)およびW(S5)が、 W(S4)=F(S4)/r2 =π(1−cos2θ)/2 W(S5)=F(S5)/r2 =φ(1−cos2θ)/4 でそれぞれ定まる。また、図6の球面分ωをにらむ有効
開口立体測度W(ω)は、下記数6となる。
【0056】
【数6】
【0057】次に図7に示されるように中心Oを原点と
し、この原点Oをとおり、法線方位nに垂直な平面N1
(太陽電池の受光面)をX′Y′平面とし、原点Oから
平面N1に立てた法線方位nの方向にZ′軸を有する直
交座標系を極座標(r、θ、φ)で表現すると、半球面
R⊥上の球面分のうち、θ=θi と、θ=θj の間にあ
る輪状球面分SijのμF による測度面積μF (Sij
は、 μF (Sij)=πr2 {(1−cos2θj )−(1−cos2θi )}/ 2 =πr2 (cos2θi −cos2θj )/2 その有効開口立体角測度W(Sij)は、 W(Sij)=π(cos2θi −cos2θj )/2 となる。
【0058】また、互いにφの角度で極Pで交わる半球
面R⊥上の2本の大円周G1、G2、によって、輪状球
面分Sijから切り取られる球面区分Qij(斜線部)のμ
F による測度面積μF (Qij)は、 μF (Qij)=φr2 (cos2θi −cos2θj )/4 あるいはφ=φ2 −φ1 とすると、 μF (Qij)=(φ2 −φ1 )r2 (cos2θi −cos2θj )/4 で与えられる。また球面区分Qijの有効開口立体角測度
W(Qij)は、 W(Qij)=φ(cos2θi −cos2θj )/4 あるいは、 W(Qij)=(φ2 −φ1 )(cos2θi −cos2θj )/4 により与えられる。
【0059】次に、図8に示されるように、水平面をX
Y平面とし、天頂方位の方向にZ軸を有する直交座標系
(XYZ系)を考える。そして、Z軸と、法線方位nの
なす角度をλとし、法線方位nのXY平面上への射影ベ
クトルがX軸となす角度をψとすると、このような球面
上の図形は、図9に示されるように、λ=0およびψ=
0すなわちZ軸方位を法線方位として球面上に描いた図
形を、原点0を中心にして、まずY軸の回りにX軸方向
にλだけ回転し、次にZ軸の回りにY軸方向にψだけ回
転したものといえる。あるいは同じことであるが、図1
0に示されるように図形と共にXY平面をZ軸のまわり
にψだけ回転し、回転後のXY平面をX″′Y平面と
し、次にZX″′平面をY′軸のまわりにλだけ回転し
たものといえる。すなわち直交座標系の回転変換であ
る。
【0060】そこで、図11に示されるように、XYZ
系をこのように回転変換して得られる新しい座標系を
X′Y′Z′系とし、XYZ系に於ける座標軸単位ベク
トル系をX=(x,0,0)、Y=(0,y,0)、Z
=(0,0,z)、X′Y′Z′系に於ける座標軸単位
ベクトル系をX′=(x′,0,0)、Y′=(0,
y′,0)、Z′=(0,0,z′)として、座標軸単
位ベクトル系X′、Y′、Z′のXYZ系に於ける表現
を下記数7とすると、下記数8のとおり表わせる。
【0061】
【数7】
【0062】
【数8】
【0063】すなわち、 e11=cosψcosλ,e12=sinψcosλ,e13=−sinλ e21=−sinψ,e22=cosψ,e23=0 e31=cosψsinλ,e32=sinψsinλ,e33=cosλ X’=e11X+e12Y+e13Z Y’=e21X+e22Y+e23Z Z’=e31X+e32Y+e33Z となる。
【0064】次に、図12に示されるように原点0を起
点とする任意の単位方位ベクトルをVとし、VのXYZ
系に於ける表現を、 V=(v1 ,v2 ,v3 ,)/XYZ とする。また、単位方位ベクトルVをY軸の回りにX軸
方向にλだけ回転し、次にZ軸の回りにY軸方向にψだ
け回転して得られる新しい単位方位ベクトルをV′と
し、V′のXYZ系に於ける表現を、 V′=(v1 ′v2 ′v3 ′)/XYZ とする。この場合、単位方位ベクトルV′のX′Y′
Z′系に於ける表現は、単位方位ベクトルVのXYZ系
に於ける表現と同一であるから V′=(v123/XYZ ′ となる。
【0065】従って、座標軸単位ベクトルX、Y、Z、
X′、Y′、Z′を用いて表わすと、 V =v1 X+v2 Y+v3 Z V′=v′1 X+v′2 Y+v′3 Z =v1 X′+v2 Y′+v3 Z′ となる。ここでX′Y′Z′をXYZ系に於ける表現に
すると、 V′=v1 (e11X+e12Y+e13Z) +v2 (e21X+e22Y+e23Z) +v3 (e31X+e32Y+e33Z) =(e111 +e212 +e313 )X +(e121 +e222 +e323 )Y +(e131 +e232 +e333 )Z すなわち、 v1 ′=e111 +e212+e3132 ′=e121 +e222+e3233 ′=e131 +e232+e333 あるいは、ベクトルと行列とを用いると、数9のとおり
表わせる。
【0066】
【数9】
【0067】
【数10】
【0068】ここで上記数10のとおり表記すると、
[ε]T は、直交座標系の同型回転変換を与えるユニタ
リー変換たる写像変換作用素を表わす行列であり、
[ε]の転置行列である。従って、行列[ε]T による
ユニタリー変換写像により、図9に示される球面R上の
網目パターンは、図8に示される球面R上の網目パター
ンに変換される。
【0069】上記をまとめると、直交座標系XYZ系
と、XYZ系をZ軸のまわりにψ、Y軸のまわりにλだ
け回転して得られる新しい直交座標形X′Y′Z′系と
を考え、ベクトルVOのXYZ系による表現をVO/XYZ
とし、X′Y′Z′系による表現をVO/XYZ ′、
ベクトルVOをZ軸のまわりにψ、Y軸の回りにλだけ
回転して得られる新しいベクトルVO′のXYZ系によ
る表現をVO′/XYZとすると VO/XYZ ′ =[ε]・VO/XYZ VO′/XYZ=[ε]T ・VO/XYZ の関係がある。
【0070】次に、図12に示されるように、単位方位
ベクトルVがZ軸となす角度をδ、、VのXY面上への
射影ベクトルがX軸となす角をμとし、V′についても
同様にδ′、μ′とすると、 v1 =sinδcosμ v2 =sinδsinμ v3 =cosδ v′1 =sinδ′cosμ′ v′2 =sinδ′sinμ′ v′3 =cosδ′ なる関係がある。これより、下記数11が得られる。
【0071】
【数11】
【0072】そして、上記数11から、 sinδ′cosμ′=cosψcosλsinδcosμ −sinψsinδsinμ+cosψsinλcosδ sinδ′sinμ′=sinψcosλsinδcosμ +cosψsinδsinμ +sinψsinλcosδ cosδ′=−sinλsinδcosμ+cosλcosδ の関係が得られる。
【0073】従って、λ、ψ、δ、μが与えられれば以
上の関係からδ′およびμ′の値が計算できる。
【0074】次に、図11に示されるような球面R上の
網目パターンが天球に描かれている場合を想定してみ
る。そして、原点0すなわち太陽電池1の設置点に例え
ば焦点距離がfの魚眼レンズを有するカメラレンズの光
軸を天頂に向けて設置し、この天球に描かれた網目パタ
ーンを撮影したときに得られる映像と実質的に同一の画
像を作製する。この場合、魚眼レンズの直径視野角は、
判りやすくするため特に180°程度とすることが好ま
しく、フィルムには円形の枠中に水平面以上の網目パタ
ーンが映るものとする。
【0075】ここで、魚眼レンズの方程式はよく知られ
ているように、h=f・δ´で与えられる。この場合、
図13に示されるように、fは魚眼レンズ2の焦点距
離、δ´は魚眼レンズ2の光軸21と入射光23のなす
角度、hは光軸21から入射光23が結像する位置まで
の距離である。
【0076】従って、この魚眼レンズの方程式および前
記の関係式を用いれば所望の網目パターンの魚眼レンズ
による結像パターンをコンピュータにより容易に求める
ことが出来る。
【0077】その方法としては、まず、図9図に示され
るように法線方位nと、z軸と、天頂軸とを共通にし、
天頂軸を中心として描かれ、互いに同一の有効開口天頂
立体角を有する網目パターンの方位ベクトルVn,i (δ
n,μi )を設定し、この方位ベクトルVn,i の行列
[ε]T による変換方位ベクトルV′n,i (δ´n,i
μ′n,i )を求める。なお、ここに添字nは網目パター
ンを形成する緯度円の番号を表し、添字iは経度円の番
号(円周方向の角度の刻み番号)を表す。この場合、n
およびiには特に制限はないが、ここでは、n=20、
i=36として説明してきた。
【0078】これにより、図9に示される網目パターン
の図形は、図11に示される網目パターンの図形に変換
されたことになる。そして、魚眼レンズの公式hn,i
f・δn,i 、あるいはh′n,i =f・δ′n,iにより、
レンズの光軸からの距離hn,i あるいはh′n,i を求
め、 xn,i =hn,i cosμn,in,i =hn,i sinμn,i によりVn,i の図14に示される映像面上の座標位置x
n,i ,yn,i を求める。あるいは、 x′n,i =h′n,i cosμ´n,i y′n,i =h′n,i sinμ´n,i によりV′n,i の映像面上の座標位置x′n,i 、y′
n,i を求める。
【0079】なお、fを実焦点距離としてしまうと、こ
れは通常のカメラの場合には、フィルム上の座標位置、
ビデオあるいはスティルビデオカメラの場合には撮像素
子上の座標位置を与えるものとなってしまうので、通常
は、実際に現像もしくは写し出すプリント、もしくは画
面上の距離もしくは画素距離によってこれを設定する。
例えば、コンピュータグラフィクッスによりシミュレー
ションする場合、魚眼レンズの視野半径を250画素の
長さで構成するとすると、hn,i の最大値が250、こ
のときのδ´n,i がπ/2であるから、 250=A・π/2 とし、上式から A=500/π のように係数Aを決定する。そして係数Aをfのかわり
に用いて、 hn,i =A・δ´n,i とし、この関係式からhn,i を求め、さらにxn,i 、y
n,i を求め、整数化して画面上の座標を決める。
【0080】ここに述べてきたような天空上に描かれた
網目パターンの魚眼レンズによる撮映像への写像変換は
次のように一般化して定式化することが出来る。
【0081】まず、XY平面を水平面とし、天頂方位を
Z軸とする直交座標系XYZ系において、 Z=γcosδ X=γsinδcosμ Y=γsinδsinμ なる極座標径(γ,δ,μ)を設定する。
【0082】そして、原点0を起点とする任意の方位ベ
クトル=(γ,δ,μ)をXY平面上の点g=(u,
μ)に投映する写像において、 u=α・δ(αは正の有限の値の定数) で与えられる写像をФαと表わす。
【0083】すなわちФαは、原点0を起点とする半直
線をXY平面上の1点gに投映する写像作用素であり、
点gは、前記半直線のXY平面上への垂直射景像上にあ
り、かつXY平面における原点0から点gまでの距離u
が、 u=α・δ で与えられる。
【0084】従って、我々の目的は、図9に示される球
面上の図面パターンMを原点0を中心とする回転変換
[ε]T により図11に示される球面上の図形パターン
M′に変換し、(これをM′=[ε]T Mと表記す
る。)、さらに図形パターンM′を写像変換Фαにより
XY平面上のパターンM″に変換する(これをM″=Ф
α(M′)と表記する)操作として理解される。すなわ
ち、表記法で表現すると、 M″=Фα([ε]T M) ということになる。
【0085】ここで、図15および図16に、コンピュ
ータを使用し、前記の方法で作製した網目パターンの画
像を示す。
【0086】図15は、図4に示される天涯パターン
を、魚眼レンズの光軸の方向を天頂方向とし、かつカメ
ラを天頂に向けて撮映して得られる結像パターンに相当
する。この場合、法線方位nは天頂軸から45°傾むき
(λ=45°)、水平方位は真南に設定している(ψ=
0°)。なお、天頂方位の撮映なので東西南北の関係が
通常とは反転関係(鏡面対象)となっている。
【0087】また、図16は、図4に示される天涯パタ
ーンを、魚眼レンズの光軸の方向を天頂方向とし、かつ
カメラを地面(真下)に向けて撮映して得られる結像パ
ターンに相当する。この場合は、東西南北の関係は通常
どおりである。
【0088】次に、太陽電池が設置されている対象地点
から、魚眼レンズを使用し、魚眼レンズの光軸方向を天
頂方向に向けて風影を撮影する。この場合、風影を撮影
する際の魚眼のレンズの光軸方向と、前述の網目パター
ンの画像を作製するときの魚眼レンズの光軸の方向とが
同一であれば、光軸方向は天頂方向以外であってもよい
が、作業性等の点で特に天頂方向が好ましい。
【0089】次いで、風影の影像と、網目パターンの画
像とが互いに同一寸法になるように拡大ないし縮小し、
両者を重ね合わせる。この場合、例えば東西南北等を示
す基準点を設けておき、基準点同志が一致するようにし
て重ね合わせればよい。また、網目パターンの画像を作
製する際、 xni =hni cosμmini =hni sinμni の関係式を用いたときは、角度ψ=μ′mi −μm
i だけ中心角をずらして重ね合わせる。
【0090】ここで、太陽電池の受光面の方線方位が天
頂方位と同一の場合には、風影映像および網目パターン
の画像は1組作製すればよいが、法線方位が天頂方位か
らずれる場合には、全領域をカバーするためには2組、
すなわちカメラの向きを天頂に向けたものと、地面に向
けたものが必要である。
【0091】太陽電池の受光面に入射する散乱光のエネ
ルギーの算出ないし予想は、下記のとおり行なう。
【0092】例えば、図15および16に示される網目
パターンのコンピュータグラフィックと、風景の映像と
を重ね合わせた場合を考えると、この720個(図1
5、図16の合計値)の網目素片から得られる輻射エネ
ルギーは各々等しい。
【0093】従って周辺に障害物がない場合における撮
映点における単位水平面の受けとる散乱日射量E[MJ
/m2・day]の値が判れば、撮映点において任意の方
向、この場合はλ=45°、ψ=0°の方向に設置され
た太陽電池が受けとる散乱日射量や太陽電池の1日当り
の出力等を計算することができる。
【0094】その方法は、まず空からの輻射エネルギー
による出力を計算する場合には、図15および16の網
目素片のうち空が写っているコマ数を数え、その数をN
sとすると、1m2の当該太陽電池の受光面が1日当り空
から受け取る有効輻射エネルギーの量は、 E[MJ/m2・day]×Ns/720 により計算され、この値をもとに1日当りの空からの受
光エネルギーの光起電力を計算できる。
【0095】地面や対象物からの反射光による光起電力
も前記と同様コマ数を数え、対象物や地面が写っている
各コマの反射率(アルベート値)を用いてある程度算出
することが可能である。ただし、この場合、対象物や、
地面は完全拡散反射面であると想定し、各コマに写って
いる対象物や地面への入射光のエネルギーが判からなけ
ればならない。
【0096】なお、本発明により、天空散乱光による太
陽電池の出力計算を行うには、設置点の周辺に障害物が
ない場合に、単位水平面の受けとる散乱日射量Eの値が
必要であるが、この値は必ずしも設置点の特定場所にお
ける値である必要はなく、その地域における平均値でよ
い。例えば、設置点が東京の某所であれば東京地区にお
けるその平均的値が判っていればそれを使用することが
できる。そのような値は公表された気象データ等を使用
すればよい。
【0097】以上は話をわかりやすくするため、周囲の
散乱光輻射輝度(もしくはその昼間時間平均)の空間分
布が一様であるという前提で説明してきた。
【0098】現実の自然環境では空と地表面もしくは建
造物壁面とでは当然異なる。しかしそのような場合にお
いても本発明の受光量測定方法により、受光面の受け取
る散乱光輻射エネルギーを求めることが可能である。す
なわち対象地点から見た全天輻射の網目パターンごと
の、もしくは網目集合ごとの散乱光入射輻射量もしくは
輻射輝度の分布が判かっていれば各網目もしくは網目集
合に当該分布に応じた重み係数補正を施すことにより、
対象地点の受光面に入射する散乱光輻射エネルギーの量
を求めることができる。
【0099】例えば単位水平面の受け取る散乱日射量E
[MJ/m2・day ]のうち天球の南半分(南半天球)北
半分(北半天球)から受け取る受光量の割合がそれぞれ
100×α%、100×β%、(α+β=1)とし、空
が写っている網目素片Ns個のうち南半天球にある網目
素片の個数がNs1 個、北半球にある網目素片の個数が
Ns2 個(Ns1 +Ns2 =Ns)とすると、1m2の太
陽電池の受光面が空から受け取る1日当りの散乱光の有
効輻射エネルギーの量は、 E×(αNs1 +βNs2 )/N と算出される。Nは網目素片の総数である。あるいは、
対象地点から見た全半球散乱光輻射の各網目素片Qij
との平均輝度分布がIij(O≦Iij≦1)であるとする
と、この全半球を視野限界とする受光面が前記全半球か
ら受け取る散乱光の有効輻射エネルギーの量は、下記数
12で表わされる。
【0100】
【数12】
【0101】ここに上記数12において、Iijは全天球
散乱光輻射の平均輝度(空間および昼間時間平均)を1
とした場合における前記全半球を網羅する各網目素片Q
ijの平均輝度(昼間時間平均)の割合であり、Nは前記
前半球を網羅する網目素片の総数である。
【0102】また、逆に上記の原理を用いて空や周辺環
境の散乱光輻射エネルギーの空間分布あるいは空間分布
の時間平均を測定することも可能である。これには集積
化された半導体撮像素子、例えばCCDやアモルファス
によるもの等を用いて行なえばよい。
【0103】具体的には、例えば魚眼レンズによる結像
が画撮像素子の結像面に結像する電子カメラを用いて風
景を撮影する。この際、魚眼レンズによる円形状の全結
像に含まれる撮像素子上の各受光素子を、魚眼レンズの
光軸方向を中心とする前記網目パターンの網目素片毎に
グループ化することにより、受光素子の区画を設定して
おく。そして、各網目パターンの区画内の受光素子群か
ら得られる受光量出力を計測処理する。なお、この計測
処理には、時間平均処理、各区画に対応する方位のレン
ズによる入射光減衰率の補正、各区画に含まれる受光素
子数に関する補正等が必要である。
【0104】図17には、撮像素子上の区割網目パター
ンを示す。図17に示される同心円上の網目パターンの
中心は魚眼レンズの天頂光軸方位の結像点であり、外周
円は魚眼レンズの視野限界(光軸に垂直な平面の視野限
界)の結像境界である。この場合前記のとおり、この外
周円内にある受光素子は、前記網目パターンの区割に応
じてグループ化されている。
【0105】なお、魚眼レンズの光軸方位に対する各区
割網目の有効開口立体角は前述の方法でそれぞれ等しく
なるように形成されている。
【0106】直達日射光による日照条件および光起電力
の計算方法 以上は、散乱光についての受光量測定方法であるが、以
下に直達日射光による特定地点の日照条件の測定方法お
よび光起電力の計算方法について説明する。
【0107】直達日射光の場合には、対象地点において
空が晴れているとして、所望の日の何時何分から何時何
分まで直達日射光が当るかをまず測定する。その測定法
には、やはり魚眼レンズを用いればよい。すなわち、魚
眼レンズの光軸を天頂に向けて風景撮映し、それにコン
ピュータグラフィックにより太陽の軌道を魚眼レンズで
同様に撮映した場合の撮映軌道を重ねてみればよい。
【0108】このためには、太陽電池が設置されている
対象地点、ないし太陽電池を設置する対象地点から魚眼
レンズを使用し、風景を撮影して映像化する。また、前
記対象地点の緯度に相当する地球上の任意の地点から見
た天空上の太陽の運行軌道を求める。そして魚眼レンズ
を使用してこの魚眼レンズの光軸の方向を前記風景を撮
影する際の魚眼レンズの光軸の方向と実質的に同一の方
向に向けて前記天空上の太陽の運行軌道を撮影したとき
の映像と実質的に同一の画像を作製する。この場合、魚
眼レンズの光軸の方向には特に制限はないが、作業性等
の点で天頂方向が好ましい。なお、前記風景の映像の視
野半径と、前記太陽の運行軌道の画像の視野半径は実質
的に同一にする。
【0109】次いで、このようにして得られた風景の映
像と、太陽の運行軌道の画像とを重ね合わせる。
【0110】次に、太陽の運行軌道の画像の作製方法に
ついて、写像変換を用いた方法を挙げて説明する。
【0111】北緯φの対象地点における天球上の太陽の
運行軌道を求めるには、図18に示されるように、地球
4の中心に原点0を有する座標系XYZ系を考える。こ
の場合、北極点41と原点0とを含む直線をZ軸とし、
赤道面43をXY平面とし、太陽方位ベクトルPのXY
平面への投影して得られる直線をX軸とする。
【0112】また、太陽位置ベクトルPが赤道面41と
なす角度をδ(太陽の赤緯)とし、太陽の南中時を基準
とする時角をωとする(午前中が正、午後が負)。そし
て、南中時における天頂方位の軸をZ′軸、真南水平方
位の軸をX′軸、真東水平方位の軸をY′軸としてX′
Y′Z′系とし、また時角ωにおける同様の地上座標系
をX″Y″Z″とする。
【0113】X″Y″Z″系は、XYZ系をY軸のまわ
りに(π/2−φ)だけ回転し、次にZ軸のまわりにω
だけ回転して得られるから、太陽方位ベクトルPのXY
Z系における表現P/XYZを、下記数13とし、PのX″
Y″Z″系における表現P/X"Y"Z" を、下記数14とす
ると、
【0114】
【数13】
【0115】
【数14】
【0116】 ε11=cosωcos(π/2−φ)=cosωsinφ ε12=sinωcos(π/2−φ)=sinωsinφ ε13=−sin(π/2−φ)=−cosφ ε21=−sinω ε22=cosω ε23=0 ε31=cosωsin(π/2−φ)=cosωcosφ ε32=sinωsin(π/2−φ)=sinωcosφ ε33=cos(π/2−φ)=sinφ より、P/X"Y"Z" は下記数15で与えられる。
【0117】
【数15】
【0118】従って、南中時のt分前の時角ωを ω=ω0 t として、日出から日没までのP/X"Y"Z" (t)を求め、
次いで前述した魚眼レンズによるX″Y″平面への写像
変換を行えば、緯度φの対象地点における所望の太陽赤
緯日における天球上の太陽の運行軌道の魚眼レンズによ
る写像変換像が求まる。
【0119】図19に示される画像は、このようにして
求めた北緯35°45分(東京付近)における太陽の運
行軌道のコンピュータグラフィックである。この場合、
魚眼レンズの光軸方向を、天頂方向に設定している。
【0120】図中51は夏至、52は春秋分、53は1
0月23日及び2月20日、54は11月22日及び1
月21日、55は冬至に於ける太陽の運行軌道であり、
0は南中方位、T1 〜T7 およびT-1〜T-7は南中時
を基準にして1〜7時間後及び1〜7時間前の1時間刻
みに於ける太陽の位置を表す。なお、太陽の赤緯δをか
えることにより、51〜55以外の日の太陽の運行軌道
も簡単に求めることができる。
【0121】日照条件は、このようにして作製した太陽
の運行軌道の画像と、風景の影像とを重ねあわせて、太
陽の運行軌道の軌跡と、風景内の建物等との重なりから
判別される。
【0122】建物等の一部が太陽の運行軌道の軌跡にか
かっている場合、その間対象地点は日影になり、かかっ
ていない場合、その間対象地点は日向になる。
【0123】そして、判別は通常目視により行なわれ、
太陽の運行軌道上に表示されている時刻ないし相対時刻
から日照時間が割り出される。
【0124】また、より正確に日照条件を割り出すに
は、測定器具等を使用して計測すればよい。
【0125】あるいは、ディスプレイ上の合成図をコン
ピューターを使用して解析して割り出すことも可能であ
る。
【0126】この場合、太陽電池の受光面に入射する直
達日射光のエネルギーや光起電力を算出ないし予測する
には、太陽の方向と太陽電池の受光面の法線方位との関
係、大気透過率、晴、曇り、雨等の天候、エアマス(A
M)値等を考慮して行なう。
【0127】例えば、天候については、晴天であったと
きの直達日射光のエネルギーや光起電力を算出し、補正
項として晴天率すなわち(晴天日の日数)/(全日数)
をかければよい。また、太陽の方向と太陽電池の受光面
の法線方位との関係については、短い時間間隔例えば分
刻みでの計算を行なえばよい。
【0128】なお、以上は太陽電池システムの場合を例
に挙げて説明を進めてきたが、本発明はこれに限定され
るものではなく、この他、例えば、造園修景計画・工
事、建造物の日照条件や日射量を測定、評価、予測等す
る場合など各分野において適用することができる。
【0129】
【発明の効果】本発明の受光量測定方法および日照条件
測定方法はコンピュータグラフィックスによるシミュレ
ーションと対象地点における魚眼レンズによる風景撮影
映像を合成ないし重ね合わして行なう。
【0130】この場合、風景の撮影日はいつでもよく、
例えば、冬至日の測定を行ないたい場合、撮影日は春で
も夏でもよい。このように、本発明によれば日照条件の
測定と云う極めて季節依存的な課題から季節依存性を外
すことができる。しかも、現地での測定作業を天候に関
係なく1回だけ行なえばよいと云う簡単なものである。
【0131】また、本発明では直達日射量の測定だけで
なく散乱光がどれだけ取り込めるかの定量測定を行なう
ことができる。
【0132】本発明は特に太陽電池システムを設置する
場合に於けるエネルギー収支バランスの計算に有効であ
り、太陽電池の特定設置点の地形条件や環境条件、さら
には太陽電池の設置方位等を織り込んで、しかも任意日
に置ける1回限りの現場撮影で評価したい任意の月日の
散乱光や直達日射光による光起電力の定量評価をある程
度の確率的精度でもって予想出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】天球が示される斜視図である。
【図2】天球が示される斜視図である。
【図3】天球の帯状の輪のパターンが示される斜視図で
ある。
【図4】天球上の網目パターンが示される斜視図であ
る。
【図5】天球が示される斜視図である。
【図6】天球が示される斜視図である。
【図7】天球が示される斜視図である。
【図8】座標軸と、天球上の網目パターンとが示される
斜視図である。
【図9】座標軸と、天球上の網目パターンとが示される
斜視図である。
【図10】座標軸と、天球とが示される斜視図である。
【図11】座標軸と、天球上の網目パターンが示される
斜視図である。
【図12】座標軸と、単位方位ベクトルとが示される斜
視図である。
【図13】魚眼レンズが示される側面図である。
【図14】ディスプレイが示される正面図である。
【図15】網目パターンのコンピュータグラフィックが
示される平面図である。
【図16】網目パターンのコンピュータグラフィックが
示される平面図である。
【図17】網目パターンのコンピュータグラフィックが
示される平面図である。
【図18】座標軸と地球が示される斜視図である。
【図19】太陽の運行軌道が示される平面図である。
【符号の説明】
1 太陽電池 11 受光面 2 魚眼レンズ 21 光軸 23 入射光 3 ディスプレイ 4 地球 41 北極点 43 赤道面 51、52、53、54、55 太陽の運行軌道

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象地点から魚眼レンズを使用して風景
    を撮影して映像化し、 前記対象地点を中心とし、網目パターンを有する球面を
    考え、この球面から光が一様に放出されている場合、そ
    れぞれの網目から前記対象地点の受光面に入射する光束
    の垂直成分が実質的に同一となるように前記網目パター
    ンを構成し、光軸方向を前記風景を撮影する際の魚眼レ
    ンズの光軸方向と一致させた魚眼レンズで前記網目パタ
    ーンを撮影した場合に前記対象地点に結像される画像化
    された網目パターンを作製し、 前記風景の映像と、前記網目パターンの画像とを重ね合
    わせ、風影に対応する網目数から前記対象地点の受光面
    に入射する散乱光の量を求めることを特徴とする受光量
    測定方法。
  2. 【請求項2】 前記魚眼レンズの光軸の方向を天頂方向
    に向ける請求項1に記載の受光量測定方法。
  3. 【請求項3】 前記網目パターンの画像を透明な第1の
    基板上に形成し、 前記風景の映像を第2の基板上に形成し、前記第1の基
    板と第2の基板とを重ね合わせ、それぞれの東西南北方
    位を一致させる請求項1または2に記載の受光量測定方
    法。
  4. 【請求項4】 前記網目パターンの画像と、前記風景の
    映像とを、同一ディスプレイ上に、それぞれの東西南北
    方位を一致させて重ね合わせる請求項1または2に記載
    の受光量測定方法。
  5. 【請求項5】 対象地点から魚眼レンズを使用して風景
    を撮影して映像化し、 前記対象地点の緯度に相当する地球上のある地点から見
    た天球上の太陽の運行軌道を、 光軸方向を前記風景を撮影する際の魚眼レンズの光軸方
    向と一致させた魚眼レンズで撮影した場合に、前記対象
    地点に結像される画像化された太陽の運行軌道を作製
    し、 前記風景の映像と、前記太陽の運行軌道の画像とを重ね
    合わせて前記対象地点の日照条件を測定することを特徴
    とする日照条件測定方法。
  6. 【請求項6】 前記魚眼レンズの光軸の方向を天頂方向
    に向ける請求項5に記載の日照条件測定方法。
  7. 【請求項7】 前記太陽の運行軌道の画像を透明な第1
    の基板上に形成し、前記風景の映像を第2の基板上に形
    成し、前記第1の基板と第2の基板とを重ね合わせ、そ
    れぞれの東西南北方位を一致させる請求項5または6に
    記載の日照条件測定方法。
  8. 【請求項8】 前記太陽の運行軌道の画像と、前記風景
    の映像とを、同一ディスプレイ上に、それぞれの東西南
    北方位を一致させて重ね合わせる請求項5または6に記
    載の日照条件測定方法。
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