JPH05646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ボイラの安全対策上装備される蒸気
放出用の安全弁ドリツプパンに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

ボイラには、安全上から、蒸気の圧力が最高使
用圧力以上の所定直を越えないように安全弁が設
けられており、操業時に圧力が規定された数値を
越えて上昇したときには、安全弁を開き蒸気を大
気中へ放出するようにしている。

第３図に示すように、この種の安全弁１と共に
安全弁放出管２が設けられ、該放出管２に、蒸気
を大気へ排出するための安全弁排気管３が接続さ
れている。前記安全弁放出管２は、安全弁１と共
にボイラ蒸気管１１に接続され、ボイラが熱膨張
により変形するとそれと共に前記安全弁１及び放
出管２も移動する。図中４は弁、４′は弁押えば
ねを示す。一方、前記安全弁排気管３は、排気出
口端部にサイレンサ５を有し、静止構造体（図示
されていない）に支持部材６により固定されてい
る。従つて前記放出管２は前記排気管３に対して
相対的に移動する。このため、安全弁１を開いて
蒸気が放出管２から排気管３へ流れるときに、両
管の接続部から外部へ蒸気が漏洩するのを防止す
るために、排気管３の下端部に接するようにドリ
ツプパン７と称する漏洩防止部材を設けている。
前記ドリツプパン７は、前記排気管３の下端部に
位置すると共に、前記放出管２を囲み、該放出管
２に対して下側からパツキン８及びパツキン押え
９により密封する。また、前記ドリツプパン７は
前記排気管３に固定されたドリツプパン囲い１０
の内側上方に曲げられた上端部１０′上に支持さ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述の従来技術において、安全
弁１を開いて蒸気が放出管２から排気管３へ流出
すると、排気管３の中の蒸気は、蒸気圧による内
部からの圧力によつて、排気管３の下端部とドリ
ツプパン７の上面との間の接触部、更には囲い１
０内を通り上端部１０′とドリツプパン７の下面
との接触部から流出しようとする。このとき、前
記ドリツプパン７は、安全弁放出管２と安全弁排
気管３との軸方向（上下方向）及び軸と直角の方
向（水平方向）の変位を許す必要があるため固定
することができず、よつて前記接触部に制作加工
的に僅かな隙間ができるのは避けることができな
い。このために、内圧により高温の蒸気が遂には
排気管３の下端部とドリツプパン７の上面との間
の接触部から流出し、更に囲い１０から外部へ流
出することになる。

前記安全弁はその機能上、作動時期が不確定で
予測することができず、前記安全弁の廻りには点
検用の足場が設けられていて作業員が近付くため
に、前記した蒸気の流出は大変危険を伴う。

本考案は、安全弁放出管と安全弁排気管との接
続部から外部へ蒸気が流出するのを防止すること
を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記技術的課題を解決しようとしたも
ので、安全弁放出管の外周にパツキンを介して気
密に嵌合するドリツプパンを設け、且つ該ドリツ
プパンを内側直立端部を介して下側から支持し、
且つ上側から安全弁排気管の下端で支持するよう
に安全弁排気管の下部に圧着伸長部を残して一体
に固定したドリツプパン囲いを設け、前記ドリツ
プパンの上面に前記圧着伸長部の下端に対して所
要の隙間を有するリブを設けたことを特徴とする
安全弁ドリツプパン、に係るものである。

〔作用〕

従つて、本考案では、蒸気が排出されると、そ
の熱によつて安全弁排気管の圧着伸長部が伸長
し、その下端がリブを押圧するので、ドリツプパ
ンがドリツプパン囲いの内側直立端部にしつかり
圧着されて外部への蒸気の流出が防止される。

〔実施例〕

以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１，２図は本考案の一例を示すもので、図中
第３図と同符号を付したものは同一物を表わす。

安全弁放出管２の外周を所要の間隔を有して包
囲する内側直立端部１２を下部に有したドリツプ
パン囲い１３の上部を、安全弁排気管３の下部に
圧着伸長部Ｌを残して固定した上側板１４に、ボ
ルト２１を介して気密に固定する。

前記内側直立端部１２上に、前記安全弁放出管
２が中心を貫通する円盤状のドリツプパン１５を
載置する。

ドリツプパン１５は、その半径方向中間部上面
に環状の突部１６を形成し、該突部１６と安全弁
放出管２との間にパツキン８を挿入し、該パツキ
ン８を支持するパツキン押え１７を、前記環状突
部１６上に固定ボルト１８により固定する。固定
ボルト１８は第２図に示すように周方向に複数個
設けられる。

更に、前記パツキン押え１７の上面における固
定ボルト１８と干渉しない中間位置に、上端が前
記安全弁排気管３の下端に対してわずかな隙間
（１ミリ前後）αを有するように形成した内側リ
ブ１９を放射状に取付ける。

更に、前記ドリツプパン１５の外周部上面に、
前記パツキン押え１７及び内側リブ１９の外周端
に対して内側端が所要の隙間（１ミリ前後）βを
有し、且つ上端が前記内側リブ１９と同一高さに
なるよう形成した外側リブ２０を放射状に固定す
る。この場合、外側リブ２０は、内側リブ１９の
中間位置でも、又内側リブの延長上であつても良
い。２２はドレンロである。

上記構成において、安全弁１（第３図参照）が
作動すると、高温の蒸気は安全弁放出管２から安
全弁排気管３に流れる。同時に、ドリツプパン囲
い１３内も蒸気が充満し、ドリツプパン１５下面
と内側直立端部１２との接触面から蒸気が外部に
流出しようとする。

しかし、このとき、前記蒸気の熱により排気管
３の圧着伸長部Ｌが伸長することにより、隙間α
がなくなつて排気管３の下端が内側リブ１９を押
圧し、これによりパツキン押え１７及び環状突部
１６を介してドリツプパン１５が内側直立端部１
２にしつかり押付けられることになり、この圧着
性の強化により蒸気の流出が防止される。

従つて、前記排気管３の上側板１４取付位置か
ら下端までの圧着伸長部Ｌの長さと、隙間αとの
選定により、前記圧着力を任意に設定することが
できる。

又、放出管２と排気管３との半径方向の相対的
な移動があつても、前記内側リブ１９と同一高さ
の外側リブ２０が外側に設けられているので、同
様に圧着力を確保することができる。

更に、前記ドリツプパン囲い１３がボルト２１
により上側板１４に取付けられているので、この
ボルト２１を外すことにより内部を点検すること
ができる。パツキン８の点検及び交換等の作業
は、固定ボルト１８を外し、パツキン押え１７を
隙間βにより上方に外すことにより容易に行うこ
とができる。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、リブの形状、設置数等は種々変更し得
ること、その他本考案の要旨を逸脱しない範囲内
において種々変更を加え得ること、等は勿論であ
る。

〔考案の効果〕

上記したように、本考案の安全弁ドリツプパン
によれば、安全弁から排出される蒸気の熱により
圧着伸長部を伸長させてドリツプパンをドリツプ
パン囲いの内側直立端部上に圧着させるようにし
ているので、圧着性を強化して蒸気の流出を防止
し、作業者の安全性を向上できる優れた効果を奏
し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す切断正面図、
第２図は第１図の−矢視図、第３図は従来の
安全弁ドリツプパンの一例を示す説明図である。 ２は、安全弁放出管、３は安全弁排気管、８は
パツキン、１２は内側直立端部、１３はドリツプ
パン囲い、１５はドリツプパン、１７はパツキン
押え、１８は固定ボルト、１９は内側リブ、２０
は外側リブ、Ｌは圧着伸長部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 安全弁放出管の外周にパツキンを介して気密に
   嵌合するドリツプパンを設け、該ドリツプパンを
   内側直立端部を介して下側から支持し、且つ上側
   から安全弁排気管の下端で支持するように安全弁
   排気管の下部に圧着伸長部を残して一体に固定し
   たドリツプパン囲いを設け、前記ドリツプパンの
   上面に前記圧着伸長部の下端に対して所要の〓間
   を有するリブを設けたことを特徴とする安全弁ド
   リツプパン。