JPH0561081A - 有機非線型光学材料 - Google Patents

有機非線型光学材料

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JPH0561081A
JPH0561081A JP24851191A JP24851191A JPH0561081A JP H0561081 A JPH0561081 A JP H0561081A JP 24851191 A JP24851191 A JP 24851191A JP 24851191 A JP24851191 A JP 24851191A JP H0561081 A JPH0561081 A JP H0561081A
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JP
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optical
optical material
nonlinear optical
polymer
concentration
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JP24851191A
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English (en)
Inventor
Hideji Ikeda
秀嗣 池田
Toshio Sakai
俊男 酒井
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3次の非線型光学定数が大きく、非線型性有
機化合物が高分子に高濃度に均一に分散された有機非線
型光学材料を提供する。 【構成】 一般式 で表される化合物からなる有機非線型光学材料。(式
中、R1、R2は炭素数4〜10の枝分れアルキル基であ
り、R3は炭素数1〜3のアルキル基であり、Xは−O
−、−S−、−Se−、−C(CH32−又は−CH=
CH−であり、Yは −CH2−C(CH32−又は単結合であり、nは1〜
4の整数であり、mは0又は1であり、Z-はCl-、B
-、I-CH3SO4 - 及びClO4 -から選ばれる陰イオンであ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機非線型光学材料に
関し、より詳しくは、光素子、光情報処理、光通信、光
計測、光集積回路など光エレクトロニクス分野等に好適
に利用することができる有機非線型光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、非線型光学材料は、光の電場の
二乗あるいはそれ以上の累乗に比例する非線型応答を示
す材料である。2次の非線型効果としては、第二高調波
発生、光整流、光混合、光パラメトリック増幅、ポッケ
ルス効果、3次の非線型効果としては、第三高調波発
生、光カー効果、光強度に依存する屈折率の変化など様
々な効果が知られている。特に3次の非線型光学効果を
もつ材料を用いれば光双安定素子の開発が可能となるた
め、光コンピューターや光エレクトロニクスなどの実用
化において非常に重要な材料として注目されている。こ
のような高性能の光素子や光集積回路の開発には、大き
な3次の光学的非線型性を有し、かつその応答が高速で
ある物質が不可欠である。
【0003】従来、このような非線型光学材料として
は、主としてKDPやLiNbO3等の無機強誘電体や
GaAs、CuCl等の半導体が用いられてきた。しか
し、このような無機系の非線型光学材料は、非線型光学
特性において応答が遅いという重大な問題があるため、
光情報処理や光集積回路などへの応用が困難である。
【0004】一方、近年に至って、有機系の非線型光学
材料が多数開発されてきている。これは、有機非線型光
学材料はπ電子に起因した非常に大きな非線型性を有し
ておりサブピコ秒という超高速応答が期待されるからで
ある。これまでの研究では、ポリジアセチレンの一種P
TS[2,4−ヘキサジイン−1,6−ビス−(p−ト
ルエンスルホネート)]と呼ばれる物質が10-8esu
という大きな3次の非線型性を有していることが知られ
ている。しかしながら、この物質を用いた光双安定性は
観測されておらず、更に大きな3次の非線型性を有する
物質の探求が精力的に進められている。一方、非線型光
学素子への応用を考えた場合には、材料の非線型光学特
性のみならず、素子化を行う際の材料の成形加工性の良
さや機械的強度等の厳しい条件が必要となってくる。特
に、無機物の場合はいずれも結晶として使用するため、
欠陥の少ない光学的に良質な結晶の作製やその加工の点
で非常に困難な問題が多く実用化には至っていない。
【0005】このような実際の素子化を考えた場合に
は、有機非線型光学材料の研究が始った頃から、無機物
と比較して有機非線型光学材料の成形加工性の良さが広
く認識され、大きな非線型性を有する共役有機化合物を
高分子に分散した材料が特に注目されて、主として2次
の非線型光学材料としての研究がなされてきた。また、
非線型性を有する共役有機化合物を高分子の主鎖あるい
は側鎖に直接結合させる試みもなされているが導入率が
低く十分な大きさの非線型性を得るには至っていない。
ところで、このような共役有機化合物を高分子に分散し
た材料では、一般に中心対称性があるために、2次の非
線型光学性は発現せず、3次の非線型光学材料として使
用する場合には望ましい。しかしながら、これまで3次
の非線型性の大きな共役有機化合物が見出されておら
ず、3次の非線型光学材料としての研究はあまりなされ
ていない。最近、特開平1−217328号公報、特開
平1−217329号公報には、イオン性色素をイオン
性高分子に分散した材料、特開平1−238629号公
報にはキサンテン色素やトリフェニルメタン系色素を高
分子に分散した材料が開示されているが、まだ非線型性
は不十分である。
【0006】ところで、非線型性を有する共役有機化合
物を高分子に分散させた材料を非線型光学材料として実
用化するには、大きな光学的非線型性を有する共役有機
化合物を高濃度かつ均一に高分子中に分散させることが
必要となる。しかしながら、一般的に、共役有機化合物
の濃度を増加させると、共役有機化合物の会合及び相分
離が起こってしまい、濃度を十分上げることは容易では
ない。共役有機化合物の会合が起こると吸収スペクトル
の幅が広がりかつ吸光度が濃度に比例して増大せず飽和
の現象を示す。このため、高濃度域では一般に3次の光
学的非線型性は高分子に分散させた分子数に相当する非
線型性を示さない。更に相分離が起こることにより、高
分子膜としての強度が弱くなり加工性が劣化し、かつ光
散乱源となり、光学特性の劣化という問題を引起こす。
また、特開平3−11324号公報には3次の光学的非
線型性の大きな共役有機化合物が記載されているが、こ
れらは高分子に高濃度に均一分散させることができず、
高分子膜の非線型性は不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
基づいてなされたもので、その目的とするところは、3
次の非線型光学定数が大きく、かつ製造が容易な有機非
線型光学材料を提供することを目的とする。本発明はま
た、非線型性有機化合物が高分子中に高濃度に均一に分
散された非線型光学定数の大きい有機非線型光学材料を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、炭素−炭素二
重結合と窒素含有複素環と枝分れのアルキル基置換のア
ミノ基を有する特定な化合物を用いた有機非線型性光学
材料が前記目的を満足することを見出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は一般式
【化7】 で表される化合物からなることを特徴とする有機非線型
光学材料を提供するものである。(式中、R1、R2は炭
素数4〜10の枝分れアルキル基であり、R3は炭素数
1〜3のアルキル基であり、Xは−O−、−S−、−S
e−、−C(CH32−又は−CH=CH−であり、Y
【化8】 −CH2−C(CH32−又は単結合であり、nは1〜
4の整数であり、mは0又は1であり、Z-はCl-、B
-、I-
【化9】 CH3SO4 - 及びClO4 -から選ばれる陰イオンであ
る。)
【0010】本発明の有機非線型光学材料は3次の光学
的非線型性が大きく、高分子中に均一に高濃度に分散さ
せることができる。
【0011】本発明はまた、前記一般式で表わされる化
合物を高分子中に分散させてなることを特徴とする有機
非線型光学材料を提供するものである。この有機非線型
光学材料は非線型性が大きく、かつ成形加工性に優れて
いる。
【0012】前記の一般式で表される化合物の具体例と
しては、次のような化合物を挙げることができる。
【0013】
【化10】 上記化合物は大きな3次の非線型光学定数を有してい
る。また、上記化合物は高分子中に分散させても、枝分
れアルキル基R1、R2の導入によって、分子の会合が起
こらないためχ(3)は濃度に比例して大きくなり、非線
型光学定数の大きい高分子膜を得ることができる。一般
式中のR1、R2としてはイソブチル基、2−エチルヘキ
シル基等が好ましい。R3としてはメチル基等が好まし
い。
【0014】上記化合物を分散させる高分子としては、
上記化合物と相溶性がよく、かつ光透過性がよいもので
あれば特に限定されないが、好ましくはポリメチルメタ
クリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリ
カーボネート(PC)等が用いられる。上記化合物は高
分子中に通常10-4〜1.1mol/l、好ましくは1
-2〜10-1mol/lの濃度に分散させることが好ま
しい。
【0015】ここで3次の非線型光学定数γの意義につ
いて若干の説明を加えると、一般に光が物質に入射する
と、光の電界Eによって分極が生じ、その関係は次式 P=χ(1)E+χ(2)2 +χ(3)3 +・・・ で表される。ここでχ(1) は感受率、χ(2) は2次の非
線型光学定数、χ(3) は3次の非線型光学定数である。
【0016】上記関係式は巨視的な分極と電界の関係式
であるが、分子1個に対しても同様な式が成り立つと考
えられる。つまり、有機分子の微視的分極μは次式で表
される。 μ=μ0 +αE+βE2 +γE3 +・・・ (式中、μ0 は永久双極子モーメント、Eは光による電
界、αは分極率、βは2次の非線型光学定数、γは3次
の非線型光学定数を示す。)
【0017】本発明においてγは縮退四光波混合(DF
WM)により測定した。ここでDFWMについて簡単に
説明すると、一般に、DFWMは第1図に示したような
配置で行われる。ここでポンプ光Ef 、Eb の強度は等
しく、プローブ光Ep の強度より2〜3桁強くなってい
る。また、Ef 、Eb の進行方向は正反対であり、E
f 、Eb 、Ep が試料A中で重なるように配置してあ
る。Ef 、E b 、Ep の波長は同じである。ここで、A
が大きなχ(3)をもっていれば入射光によりA中に誘起
される3次の非線型分極P(3) によって、Ep と正反対
の方向へ進行する位相共役波Epcが発生する(第1図の
破線)。この現象はDFWMと呼ばれている。
【0018】位相共役波の反射率Rpcを Rpc=|Epc2 /|Ep2で定義するとポンプ光強
度が弱く、Rpcが小さな領域では、 Rpc〜|χ(3)2 (Efb2 exp(−αL) ×〔1−exp(−αL)〕2 /α2 で与えられることが知られている。 ただし、αはAの吸収係数 LはAの光路長 〔Caro, R.G.; Gower, M.C., IEEE J. Quantum Electr
on. QE-18 , 1376('82)〕 従って、Rpcとポンプ光強度を測定すれば、両者の関係
より試料Aのχ(3)が求まる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】(合成例) (a) ヨウ化2−(4−ジイソブチルアミノ−1,3−ブ
タジエニル)−3−メチルベンゾチアゾリウム[2iB
uNC3BTZ]の合成
【化11】 ヨウ化2−(4−アセトアニリド−1,3−ブタジエニ
ル)−3−メチルベンゾチアゾリウム1.0g(2.2
mmol)、ジイソブチルアミン0.34g(2.6m
mol)をメタノール30mlに溶かし2時間還流し
た。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフ法(シリ
カゲル/アセトン)によって精製した。流出物の溶媒を
留去した後、ジクロロメタンに溶かし、0.45μmの
ミリポアフィルターにて不溶物をろ別して、橙色アモル
ファス固体0.07g(7%)を得た。1 H-NMR (CDCl3,TMS):δ 1.03(12H,t,(CH3 )2CH-),1.9〜
2.3(2H,m,(CH3)2CH-),3.1〜3.5(4H,m,-CH2 N-),3.72(3
H,s,CH3 -N+),6.5〜8.2(8H,m,Ar-H及び-CH=).
【0021】(b)ヨウ化2−(6−ジイソブチルアミノ
−1,3,5−ヘキサトリエニル)−3−メチルベンゾ
チアゾリウム[2iBuNC5BTZ]の合成
【化12】 ヨウ化2−(6−アセトアニリド−1,3,5−ヘキサ
トリエニル)−3−メチルベンゾチアゾリウム1.0g
(2.0mmol)、ジイソブチルアミン0.32g
(2.4mmol)を メタノール3mlに溶かし、1時
間還流した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフ
法(シリカゲル/アセトン)によって精製した。流出物
の溶媒を留去した後、ジクロロメタンに溶かし、0.4
5μmのミリポアフィルターにて不溶物をろ別して、深
青色アモルファス固体0.3g(31%)を得た。1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ1.06(12H,d,(CH3 )2CH-),1.6〜2.3
(2H,m,(CH3)2CH-),3.1〜3.5(4H,m,-CH 2N-),3.76(3H,s,C
H3 -N+),5.7〜7.8(10H,m,Ar-H 及び-CH=).
【0022】(c)ヨウ化2−(4−ジイソブチルアミノ
−1,3−ブタジエニル)−3−メチルベンゾオキサゾ
リウム[2iBuNC3BOZ]の合成
【化13】 ヨウ化2−(4−アセトアニリド−1,3−ブタジエニ
ル)−3−メチルベンゾオキサゾリウム1.0g(2.
2mmol)、ジイソブチルアミン0.34g(2.6
mmol)をメタノール30mlに溶かし3時間還流し
た。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフ法(シリ
カゲル/アセトン)によって精製した。流出物の溶媒を
留去した後、ジクロロメタンに溶かし、0.45μmの
ミリポアフィルターにて不溶物をろ別して、橙色アモル
ファス固体0.54g(56%)を得た。1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ1.00(12H,dd,(CH3 )2CH-),1.9〜2.
0(2H,m,(CH3)2CH-),3.29(4H,dd,-CH 2N-),3.83(3H,s,CH3
-N+),5.9〜6.4(4H,m,-CH=),7.31(4H,s,Ar-H)
【0023】(d)ヨウ化2−(6−ジイソブチルアミ
ノ−1,3,5−ヘキサトリエニル)−3−メチルベン
ゾオキサゾリウム[2iBuNC5BOZ]の合成
【化14】
【0024】ヨウ化2−(6−アセトアニリド−1,
3,5−ヘキサトリエニル)−3−メチルベンゾオキサ
ゾリウム1.0g(2.0mmol)、ジイソブチルア
ミン0.32g(2.4mmmol)をメタノール20
mlに溶かし、1時間還流した。溶媒を留去した後、カ
ラムクロマトグラフ法(シリカゲル/アセトン)によっ
て精製した。流出物の溶媒を留去した後、ジクロロメタ
ンに溶かし、0.45μmのミリポアフィルターにて不
溶物をろ別して、深青色アモルファス固体0.45g
(48%)を得た。1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ1.00(12H,d,(CH3 )2CH-),1.8〜2.2
(2H,m,(CH3)2CH-),3.0〜3.6(4H,m,-CH2 N-),3.78(3H,s,
CH3 -N+),6.8〜8.0(10H,m,Ar-H及び-CH=)
【0025】(e)ヨウ化2−[6−ビス(2−エチルヘキ
シル)アミノ−1,3,5−ヘキサトリエニル]−3−
メチルベンゾチアゾリウム[2EhNC5BTZ]の合
【化15】
【0026】ヨウ化2−(6−アセトアニリド−1,
3,5−ヘキサトリエニル)−3−メチルベンゾチアゾ
リウム1.0g(2.0mmol)、ビス(2−エチル
ヘキシル)アミン0.6g(2.4mmol)をメタノ
ール20mlに溶かし1時間還流した。溶媒を留去した
後、カラムクロマトグラフ法(シリカゲル/アセトン)
によって精製した。流出物の溶媒を留去した後、ジクロ
ロメタンに溶かし、0.45μmのミリポアフィルター
にて不溶物をろ別して、深青色ペースト0.43g(3
6%)を得た。1 H-NMR(CDCl3,TMS):δ0.90(12H,bt,CH3 CH2-),1.25(18H,
m,-CH2 -及び-CH-),3.30(4H,m,-CH2 N-),3.78(3H,s,CH3 -
N+),5.7〜8.0(10H,m,Ar-H及び-CH=).
【0027】なお、(a),(b),(c),(d)で合成した化合物
は単独で、均一なアモルファス膜を作製することができ
る。
【0028】可視吸収スペクトルの測定(その1)
【0029】[1]ジメチルスルホキシド溶液中 合成例で合成した化合物について、表1〜4に示す濃度
のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を調整し、5
0μm厚の石英製組み立てセルを用いて可視吸収スペク
トルを測定した。なお、可視吸収スペクトルの測定は次
の文献に従って行った。C.N.R.Rao著、中川正
澄訳、「紫外・可視スペクトル」東京化学同人(197
9).測定から得られた吸収スペクトルの半値全幅(F
WHM)を表1〜4に示す。これらのFWHMのデータ
をまとめたものが図2である。
【0030】
【表1】 2iBuNC5BTZのDMSO中での可視吸収スペクトルデータ 試料/mg 溶媒/ml 濃度/mol・l-1 FWHM/eV ─────────────────────────────────── (1)3.7 5 1.5×10-3 0.15 (2)(1)の溶液を1/2に薄めた 7.7×10-4 0.15 (3)(2)の溶液を1/2に薄めた 3.8×10-4 0.15 (4)(3)の溶液を1/2に薄めた 1.9×10-4 0.15 (5)(4)の溶液を1/2に薄めた 9.6×10-5 0.15 (6)(5)の溶液を1/2に薄めた 4.8×10-6 0.15 ───────────────────────────────────
【0031】
【表2】 2iBuNC3BTZのDMSO中での可視吸収スペクトルデータ 試料/mg 溶媒/ml 濃度/mol・l-1 FWHM/eV ─────────────────────────────────── (1)2.1 3 1.5×10-3 0.20 (2)(1)の溶液を1/3に薄めた 5.0×10-4 0.20 (3)(2)の溶液を1/3に薄めた 1.7×10-4 0.19 (4)(3)の溶液を1/3に薄めた 5.6×10-5 0.19 ───────────────────────────────────
【0032】
【表3】 2iBuNC5BOZのDMSO中での可視吸収スペクトルデータ 試料/mg 溶媒/ml 濃度/mol・l-1 FWHM/eV ─────────────────────────────────── (1)2.2 2 2.3×10-3 0.17 (2)(1)の溶液を1/4に薄めた 5.8×10-4 0.16 (3)(2)の溶液を1/4に薄めた 1.4×10-4 0.16 ───────────────────────────────────
【0033】
【表4】 2iBuNC3BOZのDMSO中での可視吸収スペクトルデータ 試料/mg 溶媒/ml 濃度/mol・l-1 FWHM/eV ─────────────────────────────────── (1)2.0 2 2.3×10-3 0.25 (2)(1)の溶液を1/3に薄めた 7.7×10-4 0.25 (3)(2)の溶液を1/3に薄めた 2.6×10-4 0.26 (4)(3)の溶液を1/3に薄めた 8.6×10-5 0.23 ───────────────────────────────────
【0034】[2]高分子キャスト膜 合成例で合成した化合物とポリメチルメタクリレート
(PMMA)をクロロホルム中、表5〜7に示す濃度に
溶かし、キャスト膜を作製した。膜の作製は、調整した
溶液を3cm×4cmのスライドグラス上に乗せ、シャ
ーレに入れて蓋をし、1晩放置することによって行っ
た。このようにして作製したキャスト膜について[1]
と同様の方法により可視吸収スペクトルを測定した。F
WHMのデータを表5〜7に示す。またこれらのFWH
Mのデータをまとめたものが図2である。
【0035】
【表5】 2iBuNC5BTZのPMMAキャスト膜作製条件及び可視吸収スペクトルデ ータ 色素/mg PMMA/mg 溶媒/ml 膜中の色素濃度/mol・l-1 FWHM/eV ─────────────────────────────────── (1) 1.35 1.65 1 0.93 0.50 (2) 0.73 1.47 1 0.68 0.35 (3) 0.45 1.52 1 0.48 0.30 (4) 0.92 8.09 1 0.21 0.20 (5) 0.72 70.04 2 0.021 0.16 ───────────────────────────────────
【0036】
【表6】 2iBuNC5BOZのPMMAキャスト膜作製条件及び可視吸収スペクトルデ ータ 色素/mg PMMA/mg 溶媒/ml 膜中の色素濃度/mol・l-1 FWHM/eV ─────────────────────────────────── (1) 1.02 1.37 1 0.92 0.44 (2) 1.31 9.66 2 0.26 0.26 (3) 0.62 70.00 2 0.019 0.17 ───────────────────────────────────
【0037】
【表7】 2iBuNC3BOZのPMMAキャスト膜作製条件及び可視吸収スペクトルデ ータ 色素/mg PMMA/mg 溶媒/ml 膜中の色素濃度/mol・l-1 FWHM/eV ─────────────────────────────────── (1) 1.06 1.09 1 1.1 0.47 (2) 0.98 9.58 1 0.21 0.33 (3) 0.61 59.15 2 0.023 0.26 (4) 0.47 482.92 5 0.0022 0.27 ───────────────────────────────────
【0038】末端に枝分かれアルキル鎖を有する本発明
の化合物(色素)は0.1mol/lの高濃度まで吸収
スペクトルが変化しないことが図2からわかる。
【0039】また、2iBuNC 5BTZ/PMMAキ
ャスト膜の各種濃度における吸収スペクトルを図3に示
す。0.1mol/l以下の濃度では、図中0.021
mol/lで示したものと同じスペクトルを示したが、
0.1mol/lを越える濃度では図3に示すように吸
収スペクトルが変化した。
【0040】以下実施例及び比較例で用いた化合物(色
素)及びその略号を以下に示す。
【化16】
【0041】可視吸収スペクトルの測定(その2) 末端にモルホリノ基を有する色素について同様に、DM
SOに溶かし、100μmセル及び1mmセルにおいて
可視吸光スペクトルを測定した。MorNC3BOZを
4.5×10-5mol/l〜1.15×10-2mol/
l濃度でDMSOに溶かし、吸収スペクトルを測定し
た。450nmにピークをもつ吸収帯の半値全幅(FW
HM)と極大吸光度(εmax)[450nm]を測定
し、表8に示す結果を得た。これをグラフ化したものを
図4に示す。
【0042】
【表8】 ─────────────────────────────────── 濃度 mol/l 極大吸光度 mol-1・l・cm-1 半値全幅 meV ─────────────────────────────────── 1.15×10-2 8.23×103 617 5.76×10-3 1.61×104 517 2.88×10-3 3.25×104 434 1.44×10-3 5.76×104 350 7.20×10-4 8.67×104 297 3.60×10-4 9.97×104 272 1.80×10-4 8.95×104 352 9.00×10-5 1.04×10 5 254 4.50×10-5 9.97×104 259 ───────────────────────────────────
【0043】図4において、DMSO中のMorC3
OZの吸収スペクトルの半値全幅、極大吸光度は10-3
mol/l付近から既に会合に起因すると考えられる吸
光スペクトルの変化が認められる。
【0044】このように、本発明の色素は従来の色素に
比べ、2桁高濃度まで色素の会合が起こらないという特
徴を示している。
【0045】低濃度(5×10-4mol/l)における
γについて 本発明の色素及び従来の色素の低濃度における1分子当
りの超分極率(γ)を表9に示す。色素をDMSOに溶
かした試料のγを測定波長532nmで測定した。
【0046】
【表9】 ─────────────────────────────────── 化合物 γ/esu ─────────────────────────────────── 本発明の色素 2iBuNC3BTZ 1.2×10-30 2iBuNC5BTZ 4.0×10-28 2iBuNC3BOZ 1.0×10-31 2iBuNC5BOZ 1.9×10-28 2EhNC5BTZ 4.7×10-28 ─────────────────────────────────── 従来の色素 MorNC3BTZ 1.2×10-30 MorNC5BTZ 4.1×10-28 MorNC3BOZ 1.0×10-31 MorNC5BOZ 1.9×10-28 ───────────────────────────────────
【0047】γの測定法は前述した縮退四光波混合によ
り求めた。試料はDMSOに溶かし、その濃度は5×1
-4mol/lとした。
【0048】実施例及び比較例に用いられる各化合物及
び高分子膜のχ(3)は次のようにして前記文献に記載さ
れた方法に準拠して測定した。以下測定法について具体
的に説明する。図5に光学機器の配置を示す。
【0049】試料としては、合成例で得られた化合物を
ジメチルスルホキシド(DMSO)に5×10-4mol
/lの濃度で溶かし石英セルに入れたもの、または合成
例で得られた化合物をPMMAにドープしてキャスト膜
にしたものを用い(10)の位置に固定した。
【0050】光源としてQスイッチYAGレーザ(1)
の第二高調波を用いた(λ〜532nm)。ポンプ光強
度は、第2高調波発生器(2)とハーフミラー(3)の
間にND(Neutral Density)フィルターを挿入すること
により100KW/cm2〜100MW/cm2まで変化させ
ることができる。
【0051】光源(1)から照射されたポンプ光をハー
フミラー(3)で強度の同じ2つのビームに分け、その
一方は遅延ライン(9)、ミラー(4)、偏光子(7)
をへて試料(10)へ入射させる。他方は、ミラー
(4)、ビームスプリッター(5)、遅延ライン
(9)、偏光子(6)をへて試料(10)へ入射させ
る。それぞれ第1図のポンプ光E b 、Ef に相当する。
遅延ライン(9)を動かし、Ef、E bが試料(10)に
同時に入射するようにした。プローブ光の強度|Ep2
はフォトダイオード(13)にて、発生した位相共役波
の強度|Epc2は、ハーフミラー(11)、偏光子
(12)をへて光電子増倍管(14)にて測定した。
【0052】なお、本測定では熱誘起回折格子の影響を
除くため、偏光子を用いて、各ビーム間の偏光方向を以
下のように設定した。
【0053】Ef // Eb ⊥ Ep (Epc // Ep ) //:平行、⊥:垂直
【0054】基準物質としては、下記文献2)によりχ
(3) の値が知られているCS2 を用いた。 CS2 χ(3) 〜1.6×10-12esu(γ値に換算する
と3.1×10-35esu) 文献2) Yariv, A., IEEE J. Quantum Electron.QE-14 , 650,('78) 比較としてCS2のγは3.1×10-35esuであった。
【0055】3次の光学的非線型性 について
- 2 実施例1 PMMA中に2iBuNC5BOZを色素濃度が1.9
×10-2mol/lとなるように溶解させた膜厚(DE
KTAK触針膜厚計にて測定)10μmのキャスト膜の
χ(3)を532nmにおいて測定したところχ(3)=7.
0×10-9esuであった。
【0056】2iBuNC5BOZのγ=1.9×10
-28esu(実測値、表9参照)を用いてキャスト膜の
χ(3)を計算すると、 χ(3) =Nfγ =(6.02×1020×1.9×10-2)×3.9×1.9×10-28 =8.5×10-9esu となる。したがって、このキャスト膜はキャスト膜中の
色素含有率に比例したχ ( 3)値を有することがわかっ
た。
【0057】図2に示すように、このキャスト膜では1
-1mol/lまで吸収スペクトルの変化は無視でき
る。したがって、10-1mol/lのキャスト膜ではχ
(3)=3.0×10-8esuを示すことが期待できる。
この値は現在知られているχ(3)の最大値であり、PT
Sの10-8esuに匹敵する大きさである。
【0058】比較例1 PMMA中にMorNC5BOZを色素濃度が1.9×
10-2mol/lとなるように溶解させた膜厚(DEK
TAK触針膜厚計にて測定)10μmのキャスト膜のχ
(3)を532nmにおいて測定したところχ(3)=1.0
×10-10esuであった。このようにキャスト膜中の
色素含有率から推定されるχ(3)値(8.5×10- 9
su、実施例1)に比べ大幅に小さなχ(3)値しか得ら
れなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明により3次の非線型光学定数の大
きい有機非線型光学材料が得られた。また、本発明によ
り非線型性を有する有機化合物が高分子中に分散された
3次の非線型光学定数が大きく、成形加工性に優れた非
線型光学材料が得られた。本発明の非線型光学材料は、
光素子、光情報処理、光通信、光計測、光集積回路等へ
の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】縮退四光波混合を説明するための説明図であ
る。
【図2】本発明の化合物を含む溶液、高分子膜の濃度と
吸収スペクトル半値全幅の関係を示すグラフである。
【図3】2iBuNC 5BTZ/PMMA キャスト膜
の各種濃度における吸収スペクトルを示すチャートであ
る。
【図4】従来の化合物を含む溶液の濃度と吸収スペクト
ル半値全幅、極大吸光度の関係を示すグラフである。
【図5】χ(3) を測定するための装置の光学機器の配置
を示す説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で表される化合物からなることを特徴とする有機非線型
    光学材料。(式中、R1、R2は炭素数4〜10の枝分れ
    アルキル基であり、R3は炭素数1〜3のアルキル基で
    あり、Xは−O−、−S−、−Se−、−C(CH32
    −又は−CH=CH−であり、Yは 【化2】 −CH2−C(CH32−又は単結合であり、nは1〜
    4の整数であり、mは0又は1であり、Z-はCl-、B
    -、I-、 【化3】 CH3SO4 - 及びClO4 -から選ばれる陰イオンであ
    る。)
  2. 【請求項2】 一般式 【化4】 で表される化合物を高分子中に分散してなることを特徴
    とする有機非線型光学材料。(式中、R1、R2は炭素数
    4〜10の枝分れアルキル基であり、R3は炭素数1〜
    3のアルキル基であり、Xは−O−、−S−、−Se
    −、−C(CH32−又は−CH=CH−であり、Yは 【化5】 −CH2−C(CH32−又は単結合であり、nは1〜
    4の整数であり、mは0又は1であり、Z-はCl-、B
    -、I-、 【化6】 CH3SO4 - 及びClO4 -から選ばれる陰イオンであ
    る。)
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