JPH0560955A - 光フアイバーケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】光ファイバーが外部衝撃よりは振動を受けた場
合に、光ファイバーの光伝送特性が低下するのを防止す
ることができるとともに、光ファイバーの変形を抑制し
て耐衝撃性や耐振動性等の耐久性及び信頼性を向上す
る。 【構成】保護管８の内部に光ファイバー１を所定の空間
をもって挿通し、該光ファイバー１の外周面に弾性を有
する植毛６を施す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は光ファイバーを保護管
の内部に所定の空隙をもって挿通した光ファイバーケー
ブルに関するものであって、特に、信号の伝送特性、耐
衝撃性、耐振動性に優れた光ファイバーケーブルに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ファイバーを物理的外力、熱等
から保護する目的で、いくつかの構成が提案されてい
る。例えば、図６〜図８に示すように、物理的外力から
の保護を行う構成としては、光ファイバー２１を金属製
の保護管２４の中に挿入したものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、光ファイバ
ー２１を保護管２４に挿通しただけで、他の保護構成を
採用していない従来構成の場合には、光ファイバー２１
を挿通する場合の作業性を考慮して、保護管２４の内径
を光フアイバー２１の外径よりもかなり大きくしてあ
る。従って、保護管２４の中を数キロメートルにも渡っ
て光ファイバー２１が保護管２４の内壁と擦れ合うおそ
れが多分にあり、少なからず光ファイバー２１に悪影響
を与えることは避けらない。そして、このような構造の
光ファイバーケーブルを敷設した場合、使用環境によっ
ては、衝撃又は振動により図８に示すように保護管２４
内に挿入されている光ファイバー２１が円形から楕円形
に変形し、この結果、光ファイバー２１中心のコア２２
の信号伝送特性に悪影響を与えて、実際に信号伝送に使
われているレーザー光等の減衰を増加させるばかりでな
く、最悪の状態の場合には光ファイバー２１が保護管２
４の内面に叩き付けられ、光ファイバー２１のクラッド
２３又はコア２２に対しマイクロクラックが入り、その
繰り返しによりファイバー自身が切損し、光ファイバー
としての機能に致命的影響を与えるおそれがあった。

【０００４】又、図６〜図８から明かなように、光ファ
イバー２１は金属製の保護管２４の内面に直接接触して
いるため、火災等により保護管２４が加熱された場合、
その熱が光ファイバー２１に直接伝達され、光ファイバ
ー２１が高温になってその特性や機能に悪影響を及ぼす
ものであった。

【０００５】この発明の目的は、上記従来の問題点を解
消して、外力や熱から光ファイバーを保護し確実な情報
伝送と長期に渡る光ファイバーの保護とを行なうことが
できる光ファイバーケーブルを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、光ファイバーを保護管の内部に所定の空隙
をもって挿通した光ファイバーケーブルにおいて、該光
ファイバーの外周面を短繊維を集合した柔軟弾性材で被
覆するという手段をとっている。

【０００７】

【作用】従って、この発明においては、保護管の外面に
振動あるいは衝撃等の外力が作用した場合、光ファイバ
ーの外周面の柔軟弾性材の緩衝作用により光ファイバー
に伝達される振動や衝撃が抑制され、光ファイバーが変
形したり、同ファイバーにマイクロクラックが入ったり
するのが防止される。又、光ファイバーは保護管に直接
接触することなく、弾性材を介して保護管の内壁から離
れているので、保護管の熱が光ファイバーに直接伝えら
れることはない。

【０００８】

【第１実施例】以下、この発明を具体化した第１実施例
を図１〜図３に基づいて説明する。図１及び図２に示す
ように、光ファイバー１は中心部にコア２と、該コア２
の外周面を被覆したクラッド３と、プライマリーコート
よりなる一次被覆４と、その一次被覆４を覆う二次被覆
５とにより形成されている。又、前記二次被覆５の外周
面には、ナイロンあるいはレーヨンの合成繊維よりな
り、短繊維を集合した柔軟弾性材としての植毛６が静電
植毛法により放射状に植設され、接着層７により保持さ
れている。

【０００９】以上のように構成された光ファイバー１は
例えばステンレススチール等の金属製保護管８内に挿通
されている。なお、植毛６の先端間の径は保護管８の内
径よりも若干小さい。

【００１０】以上のように、この実施例の光ファイバー
ケーブルにおいては、光ファイバー１の外周が植毛６に
より覆われているため、光ファイバー１と保護管８の内
周面とが擦れ合うことはなく、その擦れ合いによって同
光ファイバー１の伝送特性に悪影響が生じるのを防止で
きる。

【００１１】従って、図３において、保護管８に衝撃又
は振動が作用しても、その振動又は衝撃は、植毛６の変
形により吸収される。このため、光ファイバー１自身に
はその外部衝撃や振動が作用せず、コア２やクラッド３
等の変形あるいは同コア１やクラッド３にマイクロクラ
ックが入るのが抑制される。

【００１２】さらに、光ファイバー１の外周に植毛６が
存在するために、光ファイバー１が保護管８に直接接触
することはなく、このため、火災等により保護管８が加
熱されても、その熱が光ファイバー１に直接伝達される
ことはない。従って、光ファイバー１が熱によって悪影
響を受けることを最小限にできる。

【００１３】なお、光ファイバー１はその中心側のコア
２から順に且つ連続して一連の工程で製造されるもので
あるが、植毛６の形成は、光ファイバー１の製造と連続
して行うことができる。すなわち、光ファイバー１の製
造に引き続いて静電植毛等の植毛を行なうだけであるか
ら、きわめて容易で、低コストある。

【００１４】

【第２実施例】次に、この発明の第２実施例を図４及び
図５に基づいて説明する。この実施例は２本の保護管
９，８により内外２重構造とするとともに、その内外の
保護管９，８間に空隙を形成し、その空隙にグリーン状
態のセラミックパウダー１０を収容したものである。こ
のセラミックパウダー１０の粒径は１〜１０μ程度で、
アルミナ、ジルコニア等の熱伝導性の低い材料よりな
る。

【００１５】この第２実施例においては火災等により外
部保護管８が加熱されると、セラミックパウダー１０の
断熱性により、内部の光フファイバー１を高熱から保護
することができる。

【００１６】又、火災が長時間連続する等して、セラミ
ックパウダー１０が所定温度以上に加熱されると、その
セラミックパウダー１０は外側から順に焼結又は焼成し
て硬化する。この硬化により光ファイバーケーブルの機
械的強度が増加する。従って、光ファイバーケーブルを
支持する壁などが焼け落ちても、光ファイバーケーブル
は形状を保持し続ける。このため、光ファイバーケーブ
ルが許容限度以上に湾曲されたり、屈曲されたりするこ
とはなく、伝送信号の減衰を防止して、良好な信号伝送
状態を維持できる。

【００１７】なお、光ファイバーケーブルの敷設に際し
ては、同ケーブルを湾曲加工させることも必要になる
が、この場合は、セラミックパウダー１０の粒径が極め
て小さいため、パウダー１０が湾曲加工の支障になるこ
とはなく、この湾曲加工を許容できる。

【００１８】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、特許請求の範囲の主旨を変更しない範囲
で、以下のように各部の構成を任意に変更して具体化す
ることもできる。

【００１９】（１）植毛に代えて、短繊維をランダムに
集合した綿状のものを使用すること。 （２）同じく植毛に代えて、短繊維を集合した不織布を
使用すること。

【００２０】（３）短繊維としてナイロン、レーヨン以
外の合成樹脂、あるいは金属繊維、アスベスト、カーボ
ン繊維などの他の材質のものを使用すること。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明は光ファ
イバーケーブルを外部衝撃や振動から有効に保護するこ
とができるとともに、熱に対しても保護を行うことがで
き、しかも製造が容易であるという効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の光ファイバーケーブルの第１実施例
を示す横断面図である。

【図２】光ファイバーケーブルを示す斜視図である。

【図３】光ファイバーケーブルの作用状態を示す横断面
図である。

【図４】この発明の第２実施例を示す斜視図である。

【図５】同じく第２実施例の作用状態を示す横断面図で
ある。

【図６】従来の光ファイバーケーブルを示す斜視図であ
る。

【図７】図６に示す光ファイバーケーブルの横断面図で
ある。

【図８】図６に示す光フアイバーケーブルの作用状態を
示す横断面図である。

【符号の説明】

１ 光ファイバー、２ コア、６ 柔軟弾性材としての
植毛、８ 保護管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバーを保護管の内部に所定の空
   隙をもって挿通した光ファイバーケーブルにおいて、該
   光ファイバーの外周面を短繊維を集合した柔軟弾性材で
   被覆したことを特徴とする光ファイバーケーブル。