JPH0560664A - イオン交換チユーブによる土壌等の成分採取法 - Google Patents
イオン交換チユーブによる土壌等の成分採取法Info
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- JPH0560664A JPH0560664A JP25041991A JP25041991A JPH0560664A JP H0560664 A JPH0560664 A JP H0560664A JP 25041991 A JP25041991 A JP 25041991A JP 25041991 A JP25041991 A JP 25041991A JP H0560664 A JPH0560664 A JP H0560664A
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- exchange tube
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 対象とする土壌等を傷つけたり破壊したりす
ることなく、作物が生育したままの状態で、土壌等の水
分量や反対電荷のイオンの影響を受けずに、土壌等の含
有する成分を採取する。 【構成】 土壌3の中にイオン交換チューブ5を予め埋
設する。このイオン交換チューブ5内に塩溶液6を導入
して土壌3の中の成分をイオン交換チューブ5内の塩溶
液6の成分と交換させた後、イオン交換チューブ5内の
イオン交換済溶液7を回収する。
ることなく、作物が生育したままの状態で、土壌等の水
分量や反対電荷のイオンの影響を受けずに、土壌等の含
有する成分を採取する。 【構成】 土壌3の中にイオン交換チューブ5を予め埋
設する。このイオン交換チューブ5内に塩溶液6を導入
して土壌3の中の成分をイオン交換チューブ5内の塩溶
液6の成分と交換させた後、イオン交換チューブ5内の
イオン交換済溶液7を回収する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、農業作物生産あるい
は環境計測等の分野で、農作物管理あるいは環境管理等
を目的とする分析・診断のため、土壌等に含まれる成分
を採取する方法に関するものである。
は環境計測等の分野で、農作物管理あるいは環境管理等
を目的とする分析・診断のため、土壌等に含まれる成分
を採取する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】農業においては、作物の生育を調整する
ため、作物栽培中に、作物や土壌を壊すことなしに、土
壌の溶存イオン成分を採取し診断することが重要であ
る。
ため、作物栽培中に、作物や土壌を壊すことなしに、土
壌の溶存イオン成分を採取し診断することが重要であ
る。
【0003】これまで、このような診断に使用できる土
壌成分採取法には、多孔質のセラミックあるいは中空糸
膜等をフィルターとして利用し、採取容器内を吸引減圧
して土壌中に含まれる水分すなわち土壌溶液を採取し、
その成分を分析に供試する土壌溶液採取法があった。
壌成分採取法には、多孔質のセラミックあるいは中空糸
膜等をフィルターとして利用し、採取容器内を吸引減圧
して土壌中に含まれる水分すなわち土壌溶液を採取し、
その成分を分析に供試する土壌溶液採取法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この土壌溶液
採取法には、大きな問題があった。すなわち、この土壌
成分採取法では、降水あるいは乾燥等によって土壌中の
水分が変動すると、土壌中の成分量自体が一定であって
も、採取される土壌溶液の成分の濃度が変ってしまうと
いう問題があった。
採取法には、大きな問題があった。すなわち、この土壌
成分採取法では、降水あるいは乾燥等によって土壌中の
水分が変動すると、土壌中の成分量自体が一定であって
も、採取される土壌溶液の成分の濃度が変ってしまうと
いう問題があった。
【0005】また、土壌中の非吸着性の陰イオンの量が
変化すると、土壌中の陽イオンに変動がなくても、土壌
溶液中の陽イオン濃度が変化してしまったり、あるいは
その逆に、土壌中の陽イオンの組成が変化すると、土壌
溶液中の陰イオンの組成が変化してしまうという問題が
あった。
変化すると、土壌中の陽イオンに変動がなくても、土壌
溶液中の陽イオン濃度が変化してしまったり、あるいは
その逆に、土壌中の陽イオンの組成が変化すると、土壌
溶液中の陰イオンの組成が変化してしまうという問題が
あった。
【0006】上記の土壌溶液採取法に関わるこれらの問
題は、方法の根幹から生じるものであり、解決が困難で
あった。また、中空糸膜などの場合は、材料が土壌中で
次第に分解するという問題もあった。
題は、方法の根幹から生じるものであり、解決が困難で
あった。また、中空糸膜などの場合は、材料が土壌中で
次第に分解するという問題もあった。
【0007】本発明は、前記事情に基づいて成されたも
のであり、対象とする土壌等を傷つけたり破壊したりす
ることなく、作物が生育したままの状態で、土壌の水分
量や反対電荷のイオンの影響を受けずに、土壌等の含有
する成分を採取する手法を提供することを目的とする。
のであり、対象とする土壌等を傷つけたり破壊したりす
ることなく、作物が生育したままの状態で、土壌の水分
量や反対電荷のイオンの影響を受けずに、土壌等の含有
する成分を採取する手法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明によるイオン交換チューブによる土壌等の成分採
取法は、イオン交換チューブを土壌等の中に予め埋設
しておき、塩溶液をイオン交換チューブ内に導入し、土
壌等の中の成分をイオン交換チューブ内の成分と交換さ
せた後、イオン交換済溶液を回収することを特徴とする
ものである。
本発明によるイオン交換チューブによる土壌等の成分採
取法は、イオン交換チューブを土壌等の中に予め埋設
しておき、塩溶液をイオン交換チューブ内に導入し、土
壌等の中の成分をイオン交換チューブ内の成分と交換さ
せた後、イオン交換済溶液を回収することを特徴とする
ものである。
【0009】また上記の方法において、土壌等の中
のイオン成分がイオン交換チューブのイオン交換基と交
換してチューブの壁材料の中に侵入したる後、イオン交
換チューブの交換能に比べて十分に希薄な少量の塩溶液
をイオン交換チューブ内に導入し、短時間後にイオン交
換チューブ内のイオン交換済溶液を回収することを特徴
とするものである。
のイオン成分がイオン交換チューブのイオン交換基と交
換してチューブの壁材料の中に侵入したる後、イオン交
換チューブの交換能に比べて十分に希薄な少量の塩溶液
をイオン交換チューブ内に導入し、短時間後にイオン交
換チューブ内のイオン交換済溶液を回収することを特徴
とするものである。
【0010】さらに上記の方法において、高分子の
陰又は陽イオンを含む塩溶液をイオン交換チューブ内に
導入し、土壌中の陽又は陰イオン成分をイオン交換チュ
ーブのイオン交換基を介してイオン交換チューブ内の溶
液中の陽又は陰イオンと交換させた後、イオン交換チュ
ーブ内のイオン交換済溶液を回収することを特徴とする
ものである。
陰又は陽イオンを含む塩溶液をイオン交換チューブ内に
導入し、土壌中の陽又は陰イオン成分をイオン交換チュ
ーブのイオン交換基を介してイオン交換チューブ内の溶
液中の陽又は陰イオンと交換させた後、イオン交換チュ
ーブ内のイオン交換済溶液を回収することを特徴とする
ものである。
【0011】
【作用】陽イオン交換能を持ったイオン交換チューブで
は、陰イオンはイオン交換チューブの壁の通過を妨害さ
れるが、陽イオンはイオン交換チューブの壁を通過でき
るという性質がある。また、陰イオン交換能を持ったイ
オン交換チューブでは、逆に陽イオンの通過が妨害さ
れ、陰イオンはイオン交換チューブの壁を通過できると
いう性質がある。すなわちイオン交換チューブは反対電
荷のイオンの通過を妨害し、同じ電荷のイオンの通過を
許すという性質を持つ。
は、陰イオンはイオン交換チューブの壁の通過を妨害さ
れるが、陽イオンはイオン交換チューブの壁を通過でき
るという性質がある。また、陰イオン交換能を持ったイ
オン交換チューブでは、逆に陽イオンの通過が妨害さ
れ、陰イオンはイオン交換チューブの壁を通過できると
いう性質がある。すなわちイオン交換チューブは反対電
荷のイオンの通過を妨害し、同じ電荷のイオンの通過を
許すという性質を持つ。
【0012】この性質のために、一定の塩溶液を入れた
イオン交換チューブを測定対象の土壌等のイオンを含有
する環境中に保持すると、イオン交換チューブの内部の
陽イオンと外部の陽イオンが交換して平衡に達する。こ
の結果、イオン交換チューブの中のイオン交換済溶液
は、外部の陽イオン組成を反映したものに変化する。
イオン交換チューブを測定対象の土壌等のイオンを含有
する環境中に保持すると、イオン交換チューブの内部の
陽イオンと外部の陽イオンが交換して平衡に達する。こ
の結果、イオン交換チューブの中のイオン交換済溶液
は、外部の陽イオン組成を反映したものに変化する。
【0013】一方、陰イオンの排除能が完全であれば、
陰イオンの組成と量は変化しないので、結果として、イ
オン交換チューブ内のイオン交換済溶液は、始めに注入
しておいた塩溶液と同じイオン量で、陽イオンの組成だ
けが外部の陽イオン組成を反映したものに変化すること
になる。
陰イオンの組成と量は変化しないので、結果として、イ
オン交換チューブ内のイオン交換済溶液は、始めに注入
しておいた塩溶液と同じイオン量で、陽イオンの組成だ
けが外部の陽イオン組成を反映したものに変化すること
になる。
【0014】この過程は土壌等が含む水分の量や付随す
る反対電荷のイオンの影響を受けない点で、上記の従来
の技術が持っていた問題は解決される。また、この方法
では土壌等の中にイオン交換チューブを埋設しておい
て、イオン交換チューブの中に塩溶液を注入して所定時
間経過後に回収するだけで、土壌を傷つけたり破壊した
りすることなく、その含有成分を採取できる。さらに、
フッ素系イオン交換膜を利用したイオン交換チューブは
耐久性があり土壌中での長期使用に耐える。
る反対電荷のイオンの影響を受けない点で、上記の従来
の技術が持っていた問題は解決される。また、この方法
では土壌等の中にイオン交換チューブを埋設しておい
て、イオン交換チューブの中に塩溶液を注入して所定時
間経過後に回収するだけで、土壌を傷つけたり破壊した
りすることなく、その含有成分を採取できる。さらに、
フッ素系イオン交換膜を利用したイオン交換チューブは
耐久性があり土壌中での長期使用に耐える。
【0015】イオン交換チューブの反対電荷のイオンを
排除する機能が完全ではない場合にも、前記または
の方法をとることにより、反対電荷のイオンも漏れを防
ぐことができる。
排除する機能が完全ではない場合にも、前記または
の方法をとることにより、反対電荷のイオンも漏れを防
ぐことができる。
【0016】すなわち、の方法では、イオン交換チュ
ーブの中に塩溶液が存在しない状態で土壌の成分をイオ
ン交換チューブの壁材料中に取込み、それからイオン交
換チューブ内に塩溶液を注入し、イオン交換済溶液を短
時間で回収するため、反対イオンの漏れが生じない。
ーブの中に塩溶液が存在しない状態で土壌の成分をイオ
ン交換チューブの壁材料中に取込み、それからイオン交
換チューブ内に塩溶液を注入し、イオン交換済溶液を短
時間で回収するため、反対イオンの漏れが生じない。
【0017】また、の方法では、分子の大きい反対電
荷イオンがイオン交換チューブの壁を事実上透過しない
ことを利用している。
荷イオンがイオン交換チューブの壁を事実上透過しない
ことを利用している。
【0018】
【実施例】以下、本発明のイオン交換チューブによる土
壌等の成分採取法について具体的に説明する。図1にお
いて、符号1は作物地上部、2は作物の根、3はその作
物1、2が栽培されている土壌を示す。土壌3中にはフ
ッ素系イオン交換膜を利用したイオン交換チューブ5を
作物の根2に絡むように予め埋設し、イオン交換チュー
ブ5の両端に注入と回収のためのチューブ4を接続し、
チューブ4の両端を土壌3から出しておく。そして、成
分採取の必要に応じて一方のチューブ4からイオン交換
チューブ5の中に塩溶液6を注入し、所定時間後に他方
のチューブ4から回収し、回収したイオン交換済溶液
(回収液)7を分析してそのときの土壌3の含有成分の
状態を判定する。表1は回収液7の分析結果の一例であ
る。
壌等の成分採取法について具体的に説明する。図1にお
いて、符号1は作物地上部、2は作物の根、3はその作
物1、2が栽培されている土壌を示す。土壌3中にはフ
ッ素系イオン交換膜を利用したイオン交換チューブ5を
作物の根2に絡むように予め埋設し、イオン交換チュー
ブ5の両端に注入と回収のためのチューブ4を接続し、
チューブ4の両端を土壌3から出しておく。そして、成
分採取の必要に応じて一方のチューブ4からイオン交換
チューブ5の中に塩溶液6を注入し、所定時間後に他方
のチューブ4から回収し、回収したイオン交換済溶液
(回収液)7を分析してそのときの土壌3の含有成分の
状態を判定する。表1は回収液7の分析結果の一例であ
る。
【0019】
【表1】
【0020】イオン交換チューブ5を介して採取したイ
オン交換済溶液7の組成は、図2に示す如く、畑の水分
状態で採取したものと水田の水分状態で採取したものを
比較しても同じであり、土壌3中の水分の多少の影響を
受けない。これは、イオン交換チューブによる土壌等の
成分採取法の特徴の一つである。ちなみに、土壌溶液の
イオン組成は、当然のことながら土壌3の水分状態が違
うと(後述の表4に示すように)明らかに異なる。
オン交換済溶液7の組成は、図2に示す如く、畑の水分
状態で採取したものと水田の水分状態で採取したものを
比較しても同じであり、土壌3中の水分の多少の影響を
受けない。これは、イオン交換チューブによる土壌等の
成分採取法の特徴の一つである。ちなみに、土壌溶液の
イオン組成は、当然のことながら土壌3の水分状態が違
うと(後述の表4に示すように)明らかに異なる。
【0021】イオン交換チューブ5から採取する際、塩
溶液6として高い濃度のHCl を使用すると、低い濃度の
HCl を使用した場合に比べて、いずれのイオンの濃度も
上昇するが、中でも2価イオン(Ca、Mg)の濃度が上昇
するのに対して、1価イオン(K、Na、NH4 )の濃度の上
昇の程度は比較的小さい。
溶液6として高い濃度のHCl を使用すると、低い濃度の
HCl を使用した場合に比べて、いずれのイオンの濃度も
上昇するが、中でも2価イオン(Ca、Mg)の濃度が上昇
するのに対して、1価イオン(K、Na、NH4 )の濃度の上
昇の程度は比較的小さい。
【0022】この1価イオンと2価イオンの濃度変化の
相互関係は、異価イオン間の交換反応の一般式にそって
おり、1価イオン合計値の2乗に対する2価イオンの合
計値の比は一定になる。この関係を利用して、表2に示
すように高い濃度で採取した溶液の組成から、低い濃度
で採取した場合の組成を推定できる。このことはイオン
交換チューブによる土壌等の成分採取法の適用範囲が大
きいことを示す。
相互関係は、異価イオン間の交換反応の一般式にそって
おり、1価イオン合計値の2乗に対する2価イオンの合
計値の比は一定になる。この関係を利用して、表2に示
すように高い濃度で採取した溶液の組成から、低い濃度
で採取した場合の組成を推定できる。このことはイオン
交換チューブによる土壌等の成分採取法の適用範囲が大
きいことを示す。
【0023】
【表2】
【0024】図3に示したように、土壌3中のNH4 とイ
オン交換チューブ5を介して採取されたNH4 の間には直
線的な比例関係がある。イオン交換チューブ5による採
取量から土壌3中のNH4 量を求める式の相関係数は0.99
53と高い。このような関係を使って、イオン交換チュー
ブ5による土壌成分測定値から土壌3中に存在する成分
の量を求めることができる。尚、土壌溶液のNH4 濃度と
土壌3中のNH4 の間にも相関関係が認められるが、相関
係数は0.9655で低い。
オン交換チューブ5を介して採取されたNH4 の間には直
線的な比例関係がある。イオン交換チューブ5による採
取量から土壌3中のNH4 量を求める式の相関係数は0.99
53と高い。このような関係を使って、イオン交換チュー
ブ5による土壌成分測定値から土壌3中に存在する成分
の量を求めることができる。尚、土壌溶液のNH4 濃度と
土壌3中のNH4 の間にも相関関係が認められるが、相関
係数は0.9655で低い。
【0025】図4に示すように、本発明方法により、湛
水培養中の土壌3の状態を破壊することなく、連続的な
NH4 含有量の変化過程を推定することができる。またイ
オン交換チューブ5には70日後でも何ら劣化は認めら
れず、本材料(フッ素系イオン交換膜を利用したイオン
交換チューブ5)は長期の連続使用に耐える。
水培養中の土壌3の状態を破壊することなく、連続的な
NH4 含有量の変化過程を推定することができる。またイ
オン交換チューブ5には70日後でも何ら劣化は認めら
れず、本材料(フッ素系イオン交換膜を利用したイオン
交換チューブ5)は長期の連続使用に耐える。
【0026】ところで、土壌−溶液系(湛水土壌)に硫
安の状態でNH4 を添加すると、土壌溶液中におけるNH4
濃度が上昇するが、添加していない K、Na、Ca、Mgなど
の成分の濃度も表3に示すように並行して上昇する。
安の状態でNH4 を添加すると、土壌溶液中におけるNH4
濃度が上昇するが、添加していない K、Na、Ca、Mgなど
の成分の濃度も表3に示すように並行して上昇する。
【0027】
【表3】
【0028】これはNH4 添加に伴ってSO4 イオンが入る
ことにより溶液中の溶存全アニオン濃度が上昇し、これ
につられてカチオン濃度も上昇することと、NH4 とのイ
オン交換によって他のカチオンが置換溶出することの2
つが関係している。後者はカチオン組成そのものの変化
を反映するものであるが、前者はカチオン組成とは無関
係に生じており、カチオン組成のモニタリングにとって
は障害となる。
ことにより溶液中の溶存全アニオン濃度が上昇し、これ
につられてカチオン濃度も上昇することと、NH4 とのイ
オン交換によって他のカチオンが置換溶出することの2
つが関係している。後者はカチオン組成そのものの変化
を反映するものであるが、前者はカチオン組成とは無関
係に生じており、カチオン組成のモニタリングにとって
は障害となる。
【0029】また、表4に示すように水分の変化も土壌
溶液組成を変化させる。
溶液組成を変化させる。
【0030】
【表4】
【0031】これは水分量が増加するに従って、土壌溶
液中のイオン濃度は減少し、溶存イオンの総量は増加す
る。濃度の減少は希釈に伴うもので、総量の増加は希釈
によって土壌3の固相と液相の平衡がずれて固相中のイ
オンの一部が溶出するためとみられる。このような土壌
溶液組成の変化は、土壌3のカチオン組成が一定の条件
で生じるので、土壌3の成分組成をモニタリングする上
で障害になる。
液中のイオン濃度は減少し、溶存イオンの総量は増加す
る。濃度の減少は希釈に伴うもので、総量の増加は希釈
によって土壌3の固相と液相の平衡がずれて固相中のイ
オンの一部が溶出するためとみられる。このような土壌
溶液組成の変化は、土壌3のカチオン組成が一定の条件
で生じるので、土壌3の成分組成をモニタリングする上
で障害になる。
【0031】本発明方法には、前記のように、このよう
な陽又は陰イオンの添加あるいは水分量の増加に伴う付
随的な成分組成変化を生じないという特長がある。
な陽又は陰イオンの添加あるいは水分量の増加に伴う付
随的な成分組成変化を生じないという特長がある。
【0032】尚、上記実施例においては測定対象が陽イ
オンの場合についてのみ記してあるが、陰イオンの場合
にも陰イオン交換能のあるイオン交換チューブ5を用い
て同様に実施できることは言うまでもない。
オンの場合についてのみ記してあるが、陰イオンの場合
にも陰イオン交換能のあるイオン交換チューブ5を用い
て同様に実施できることは言うまでもない。
【0033】また、イオン交換チューブ5の反対電荷イ
オンの排除機能の不完全性を補うため、高分子の有機化
合物イオンを含む塩溶液6を使用することによっても、
作物1、2の栽培されている土壌3中に高分子の有機化
合物イオンが漏れ出さず、従って、土壌3を塩溶液6の
イオンで傷つけたり破壊したりすることなく、土壌成分
を採取できる。
オンの排除機能の不完全性を補うため、高分子の有機化
合物イオンを含む塩溶液6を使用することによっても、
作物1、2の栽培されている土壌3中に高分子の有機化
合物イオンが漏れ出さず、従って、土壌3を塩溶液6の
イオンで傷つけたり破壊したりすることなく、土壌成分
を採取できる。
【0034】
【発明の効果】本発明のイオン交換チューブによる土壌
等の成分採取法は、上記の如く、イオン交換チューブを
埋設し、イオン交換チューブに塩溶液を導入してイオン
交換チューブの内部の塩溶液とイオン交換チューブの外
部にある土壌等の成分とのイオン交換を行なわせた後、
イオン交換チューブの内部のイオン交換済溶液を回収す
るものであるから、測定対象に応じて適宜塩溶液を選択
することにより、土壌等の中に余分な陽または陰イオン
を漏出することなく、土壌等の成分をイオン交換チュー
ブを介して採取できる。
等の成分採取法は、上記の如く、イオン交換チューブを
埋設し、イオン交換チューブに塩溶液を導入してイオン
交換チューブの内部の塩溶液とイオン交換チューブの外
部にある土壌等の成分とのイオン交換を行なわせた後、
イオン交換チューブの内部のイオン交換済溶液を回収す
るものであるから、測定対象に応じて適宜塩溶液を選択
することにより、土壌等の中に余分な陽または陰イオン
を漏出することなく、土壌等の成分をイオン交換チュー
ブを介して採取できる。
【0035】従って、本発明方法を用いれば、従来のよ
うに測定対象となる土壌等を傷つけたり破壊したりする
ことがなく、測定対象となる土壌等に実際上何の影響も
与えずに土壌等の成分を繰り返して経時的に採取でき、
成分診断に基づく適正な作物環境管理を通して、農業生
産の高度化等にとって効果がある。
うに測定対象となる土壌等を傷つけたり破壊したりする
ことがなく、測定対象となる土壌等に実際上何の影響も
与えずに土壌等の成分を繰り返して経時的に採取でき、
成分診断に基づく適正な作物環境管理を通して、農業生
産の高度化等にとって効果がある。
【図1】本発明のイオン交換チューブによる土壌等の成
分採取法の実施例を示す説明図である。
分採取法の実施例を示す説明図である。
【図2】畑および水田状態の土壌から採取した陽イオン
の組成を示すグラフである。
の組成を示すグラフである。
【図3】土壌中のNH4 量とイオン交換チューブを介して
採取されたNH4 量の関係を示すグラフである。
採取されたNH4 量の関係を示すグラフである。
【図4】イオン交換チューブを利用した湛水土壌のNH4
含有量のモニタリング例を示すグラフである。
含有量のモニタリング例を示すグラフである。
1 作物地上部 2 作物の根 3 土壌 4 注入、回収用チューブ 5 イオン交換チューブ 6 塩溶液 7 イオン交換済溶液(回収液)
Claims (3)
- 【請求項1】 土壌(3)等の中にイオン交換チューブ
(5)を埋設し、このイオン交換チューブ(5)内に塩
溶液(6)を導入し、適宜時間保持して土壌(3)等の
中の成分をイオン交換チューブ(5)内の塩溶液(6)
の成分と交換させた後、イオン交換チューブ(5)内の
イオン交換済溶液(7)を回収することを特徴とするイ
オン交換チューブによる土壌等の成分採取法。 - 【請求項2】 請求項1記載のイオン交換チューブによ
る土壌等の成分採取法において、土壌(3)等の中のイ
オン成分がイオン交換チューブ(5)のイオン交換基と
交換してイオン交換チューブ(5)の壁材料の中に侵入
したる後、イオン交換チューブ(5)の交換能に比べて
十分に希薄な少量の塩溶液(6)をイオン交換チューブ
(5)内に導入し、短時間後にイオン交換チューブ
(5)内のイオン交換済溶液(7)を回収することを特
徴とするイオン交換チューブによる土壌等の成分採取
法。 - 【請求項3】 請求項1記載のイオン交換チューブによ
る土壌等の成分採取法において、高分子の陰又は陽イオ
ンを含む塩溶液(6)をイオン交換チューブ(5)内に
導入し、土壌(3)等の中の陽又は陰イオン成分をイオ
ン交換チューブ(5)のイオン交換基を介してイオン交
換チューブ(5)内の塩溶液(6)中の陽又は陰イオン
と交換させた後、イオン交換チューブ(5)内のイオン
交換済溶液(7)を回収することを特徴とするイオン交
換チューブによる土壌等の成分採取法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25041991A JPH0560664A (ja) | 1991-09-02 | 1991-09-02 | イオン交換チユーブによる土壌等の成分採取法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25041991A JPH0560664A (ja) | 1991-09-02 | 1991-09-02 | イオン交換チユーブによる土壌等の成分採取法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0560664A true JPH0560664A (ja) | 1993-03-12 |
Family
ID=17207611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25041991A Pending JPH0560664A (ja) | 1991-09-02 | 1991-09-02 | イオン交換チユーブによる土壌等の成分採取法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0560664A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102175834A (zh) * | 2011-01-24 | 2011-09-07 | 华南农业大学 | 一种植物根系养分吸收模拟装置及其使用方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH02206752A (ja) * | 1989-02-07 | 1990-08-16 | Hitachi Ltd | 土壌中成分の電気透析方法 |
JPH03125951A (ja) * | 1989-10-12 | 1991-05-29 | Japan Tobacco Inc | 電気抵抗式土壌水分センサー |
-
1991
- 1991-09-02 JP JP25041991A patent/JPH0560664A/ja active Pending
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