JPH0560038A - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

エンジンの燃料供給装置

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Publication number
JPH0560038A
JPH0560038A JP21376091A JP21376091A JPH0560038A JP H0560038 A JPH0560038 A JP H0560038A JP 21376091 A JP21376091 A JP 21376091A JP 21376091 A JP21376091 A JP 21376091A JP H0560038 A JPH0560038 A JP H0560038A
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JP
Japan
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valve
cylinder
timing
intake
chamber
Prior art date
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Pending
Application number
JP21376091A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Maruhara
正志 丸原
Yoshihisa Nosei
芳尚 乃生
Toshihide Yamamoto
寿英 山本
Junichi Taga
淳一 田賀
Tadataka Nakasumi
忠孝 中角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンピングロスを招くことなく、燃料の気化
・霧化を促進と、混合気の成層化により希薄燃焼を実現
し、もって低燃費化を促進する。 【構成】 一つの気筒の吸気行程に対して他の気筒の排
気行程が重なるようにタイミングが設定されたエンジン
において、インジェクタ−21を備えた副室32を各気
筒の燃焼室6にそれぞれ開口させ且つ該各副室32を連
通路33を介して相互に連通せしめる一方、各副室32
の開口部にそれぞれタイミング弁30を配置するととも
に、該各タイミング弁30の開弁タイミングを、それぞ
れ対応する気筒の吸気弁16の開弁位置付近で開弁し、
該吸気弁16の閉弁位置から所定期間遅れた位置で閉弁
し、且つ上記一つの気筒に設けられたタイミング弁30
と他の気筒に設けられたタイミング弁30との開弁期間
が一部重複するように設定し、さらに各インジェクタ−
21による燃料の噴射タイミングをタイミング弁30の
開弁期間の略前半部分に設定したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、エンジンの燃料供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりエンジンにおいては、燃焼性の
改善を図る手法として従来より種々の提案がなされてい
る。
【0003】例えば、特開平2ー181067号公報
(以下、第1の公知例という)には、燃焼室に臨んで吸気
通路とは別に燃料供給ポートを開口させるとともに、該
燃料供給ポートに接続される圧縮空気通路の途中に断面
拡大部を設けて該断面拡大部に向けてインジェクタ−か
ら燃料噴射を行う一方、上記燃料供給ポートをニードル
バルブによって開閉可能とするとともに、この圧縮空気
通路に圧縮空気を供給し、上記インジェクタ−から噴射
されて上記断面拡大部に付着残留した燃料を上記ニード
ルバルブの開弁とともに該断面拡大部を通って上記燃料
供給ポートから燃焼室内に吹き出される圧縮空気に乗せ
て燃焼室側に導入させ、もって噴射初期からミキシング
状態の良好な混合気を得るようにしたものが開示されて
いる。
【0004】また、実開昭61ー122362号公報
(以下、第2の公知例という)には、吸気通路のインジェ
クタ−より上流位置にシャッターバルブを配置するとと
もに、該シャッターバルブの下流側にEGRガスを導入
し、もってシャッターバルブの閉状態時にインジェクタ
−から供給される燃料をEGRガスの熱によってその気
化・霧化を促進させるとともに、その流動圧によって燃
料を燃焼室内に送出することで燃焼姓の向上を図ったも
のが開示されている。
【0005】さらに、特開昭55ー43214号公報
(以下、第3の公知例という)には、点火プラグに近接す
る噴口を介して燃焼室に連通する副室にインジェクタ−
を配置するとともに、該副室の一部に点火プラグを上記
噴口から隠すような防護壁を形成し、もって噴口を流れ
る火炎流によって着火が吹き消されるのを防止して着火
性の向上を図ったものが開示されている。
【0006】また、実開昭61ー204922号公報
(以下、第4の公知例という)には、燃焼室の中央部に、
インジェクタ−を備えた吸気ポ−トを開口させ、該吸気
ポ−トから燃焼室中央部に導入される混合気と吸気流に
より生成されるスワールとによって燃焼室中央部に濃厚
混合気層を形成するようにした混合気の成層化のための
一手段が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンに
おいては、燃焼ガスによるポンピング仕事を損なうこと
なく燃料の気化・霧化を促進するとともに、混合気の成
層化により希薄燃焼を促進して燃費効率の向上あるいは
エミッション性能を向上させるという要求がある。
【0008】ところが、上掲各公知例のものにおいて
は、それぞれ特有の作用効果はあるものの、上記の如き
要求に対しては十分に応えられないものであった。
【0009】即ち、上記第1の公知例においては、ニー
ドルバルブと圧縮空気とによって燃料の輸送性が改善さ
れ混合気のミキシング作用は促進されるものの、比較的
低温の圧縮空気を利用するものであることから、燃料の
気化・霧化作用の促進という点においては一定の限界が
ある。
【0010】また、上記第2の公知例のものにおいて
は、EGRガスによって燃料の気化・霧化は促進される
ものの、燃焼室に対して偏心して形成され且つ比較的大
面積の吸気ポ−トから混合気を導入するものであること
から、混合気の成層化(即ち、燃焼室の上部の中央部近
傍に濃厚混合気層を形成すること)という点において限
界がある。
【0011】さらに、上記第3の公知例においては、副
室が常時燃焼室に開口する構成であることから、燃焼行
程初期のポンピング作用の大きい燃焼ガスが副室内に導
入されそれだけエンジンとしてのポンピングロスが大き
くなるという欠点がある。
【0012】また、上記第4の公知例においては、単に
燃料を吸気とともに燃焼室中央部に供給する構成である
ことから、燃料の気化・霧化の促進と言う点においては
限界がある。
【0013】そこで本願発明では、エンジンのポンピン
グロスを招くことなく燃料の気化・霧化の促進を図ると
ともに、混合気の成層化により希薄燃焼を促進し、もっ
て高い燃費効率を実現し得るようにしたエンジンの燃料
供給装置を提供せんとしてなされたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、一つの気筒の吸気行程に対して他の気筒の排気
行程が重なるように吸・排気弁の開閉タイミングが設定
された多気筒エンジンにおいて、吸気通路とは別個にイ
ンジェクタ−を備えた副室を各気筒の燃焼室にそれぞれ
開口させるとともに該各副室を連通路を介して相互に連
通せしめる一方、上記各副室の開口部にそれぞれタイミ
ング弁を配置するとともに、該各タイミング弁の開弁タ
イミングを、それぞれ対応する気筒の吸気弁の開弁位置
付近で開弁し、該吸気弁の閉弁位置から所定期間遅れた
位置で閉弁し、且つ上記一つの気筒に設けられたタイミ
ング弁と他の気筒に設けられたタイミング弁との開弁期
間が一部重複するように設定し、さらに上記各インジェ
クタ−による燃料の噴射タイミングを上記タイミング弁
の開弁期間の略前半部分に設定したことを特徴としてい
る。
【0015】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
エンジンの燃料供給装置において、上記副室をシリンダ
ボアの略中央部に開口するとともに、上記吸気通路を吸
気流によって燃焼室内にスワールを生成せしめ得る如く
構成したことを特徴としている。
【0016】請求項3記載の発明では、請求項1または
2記載のエンジンの燃料供給装置において、各気筒間に
おける吸・排気弁の開閉タイミングを180°位相に設
定したことを特徴としている。
【0017】
【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによって
それぞれ次のような作用が得られる。
【0018】 請求項1記載の発明では、吸気弁の開
弁位置付近でタイミング弁が開かれると、先ずこのタイ
ミング弁とこの気筒に先行する気筒のタイミング弁とが
重複して開弁する初期段階においては、副室内に該先行
する気筒側から圧縮された比較的暖かい新気ガスが連通
路を介して導入される。そして、この副室に導入される
新気ガスによって該副室の壁温が上昇せしめられるとと
もに、その内部が高温高圧雰囲気とされる。また、この
時、同時に該副室内への燃料噴射が開始される。従っ
て、この段階では、副室内に供給される燃料は上記新気
ガスとの接触あるいは該新気ガスによって温度上昇せし
められた副室の壁面との接触によってその気化・霧化が
促進され且つ該新気ガスの流動によって十分にこれとミ
キシングされて濃厚混合気を形成するとともに、該新気
ガスの導入によって高められた副室の内圧と吸気行程に
ある燃焼室の内圧との差によって該燃焼室側に噴出せし
められる。
【0019】さらに行程が進行すると、自気筒のタイミ
ング弁とこれに先行する気筒のタイミング弁との重複状
態が消滅し、該先行する気筒からの新気ガス導入が停止
される。この新気ガスの導入停止時点から、自気筒のタ
イミング弁とこれに後行する気筒のタイミング弁とが重
複して開弁するまでの中期段階においては、引き続き副
室への燃料供給が続行される。従って、この副室内に供
給された燃料は該副室内に残留している新気ガスとの接
触等によりその気化・霧化が図られるとともに、該副室
と燃焼室との圧力差によって順次燃焼室側に噴出し、該
燃焼室の上部に濃厚混合気層を形成する。
【0020】さらに、行程が進行し、自気筒のタイミン
グ弁とこれに後行する気筒のタイミング弁とが重複して
開弁する終期段階に至ると、既に副室への燃料供給は終
了しており、また吸気弁が閉じて圧縮行程に移行するこ
とから、該副室内には燃焼室側から圧縮初期の比較的高
圧の新気ガスが導入される。そして、この副室内に導入
された新気ガスは、連通路を介して自気筒に後行する気
筒の副室内に導入され、この後行する気筒の副室内にお
いて上記と同様に燃料の気化・霧化及び混合気の燃焼室
側への噴出を促進させる如く作用する。
【0021】このように、自気筒に先行する気筒側から
高圧の比較的暖かい新気ガスを自気筒の燃焼室に導入し
て燃料の気化・霧化及び新気ガスとのミキシングを図
り、且つこの濃厚混合気を該新気ガスの圧力で燃焼室側
に噴出させて該燃焼室の上部に濃厚混合気層を形成する
ことにより、該燃焼室内における混合気の成層化が実現
され、希薄燃焼が可能ならしめられるものである。
【0022】さらに、タイミング弁を燃焼室内圧の低い
吸気行程において開弁させる構成であることから、該タ
イミング弁を燃焼室内圧に抗して開弁させる際の駆動力
が低減され、従ってこの駆動力の低減分だけエンジンの
ポンピング仕事をエンジン出力に振り向けて高出力化を
図ることが可能ならしめられるものである。
【0023】 請求項2記載の発明では、上記記載
の作用に加えて、副室が燃焼室の略中央部に開口してい
るため、該副室からの濃厚混合気は燃焼室中央部に向け
て噴出され、また燃焼室内には吸気流によってスワール
が形成されシリンダ周壁寄り偏った状態で吸気層が形成
されることから、濃厚混合気はその周囲を吸気層によっ
て囲繞された状態となり、混合気の成層化がより一層促
進されるとともに、該混合気がシリンダ周壁に接触して
冷やされるということがなく、混合気の成層化の促進と
相まって希薄燃焼がより一層確実ならしめられるもので
ある。
【0024】 請求項3記載の発明では、上記また
は記載の作用に加えて、各気筒間の吸・排気弁の開閉
タイミングを180°位相に設定したことにより、相互
に新気ガスのやり取りを行う気筒間においてはその吸気
行程と排気行程とがほぼ重複する状態となることから、
各気筒のタイミング弁の開弁タイミング及び燃料噴射タ
イミングの設定が容易ならしめられるものである。
【0025】
【発明の効果】従って、本願各発明のエンジンの燃料供
給装置によれば、副室内に他気筒から加圧された比較的
暖かい新気ガスを導入し且つここに燃料噴射を行って燃
料の気化・霧化を促進させるとともに、該副室内に生成
された濃厚混合気を新気ガスの導入によって生じた燃焼
室との圧力差によって該燃焼室側に噴出させることによ
り、混合気の成層化が促進され、希薄燃焼が実現される
ことから、燃費効率がより一層高められるという効果が
得られるものである。
【0026】また、副室に設けたタイミング弁を吸気行
程において開くことによりその開弁駆動力の低減を図っ
ていることから、ピストンのポンピング仕事のうち、タ
イミング弁の開弁に費やされる分が少なくなり、それだ
けエンジンの出力向上に寄与できるものである。
【0027】さらに、請求項2記載の発明の如く、副室
内に他気筒から新気ガスを導入する構成に、混合気の噴
出位置を燃焼室中央部に設定することと、燃焼室内部に
スワールを生成する構成とを組み合わせた場合には、混
合気の成層化がより一層確実ならしめられることから、
希薄燃焼の実現による低燃費化がより一層促進されるも
のである。
【0028】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて本願
発明のエンジンの燃料供給装置を具体的に説明する。
【0029】第1実施例 図1及び図2には、本願発明の第1実施例にかかるエン
ジンの燃料供給装置を備えた自動車用エンジン1が示さ
れている。このエンジン1は、直列4気筒エンジン(図
1には、そのうちの1番気筒C1と2番気筒Cのみを示
し、その他の気筒の図示は省略している)であって、図
5に示すように、その行程順序は1番気筒C1→3番気
筒C3→4番気筒C4→2番気筒C2の順とされ、また
行程位相は180°位相に設定されている。従って、こ
のエンジン1においては、作動行程順に先行する気筒の
吸気行程と後行する気筒の排気行程とが相互に重複した
状態となる。
【0030】このエンジン1の各気筒の構成を1番気筒
C1を例にとってこれを図1及び図2を参照して説明す
ると、同各図において符号2はシリンダブロック、3は
シリンダヘッド、5はピストンであり、該ピストン5の
頂面と上記シリンダヘッド3の下面との間にペントルー
フ状の燃焼室上壁面6aをもつ燃焼室6が形成されてい
る。
【0031】この燃焼室6の上壁面6aには、燃焼室中
心を挟んでその両側に位置するようにして二つの吸気ポ
−ト、即ち第1吸気ポ−ト7と第2吸気ポ−ト8と、二
つの排気ポ−ト、即ち、第1排気ポ−ト9と第2排気ポ
−ト10がそれぞれ形成されている。そして、この第1
吸気ポ−ト7には湾曲通路で構成される第1吸気通路1
1が、また第2吸気ポ−ト8にはシャッター弁15と該
シャッター弁15の下流側に燃料噴射を行う第2インジ
ェクタ−22とを備えたを第2吸気通路12がそれぞれ
接続されている。一方、上記第1排気ポ−ト9には第1
排気通路13が、また第2排気ポ−ト10には第2排気
通路14がそれぞれ接続されている。
【0032】そして、これら各吸気ポ−ト7,8には吸
気弁用カムシャフト26によって駆動される吸気弁16
が、また各第1排気ポ−ト9,10には排気弁用カムシ
ャフト27によって駆動される排気弁17がそれぞれ配
置されている。尚、この第1排気通路13と第2排気通
路14とは、その下流側において合流せしめられてい
る。
【0033】さらに、上記シリンダヘッド3のシリンダ
ボアの中央部に対応する位置(即ち、燃焼室上壁面6aの
中央部で上記各吸気ポ−ト7,8及び排気ポ−ト9,10
の配置位置の中央部)には、上記各吸気ポ−ト7,8及び
排気ポ−ト9,10より小径の燃料供給ポート31が開
口せしめられている。そして、この燃料供給ポート31
は、これから上方に延びる所定容積をもつ通路状の副室
32に接続されるとともに、ポペット弁で構成されるタ
イミング弁30によって開閉されるようになっている。
【0034】また、この副室32は、その上端側におい
てエンジン長手方向に延びる連通路33を介して他の気
筒C2〜C3の各副室32と相互に連通せしめられてい
る。そして、この各気筒の副室32と連通路33との合
流部には、それぞれ上記燃料供給ポート31に指向する
ようにしてそれぞれ第1インジェクタ−21が配置され
ている。尚、上記各タイミング弁30,30,・・は、上
記吸気弁用カムシャフト26によって開弁駆動されるよ
うになっている。
【0035】尚、この副室32の側壁近傍には、ウォー
タージャケット19が形成されており、該閉空間32の
側壁はこのウォータージャケット19内を流通するエン
ジン冷却水によって暖められるようになっている。ま
た、符号18は、各吸気ポ−ト7,8の間に位置するプ
ラグホール20に螺着された点火プラグである。
【0036】上記タイミング弁30の開閉タイミングは
次のように設定されている。即ち、図5に示すように、
各気筒においてはその吸気弁16の開弁直後に開弁し、
該吸気弁16の閉弁後所定期間をもって閉弁するととも
に、自気筒に後行する他気筒との間においてはその開弁
期間の終期において該後行する気筒のタイミング弁30
の開弁初期とオーバーラップするように、自気筒のみな
らず他気筒とも関連して相対的に設定されている。尚、
ここでは図5に示すように説明の便宜上、自気筒のタイ
ミング弁30と先行する気筒のタイミング弁30の開弁
期間が重複する段階を初期段階と言い、先行する気筒の
タイミング弁30との重複状態が消滅した時点から後行
する気筒のタイミング弁30の開弁期間と重複するまで
の段階を中期段階と言い、また後行する気筒のタイミン
グ弁30の開弁期間と重複する段階を後期段階(後行す
る気筒にとっては初期段階となる)と言う。
【0037】一方、上記第1インジェクタ−21は、上
記第2インジェクタ−22とともにコントロールユニッ
ト(図示省略)によってその作動領域及び噴射タイミング
が制御されるようになっている。即ち、この実施例のも
のにおいては、要求燃料量の少ない低負荷領域において
は第1インジェクタ−21のみが作動せしめられ、要求
燃料量が多い高負荷領域においては第1インジェクタ−
21と第2インジェクタ−22の両方が同時に作動せし
められる。そして、第1インジェクタ−21の燃料噴射
期間は、図5に示すように、この実施例においては初期
段階から中期段階へかけての期間に設定している。
【0038】また、上記シャッター弁15は、上記コン
トロールユニットによって、吸入空気量の少ない低負荷
領域においては閉じ、吸入空気量の多い高負荷領域にお
いては開くようにその作動がエンジン負荷に応じて制御
されるようになっている。従って、このシャッター弁1
5が閉じた低負荷領域(即ち、上記第1インジェクタ−
21からのみ燃料噴射が行なわれる領域)においては吸
気が常開の第1吸気通路11側のみから偏って燃焼室6
に吸入されることから、該燃焼室6内にスワールが発生
せしめられることとなる。
【0039】続いて、このように構成されたエンジン1
の燃料供給装置の作動及びその作用について説明する
が、上述のように第1インジェクタ−21はエンジンの
全負荷領域を通して作動し且つその作動特性はタイミン
グ弁30の開閉作動に対して相対的に設定され、しかも
このような作動特性は第2インジェクタ−22の作動の
如何にかかわらず同じであり、また特に混合気の成層化
を促進して良好な希薄燃焼を実現しもって燃費性能ある
いは排気エミッション性能の改善を図ることが要求され
るのは低負荷領域であるため、ここでは第1インジェク
タ−21のみが作動する低負荷領域での運転についての
み、特に1番気筒C1の作動を中心に説明することとす
る。
【0040】この低負荷運転領域においては、上記シャ
ッター弁15は閉弁状態に設定されるため、燃焼室6に
は第1吸気通路11を通って第1吸気ポ−ト7からのみ
吸気導入が行なわれる。また、第1インジェクタ−21
は、上記タイミング弁30の開弁後から中期段階の終期
にかけての期間において副室32内に所定量の燃料噴射
を行う。この第1吸気ポ−ト7から吸入される吸気と副
室32に噴射供給される燃料とによってエンジン1が運
転されるが、この場合、上記副室32を設けてここに燃
料供給を行うとともに、各気筒の副室32,32,・・相
互を連通路33を介して連通させることにより、燃料の
気化・霧化及び燃焼室6内における混合気の成層化が促
進され、その結果、希薄燃焼が可能となり、燃費性能あ
るいは排気エミッション性能の向上等が図れるものであ
る。
【0041】即ち、図5に示すように、1番気筒C1の
タイミング弁30が吸気弁16の開弁位置付近で開かれ
ると、先ずこのタイミング弁30とこの1番気筒C1に
先行する2番気筒C2のタイミング弁30とが重複して
開弁する初期段階においては、副室32内に該先行する
2番気筒C2側から圧縮された比較的暖かい新気ガスが
連通路33を介して導入される。そして、この副室32
に導入される新気ガスによって該副室32の壁温が上昇
せしめられるとともに、その内部が高温高圧雰囲気とさ
れる。また、この時、同時に該副室32内への燃料噴射
が開始される。従って、この段階では、副室32内に供
給される燃料は上記新気ガスとの接触あるいは該新気ガ
スによって温度上昇せしめられた副室32の壁面との接
触によってその気化・霧化が促進され且つ該新気ガスの
流動によって十分にこれとミキシングされて濃厚混合気
を形成するとともに、該新気ガスの導入によって高めら
れた副室32の内圧と吸気行程にある燃焼室6の内圧と
の差によって該燃焼室6側に噴出せしめられる。
【0042】さらに行程が進行すると、自気筒のタイミ
ング弁30とこれに先行する2番気筒C2のタイミング
弁30との重複状態が消滅し、該2番気筒C2からの新
気ガス導入が停止される。この新気ガスの導入停止時点
から、自気筒のタイミング弁30とこれに後行する3番
気筒C3のタイミング弁30とが重複して開弁するまで
の中期段階においては、引き続き副室32への燃料供給
が続行される。従って、この副室32内に供給された燃
料は該副室32内に残留している新気ガスとの接触等に
よりその気化・霧化が図られるとともに、該副室32と
燃焼室6との圧力差によって順次燃焼室6側に噴出し、
該燃焼室6の上部に濃厚混合気層を形成する。
【0043】さらに、行程が進行し、自気筒のタイミン
グ弁30とこれに後行する3番気筒C3のタイミング弁
30とが重複して開弁する終期段階に至ると、既に副室
32への燃料供給は終了しており、また吸気弁16が閉
じて圧縮行程に移行することから、該副室32内には燃
焼室6側から圧縮初期の比較的高圧の新気ガスが導入さ
れる。そして、この副室32内に導入された新気ガス
は、連通路33を介して3番気筒C3の副室32内に導
入され、この3番気筒C3の副室32内において上記と
同様に燃料の気化・霧化及び混合気の燃焼室6側への噴
出を促進させる如く作用する。
【0044】このように、自気筒に先行する気筒側から
高圧の比較的暖かい新気ガスを自気筒の燃焼室6に導入
して燃料の気化・霧化及び新気ガスとのミキシングを図
り、且つこの濃厚混合気を該新気ガスの圧力で燃焼室6
側に噴出させて該燃焼室6の上部に濃厚混合気層を形成
することにより、該燃焼室6内における混合気の成層化
が実現され、希薄燃焼が可能ならしめられるものであ
る。
【0045】一方、燃焼室6内においては、第1吸気ポ
−ト7から吸入される吸気によってスワールが発生して
おり、その内部の吸気密度はシリンダボア内周面に近い
ほど高くなっているとともに、濃厚混合気が燃焼室6の
ほぼ中央部に向けて噴出されることから、この混合気層
はその周囲が吸気によって取り巻かれた比較的安定した
状態で存在することとなり、混合気の成層化がより一層
確実ならしめられるものである。
【0046】このような状態のもとで、上記点火プラグ
18で点火すると、先ず燃焼室6の上部の濃厚な混合気
層が着火され、ここから燃焼室6の下部の比較的希薄な
混合気層に順次火炎伝播が生じ、希薄燃焼が実現される
ものである。この場合、燃焼室6の上部の濃厚状態の混
合気層の周囲に吸気が存在し該混合気層が比較的低温の
シリンダボア内壁に直接接触してその温度低下をきたす
のが抑制されることから、混合気の着火性が良好に維持
されることとなる。このような希薄燃焼が確実に行なわ
れることにより、燃費効率が向上し、また排気エミッシ
ョンが改善されるものである。
【0047】また、タイミング弁30を燃焼室内圧の低
い吸気行程において開弁させる構成であることから、該
タイミング弁30を燃焼室内圧に抗して開弁させる際の
駆動力が低減され、従ってこの駆動力の低減分だけエン
ジンのポンピング仕事をエンジン出力に振り向けて高出
力化を図ることが可能ならしめられるものである。
【0048】第2実施例 図3及び図4には、本願発明の第2実施例にかかる燃料
供給装置を備えた4気筒自動車用エンジン1が示されて
いる。この実施例のものは、各気筒毎にそれぞれ設けら
れる副室32,32,・・と、これらを相互に連通させる
連通路33の構造及び点火プラグ18の配置構造を除い
て、基本的に上記第1実施例のものと同様である。即
ち、この実施例のものは、上記第1実施例のものが各副
室32,32,・・を燃料供給ポート31から上方に向け
て形成していたのに対して、この実施例ものは該各副室
32,32,・・を上記燃料供給ポート31,31,・・か
らそれぞれエンジン側方に向けて形成し、且つその上流
端を上記各吸気通路7,8の下側位置に形成された連通
路33を介して相互に連通させるとともに、この連通路
33と各副室32,32,・・との合流部にそれぞれ第1
インジェクタ−21,21,・・を取り付けている。ま
た、上記第1インジェクタ−21をエンジン1の側方に
配置した関係上、点火プラグ18を燃焼室6の上方位置
に配置するようにしている。
【0049】このように、この実施例のものは、上記第
1実施例において点火プラグ18と第1インジェクタ−
21の配置位置を取り替えた構成となっており、従って
この実施例のものにおいても上記第1実施例のものと同
様の作用効果が得られることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施例にかかる燃料供給装置を
備えたエンジンの一部における平面概示図である。
【図2】図1のII-II部の縦断面図である。
【図3】本願発明の第2実施例にかかる燃料供給装置を
備えたエンジンの一部における平面概示図である。
【図4】図3のIV-IV部の縦断面図である。
【図5】本願の各実施例にかかる燃料供給装置を備えた
エンジンにおけるバルブタイミング特性図である。
【符号の説明】
1はエンジン、2はシリンダブロック、3はシリンダヘ
ッド、5はピストン、6は燃焼室、7は第1吸気ポ−
ト、8は第2吸気ポ−ト、9は第1排気ポ−ト、10は
第2排気ポ−ト、11は第1吸気通路、12は第2吸気
通路、13は第1排気通路、14は第2排気通路、15
はシャッター弁、16は吸気弁、17は排気弁、18は
点火プラグ、19はウォータージャケット、20はプラ
グホール、21は第1インジェクタ−、22は第2イン
ジェクタ−、26及び27はカムシャフト、30はタイ
ミング弁、31は燃料供給ポート、32は副室、33は
連通路である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 19/10 F 9039−3G F02D 41/34 F 9039−3G (72)発明者 田賀 淳一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 中角 忠孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの気筒の吸気行程に対して他の気筒
    の排気行程が重なるように吸・排気弁の開閉タイミング
    が設定された多気筒エンジンにおいて、吸気通路とは別
    個にインジェクタ−を備えた副室を各気筒の燃焼室にそ
    れぞれ開口させるとともに該各副室を連通路を介して相
    互に連通せしめる一方、上記各副室の開口部にそれぞれ
    タイミング弁を配置するとともに、該各タイミング弁の
    開弁タイミングを、それぞれ対応する気筒の吸気弁の開
    弁位置付近で開弁し、該吸気弁の閉弁位置から所定期間
    遅れた位置で閉弁し、且つ上記一つの気筒に設けられた
    タイミング弁と他の気筒に設けられたタイミング弁との
    開弁期間が一部重複するように設定し、さらに上記各イ
    ンジェクタ−による燃料の噴射タイミングを上記タイミ
    ング弁の開弁期間の略前半部分に設定したことを特徴と
    するエンジンの燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記副室がシリンダ
    ボアの略中央部に開口せしめられるとともに、上記吸気
    通路が吸気流によって燃焼室内にスワールを生成せしめ
    得る如く構成されていることを特徴とするエンジンの燃
    料供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、各気筒間に
    おける吸・排気弁の開閉タイミングが180°位相に設
    定されていることを特徴とするエンジンの燃料供給装
    置。
JP21376091A 1991-08-26 1991-08-26 エンジンの燃料供給装置 Pending JPH0560038A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100365113B1 (ko) * 1996-11-22 2003-03-15 기아자동차주식회사 직접분사식가솔린기관의피스톤헤드형상구조
KR20140086873A (ko) * 2012-12-26 2014-07-08 두산인프라코어 주식회사 엔진의 흡기구 구조

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100365113B1 (ko) * 1996-11-22 2003-03-15 기아자동차주식회사 직접분사식가솔린기관의피스톤헤드형상구조
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