JPH0558931U - 緩み止めボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、コストの低減と、製造及び組付け
時の作業性の向上を図ることができる緩み止めボルトを
提供することを目的とする。 【構成】 本考案は、ボルトのネジ山に、ボルトの軸方
向に溝をプレスし、溝内の材料をネジ山斜面より突出さ
せて構成した、緩み止めボルトである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は緩み止めボルトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ボルトの緩み止め方法としては、ネジ部にナイロックやスコッチグリッ プ等の塗布材を塗る方法、ばね座金を用いる方法、ボルト頭部をワイヤーで結ぶ 方法、ネジ部にナイロン等を埋め込む方法等が存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の方法は、いずれもボルト以外に塗布材、座金、ワイヤー、ナイロン等が 必要であり、ボルトの価格が高くなる。 塗布材を用いる場合は、塗布量によりトルクが変化するため、正確な塗布量の 管理が必要となり、塗布作業が非常に煩雑である。 座金、ワイヤー、ナイロン等を用いる場合は、ボルトを多量に使用する産業分 野においては、それらの組み付け作業の手間は膨大なものとなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、コストの低 減と、製造及び組付け時の作業性の向上を図ることができる緩み止めボルトを提 供することを目的とする。 即ち、本考案は、ボルトのネジ山に、ボルトの軸方向に溝をプレスし、溝内の 材料をネジ山斜面より突出させて構成した、緩み止めボルトである。

【０００５】

【実施例】

以下、図面を参照しながら、本考案の一実施例について説明する。 本考案のボルトは、図１に示すように、ボルトのネジ山１の頂上部に、ボルト の軸方向に溝１１をプレスして凹設したものである。 そして、溝１１を凹設することによって、図２、３に示すように、溝１１内の 材料をネジ山１の斜面より突出させて突出部１２を構成したものである。 突出部１２の突出量は、溝１１の深さにより調節する。 溝１１の周方向及び軸方向の本数は、後述のように所要の締結トルクを得られ るよう適宜選択する。 また、溝１１の深さ及び本数は、締結トルクに部分的な相違が発生しないよう に、均等に設けることが望ましい。 なお、溝１１を凹設するに当たっては、ボルトのネジ部先端の２〜３山には完 全なネジ山１を残しておき、ナットやその他の締結部材との組付けの容易性を図 るとよい。

【０００６】

【製造方法】

溝１１の凹設方法は、図４、５に示すようなダイス３を用いて行う。 このダイス３は、通常のネジ転造部３１を有し、かつそれと連続して溝転造突 起３２を突設したものである。 このようなダイス３を使用することによって、ネジ山１と溝１１を同一工程で 形成することができる。 なお、ネジ山１を転造した後に、別工程で溝１１を転造することも勿論可能で ある。

【０００７】

【作用】

図３は、ナットやその他の締結部材の雌ネジ部２に、本考案のボルトを螺合さ せた状態を示している。 このとき、雌ネジ部２のネジ山２１の斜面には、ボルトの突出部１２が圧接し ている。 そのため、雌ネジ部２とボルトネジ山１との嵌合隙間が無くなり、所要の締結 トルクを得ることができ、緩みを防止することができる。 なお、締結トルクの調節は、前述のように溝１１の深さ及び本数を適宜選択し 、突出部１２の突出量を調節することによって容易に行える。

【０００８】

【本考案の効果】

本考案は以上説明したようになるため、次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞従来のような塗布材、座金、ワイヤー、ナイロン等が不要であり、ボルト のみで緩みを防止できるため、作製コストの低減と、作製及び組付け時の作業性 の向上を図ることができる。 ＜ロ＞溝の凹設はネジ山と同一工程でできるため、作製作業の簡素化及び作製コ ストの低減が図れる。 ＜ハ＞溝の深さ及び本数を適宜選択し、突出部の突出量を調節することによって 、締結トルクを任意に調節できるため、商品価値を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の緩み止めボルトの一実施例の説明図

【図２】 溝の拡大説明図

【図３】 螺合作用を示す説明図

【図４】 転造ダイスの説明図

【図５】 転造ダイスの説明図

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルトのネジ山に、 ボルトの軸方向に溝をプレスし、 溝内の材料をネジ山斜面より突出させて構成した、 緩み止めボルト。