JPH0549265A - 負荷電源回路、負荷駆動用電源回路および負荷交流駆動方法 - Google Patents

負荷電源回路、負荷駆動用電源回路および負荷交流駆動方法

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JPH0549265A
JPH0549265A JP2059138A JP5913890A JPH0549265A JP H0549265 A JPH0549265 A JP H0549265A JP 2059138 A JP2059138 A JP 2059138A JP 5913890 A JP5913890 A JP 5913890A JP H0549265 A JPH0549265 A JP H0549265A
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貴昭 池田
Toshihiko Suga
敏彦 須賀
Akihiko Kuroiwa
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Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、抵抗負荷またはダイオード特性の 負荷を交流駆動するときの負荷電源回路と、負 荷駆動用電源回路と、負荷交流駆動方法に関す る。
〈従来技術〉 抵抗負荷、例えば電球、螢光灯、ナトリウム ランプ、水銀ランプ等の各種ランプ、ヒータ等 や、ダイオード特性の負荷、例えばLED(ラ イト・エミッテイング・ダイオード)、LD (レーザ・ダイオード)等は、直流負荷あるい は交流負荷として使用され、種々の点燈回路、 駆動回路等が作製される。
例えば、LEDは、文字をスクロールする電 飾看板やパイロットランプ等に用いられ、細 かい用途まで含めると種々の分野に使用され る。
これはLEDが半導体固体発光素子であり、 その点燈寿命が数十万時間と云われ、電球のよ うに球切れが無いことが大きなメリットとなっ ているためである。
ところでLEDは電流発光素子であり、 LEDのダイオード特性によって決まる順方向 に電流を流すと発光する。 従ってLEDの場 合、特に、高輝度タイプのものは直流電流によ る発光方式が用いられるが、交流電流による発 光方式であっても、逆方向電流の適当なバイパ ス回路を設けることにより発光させることがで きる。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところで、このようなLEDをはじめとする ダイオード特性の負荷や抵抗負荷の場合、負荷 を通過する電流の大部分は光や熱にならず、単 に負荷を通過し、対極のチャージと再結合して エネルギーロスとなる。
例えば、LEDの場合、発光効率、すなわち 光になる割合は、LEDを通過する電力の数% 以下である。
加えて、過剰電流を防止するため、通常負荷 と直列に抵抗が挿入されており、この抵抗によ る電力損失も存在する。
このため、上記のような抵抗負荷やダイオー ド特性の負荷を用いた電源回路の電力効率は非 常に低い。
このことは従来の直流、交流いずれの方式に ついても共通していることである。
本発明の主たる目的は、エネルギーロスをな くし、回路の電力効率を高めた抵抗負荷やダイ オード特性の負荷を使用した負荷電源回路と、 負荷駆動用電源回路と、負荷交流駆動方法とを 提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は下記の(1)〜(12)の 本発明によって達成される。
(1)直列結合成分の一部に両極性コンデンサ と、インダクタと、抵抗および/またはダイ オード特性を有する負荷とを含む負荷回路を構 成し、 前記負荷回路の一端を、一対の正負スウィッ チを有するインバータの結合出力端子に結合 し、他端をインバータの直流入力電源の中間電 位端子または接地端子に結合したことを特徴と する負荷電源回路。
(2)直列結合成分の一部に抵抗および/また はダイオード特性を有する負荷を含む負荷回路 を構成し、この負荷回路をトランスの二次側の 出力端子に結合し、 両極性コンデンサをトランスの一次側に直列 結合して一次側回路を構成し、 前記一次側回路の一端を、一対の正負ス ウィッチを有するインバータの結合出力端子に 結合し、他端をインバータの直流入力電源の中 間電位端子または接地端子に結合したことを特 徴とする負荷電源回路。
(3)前記負荷を双方向に電流を流せるLED アレイ回路によって形成してLED点燈回路を 構成した上記(1)または(2)に記載の負荷 電源回路。
(4)前記LEDアレイ回路は、入力・出力間 が正方向の電流分岐経路と負方向の電流分岐経 路とに分岐され、この両分岐経路がLEDアレ イをそれぞれの経路の一部として互いに共有 し、かつ前記それぞれの分岐経路に前記LED アレイを介して、一対の逆流防止ダイオードを 挿入した上記(3)に記載の負荷電源回路。
(5)前記インバータの一対の正負スウィッチ のそれぞれは、スウィッチング機構をバイパス するバイパスチャネルを有する上記(1)な いし(4)のいずれかに記載の負荷電源回 路。
(6)前記バイパスチャネルは、逆流電流バイ パスダイオードを有する上記(5)に記載の負 荷電源回路。
(7)前記インバータの一対の正負スウィッチ のそれぞれに、前記バイパスチャネルの内側に 順方向にダイオードを挿入した上記(6)に記 載の負荷電源回路。
(8)前記インバータの一対の正負スウィッチ をそれぞれ、電流値が零になると自動的にチャ ネルを閉成するゼロクロススウイッチ機構を用 いて構成した上記(5)ないし(7)のいずれ かに記載の負荷電源回路。
(9)前記インバータの一対の正負スウィッチ のそれぞれのスウィッチング周波数および/ またはチャネル開成時間を可変設定できる 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の負 荷電源回路。
(10)前記負荷回路が前記負荷を脱着可能 に結合できる結合端子を有し、この結合端子 に負荷を結合することにより上記(1)な いし(9)のいずれかに記載の負荷電源回路が 構成される負荷駆動用電源回路。
(11)上記(1)ないし(9)のいずれかに 記載の負荷電源回路を用いてインバータによる プッシュプル駆動を行い、 前記インバータの入力電源からインバータを 経て両極性コンデンサーに交互にチャージアッ プされる電荷を、同一供給電源側に逆流電流と して回収することを特徴とする負荷交流駆動方 法。
(12)前記負荷回路または前記一次側回路の インダクタンスの作用により、前記インバータ の一対の正負スウィッチの開成動作時における 電流値の急峻な立ち上がりを抑制し、かつス ウィッチの閉成動作時における電流値を減少さ せて、スウィッチングエネルギーロスを減少 させる上記(11)に記載の負荷交流駆動方 法。
〈作用〉 本発明は、主に負荷電力の余剰電力を逆流電 流によって回収しようというもので、エネル ギー効率的に次の3つの作用が同時に実現す る。
光や熱にならず、単に負荷を通過する電流に よる余剰負荷電流を逆流電流により回収するこ とにより電力効率の改善を図る。
負荷電圧と負荷電流の位相をずらし、かつイ ンバータのチャネル開成(ON)時の急峻な電 流値の立ち上がりを抑制することにより、パ ワートランジスタ、パワーMOSFET、サイ リスタ等によるスウィッチングエルネギーロス の解消を図る。
過剰電流防止用の抵抗を挿入することなく過 剰電流を防止し、抵抗によるエネルギーロスを 解消する。
〈実施例〉 本発明の第1の態様の具体的回路構成を第1 図および第2図に従い説明する。
本発明の電源回路においては1対のスウィッ チTr、Trを有するインバータが+E、 −Eのデュアルモードあるいは+2Eのシング ルモードの直流電源に接続される。
インバータは公知のいずれのものであっても よく、スウィッチTr、Trがスウィッチ ング周波数fにより交互に開閉される。 ス ウィッチTr、Trとしては、耐圧が 2E以上のパワートランジスタや、パワー MOSFET等を用い、プッシュプルインバー タを構成することが好ましい。
なお、図示例では、好適例として、Tr、 Trおよび後述のTr、Tr、Tr、 Trに、両極性のパワーMOSFETを使 用しているが、Tr、Tr、Tr、 Tr、TrおよびTrとしては、パワー トランジスタの他、通常のトランジスタや MOSFET等を用いてもよい。
パワーMOSFETを用いる場合には、通 常、スウィッチTr、Trとして、それ ぞれPチャネル、Nチャネルのコンプリメン タリーなペアーを選択するる。 例えばエンハ ンスメントモード(Normally offモード) のパワーMOSFETとしては、日立製の 「2SK310」、「2SJ117」を用いる ことができる。
第1図および第2図に示される負荷電源回路 では、それぞれ、負荷4と、インダクタLと、 両極性コンデンサCとを直列接続したLCR回 路を負荷回路としている。
この負荷回路は、負荷4と、両極性コンデン サCと、インダクタLとを直列結合成分の少な くとも一部に含むものであればよい。
この場合、両極性コンデンサCと、インダク タLと、負荷4とが直列に設けられていれば、 両極性コンデンサCとインダクタLと、負荷4 との接続順序に特に制限はない。
このLCR回路である負荷回路の一端はイン バータの結合出力端子7に結合して構成され る。
また、LCR回路の他端は、インバータの正 負直流入力電源の中間電位端子9や接地端子8 に結合すればよい。
第1図に示される回路と、第2図に示される 回路とのちがいは電源電圧の構成である。
第1図に示される回路は接地電位に対し±E ボルトのデュアルモードの直流電源を有する場 合、第2図に示される回路は接地電位に対し2 Eボルトのシングルモードの直流電源を有する 場合である。 シングルモードの電源では容量 のほぼ等しい一対のコンデンサC、Cによ り電源電位を分割して中間電位端子9を得る方 法を用いている。
この場合、一対のコンデンサC、Cは、 逆流電力バッファーとしても機能する。
本発明に用いる負荷4は、電球、螢光灯、ナ トリウムランプ、水銀ランプ等の各種ランプ、 ヒータなどの抵抗負荷や、LED(ライト・エ ミッティング・ダイオード)、LD(レーザ・ ダイオード)等のダイオード特性の負荷であ る。
この場合、ダイオード特性を有するもので は、過電流防止用の挿入抵抗を除去できるの で、本発明の効果が倍加する。
また、LEDは、高信頼度、長寿命、機械的 に強いなどの点ですぐれているが点燈効率の上 昇が課題とされており、この点からも本発明の 効果はLEDについて特に顕著といえる。
以下、負荷としてLEDないしLEDアレイ を用いた場合を例に挙げ説明する。
インバータ回路を用いてLEDを点燈する には、負荷4として、双方向に電流を流せる LED回路ないしLEDアレイ回路を挿入す る。 この場合本発明では、特にLEDアレイ 回路が好ましい。
すなわちLEDアレイにすることにより同時 に複数個のLEDを点燈でき、また直列配列に すれば同一輝度で点燈させることが容易であ る。
第26図〜第28図には、本発明に用いる LEDアレイ回路の例が示される。
第26図に示されるLEDアレイ回路は、 LEDアレイと並列にダイオードD70を設けた ものである。 この回路では、LEDアレイ5 に一方向の電流しか流れず、逆方向電流は通常 のダイオードD70を挿入したバイパス経路を通 過してしまう。
このため本発明の半分程度しか活用していな い。
また、第27図に示されるLEDアレイ回路 は、2つのLEDアレイ5、5が並列に接続さ れたものである。 この回路では2つのLED アレイで電流方向を分配しているが、1つの LEDアレイをとってみると、点燈デュー ティー比は半分である。
このため輝度が低い。
なお、LEDアレイ5、5は同一でも異なっ ていてもよい。
第28図に示されるLEDアレイ回路は、特 に好ましいタイプであり、正負双方向の電流が 1つのLEDアレイ5を流れるように、逆流防 止ダイオードD81、D82、D9192を挿入し て形成される。
すなわちこの回路は、第29a図に実線で示 されるようにD81−LEDアレイ−D82で形成 され、図中右方向に電流を流す正方向電流分岐 経路と、第29b図に実線で示されるように D92−LEDアレイ−D92で形成され、図中左 方向に電流を流す負方向電流分岐経路とが1 つのLEDアレイ5を共用する形になってい る。
このため、正方向へ流れる電流と負方向へ流 れる電流が、それぞれ1つのLEDアレイ5を 負荷し、高い輝度が得られる。
このようなLEDアレイ回路を負荷とした本 発明の点燈回路の場合、LとCの関係は、回路 のR成分もしくはRの等価成分が無視できるほ ど小さければ、 で与えられる(理想状態)。
なお、通常fは50Hz〜600Hz程度、C は0.1μF〜10μF程度、Lは10mH〜 100mH程度である。
このような回路構成にて、LEDに負荷を与 えると、コンデンサCにかかる電圧値Vと電流 値Iは、回路のR(抵抗成分および抵抗等価成 分)を無視できる程小さいものとすれば、第3 図に示されるようになる。
て、コンデンサCの電圧Vは2τを周期とし て、±2Eの振幅で変化する。 この際、負荷 電流Iは、コンデンサCやインダクタLの存在 により位相がずれ、しかもτを周期として、 スウィッチの開成動作時における負荷電流Iの 急峻な立ち上がりが抑制される。
このため、スウィッチTr、Trの開閉 動作時(開閉動作の瞬間)においては、回路に 電流はほとんど流れない。
この結果、スウィッチの開閉動作の立ち上が りあるいは立ち下がり時には、インバータ回路 の電流は零かきわめて小さいものとなり、ス ウィッチングエネルギーロスが極めて小さいも のとなる。
ところで、通常LEDを点燈させる回路に は、LEDへの過剰電流を防止するため、 LEDと直列に抵抗が入れてある。 しかし本 点燈回路を用いる場合には、この直列抵抗は 必ずしも必要ではなく、むしろ不要にでき る。 それは、本発明の回路による点燈方式を 採用した場合、回路に流れる電流は、回路のR およびR等価成分が零としても、ピーク電流 定されるからである。 従ってLEDないし LEDアレイへ流せる電流容量の最大値を を満たすようにL、CおよびEを選択すれば完 全に過剰電流を防止できる。
このような方式で、LEDを負荷すると、ス ウィッチング部のインバータの一方のスウィッ チ、例えばTrのドレイン・ソース間の電圧 VDSと電流IDSは、第4a図に示されるように なる。 また、コンデンサCにかかる電圧V は第4b図に示されるようになる。
すなわち、スウィッチTrのVDSは、 τ〜2τ間が2Eの矩形パルス電圧であ る。 これに対しIDSは、インダクタやコンデ ンサにより位相がずれ、しかも0〜τ間にお いては、0〜τ間は、コンデンサCにチャー ジアップされた電荷がインダクタLにより正方 向電流aとして流れるとともに、負荷電流Iの 逆転にともないτ〜τ間は逆流電流bとし て流れることになる。
この第4a図のIDSの斜線部bが逆流電流で あり、これに相当する電力(チャージ)が余剰 電力として同一供給電源側に回収されているわ けである。
以上において、R(抵抗成分)が零であると すれば、第3a図においてaとbの面積は等し くなり、事実上、永久機関的となる。 しかし このようなことはあり得ず、実際には回路のR 等価成分、すなわち回路のR成分、Cにおける 誘電損失、Lにおける磁場損失、LEDの発光 エネルギー等によって電力は消費され、図示の ように、a>bとなる。 しかも、bはaより も相当小さい。
一方、Vも第3図に示されるような左右対 称なきれいな波形ではなく、第4b図に示され るように、±ΔEだけ上下にずれたものとな る。 すなわち、ΔE・C分だけのチャージ が、コンデンサCでの誘電損失や抵抗による 発散ロス等により帰還し得なかったこととな る。
しかし、重要なことは、面積bに相当する電 力は、同一供給電源側に間違いなく回収されて いることであり、それだけ電力効率を改善して いる事実である。 なお、今迄のLED点燈方 式ではこの逆流成分に相当する電力は、対局す なわち他方の電源側にすてられ、スウィッチン グロスとならないまでも、送電線のロスとして すてられていたわけである。
ここで第5図に示されるLCR回路を用い て、電力回収の原理についてさらに詳細に説明 する。
このようなLCR直列回路において、ス ウィッチSを閉じてからのコンデンサCの両 端の電圧V、回路の電流Iの経時変化は、 LCR回路の過度現象のダイナミズムとしてよ く知られているように、第6図に示されるよう になる。 この場合、τ、τは、前記同 様、L、C、Rの値により定まる時定数であ る。
本発明の点燈方式は、前記抵抗Rを回路のR 等価成分に見立て、前記スウィッチSをイン バータの一対の正負スウィッチTr、Tr の一方に見立て、時定数τのところで同期を とりながらスウィッチングするものである。
すなわち、本発明の点燈方式は、このLCR 回路における過度現象である振動現象を利用し たものである。 そして、電源を第5図のよう に+Eとした場合の過度現象と、図示しない が、−Eとした場合の過度現象とを時定数τ に同期させながら交互に切換えることによって 点燈回路の安定な定常状態を実現したものであ る。
ただしLCR回路では、Rの値が一定値以上 の値になると第6図に示されるような振動現 象は発生しない。 つまり本発明の点燈回路で は、Rに対応する等価成分が一定値以上の場 合、電荷の逆流は起こらない。
LCR回路のRに対応する点燈回路の等価成 分は、回路内抵抗、インダクタの磁束損失、イ ンダクタの直流抵抗、インダクタの磁束飽和、 コンデンサにおける誘電損失およびLEDにお ける光束発散等であり、このR等価成分が小さ いほど逆流電流すなわち電荷の帰還量は多くな る。
本発明の点燈回路では、電源電圧を+Eから −Eにスウィッチングするが、その設定には、 公知の種々の方法を用いればよく、例えば、ス ウィッチング周波数fを調整し、τに同期さ せればよい。
以上のように本発明では、両極性コンデンサ Cにチャージアップされた電荷を、インダクタ の力により、この電荷が供給された同一電源側 に回収し、他方の電源側への流失を減少させ て、電力効率を向上させるものである。
ところで、スウィッチTrとして、ドレイ ン・ツー・ソース方向のみのダイオード特性の あるスイッチング素子、例えばパワートラン ジスタを用いる場合には、適当なダイオード D11、D12、D13、D14、D21、D22、D23、 D24を用いて、第7図に示されるような構成と すればよい。
このような構成により、正方向電流も逆流電 流も、必ずスイッチング素子ではコレクタから エミッタ方向あるいはエミッタからコレクタ方 向にのみ流れるからである。
ただし、本発明では、スウィッチTrには、 前記のようにチャネルが開いていさえすれば ドレイン・ツー・ソースのみでなくソース・ ツー・ドレインにもほぼ同じように電流を流す スウィッチング素子、例えばパワーMOSFE T等が好適である。
本発明において、用いる直流電源には特に制 限はない。
ただ、本発明は電源として2次電池電源や太 陽電池電源を用いる場合、特に省電力化の点で 有効である。
しかし、逆流電流をそのまま2次電池に再充 電するのは、電流寿命を短くするのみならず、 電池の特性そのものから困難な場合もある。
従って電池を電源とする場合には、第8図 に示されるように電源とスウィッチTr、 Trとの側にダイオードD、Dを挿入 し、さらに逆流電力バッファーとしてコンデ ンサC、Cを設けることが好ましい。 な お、この場合、容量の等しい一対のコンデンサ C、Cを用いればCとC間を中間電位 端子とすることができる。
あるいは、第9図に示されるように、やはり このバッファーコンデンサC、Cと電源の 側に同一周波数fでスウィッチングし、かつ逆 流時には閉じているようなスウィッチTr、 Trを有する第2のインバータを接続するこ とも好ましい。 この際、この第2のインバー タと電源間にさらに、位相調整用インダクタと してインダクタL、Lを設けるのも一策で ある。 この場合は、コンデンサCへの電荷 供給時およびコンデンサCからの電荷逆流時 に、電源からコンデンサCへのチャージを防 止できるため、さらに損失を相当量小さくでき る。
あるいは、第10図に示されるように、電源 に接続したTr、Trを有する第2のイン バータの後段に、インダクタLを設ければ、 インダクタは1つのみでよくなる。
この際、第9図および第10図において、 f=fであるが、Trのオープン時は Trがクローズ、Trのクローズ時は Trがオープンするように構成する。
すなわち、Tr、Tr、Tr、Tr のオープン・クローズの関係は下記のようにな る。
0〜τ τ〜2τ Tr オープン クローズ Tr クローズ オープン Tr クローズ オープン Tr オープン クローズ なお、このような場合、1/C=1/C1+1/C2 としてやれば、先の理想状態に 設定してもかまわない。
また、インダクタLを挿入するのは、ス ウィッチTr、Trにおけるスイッチング エネルギーロスを回避するためであり、L度付近に設定すればよい。 そして、このとき ロスはほとんど零に低減される。
本発明の点燈回路を用いてLEDを点燈させ る場合、コンデンサCへチャージアップされた 電荷を逆流電流として帰還させる回路内の電荷 動作のダイナミズムは、回路のR等価成分、コ ンデンサのキャパシタンス、インダクタのイン ダクタンスおよびスウィッチング信号の周波数 や波形によって決まる。
従って、本発明の点燈回路を用いてLEDを 点燈させるには、これら4つのパラメータをう まく適合させなければならない。
パラメータの適合方法に制限はなく公知の 種々の方法を用いればよいが、操作が容易であ る点で以下に述べる方法を用いることが好まし い。
インバータのスウィッチング周波数f (τ)を固定させ、パルス巾のデューティー 比(半周期τに対するスウィッチの開期間 τの割合:τ/τ)を可変にしておき デューティー比を設定する方法。
デューティー比を固定させ、スウィッチン グ周波数fを可変にしておき、スウィッチン グ周波数fを設定する方法。
スウィッチング周波数fおよびデュー ティー比の双方を可変にしておき、双方を設 定する方法。
なお第11図には、周波数fを固定させ、 デューティー比τ/τを1より小さく設定し た場合のスウィッチング波形とドレイン・ソー ス間電流IDSが示される。
このような方法を用いる場合、例えば、オシ ロスコープ等で、インバータの一方のスイッチ ング素子のドレイン・ソース間の電流、電 圧波形を見ながら、スウィッチング周波数 やデューティー比の調整、設定を行えばよい。
そして、スウィッチング周波数やデュー ティー比の調整、設定は、例えば、発振回路に 設けられている調整、設定用のボリュームを操 作することにより行われる。
このような場合、スウィッチング信号波の周 に別のボリューム調整つまみをつけておけば、 LEDないしLEDアレイの点燈輝度を 調整することができる。
なお上記τは、スウィッチング信号波の半周 期である。
次に逆流帰還電流の回帰周期が、ボリューム 調整等のマニュアル操作によらず、自動的に設 定される本発明の負荷電源回路を、LED点燈 回路を例にとり説明する。
第12図に示される回路は、逆流電流バイパ スチャネルを有し、周波数fを設定して、電流 モードを追随させる自動設定方式によるもので ある。
この回路は、電源から両極性コンデンサCへ 流れる正方向電流のチャージアップ経路と、逆 流電流の帰還経路(バイパスチャネル)とを電 源−インダクタ間に分離して設けたものであ る。
この場合、それぞれの経路にインバータス ウィッチであるTr、Trを有するチャー ジ用インダータと、Tr、Trを有する帰 還用インバータを設ける。 また、それぞれの 経路は、ダイオードD、D、D、Dに よって規制するが、ダイオードDとDはな くてもよい。 ダイオードD、Dがない場 合は、逆流電流は、スウィッチTr、Tr だけでなく、スウィッチTr、Trをも流 れる。 そして、逆流電流が流れているときに スウィッチの閉成動作を行うが、別に帰還用の 経路があるため、スウィッチングロスはほとん ど発生しない。
なお、スウィッチTr、Tr、Tr、 Trにダイオード特性のスウィッチング素 子、例えばパワートランジスタを用いればダイ オードは不要である。
このような本発明の点燈回路ではLED点燈 周波数fに合わせてそれぞれのインバータをそ れぞれ異なる信号波f、fでオン、オフす る。
このような回路では、正電源側からの電荷 は、正方向電流としてTrを通じてコンデン サCにチャージされ、Trを通じて逆流電流 として帰還される。
また、負電源側からの電荷もTrを通じ 同様にチャージされ、Trを経て帰還され る。 この場合、f、fが順方向同期パル スであればTr、Trは同一チャネルのも の、Tr、Trも同一チャネルのものを用 い、TrとTrおよびTrとTrはチ ャネルの異なるコンプリメンタリーなペアをそ れぞれ選択する。 一方f、fが互いに反 転する同期パルスであれば、TrとTrは 異なるチャネルのもの、Tr、Trも異な るチャネルのものを用い、TrとTrおよ びTrとTrはチャネルの異なるコンプリ メンタリーなペアをそれぞれ選択する。
帰還用のインバータのTr、Trをス ウィッチングする信号波fは、通常矩形波と され、その周波数はLEDの点燈周波数fと同 一に設定される。 なお、信号波fのパルス 巾のデューティー比は、τ/τ以上であれば よく、所定値に選定され、通常は固定値とされ る。 図示の場合はデューティー比1であ る。
一方、チャージ用のインバータのTr、 Trをスウィッチングする信号波fは、通 常矩形波とされ、その周波数はLEDの点燈周 波数fと同一に設定される。 信号波fのパ ルス巾τのデューティー比τ/τは、固定 しても、可変設定としてもよいが、後述するよ うに一定の制約があり、τ/τ以下とされ、 好ましくはτ/τ以上かつτ/τ以下とさ れる。 なお、周波数やデューティー比は、上 記の条件を満たす限り任意であり、適宜決定さ れる。
ここで、正電源側からの電荷のチャージや帰 還の動作について、Tr、Trのドレイ ン・ソース間電流I DS、I DSおよび信号波 f、fを用いて説明する。
信号波f、fおよび電流I DS、I DS は第13図に示されるようになる。
なお、電流波形の図中点線で示されるのは負 電源側のTr、Trを流れるドレイン・ ソース間電流I DS、I DSである。
第12図の点燈回路では、時定数τ、τ は、回路内のキャパシタンス、インダクタンス および抵抗等により定まる可変のものである が、第13図に示されるようにパルス巾τの 値は、τもしくはτと同一である必要はな い。 ただし、前記のとおりτ≦τでなけ ればならない。 もしτ>τであると、一 度電源に帰還した電荷が、Trを通じてコン デンサCに再チャージされてしまうからであ る。 またτ<τであると、スウィッチン グエネルギーロスが問題となるのでτ≧τ であることが好ましい。
しかし、この点燈回路では、τ≦τであ る限り、信号波f、fを一度設定した後固 定しておいても電流帰還が自動的に実現でき る。 このため、コンデンサCのキャパシタン スや回路のR等価成分等の経時変化により、 τの値が変化した場合、さらにはτとτと のタイミングが多少ずれて設定された場合も電 流の逆流帰還モードが自動的に追随達成され る。
例えば自動設定方式を用いないと第14図に 示されるように設定当初はスウィッチング周 波数fのτの値と一致していたτの値が 減少し、τとτとのタイミングがずれて しまう。 また、誤ってτを設定する場合もあ る。 なお、第14図中、IDSは設定当初のド レイン・ソース間電流I DSは経時変化後の ドレイン・ソース間電流である。 そして、 (+)は正電源側、(−)は負電源側の電流を 示す。
このような場合には、第14図に示される斜 線部の再チャージ電流が発生し、LED点燈効 率の低下原因となる。
しかし、第12図に示される自動設定方式を 用いれば、τ≦τ≦τである限り、ス ウィッチングロスの解消と経時変化や設定ミス 等に伴う再チャージ電流の発生とを防止するこ とができる。
なお、この場合も前述した理由により、第 15図に示されるように電源と、スウィッチン グ素子であるチャージ用インバータのTr、 Trとの側にダイオードD、Dを挿入 し、さらに逆流電力バッファーとしてコンデン サC、Cを設けることが好ましい。 ある いは、第9図、第10図に示されるような第2 のインバータや位相調整用インダクタを設けて もよい。
次に、他の自動設定方式としてインバータの スウィッチTr、Trと並列にダイオード による逆流電流バイパスチャネルを有する構成 にて電流モードを追随させる自動設定方式につ いて説明する。
この方式は、第16図あるいは第17図に 示されるように、インバータのスウィッチ Tr、Trと並列に、ダイオードD、 Dによる逆流電流のバイパス経路を設けたも のであるが、これによりある設定条件の範囲内 において逆流電流モードがオートロックされ る。
この場合、第16図におけるスウィッチ Tr、Trが、トランジスタのようにダイ オード特性をも有する場合には、第16図の回 路は第17図の回路と等価になる。 なお、第 17図の回路では、ダイオードD、Dは、 それぞれ、ダイオードD、Dの内側に挿入 される。
また、第16図の回路において、スウィッチ Tr、Trとして寄性ダイオード特性を有 するFETを用いれば、あえてダイオードによ る逆流電流バイパスチャネルを設けることなく 第16図に示される回路の等価回路が実現でき る。
これらは第12図においてスウィッチTr、 Trを省略したものに相当し、回路の簡易 性、スウィッチング周波数設定の容易性からさ らに好適なタイプである。
さて、話を判りやすくするため、第17図の 場合についてその動作を説明する。
第17図においてスウィッチTrが開成さ れ、スウィッチTrが閉成されている間、プ ラスのチャージはダイオードD、スウィッチ Trを経て、インダクタLおよびLEDを通 じてコンデンサCにチャージアップされる。
また逆流電流はダイオードDを通じて正電源 側に回収される。
逆流電流が正電源側に回収されきった時点 で、スウィッチTrは閉成していなければな らない。 そして逆流電流が正電源側に回収さ れるまで、スウィッチTrは閉成していなけ ればならない。
今、第17図のスウィッチTrを開成した 場合におけるL、Cおよび回路のR等価線分で 決まるLCR回路の電流波形が第18図で示さ れるとする。 また、これに対するインバータ のスウィッチング波形はやはり第18図のよう であったとする。
この場合τ≦τ≦τ、τ≦τである から逆流電流のオートロックが自動的に達成さ れる。
すなわち、本方式により逆流電流のオート ロックが達成されるのは τ≦τ≦τ τ≦τ の条件が満たされる範囲内においてである。
なお、τ>τ、τ≦τの場合において も逆流電流のオートロックは達成されるが、 チャージアップ電流が流れている間にTrを 閉成することになるのでスウィッチングロスが 発生するおそれがある。 またコンデンサCに 充分な電荷がチャージアップされない。
この場合も第8図、第9図および第10図に 示されるように、ダイオードD、D、バッ ファーコンデンサC、C、第2のインバー タ、位相調整用インダクタを用いればより一層 効果が高い。
以上の実施例の説明は、インバータのス ウィッチング素子としてエンハンスメントモー ド(Normally offモード)のものを用いて行っ てきたが、ディプレッションモード(Normally onモード)のものを用いても同じような動作 を実現することができる。
ディプレッションモードのパワーMOSFE Tとしては例えば、モトローラ社製の「MTP 2N50」、「MTP2P50」を用いること ができる。
この場合、通常は、正電源側をNチャネル、 負電源側をPチャネルとする。
次に、インバータの一対の正負スウィッチ が、電流値が零になると自動的にチャネルを閉 成(OFF)するゼロクロス機構を有する本発 明の負荷電源回路を説明する。
ゼロクロス機構としては、ゼロクロススウ ィッチ素子および/またはゼロクロス回路を用 いる。
第19図には、一対のゼロクロススウィッチ T、Tをそれぞれゼロクロススウィッチ素 子で構成した例が示される。
インバータは、一対のゼロクロススウィッチ T、Tをそれぞれバイパスする一対の逆流 電流バイパスダイオードD、Dによるバイ パスチャネルを有し、±Eボルトのデュアル モードの直流入力電源に接続されている。
そして、ゼロクロススウィッチT、T は、スウィッチング周波数fのパルス発振波 11により交互に開成(ON)される。
ゼロクロススウィッチT、Tに用いるゼ ロクロス素子としては耐圧が2Eボルト以上の サイリスタ、例えば逆阻止3端子サイリスタ (SCR)や2方向性3端子サイリスタ(トラ イアック)等を用いる。
本発明の負荷電源回路の実施例では、ゼロク ロススウィッチT、Tとして、それぞれト ライアック素子を選んだ。
トライアック素子はよく知られているように 一度ON状態(開成状態)になるとトリガ電圧 (ゲート電圧)を零にしても電流が零にならな いとOFF状態(閉成状態)にもどらない。
従って、スウィッチTをトライアック素子 で構成した第20図に示されるLCR回路を考 えると、t=0でTのゲートにパルス状のト リガ電圧を印加すると電流Iが流れ、Tは電 流Iが零となるτにおいて始めてOFF(閉 成)し、τ以降は次のトリガ−パルスがくる まではON(開成)しない。 そして、Tが OFF状態となってからの時間帯τ≦t≦ τの間、逆流電流はバイパスチャネルを通じ て供給電源側に回収されるが、t=τ以降の 再チャージアップ電流はバイパスチャネルの逆 流バイパスダイオードDの作用により阻止さ れ、結局電流のダイナミズムは第21図に示さ れるとおりのτのところで打ち切られる(オー トロックされる)。
以上の動作モードを第19図に示される回路 に具体的に対応させて、第22図に示した。
第22図においてVはトリガ−パルスの電 圧波形を示す。 トリガ−パルスPがトライ アックTのゲートに印加されるとプラス側 チャネルのTが開成(ON)し、電流Iが 流れ、コンデンサCがピーク電圧のVまで充 電されると電流Iは零となり、Tは閉成 (OFF)する。 そして、逆流電流I+bがバ イパスチャネルの逆流バイパスダイオードD を通じてプラスの電源側に帰還する。
この結果、図中斜線部で示される逆流電流 I+bに相当する電力(チャージ)が余剰電力 として回収される。 この場合Dの作用によ り、帰還が完了するτにおいてオートロック が達成され、プラス側のダイナミズムは終了す る。
なお、逆流電流としてコンデンサCから電荷 が回収されるにつれて、コンデンサCの電圧 VはVから下がり、t=tにおいて、 V=ΔVとなり、これ以下には下がらな い。
ΔVはもちろん零にはできないが、半サイク ル毎にC(VP −ΔV)/2に相当するエネ ルギーが逆流電流として回収されたわけであ る。
そして、τ後にトリガ反転パルスPが来る と今度はマイナス側チャネルのトライアック Tが開成(ON)し、第22図に示されると おり、同様のダイナミズムが達成される。
ここで、電流、電圧のダイナミズムは条件 τ≦τを除き時間巾τに無関係であり、 LEDの点燈周波数fは、f=1/2τであ る。
従ってτ≦τ、すなわちf≦1/2τ= 1/4τの範囲でLEDの点燈周波数fを任 意に設定でき、この範囲でLEDの点燈輝度を 任意に可変設定できる。
ところで、前述したインバータの一対の正負 スウイッチをコンプリメンタリーな一対のパ ワーMOSFETで構成した負荷電源回路 (LED点燈回路)と比べると、 τ≦τ≦τ の駆動条件がないことが判る。
言い換えれば、ゼロクロススウイッチT、 Tを用いる場合は、スウィッチに印加する信 号パルスのパルス巾τに制限がないというこ とであり、この結果、LEDの点燈輝度の設定 や調整をより一層容易に行える。
なお、本発明の負荷電源回路のダイナミズム がτに無関係であるということは、τの間隔が せばまっても電流IとIの波形が単に近接 し合うだけで、IやIの電流波形そのもの は変化しないということである。 そして、電 圧Vの波形もピーク間隔が近接してくるだけ でV、ΔVの値およびτ、τの値は変わ らない。
また、ゼロクロススウィッチT、Tを用 いる場合も前記のFET等のスウィッチング素 子を用いた場合と同様、電源とゼロクロスス ウィッチT、Tとの側にダイオードD、 Dを挿入し、逆流電力バッファーとしてコン デンサC、Cを設けることが好ましい。
あるいは、第9図や第10図に示されるよう な第2のインバータや位相調整用インダクタを 設けてもよい。
本発明の負荷電源回路のゼロクロススウィッ チT、TをON(開成)させるための信号 は、前記のパルス状のトリガ電圧の他、光信号 等従来用いられる何れのものでもよいが、ここ では、前記のトリガ電圧を例に挙げて説明す る。
第19図に示されるように、パルス発振器1 から周波数f、周期2τにて交互に発生するパ ルス発振波11を、パルス選択回路にてプラス パルスと、マイナスパルスとにわける。
この際、プラスパルス選択回路2では、プラ スパルスのみを選択し、2τ間隔のプラスパル ス21をTのゲートに印加する。
また、マイナスパルス選択反転回路3ではマ イナスパルスのみを選択し、かつ反転させ、プ ラスパルスに対し位相がτだけずれた2τ間隔 のマイナス反転パルス31をTのゲートに印 加する。
fやτの設定は、所望のLED点燈輝度に合 わせ、かつf≦1/2τの条件を満たす範囲 内で行えばよい。
なお、ゼロクロススウィッチT、Tとし て、コンプリメンタリーな一対のスウィッチン グ素子やスウィッチング回路を用いる場合は、 前記のプラスパルス選択回路2やマイナスパル ス選択反転回路3は不用である。
また、図示しないが、前記のほか、周波数f がτの変化に従い自動的に1/2τとなる もの、すなわち逆流電流が戻りきったところで 自動的にスウィッチの開閉動作が行われるよう な周波数fの自動追随方式を用いてもよい。
あるいは周波数fは可変設定できるようにし ておき、逆流電流が戻りきったところで自動的 にスウィッチの閉動作のみが行われるようなパ ルス巾デューティー比の自動追随方式を用いて もよい。
これらの回路は、スウィッチング素子とし て、例えばトライアック等の電流値が零になっ たとき自動的にオフ状態となるものを使用し、 スウィッチ回路を工夫することで実現できる。
あるいはインバータのスウィッチング信号波 の周波数や、そのパルス巾デューティー比が逆 流電流の帰還達成時に同期追随するよう発振回 路を工夫することによっても実現できる。
本発明によりLEDを点燈する場合は、 ±Eボルトのデュアルモードの電源、あるいは ±2Eボルトのシングルモードの電源が必要で る。
そして、デュアルモードの電源を必要とする 負荷電源回路の場合、シングルモードの電源を デュアルモードの電源に変換して用いることが できる。
シングルモードの入力電圧をデュアルモード の出力電圧に変換するには、公知の種々の方法 を用いればよいが、例えば以下のような方法を 用いることができる。
第1は、デュアルモードのDC−DCコン バータを用いる方法である。 この方法は、電 圧の昇圧ないし降圧を同時に行うことができる ため効果的である。
また、一次電源電圧が2Eボルトの場合は、 第23図に示されるように、シングルモードの 2Eボルトの電源電圧をキャパシタンスの等し い一対のコンデンサC、Cを用いて、±E ボルトと中間電位に分割してもよい。 この場 合端子61は端子62に対して+Eボルト、 端子63は端子62に対して−Eボルトとな る。
従って端子61、63をインバータ入力電源 端子とし、端子62を両極性コンデンサCの接 地端子として用いればよい。
また、一次電源電圧eボルトが2Eボルトで ない場合は、前記のデュアルモードのDC− DCコンバータを用いてもよいが、シングル モードのDC−DCコンバータを用いてeボル トの電圧を2Eボルトの電圧に変換してから、 前述のようにコンデンサを用いて、±Eボルト と中間電位に分割してもよい。
これらの場合第23図に示されるように、一 次電源と、DC−DCコンバータおよび電位分 割用コンデンサCとの間に逆流防止ダイオー ドD、D10を設ければ、当該一対のコンデン サC、Cを逆流電力バッファーコンデンサ としても併用できるので有効である。
なお、DC−DCコンバータは既製品で入手 できるものは出力電圧が限られており、とりわ けデュアルモードのものは種類が少ないため、 シングルモードのDC−DCコンバータを用い てコンデンサで電位分割する方法は有効であ る。
次に、本発明の第2の態様の実施例について 説明する。
第2の態様も逆流電流を実現させるという点 では第1の態様と原理的には同じである。
しかし、この場合は、特に直流電源電圧±E もしくは2Eを更に昇圧したり、あるいは可変 昇降圧して交流負荷をかける場合のことを考 慮したものである。 このように、第2の態様 は、低電圧、大電流が要求されるLEDやLD にはあまりむかず、抵抗負荷の場合に特に効果 が高い。
第24図には、第2の態様の負荷電源回路の 実施例が示される。
本回路は、前記第1の態様の実施例におい て、インダクタLをトランスTに代え、両極性 コンデンサCをトランスTの一次側に直列結合 した一次側回路を構成し、トランスTの2次側 の交流電力によって電球等を点燈させるもので ある。
この場合も、第1の態様と同様、トランスT と、両極性コンデンサCの接続順序には特に制 限はなく、どちらをインバータ側に設けてもよ い。
なお、両極性コンデンサCのキャパシタンス と、二次側に負荷4を結合したトランスTの結 合インダクタンスとが、一次側で換算した直列 LC成分である。
従って、本回路におけるダイナミズムは、前 記第1の態様における第5図および第20図に 示したLCR回路において、Lのインダクタン スをトランスTの結合インダクタンスに見立て て説明される。
本発明の第2の態様の実施例は、第1の態様 の実施例について説明したすべての回路に用い ることができるものであるが、ここでは1例と して、シグクモードの電源用のもので、一対の 正負スウィッチがゼロクロススウィッチ機構を 有する負荷電源回路を第25図に示す。
この回路では、トランスTの二次側に、負荷 4に加え補償用インダクタLが付加されてい る。
なお、第24図や第25図においては負荷4 の負荷電圧を可変設定できるようにトランスT の巻線比を可変とし、また補償用インダクタ Lのインダクタンスも可変設定できるものと したが、トランスTの巻線比や補償用インダク タLのインダクタンスは固定型のものでも充 分である。
この第2の態様は、電源電圧が例えば12 Vと低く、かつ、昇圧型のDC−DCコンバー タが使いにくい場合、あるいは使えてもDC− DCコンバータ内部の消費電力がシステム全体 の消費電力の一部として無視し得ない大きさで あるような場合に、DC−DCコンバータによ らない昇圧方法として有効である。
以上は本発明の1例であり、前記の構成と電 気回路的に等価なものはすべて本発明に包含さ れるものである。
〈発明の効果〉 本発明によれば、負荷電流と負荷電圧の位 相および周期がずれ、しかもチャネル開成時の 急峻な電流値の立ち上がりが抑制されるので、 インバータのスウィッチの開閉動作の瞬間に回 路の電流は全く流れないか、あるいはきわめて 少ないものとなる。 これによって、パワート ランジスタやパワーMOSFET、サイリスタ 等のスウィッチのスイッチングエネルギーロス が解消する。
しかも、パワートランジスタ、パワー MOSFET、サイリスタ等のスウィッチの発 熱が格段と減少し、安全性が高まり、放熱手段 を設けたりする必要がなくなる。
従って放熱板なしの比較的小さなインバータ で大負荷のものを点燈ないし駆動させることが できる。
また、本発明では両極性コンデンサCに チャージアップされた電荷の相当部分は、イン ダクタ(トランス)の力により、電荷が供給さ れた同一電源側に逆流電流として回収され、他 方の電源側への流出を少なくできるので、電力 効率が格段と向上する。
このため、LEDの発光輝度および発光量を きわめて大きなものとすることが出来る。
加えて、本発明では、回路に流れる電流の上 限値が定まるため、過剰電流防止用の抵抗を設 けるまでもなく、安全性や回路の信頼性を維持 できる。 そして、過剰電流防止用の抵抗が不 用であるため抵抗によるエネルギーロスをより 一層低減できる。
さらには、本発明の各種点燈回路では、同 一のインバータにて周波数やパルス巾デュー ティー比等を変えるだけでLED等の点燈輝度 を任意設定できる。 このため点燈輝度毎にイ ンバータを作製する必要がなく、量産性や生産 性が格段と向上する。
本発明者らは、本発明の効果を確認するた め、各種実験を行った。 以下にその一例を示 す。
実験例 負荷4として第24図に示されるLEDアレ イ回路を用いて、第10図に示されるLED点 燈回路と、第17図に示される逆流電流のバイ パス経路を設けたLED点燈回路と、第19図 に示されるゼロクロススウィッチ機構を有する LED点燈回路とを作製した。
また、比較用に、通常のインバータを用いた LED点燈回路と、直流方式のLED点燈回路 も作製した。
そして、各点燈回路を駆動させたところ、本 発明の回路は、輝度、表面照度、消費電力等に おいて、格段とすぐれた効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第7図、第8図、第9図、 第10図、第12図、第15図、第16図、第 17図、第19図、第24図および第25図 は、それぞれ、本発明の異なる例を示す回路図 である。 第3図、第4a図および第4b図は、それぞ れ、コンデンサCの電圧Vと負荷電流I、ド レイン・ソース電圧VDSと電気IDSおよびコン デンサCに実際にかかる電圧Vの時間変化を 示すグラフである。 第5図および第20図は、それぞれ、LCR 直列回路を示す回路図である。 第6図および第21図は、それぞれ、LCR 直列回路におけるコンデンサCの電圧Vおよ び電流Iの時間変化を示すグラフである。 第11図は、デューディー比を1より小さく 設定した場合のスウィッチング波形およびドレ イン・ソース電流IDSの時間変化を示すグラフ である。 第13図は、本発明の逆流帰還電流モード自 動設定方式による信号波f、fおよびドレ イン・ソース電流I DS、I DS、I DS、 I DSの時間変化を示すグラフである。 第14図は、自動設定方式によらない場 合の、設定当初のドレイン・ソース電流 I(+) DS、I(-) DSおよび経時変化後のドレイ ン・ソース電流I,(+) DS、I,(-) DSの時間変化 を示すグラフである。 第18図は、本発明の他の自動設定方式にお けるスウィッチング波形fと電流の時間変化を 示すグラフである。 第22図は、他の自動設定方式におけるゼロ クロススウィッチT、Tに印加するトリ ガ−パルスと、コンデンサCの電圧Vおよび 電流Iの時間変化を示すグラフである。 第23図は、シングルモードの電源電圧を デュアルモードの出力電圧に変換するための1 例を示す回路図である。 第26図、第27図、第28図、第29a図 および第29b図は、それぞれ、本発明の点燈 回路に用いるLEDアレイ回路の異なる例を示 す回路図である。 符号の説明 Tr、Tr、Tr、Tr、Tr、Tr …スウィッチ T、T…ゼロクロススウィッチ T…トランス C、C、C、C…コンデンサ D、D、D、D、D、D、D、D、D
、D10、 D11、D12、D13、D14、D21、D22、D23、 D24、D70、D81、D82、D91、D92 …ダイオード L、L、L…インダクタ R…抵抗 S…スウィッチ 1…パルス発振器 11…パルス発振波 2…プルスパルス選択回路 21…プラスパルス 3…マイナナスパルス選択反転回路 31…マイナス反転パルス 4…負荷 LED…LED 5…LEDアレイ 61、63、65…端子 7…インバータの結合出力端子 8…接地端子 9…中間電位端子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列結合成分の一部に両極性コンデンサ と、インダクタと、抵抗および/またはダイ オード特性を有する負荷とを含む負荷回路を構 成し、 前記負荷回路の一端を、一対の正負スウィッ チを有するインバータの結合出力端子に結合 し、他端をインバータの直流入力電源の中間電 位端子または接地端子に結合したことを特徴と する負荷電源回路。
  2. 【請求項2】 直列結合成分の一部に抵抗および/また はダイオード特性を有する負荷を含む負荷回路 を構成し、この負荷回路をトランスの二次側の 出力端子に結合し、 両極性コンデンサをトランスの一次側に直列 結合して一次側回路を構成し、 前記一次側回路の一端を、一対の正負ス ウィッチを有するインバータの結合出力端子に 結合し、他端をインバータの直流入力電源の中 間電位端子または接地端子に結合したことを特 徴とする負荷電源回路。
  3. 【請求項3】 前記負荷を双方向に電流を流せるLED アレイ回路によって形成してLED点燈回路を 構成した請求項1または2に記載の負荷電源回 路。
  4. 【請求項4】 前記LEDアレイ回路は、入力・出力間 が正方向の電流分岐経路と負方向の電流分岐経 路とに分岐され、この両分岐経路がLEDアレ イをそれぞれの経路の一部として互いに共有 し、かつ前記それぞれの分岐経路に前記LED アレイを介して、一対の逆流防止ダイオードを 挿入した請求項3に記載の負荷電源回路。
  5. 【請求項5】 前記インバータの一対の正負スウィッチ のそれぞれは、スウィッチング機構をバイパス するバイパスチャネルを有する請求項1ないし 4のいずれかに記載の負荷電源回路。
  6. 【請求項6】 前記バイパスチャネルは、逆流電流バイ パスダイオードを有する請求項5に記載の負荷 電源回路。
  7. 【請求項7】 前記インバータの一対の正負スウィッチ のそれぞれに、前記バイパスチャネルの内側に 順方向にダイオードを挿入した請求項6に記載 の負荷電源回路。
  8. 【請求項8】 前記インバータの一対の正負スウィッチ をそれぞれ、電流値が零になると自動的にチャ ネルを閉成するゼロクロススウィッチ機構を用 いて構成した請求項5ないし7のいずれかに記 載の負荷電源回路。
  9. 【請求項9】 前記インバータの一対の正負スウィッチ のそれぞれのスウィッチング周波数および/ま たはチャネル開成時間を可変設定できる請求 項1ないし8のいずれかに記載の負荷電源回 路。
  10. 【請求項10】 前記負荷回路が前記負荷を着脱可能に 結合できる結合端子を有し、この結合端子に負 荷を結合することにより請求項1ないし9のい ずれかに記載の負荷電源回路が構成される負荷 駆動用電源回路。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれかに記載の 負荷電源回路を用いてインバータによるプッ シュプル駆動を行い、 前記インバータの入力電源からインバータを 経て両極性コンデンサーに交互にチャージアッ プされる電荷を、同一供給電源側に逆流電源と して回収することを特徴とする負荷交流駆動方 法。
  12. 【請求項12】 前記負荷回路または前記一次側回路の インダクタンスの作用により、前記インバータ の一対の正負スウィッチの開成動作時における 電流値の急峻な立ち上がりを抑制し、かつス ウィッチの閉成動作時における電流値を減少さ せて、スウィッチングエネルギーロスを減少さ せる請求項11に記載の負荷交流駆動方法。
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