JPH0547405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、PHや酸化還元電位などを高圧下で測
定するための加圧型イオン電極ホルダーに関する
ものである。

〔従来の技術〕 例えば、醗酵槽やその他高圧プロセス等の高圧
下でPHを測定する等に際して、液絡部を通して電
極内にサンプルが逆流することを防止するために
従来では、第２図に示すように、イオン電極２を
ホルダー本体３に内蔵させると共に、該ホルダー
本体３に保護キヤツプ５を気密連結し、かつ、前
記イオン電極２に接続の信号ケーブル１０を気密
状態で前記キヤツプ５から導出させると共に、加
圧ガス供給用のガス供給部１２を前記キヤツプ５
に設け、もつて、前記イオン電極２を加圧下に置
き、その圧力を測定対象槽内の圧力より少し高く
設定するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記構成において、前記イオン電極２に内部液
を補充する際には、先ず、前記ケーブル１０の気
密導出部１１のケーブルキヤツプ１５を弛めて、
該ケーブル１０の保護キヤツプ５に対する保持を
ルーズな状態にし、次に袋ナツト１３を弛め、然
る後に該保護キヤツプ５を前記ケーブル１０に沿
わせて移動させ、かかる状態でイオン電極２の注
液口ｂに内部液を補充している。

あるいは、希に行われるイオン電極２の交換に
際しても、同様の手段がとられる。

しかし、上記の操作が煩わしいだけでなく、ケ
ーブルキヤツプ１５を回転させる度にケーブル接
続部に無理な力がかかつたり、あるいは、保護キ
ヤツプ５を支え持つていないと、該保護キヤツプ
５の重量がケーブル接続部にかかつたりして、断
線事故を起こし易く、かつ、ケーブル１０に引つ
張りと曲げの外力がかかつた場合に、イオン電極
２の小径首部ｃが脆弱であることから、当該小径
首部ｃが折れたりし易い欠点があつた。

特に、前記ケーブル導出部１１の気密保持は非
常に困難であつて、メンテナンスの度に時間をか
けて慎重に清掃を行い気密保持が図られるが、上
記の操作を繰り返し行うことで気密性が低下し、
加圧ガスがリークして本来の機能を充分に維持さ
せ難い欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による加圧型イオン電極ホルダーは、極
めて簡単な改良によつて上記の不都合を悉く解消
したものであつて、以下のように構成される。

すなわち、外部の加圧ラインから加圧ガスの供
給を受けてイオン電極の電極本体部を加圧状態下
で保持し、かつその電極本体部に接続したケーブ
ルを気密状態で外部へ導出させるようにした加圧
型イオン電極ホルダーにあつて、前記イオン電極
の内部液注入口を有する電極本体部をその内部液
注入口とともに露頭させた状態で当該イオン電極
を抱持するホルダー本体に、前記ケーブルを気密
状態で導出させるケーブル導出部を設けると共
に、前記電極本体部を保護するためのキヤツプ
を、袋ナツトによつて、前記ホルダー本体に取り
外し可能な気密状態に取り付けるとともにそのキ
ヤツプに内部の圧力を測定するための圧力計を設
け、かつ、ホルダー内部に対する加圧ガス供給用
のガス供給部を前記ホルダー本体に設けてあるこ
とを特徴としている。

〔作用〕

イオン電極の電極本体部が内部液注入口ととも
に露頭させた状態でイオン電極がホルダー本体に
抱持され、かつその電極本体部に接続されたケー
ブルがホルダー本体のケーブル導出部から気密状
態で導出されていることにより、内部液の補充に
際しては、袋ナツトを外して、キヤツプを取り外
すだけでよく、ケーブル導出部やイオン電極に触
れる必要がない。そのため、ケーブルやイオン電
極に無理な力を掛けることがなく、ケーブル導出
部の気密性が損なわれたり、イオン電極が破損し
たりするような不具合の発生が回避される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図は本考案に係る加圧型イオン電極ホ
ルダーを示し、内部Ａが高圧の例えば醗酵槽１に
取り付けられている。

この加圧型イオン電極ホルダーは、イオン電極
２を抱持するホルダー本体３と、該ホルダー本体
３に抱持されたイオン電極２の上部のケーブル接
続用コネクタ４部分を保護するキヤツプ５とから
成る。

そして、一方のホルダー本体３は、前記コネク
タ４部分を内部液注入口ｂとともに突出させて電
極本体部２ａを取り囲むようにしてその基部を抱
持する椀状部材６に、電極小径管部２ｂを保護す
る筒部材７を連設すると共に、該筒部材７を取り
付け部材８に連結するための袋ナツト９を設けて
構成され、かつ、前記コネクタ４を介して前記イ
オン電極２に接続された信号ケーブル１０の導出
部１１と、ホルダー内部に外部の加圧ラインから
加圧ガスを導入するためのガス供給部（自動車タ
イヤ等に用いられているエアー注入用口金を利用
している。）１２とが、夫々気密状態で前記椀状
部材６に設けられている。

尚、前記保護キヤツプ５は、シール材ａを介し
て袋ナツト１３により前記ホルダー本体３に気密
連結されるもので、該保護キヤツプ５には圧力計
１４が設けられている。

上記の構成によれば、前記袋ナツト１３を弛め
て保護キヤツプ５を取り外すことによつて、ケー
ブル導出部１１やイオン電極２に触れることな
く、イオン電極２の内部液注入口ｂから内部液の
補充をおこなうことができる。

また、前記コネクタ４をイオン電極２から取り
外すことで、イオン電極２の交換をおこなうこと
ができる。

尚、前記加圧ガス供給用のガス供給部１２を前
記保護キヤツプ５側に設ける構成とするも良い。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案の加圧型イオン電極
ホルダーは、イオン電極に接続のケーブルをホル
ダー本体側から導出させたことで、電極に対する
内部液の補充等に際して、前記ケーブル導出部や
イオン電極に手を触れないで済ませられ、而し
て、前記保護キヤツプに対する操作時に前記ケー
ブルやイオン電極に何ら無理な力がかからなくな
り、断線やイオン電極の破損を効果的に抑止でき
る上、前記ケーブル導出部の気密状態を所定通り
に保持でき、全体として、ケーブルの導出部をホ
ルダー本体側に設ける極めて簡単で且つ合理的に
改良によつて、従来の欠点を悉く解消できるに至
つたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる加圧型イオン電極ホル
ダーの断面図、第２図は従来例の加圧型イオン電
極ホルダーの断面図である。 ２……イオン電極、２ａ……電極本体部、３…
…ホルダー本体、５……保護キヤツプ、１０……
ケーブル、１１……ケーブル導出部、１２……ガ
ス供給部、ｂ……内部液注入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外部の加圧ラインから加圧ガスの供給を受けて
   イオン電極の電極本体部を加圧状態下で保持し、
   かつその電極本体部に接続したケーブルを気密状
   態で外部へ導出させるようにした加圧型イオン電
   極ホルダーにおいて、前記イオン電極の内部液注
   入口を有する電極本体部をその内部液注入口とと
   もに露頭させた状態で当該イオン電極を抱持する
   ホルダー本体に、前記ケーブルを気密状態で導出
   させるケーブル導出部を設けると共に、前記電極
   本体部を保護するためのキヤツプを、袋ナツトに
   よつて、前記ホルダー本体に取り外し可能な気密
   状態に取り付けるとともにそのキヤツプに内部の
   圧力を測定するための圧力計を設け、かつ、ホル
   ダー内部に対する加圧ガス供給用のガス供給部を
   前記ホルダー本体に設けてあることを特徴とする
   加圧型イオン電極ホルダー。