JPH0546199U - スピーカ振動板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 コーン振動板胴部とエッジ部を接着して形成
されるスピーカ振動板において、コーン振動板胴部の外
周端に、立ち上り部を設け、胴部を補強することを特徴
とする。 【効果】 コーン振動板の振動の全帯域において、振動
板胴部が一体として運動し得るスピーカ振動板が得ら
れ、歪みが少なく、周波数特性が良好なスピーカを実現
できるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気機械変換装置におけるスピーカ振動板の改良に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、スピーカ振動板胴部には高い剛性が要求され、一方エッジ部には柔軟 性が要求される。この要求を満足するため、スピーカ振動板のエッジ構造として 多種のものが提案されている。例えば、抄紙振動板では抄き分けにより振動板外 周部を薄く抄造したもの、また外周部にコルゲーションを形成したもの、さらに は振動板胴部とエッジ部を別部材とし柔軟性を有するエッジ部を胴部に接着固定 したものなどがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記別部材の胴部とエッジ部を接着により形成する振動板は、胴部、エッジ部 の材質構造が各々自由に選べることよりスピーカ振動板として多用されているが 、胴部外周端においては柔軟なエッジ部材と接着固定されるのみであり、胴部外 周端での剛性が不足することにより、中高域部でのスピーカの周波数特性に大き なピーク又はディップが生じるという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の問題点を解決するため、スピーカ振動板胴部とエッジ部を別 成形し接着する振動板において、胴部外周端に振動方向と略平行となる立ち上り 部を形成し、胴部外周端においても十分な剛性を有するスピーカ振動板を得るも のである。

【０００５】

【作用】

本考案におけるスピーカ振動板は胴部外周端に立ち上り部を設けた構造となる ため、振動板胴部の円周方向及び径方向の双方に対し十分な補強効果が得られる 。

【０００６】

【実施例】

本考案のスピーカ振動板を図面と共に説明すると、図１はスピーカ振動板の一 部側面断面図であり、図２は本考案による試作スピーカの周波数特性図である。 図１において、符号１はパルプを抄造して厚さ０．５ｍｍとし、外周端におい て高さ１ｍｍの立ち上り部１ａを設けたコーン振動板の胴部である。上記胴部１ の立ち上り部１ａはエッジ２の湾曲部２ａと接触しないように０．５ｍｍ程度の 間隔をおいて胴部１とエッジ２の接着部２ｂとを装着している。尚、符号１ｂは ボイスコイルボビンとの接着部１ｂである。

【０００７】 図２に示す周波数（Ｈｚ）−音圧レベル（ｄＢ）の特性図において、符号Ａは 、本実施例の振動板を用いて試作した１６ｃｍスピーカの周波数特性を示すもの である。また符号Ｂは、実施例と同一形状、同一材料でありながら胴部外周端に 立ち上り部を持たない、比較例の周波数特性である。図２より明らかなように、 比較例においては中高域において振動板胴部外周端の剛性不足による、不要振動 の発生により音圧出力が低下し幅広いディップが発生しているが、実施例におい てはこのようなディップは認められない。

【０００８】

【考案の効果】

以上のように本考案は、振動板胴部外周端に立ち上り部の補強部を設けること により振動の全帯域において、振動板胴部が一体として運動し得るスピーカ振動 板が得られ、歪みが少なく、周波数特性が良好な音響特性を有する優れたスピー カを実現するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のスピーカ振動板の一部側面断面図であ
る。

【図２】本考案による試作スピーカの周波数特性図であ
る。

【符号の説明】

１ コーン振動板の胴部 １ａ コーン振動板の立ち上り部 ２ エッジ ２ａ エッジの湾曲部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コーン振動板胴部とエッジ部を接着して
   形成されるスピーカ振動板において、該コーン振動板胴
   部の外周端に、立ち上り部を設けたことを特徴とするス
   ピーカ振動板。