JPH0541959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車においてクオータトリムをボデ
ー側壁に樹脂クリツプを介し側方から取付ける取
付構造に関するものである。

（従来の技術） この種取付構造は、第４図に示すようにクオー
タトリム１の側板部１ｂに、複数の樹脂クリツプ
７をその先端部７ａを側方（図の矢印Ｐ方向）に
向けた状態でその基端部７ｂにおいて保持させる
と共に、ボデー側壁２の前記樹脂クリツプ７と対
向する各部位に保持孔９を開設し、各樹脂クリツ
プ７の前記先端部７ａが夫々の前記保持孔９に圧
入保持されるように、クオータトリム１をボデー
側壁２に側方から取付ける構成となつている。

これにより、クオータトリム１をボデー側壁２
に対し固定することができるようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、第１図に示すようにクオータトリム１
の後端部位Ａにおいて、側板部１ｂが車室内に大
きく張出しているので、上記従来例の樹脂クリツ
プを前記側板部１ｂに設けることができない。こ
の結果、前記後端部位Ａとボデー側壁２との固定
が不安定となるので、後端部位Ａが上下方向に振
れ易いという問題がある。

上記問題を解決するため、クオータトリムの後
端部位において、上板部とボデー側壁とを樹脂ク
リツプで固定し、前記後端部位の上下方向の前記
振れを防ぐことが考えられる。

しかし側板部用の樹脂クリツプを用いて後端部
位を固定する場合、他の樹脂クリツプが側方に向
いているのに対し、前記樹脂クリツプの先端部の
みが下向きとなるので、クオータトリムをボデー
側壁に取付ける作業を側方と下方との２方向から
行わなければならない。この結果、作業が煩雑に
なるという問題が生じる。

又、クオータトリムをボデーに取付けた後、後
付用の樹脂クリツプを用いて後端部位を固定する
場合、後付のための作業が増加すると共に、その
樹脂クリツプが車室内に露呈するので外観が損な
われ易いという問題が生じる。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するため、クオータ
トリムの後端部位における上板部の下面に、樹脂
クリツプをその先端係合部を下方に向けた状態で
その基端部において保持させると共に、ボデー側
壁の前記樹脂クリツプと対向する部位に、この樹
脂クリツプの前記先端係合部を側方から受入れ、
上下方向の動きを拘束して保持するブラケツトを
設けたことを特徴とする。

（作用） 上記構成によれば、クオータトリムの後端部位
において、上板部の下面にその基端部が保持され
た樹脂クリツプの先端係合部を下方に向けた状態
で、この先端係合部をボデー側壁のブラケツトに
嵌入保持させることにより、後端部位の上下方向
の動きを拘束することができるので、クオータト
リムの前記後端部位が上下方向に振れるのを防止
することができる。

又前記樹脂クリツプはその先端係合部を側方か
ら前記ブラケツトに嵌入保持させることができる
ので、クオータトリムをボデー側壁に取付ける作
業は、従来通り側方から容易に行うことができ
る。

（実施例） 本考案の実施例を、第１図ないし第４図に基き
説明する。

第１図に示すように、クオータトリム１は、ボ
デー側壁２の側方に位置する側板部１ｂと、ボデ
ー側壁２に向けて屈曲した上板部１ａとを備えて
いる。

クオータトリム１の後端部位Ａにおいて、前記
上板部１ａの下面に、スライドクリツプ（樹脂ク
リツプ）３をその先端係合部３ａを下方に向けた
状態でその基端部３ｂにおいて保持させている。
一方、ボデー側壁２の前記スライドクリツプ３と
対向する部位に、このスライドクリツプ３の前記
先端係合部３ａを、矢印Ｐの方向から受入れ、上
下方向の動きを拘束して保持するブラケツト４を
設けている。

上板部１ａの前記下面に、第２図及び第３図に
詳しく示すように、スライドクリツプ３の前記基
端部３ｂを保持する取付座５を設けている。取付
座５には、スライドクリツプ３の軸部１０を挿通
保持する保持孔５ａと、前記軸部１０を保持孔５
ａに案内する挿入孔５ｂとを設けている。取付座
５はその保持孔５ａにより、スライドクリツプ３
の平面方向の動きを拘束する。又取付座５は、軸
部１０の鍔部１１，１２間に嵌挿し、スライドク
リツプ３の上下方向の動きを拘束する。

一方、ボデー側壁２の前記スライドクリツプ３
と対向する部位に、前記ブラケツト４をビス６で
固定している。ブラケツト４には、スライドクリ
ツプ３の軸部１０を受入れ、上下方向の動きを拘
束する保持孔４ａと、前記軸部１０を保持孔４ａ
に案内する案内用切欠４ｂとを設けている。案内
用切欠４ｂと前記保持孔４ａとの接続部分に、保
持孔４ａに一旦嵌入保持された軸部１０が容易に
抜出すことを防ぐため、前記軸部１０の軸径より
小さい幅の最狭部１３を設けている。尚、スライ
ドクリツプ３の上下方向の動きに対する前記拘束
は、ブラケツト４が軸部１０の鍔部１２，１４間
に嵌挿することにより行われる。

クオータトリム１の前記側板部１ｂの後端部位
Ａ以外には、第４図に示すような従来用いられて
いる樹脂クリツプ７を、その先端部７ａを矢印Ｐ
方向に向けた状態で、その基端部７ｂにおいて取
付座８を介し保持させている。一方、ボデー側壁
２の前記樹脂クリツプ７と対向する各部位に、樹
脂クリツプ７の前記先端部７ａが圧入保持される
保持孔９を開設している。

以上のように構成した自動車におけるクオータ
トリム１の取付構造の作用説明を行う。

クオータトリム１の後端部位Ａにおいて、上板
部１ａの下面に、スライドクリツプ３をその基端
部３ｂを取付座５を介し保持させる。スライドク
リツプ３の先端係合部３ａは、下方に向いてい
る。一方、クオータトリム１の前記後端部位Ａ以
外の側板部１ａには、樹脂クリツプをその基端部
７ｂを取付座８を介し保持させる。樹脂クリツプ
７の先端部７ａは、クオータトリム１の取付方向
（Ｐ方向）に向いている。

クオータトリム１をボデー側壁２に対し矢印Ｐ
方向に移動させると、第３図に示すように、スラ
イドクリツプ３の先端係合部３ａが、ブラケツト
４のスライド孔４ｂに受入れられ、保持孔４ａで
保持される。この結果、前記後端部位Ａをボデー
側壁２に固定することができる。

又側板部１ｂの各樹脂クリツプ７は、第４図に
示すように前記樹脂クリツプ７の先端部７ａが、
ボデー側壁２の保持孔９に圧入保持される。この
結果、クオータトリム１の後端部位Ａ以外の部分
をボデー側壁２に固定することができる。

本考案は上記実施例に示す外、種々の態様に構
成することができる。例えばクオータトリムの後
端部位においてその基端部が保持される樹脂クリ
ツプ、及び前記樹脂クリツプの先端係合部を保持
するブラケツトの形状は上記実施例に示すものに
限定されない。

（考案の効果） 本考案は上記構成、作用を有するので、クオー
タトリムの後端部位が、上下方向に振れることを
防止することができ、しかもクオータトリムをボ
デー側壁に取付ける作業は、従来通り側方から容
易に行うことができる自動車におけるクオータト
リムの取付構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
はその要部の斜視図、第３図はそのクオータトリ
ムの後端部位における取付構造を示す側面図、第
４図はそのクオータトリムの後端部位以外におけ
る取付構造を示す側面図である。 １……クオータトリム、１ａ……上板部、２…
…ボデー側壁、３……樹脂クリツプ、３ａ……先
端係合部、３ｂ……基端部、４……ブラケツト、
Ａ……後端部位。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クオータトリムの後端部位における上板部の下
   面に、樹脂クリツプをその先端係合部を下方に向
   けた状態でその基端部において保持させると共
   に、ボデー側壁の前記樹脂クリツプと対向する部
   位に、この樹脂クリツプの前記先端係合部を側方
   から受入れ、上下方向の動きを拘束して保持する
   ブラケツトを設けたことを特徴とする自動車にお
   けるクオータトリムの取付構造。