JPH0540198A - ヨウ素−129放射能の低減法 - Google Patents

ヨウ素−129放射能の低減法

Info

Publication number
JPH0540198A
JPH0540198A JP19639191A JP19639191A JPH0540198A JP H0540198 A JPH0540198 A JP H0540198A JP 19639191 A JP19639191 A JP 19639191A JP 19639191 A JP19639191 A JP 19639191A JP H0540198 A JPH0540198 A JP H0540198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iodine
trapped
life
radioactivity
caustic soda
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19639191A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Arima
省一 有馬
Masato Shibata
正人 柴田
Kimitaka Tsuwano
公孝 津和野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Engineering and Services Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Priority to JP19639191A priority Critical patent/JPH0540198A/ja
Publication of JPH0540198A publication Critical patent/JPH0540198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ヨウ素−129は半減期が1.57×107年と
長く全く減衰しない核種であるが熱中性子による放射化
断面積が34バーンと大きく、129I(n,r)130Iの
反応により、容易に半減期の短いヨウ素−130(半減
期12.36時間)に核変換することができる。この原理
を利用し、ヨウ素を分離して、原子炉で照射することに
よりヨウ素−129を消滅させる。 【効果】1.57×107年経過しないと半減しないヨウ
素−129に原子炉熱中性子を照射することにより、約
二年間で62%を消滅させ、放射性廃棄物処理上の問題
を解決することがでがきる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ヨウ素−129(半減期1.57
×107年)に熱中性子を照射し、129 I(n,r)130I …(化1) 反応でヨウ素−130(半減期;12.36時間)に核変
換し、ヨウ素−130を生成させ、ヨウ素−129を消
滅させる。ヨウ素−129の放射化断面積は34バーン
と高く4.0×1014n/cm2 −secの熱中性子フラック
スの原子炉で二年間照射することにより、ヨウ素−12
9の放射能を62%消滅させることができる。
【0002】
【従来の技術】長寿命核種を核変換により短寿命核種に
変えるというアイデアは昔から存在していた。例えば、
コバルト−60(半減期;5.27年)に熱中性子を照
射し、60 Co(n,r)61Co …(化2) 反応でコバルト−61(半減期;99分)にする方法
が、よく人口に膾炙されていたが、先ず、コバルトとい
う元素を他元素から純粋に分離し、さらに天然に存在す
るコバルト−59(天然存在比100%)とコバルト−
60を同位体分離しなければならない。コバルトの分離
は従来技術で、簡単に出来るが、同位体分離はウラン−
235の濃縮に見られるように、技術的にも、また、コ
スト的にも不可能に近いと考えられていた。しかし、レ
ーザ濃縮等の技術が開発されつつあり、今後、同位体分
離が容易になれば、核変換による半減期変換の考えが再
考されると思われる。
【0003】しかし、現状では完全な同位体分離は困難
であり、コバルト−60の例で述べると、わずかでもコ
バルト−60にコバルト−59が含まれると照射中にコ
バルト−60が生成されることになり、放射能を増やす
ことになりかねない。この事情から核変換による長寿命
核種の消滅法という公知例は見当らない。
【0004】しかし、ヨウ素−129は親核種がウラン
−235であり、コバルト−60に存在する同位体分離
の問題はない。さらに、ヨウ素−129は、表1に示す
ように、極端に半減期が長く、幸いにもその他のヨウ素
の同位元素はすべて半減期が短い。
【0005】
【表1】
【0006】しかも、天然に存在するヨウ素はヨウ素−
127が100%である。ヨウ素−129を含むヨウ素
を原子炉照射する場合、ヨウ素−130以外に生成する
核種は127 I(n,r)128I …(化3)127 I(n,2n)126I …(化4) 反応により生成する二核種のみである。ヨウ素−128
は半減期が25分と短く約一日で十七桁も減衰する。ヨ
ウ素−126は13日と比較的に半減期は長いが、速中
性子反応であり、生成量は少なく、しかも照射中に飽和
し生成量は一定値となり、照射後一年間で約八桁減衰す
る。
【0007】この理由からヨウ素−129を含むヨウ素
を原子炉による中性子照射をしても、妨害となる他の放
射性核種は生成せず、ヨウ素−129のみを有効に消滅
させることが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】人工的に生成する長寿
命核種はウラン−235の核分裂で生成するヨウ素−1
29とテクネチウム−99(半減期;2.13×10
5年)である。この二核種は半減期が長いため、核燃料
の再処理上および放射性廃棄物の処理上最も重要視され
ている。わが国では低レベルの放射性廃棄物は埋設処分
する方向でほぼ方針が固まりつつある。
【0009】
【表2】
【0010】表2に放射性廃棄物処理上問題とされてい
る放射性核種の核的性質を示す。表2からもわかるよう
にヨウ素−129の半減期が極端に長く、埋設処分する
上からも放射能濃度が最も厳しく規制されている。
【0011】現在わが国に存在する研究用原子炉は熱出
力100kWで最大の熱中性子束密度は2×1012n/cm
2−secであり、最も熱中性子束密度の高いJMTRで4
×1014n/cm2−secである。本目的を達成するために
はさらに高い熱中性子束密度が望まれるが、仮に現状の
原子炉でも二年間の照射で62%のヨウ素−129を消
滅させることができる。ヨウ素は非金属で他元素から純
粋に分離することは容易に達成でき、分析上の難しさは
ない。しかし、長期的照射に耐える照射容器が必要であ
り、放射化されにくく、放射線分解を受けにくい石英ガ
ラスまたはジルコニウム合金等に密封して照射する必要
がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】ヨウ素−129は核変換
で消滅させない限り、永久に残りまた半減期が長いこ
と、および人体の甲状腺に沈着し易いため、有効なラジ
オアイソトープとしては利用できない。従って従来の考
え方からすれば、ヨウ素−129を回収し、永久に保管
しなければならない。それを避けるもう一つの方法は、
遠く地球圏外へ葬り去るという考え方がある。しかし、
それも未知の分野が多くフェアな考え方とは云えない。
やはり、自分達で作り出した廃棄物は自分逹で地球上で
処理することが正道と思われる。
【0013】上記観点からわが国の原子力委員会ではS
63年10月に「群分離、消滅処理技術研究開発長期計
画」がスタートしている。しかし、同位体分離という技
術的困難性から未だ具体的な方策は打出されていない。
しかし、ヨウ素−129に限っては比較的容易に核変換
により消滅させることができることがわかった。
【0014】本実験ではヨウ素−129の放射化される
割合を調べるため、ヨウ素を樹脂に吸着させ、ポリエチ
レン袋に三重に包装し、1.1×1012n/cm2−sec で
六時間照射し、ヨウ素−130が有効に生成されること
を確かめたが、ポリエチレンは長時間照射では放射線に
耐えないことから、さらにフラックスの高い原子炉で長
時間照射する場合は石英ガラス又はジルコニウム合金等
を用いる必要がある。
【0015】
【作用】ヨウ素−129の1Bqは1.53×10-7gの
質量をもつ。今、本反応の放射化断面積(1.Friedman
n,L.,and Aumann,D.C,“The Thermal NeutronCrossSect
ions and Resonance Integrals of 127I,128I and
128I"Radiochimica Acta33 (4) 183−187(1983)及び
2.V.Mclane,C.L.Dunford and P.F Rose“NeutronCros
s Sections"Vol 2. P460 Academic Press,Inc.参照)を
34バーンとし、ヨウ素−129の0.37Bq(5.66
×10-8g,2.64×1014個)を1.5×1012n/
cm2−secでヨウ素の半減期分(12.36時間)照射した
とすると 2.64×1014×1.5×1012×3.4×10-23×1/2 =6.74×103Bq のヨウ素−130が生成する。従ってヨウ素−129が
ヨウ素−130に変換した量は 6.74×103×60×60×12.36÷0.693=4.33×108個 である。一年間照射を続けたとすると 4.33×108×24×365÷12.36=3.07×1011個 核変換したことになる。これはヨウ素−129の存在量
2.64×1014個の0.116%に相当する。従って、
これより二桁高い1.5×1014n/cm2−sec熱中性子
束密度で一年間照射したときに11.6% のヨウ素−1
29がヨウ素−130に核変換するという計算になる。
わが国で最も熱中性子束密度の高い研究用原子炉はJM
TRの4.0×1014n/cm2−sec である。この原子炉
で二年間照射すると
【0016】
【数1】
【0017】でヨウ素−129の約62%がヨウ素−1
30に核変換することになる。
【0018】
【実施例】一般に再処理工程で発生するヨウ素は、剪断
後、ボロオキシデーション法により回収され活性炭に低
温吸着される。この工程でほとんどのヨウ素−129が
回収される。活性炭に吸着されたヨウ素は約300℃に
加熱して脱着し、苛性ソーダ溶液に吸着させる。
【0019】その溶液を硫酸酸性とし、亜硫酸を加え、
すべての化学形態のヨウ素をI- に還元する。さらに亜
硝酸を加えてI2 とし加熱気化させ、発生したヨウ素を
石英管中にコールドトラップする。石英管を密封し原子
炉で照射する。
【0020】図1に示すように、使用済核燃料の再処理
工程において、使用済核燃料を剪断後にヨウ素−129
を含む揮発性成分は400℃〜700℃の加熱で揮化さ
れ低温活性炭中にトラップされる。トラップされたヨウ
素−129を再び加熱し、揮化したヨウ素−129を苛
性ソーダ中にトラップする。トラップした苛性ソーダ溶
液を硫酸で中和した後、亜硫酸水素ナトリウムでヨウ素
をすべてI- に還元する。溶液をクロロホルムを含む分
液ロートに移した後、亜硝酸を加え、I2 に酸化し、ク
ロロホルムに抽出する。抽出後は亜硫酸ナトリウムを含
む水層に逆抽出した後、再び、亜硝酸ナトリウムでI2
に酸化する。加熱してI2を追い出し、石英又はジルカ
ロイ管に冷却トラップする。トラップした容器は密封し
た後、原子炉で約一年間、中性子照射する。
【0021】
【発明の効果】現在埋設処分が計画されている低レベル
放射性廃棄物中の埋設処分時の最大および平均放射能濃
度を表3に示す。ヨウ素−129濃度が最も厳しく制限
されている。
【0022】
【表3】
【0023】高レベル放射性廃棄物の埋設時における技
術基準はまだ確立されていないが、ヨウ素−129の技
術基準が最も厳しいことが予想される。本法によりヨウ
素−129を消滅させることが可能になれば高レベル放
射性廃棄物の処分がかなり緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のヨウ素129の回収および
照射のフローチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津和野 公孝 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半減期の長いヨウ素−129を含むヨウ素
    に熱中性子を照射し半減期の短いヨウ素−130に核変
    換することによりヨウ素−129を消滅させることを特
    徴とするヨウ素−129放射能の低減法。
  2. 【請求項2】ヨウ素−129を含むヨウ素を化学的ある
    いは物理的方法により分離し、ヨウ素単体として回収し
    た後、放射化されず、かつ、放射線に強い石英ガラス、
    又は、ジルコニウム合金等の容器に密封して長時間熱中
    性子照射することを特徴とするヨウ素−129放射能の
    低減法。
JP19639191A 1991-08-06 1991-08-06 ヨウ素−129放射能の低減法 Pending JPH0540198A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19639191A JPH0540198A (ja) 1991-08-06 1991-08-06 ヨウ素−129放射能の低減法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19639191A JPH0540198A (ja) 1991-08-06 1991-08-06 ヨウ素−129放射能の低減法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0540198A true JPH0540198A (ja) 1993-02-19

Family

ID=16357094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19639191A Pending JPH0540198A (ja) 1991-08-06 1991-08-06 ヨウ素−129放射能の低減法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0540198A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lee et al. Development of industrial-scale fission 99Mo production process using low enriched uranium target
Baisden et al. Nuclear waste management and the nuclear fuel cycle
KR101353730B1 (ko) 방사성 동위원소 생성 및 표적 물질 용액의 처리
JP2002512358A (ja) モリブデン−99の生産および抽出のための方法および装置
JP2002504231A (ja) 中性子駆動元素変換器
Youker et al. A Solution‐Based Approach for Mo‐99 Production: Considerations for Nitrate versus Sulfate Media
Sameh Production Cycle for Large Scale Fission Mo‐99 Separation by the Processing of Irradiated LEU Uranium Silicide Fuel Element Targets
Till Source terms for technetium-99 from nuclear fuel cycle facilities
Snelgrove et al. Development and processing of LEU targets for 99 Mo production-overview of the ANL program
Glenn et al. Comparison of characteristics of solution and conventional reactors for 99Mo production
Lahiri et al. LLX separation of carrier-free 47Sc, 48V and 48, 49, 51Cr produced in α-particle activated titanium with HDEHP
Rohwer et al. Radiological aspects of environmental tritium
Van Der Walt et al. The isolation of 99Mo from fission material for use in the 99Mo/99mTc generator for medical use
JPH0540198A (ja) ヨウ素−129放射能の低減法
Baybarz Recovery and application of the transuranium elements 237 Np, 238 Pu, 241 Am, 242 Cm, 244 Cm and 252 Cf
Zabaluev Management of radionuclides from reprocessing plant gaseous effluents
Ramanujam et al. Separation of 90S r from Purex high level waste and development of a 90S r-90Y generator
El-Absy et al. Sequential distillation of fission-produced radioiodine and radioruthenium from sulfuric acid solutions
JP6515369B1 (ja) 不溶解性残渣処理プロセス
RU2688196C1 (ru) Способ получения радиоизотопа молибден-99
Ferguson Chemical reprocessing of nuclear fuel
Kandil et al. The separation of protactinium traces from radioactive thorium
Taylor The recovery of fission product krypton from nuclear fuels
Rosenbaum et al. Process for separating fission product molybdenum from an irradiated target material.[thermal chromatography]
Stange A Nuclear Reactor and Chemical Processing Design for Production of Molybdenum-99 with Crystalline Uranyl Nitrate Hexahydrate Fuel