JPH0539463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、電極棒の腐蝕及び静電容量による検
出装置の誤動作を防止して水槽等の水位を検出す
る電極棒式液面検出装置に関する。

【従来の技術】

従来、水槽等の水位を電極棒によつて検出する
装置としては、検出装置と電極棒間に交流電圧を
印加して検出するものと、直流低圧の間欠電圧を
印加して検出するものとがあつた。

【考案が解決しようとする課題】

本来、水槽等の液面は遠隔地点で検出するた
め、従来の交流式のものでは電極棒と検出装置間
の配線距離が長くなり、余分な静電容量が蓄積
し、この静電容量が検出装置を誤動作させてしま
うことがあつた。そして欺かる事態がポンプが排
水をしている時に発生すると、排水が継続されて
しまい、遂には渇水状態でポンプが空転し続ける
こととなり、ポンプのモーターが焼損してしまう
ことがあつた。また、逆に給水が必要な時に係る
事態が生じると給水が行われず、渇水状態に陥つ
てしまうこともあつた。 更に、直流低圧の間欠電圧を印加する式のもの
は、液体の電気分解による酸化によつて電極棒が
腐蝕してしまい、正確な検出ができなくなると共
に、電極棒の交換頻度が多くなつて手間がかか
り、更に電気分解による水質の変化やガスの発生
等の欠点があつた。 以上のように、従来の検出装置は重大な欠点を
有し、特に水槽が住宅等の生活用水を供給するも
のである場合等は、検出装置の誤動作により住民
の日常生活に重大な影響を及ぼし、その被害は大
きいものがあつた。従つて、誤動作が発生しない
検出装置の早期なる開発が望まれていた。

【課題を解決するための手段】 本考案は、上記従来の各課題を解決すべく鋭意
研究の結果開発されたものであり、電極棒の腐蝕
を防ぐため液面の検出に交流電流を使用すること
を原則とし、且つ配線に静電容量が蓄積されるこ
とを防ぐために、水位検出部を電極棒に近接した
位置に設けて電極棒までの配線を短くし、この水
位検出部から制御部までを直流電流を用いること
ができるように構成したことに成功したものであ
る。 即ちその構成は、水槽内に検出液面の各高さに
対応して設けられた複数の電極棒を使用して液面
を検出する電極棒式液面検出装置において、この
電極棒式液面検出装置は、電極棒が結線されると
共に電極棒付近に取付けられる水位検出部と、液
面を制御する制御部とから成り、前記水位検出部
は直流を交流に変換して電極棒へ交流電流を供給
する直流交流変換回路と、液面検出回路とを備
え、前記制御部は水位検出部へ直流電流を供給す
る直流電源回路と、前記液面検出回路に備わつた
液面検出リレースイツチの開閉により、直流交流
変換回路から出力される電流信号を検出して電圧
信号に変換する電流検出電圧変換回路と、この電
流検出電圧変換回路からの電圧信号の電圧値と予
め設定された電圧値とを比較してマグネツトコン
タクター駆動用リレースイツチを開閉する電圧比
較リレー駆動回路とを備えたことにある。

【作用】

水位検出部内の直流交流変換回路は、制御部内
の直流電源回路から供給される直流電流を交流電
流に変換し、これを最長電極棒へ供給する。そし
て、液面検出回路内の液面検出用リレースイツチ
は、所定の電極棒からの検出電流に応じて開閉作
動する。次に、この液面検出用リレースイツチの
開閉作動による直流電流の電流値変化が制御部内
の電流検出電圧変換回路により電圧信号に変換さ
れ、この電圧信号は、電圧比較リレー駆動回路に
入力され、予め設定された電圧信号と比較され
る。そして、電圧比較リレー駆動回路のマグネツ
トコンタクター駆動用リレースイツチが開閉作動
し、このリレースイツチの開閉作動に応じてマグ
ネツトコンタクターが開閉作動し、ポンプのモー
ターが作動または停止する。

【実施例】

第１図は本考案に係る電極棒式液面検出装置の
一実施例を示し、第２図は各回路図を示す。 以下、本考案の構成、動作を図面に基づいて詳
細に説明する。 水槽１４内の所定位置には長さが夫々異なる電
極棒１ａ，１ｂ，１ｃが設けられ、最長電極棒の
１ｃには直流交流変換回路からの交流電圧が印加
されている。 今、水槽１４内の液面は１４ｃの位置にあると
すると、電極棒１ｃと１ａは非導通であるため、
液面検出リレースイツチ３は動作せず、また液面
検出リレースイツチ３のａ接点３ａは開いた状態
を保つ。一方、電流検出電圧変換回路５は液面検
出リレースイツチ３が動作しないため、直流電源
回路７から液面検出回路２１へ供給される電流値
の変化がないので電圧信号を発生せず、電圧比較
リレー駆動回路６は比較すべき電圧信号の入力が
ないため、マグネツトコンタクター駆動用リレー
スイツチ８のａ接点８ａは閉じたままである。即
ち、マグネツトコンタクター１０も閉じたままな
ので、給水ポンプ１２のモーター１１は作動を継
続する。尚、直流電源回路７は直流交流変換回路
２及び液面検出回路２１へ電力を供給すると共
に、電流検出電圧変換回路５及び電圧比較リレー
駆動回路６へも電力を供給するものである。 次に水槽１４内の液面が１４ａの位置に上昇す
ると、電極棒１ａと１ｃは導通となり、液面検出
リレースイツチ３が動作するため、この液面検出
リレースイツチ３の消費電流分だけ直流電源回路
７から液面検出回路２１へ供給される電流が増加
する。すると、この電流増加分は電流検出電圧変
換回路５にて電圧信号に変換され、電圧比較リレ
ー駆動回路６がこの電圧信号を比較検出するた
め、マグネツトコンタクター駆動用リレースイツ
チ８のａ接点８ａが開作動し、マグネツトコンタ
クター１０が外れ、モーター１１が停止し、ポン
プの給水作動も停止する。このとき、液面検出リ
レースイツチ３のａ接点３ａが閉じるため、電極
棒１ａと１ｂは導通し、液面検出リレースイツチ
３のａ接点３ａは電極棒１ｂと１ｃが非導通とな
るまで、即ち水槽１４の液面位置が１４ｂ以下に
なるまで閉作動した状態を継続する。 次に水槽１４内の液面位置が１４ｂ以下になる
と、電極棒１ｂと１ｃが非導通となり、液面検出
リレースイツチ３が作動停止するため、直流電源
回路７から液面検出回路２１へ供給される電流は
初期の電流値、即ち液面検出リレースイツチ３が
作動停止している状態の電流値に戻る。よつて、
電流検出電圧変換回路５は電圧信号を発生しなく
なくなるため、電圧比較リレー駆動回路６内のマ
グネツトコンタクター駆動用リレースイツチ８の
ａ接点８ａが閉作動し、マグネツトコンタクター
１０が入りモーター１１が作動し、給水ポンプ１
２が給水作動を開始する。このとき、液面検出リ
レースイツチ３のａ接点３ａが開くため、電極棒
１ａと１ｂは非導通となる。 また、第３図は本考案の変更実施例であり、電
圧比較リレー駆動回路６に水位検出部と制御部を
電気的接続する配線１または２が断線したこ
とを検出して表示する機能を付加した回路図であ
る。この機能を付加することにより、断線による
ポンプの誤動作も防止でき、誤動作対策は万全と
なる。

【考案の効果】

以上のように本考案に係る電極棒式液面検出装
置は、直流交流変換回路を電極棒に近接した位置
に設けて電極棒までの配線を短くし、この直流交
流変換回路へ直流電源回路から直流電流を供給す
ると共に、この直流電流を直流交流変換回路によ
つて交流に変換して電極棒に交流電流を供給する
ものであるから、電極棒が腐蝕することもなく、
又配線間に静電容量が蓄積されることもないの
で、検出装置の誤動作が防止される。更に配線の
断線検出表示機能を付加すれば、誤動作対策が万
全となるのである。従つて、ポンプの空転による
焼損や水槽の渇水、また過度の給水を防止できる
等、その効果は大である。特に水槽が住宅、病院
等の給水施設として使用されている場合の渇水の
発生は、住民の生活環境や人命にも係るものであ
り、それを防止できることは極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電極棒式液面検出装置の
説明図、第２図は本考案に係る電極棒式液面検出
装置の各回路図、第２図ａは直流電源回路図、第
２図ｂは電流検出電圧変換回路図、第２図ｃは電
圧比較リレー駆動回路図、第２図ｄは直流交流変
換回路図と液面検出回路図、第３図は電圧比較リ
レー駆動回路に断線検出表示機能を加えた回路
図、第４図ａは交流電圧を印加して検出する従来
の検出装置の説明図、第４図ｂは直流低圧間欠電
圧を印加して検出する従来の検出装置の説明図で
ある。 １ａ，１ｂ，１ｃ……電極棒、２……直流交流
変換回路、３……液面検出リレースイツチ、３ａ
……液面検出リレースイツチ３のａ接点、４……
水位検出部、５……電流検出電圧変換回路、６…
…電圧比較リレー駆動回路、７……直流電源回
路、８……マグネツトコンタクター駆動用リレー
スイツチ、８ａ……マグネツトコンタクター駆動
用リレースイツチ８のａ接点、９……制御部、１
０……マグネツトコンタクター、１１……モータ
ー、１２……給水ポンプ、１３……給水源、１４
……水槽、１４ａ，１４ｂ，１４ｃ……水位、１
５……断線警報表示LED、１６，１９……従来
の液面検出装置の検出部、１７，２０……従来の
液面検出装置、１８……発振部、２１……液面検
出回路、２２……定電圧IC、Ｃ……配線間に蓄
積された静電容量、Ｒ，Ｔ……電圧線、Ｓ……中
性線、１，２……接続線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水槽内に検出液面の各高さに対応して設けられ
   た複数の電極棒を使用して液面を検出する電極棒
   式液面検出装置において、この電極棒式液面検出
   装置は、電極棒が結線されると共に電極棒付近に
   取付けられる水位検出部と、液面を制御する制御
   部とから成り、前記水位検出部は直流を交流に変
   換して電極棒へ交流電流を供給する直流交流変換
   回路と、液面検出回路とを備え、前記制御部は水
   位検出部へ直流電流を供給する直流電源回路と、
   前記液面検出回路に備わつた液面検出リレースイ
   ツチの開閉により、直流交流変換回路から出力さ
   れる電流信号を検出して電圧信号に変換する電流
   検出電圧変換回路と、この電流検出電圧変換回路
   からの電圧信号の電圧値と予め設定された電圧値
   とを比較してマグネツトコンタクター駆動用リレ
   ースイツチを開閉する電圧比較リレー駆動回路と
   を備えたことを特徴とする電極棒式液面検出装
   置。