JPH0538296A - 真菌の生育環境調査用試験片およびその製造方法 - Google Patents

真菌の生育環境調査用試験片およびその製造方法

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JPH0538296A
JPH0538296A JP3197795A JP19779591A JPH0538296A JP H0538296 A JPH0538296 A JP H0538296A JP 3197795 A JP3197795 A JP 3197795A JP 19779591 A JP19779591 A JP 19779591A JP H0538296 A JPH0538296 A JP H0538296A
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Keiko Abe
恵子 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 或環境が菌の生育(繁殖)をどの程度促す
かを定量的に調べるのに便利な試験片を提供する。 【構成】 ゼラチンを含む指標菌の栄養媒体中に、この
指標菌を胞子が分散している分散体が乾固した状態で支
持体に付着してなる菌の生育環境調査用試験片。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、或雰囲気が真菌の生育
をどの程度助長するかを定量的に測定するための試験片
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気中、例えば室内の空気中のか
び汚染を測定する方法として、落下菌測定法やエアサン
プラー法が知られている(村石房男等著、「新築建物の
防かび設計・仕様」、株式会社アイオーエム発行、第1
72頁参照)が、これらの方法は、いずれも、空中浮遊
菌を培地に付着させて培養し、そして培養された真菌の
数をかぞえて、その空気中の真菌による汚染度を検出す
るものであって、或雰囲気、すなわち或温度および湿度
等の条件に支配された場所が真菌の繁殖、すなわち真菌
の胞子の発芽、菌糸の生長および胞子の形成にどのよう
に影響するかを測定するものではない。
【0003】一方、近年では、アルミサッシおよびコン
クリートや合成パネル等の非通気性建材、あるいは室内
冷暖房効果の向上を図る上で密閉または断熱工法が各種
の建築物において普及し、さらに冬期においては様々な
暖房器具や空調設備、あるいはさらに加湿器が広く使用
されるようになって、これらの建築物の部屋は、年間の
長い期間にわたり高温多湿の雰囲気に曝されることが多
くなってきている。
【0004】このような雰囲気の部屋はかび(真菌)の
繁殖にとって絶好な温床となり易く、繁殖した真菌は、
例えば喘息や鼻炎などのアレルギー性疾患の誘因となっ
て健康上有害であり、また上記の部屋が穀物、果物また
はその他の農産物のような食料または飼料を保存し、あ
るいは流通させるための貯蔵施設や倉庫となっている場
合には、上記の繁殖した真菌が食料または飼料を保存、
流通過程中に腐敗させるという不利益を招く。
【0005】真菌によるこれらの有害な作用は真菌の生
育初期またはその胞子が空中に浮遊している間は感知す
ることができず、例えば前記のようなアレルギー疾患を
起こしたり、あるいは保管中の食料がかびによって冒さ
れるようになって初めて気がつくので、このような被害
に対する対策は遅れがちとなり、これを予め適切に予防
することは困難であった。
【0006】そこで、本発明者は上述の状況に鑑みて種
々研究を重ねた結果、 1.無性胞子(分生子)を形成して無性的な繁殖を繰り
返す真菌の前記胞子を、この真菌の栄養媒体中に分散さ
せた分散体が支持体に乾固した状態で付着してなる試験
片は、この試験片を囲む種々の雰囲気に応じて様々な速
さで前記胞子の発芽、菌糸の生長および胞子の形成、す
なわち前記真菌の繁殖を示し、そしてこれらの生育の速
さは他の一般の胞子形成真菌の生育の速さに対応して増
減する結果、前記雰囲気が、一般の真菌、すなわち空中
にありふれて存在し、かつ広範囲の有機物に付着して盛
んに繁殖する真菌の繁殖をどの程度助長するかを示す指
標となり得ること、および 2.上記試験片は、指標菌の栄養媒体中に、この指標菌
の胞子を懸濁させた懸濁液を支持体に付着させ、そして
この懸濁液を乾固するまで乾燥させることによって好都
合に製造できること、を見出した。
【0007】本発明は、上記知見に基づいて発明された
もので、或環境が真菌の生育(繁殖)をどの程度促すか
を定量的に調べるのに便利な試験片を提供することを目
的とし、 1.ゼラチンを含む指標菌の栄養媒体中に、この指標菌
の胞子が分散している分散体が乾固した状態で支持体に
付着してなる真菌の生育環境調査用試験片、および 2.ゼラチンを含む指標菌の栄養媒体中に、この指標菌
の胞子を懸濁させた懸濁液を支持体に付着させ、そして
この懸濁液を乾固するまで乾燥させることによって、前
記胞子が前記栄養媒体中に分散している分散体が乾固し
た状態で支持体に付着してなる真菌の生育環境調査用試
験片の製造方法に係わるものである。
【0008】本発明において第一に重要なことは、或環
境が真菌の生育(繁殖)をどの程度促すかを調べるため
に、指標菌として選定した真菌の生きている胞子を使用
することである。真菌の生育に影響を与える因子として
は、温度、湿度などが知られているが、これらの個々の
因子を物理的に測定しても、真菌の生育は、これらの因
子の組合せや、その時間的・季節的変動あるいはその他
の因子によって左右されるため、或環境において真菌が
実際にどの程度繁殖するかは一般に予測し難い。そこ
で、これらの因子を測定して真菌の繁殖程度(速度)を
予想する代わりに、生きている真菌を使用して、その生
育状況を直接観察すれば、或環境が真菌の生育をどの程
度促すかを容易にかつ正確に調べることができる。
【0009】本発明において使用する指標菌としては、
無性胞子を形成して無性的に繁殖する真菌ならば、原則
として、いずれの真菌でも使用できるが、一般に、広範
囲の真菌が繁殖できる条件、すなわち温度15〜35℃
および相対湿度70%以上という条件下でなるべく速や
かに、かつ顕著な生育を示す、すなわち高い発芽率と著
しい菌糸の伸びをもたらす真菌が好ましく用いられる。
【0010】指標菌としては、好乾性真菌、中湿性真菌
および好湿性真菌のいずれも使用できるが、室内環境の
調査には一般に好乾性真菌が好ましい。この好乾性真菌
は相対湿度が75%以下でも生育でき、一方、中湿性真
菌および好湿性真菌は相対湿度が80%以上でないと生
育しない。また、好乾性真菌は、中湿性真菌または好湿
性真菌が生育しないような低い湿度においても生育でき
て、しかも中湿性真菌または好乾性真菌が生育できる湿
度では、より早い生育を示す。具体的には、下記の実施
例2に示されるように、中湿性真菌が生育できる80%
以上の相対湿度における好乾性真菌の生育速度は、相対
湿度75%における生育速度よりも大きい。そして、好
乾性真菌の中でも、アスペルギルス・ペニシロイデスI
FO8155株(保存機関:発酵研究所、保存番号:8
155号)が特に好ましい。
【0011】本発明において第二に重要なことは、前記
分散体、すなわち指標菌の栄養媒体がゼラチンを含有
し、かつ乾固した状態にあることである。従来、真菌の
ような微生物を固体培地によって培養する場合には、そ
の生育に必要な栄養源を水に溶かし込んだ水溶液に寒天
を加えた流動性の栄養媒体をゼリー状に固めたものが、
その培地として用いられているが、このような培地を乾
固するまで徹底的に乾燥させた培地、そして特にゼラチ
ンが乾固した状態となった固体培地を真菌の培養に用い
ることは格別知られていなかった。本発明においては、
空気中の水分が乾固したゼラチン含有栄養媒体に吸収さ
れ、この吸収された水分に助けられて指標菌が生育す
る。乾固した栄養媒体に吸収される水分の量は空中湿度
に応じて増大し、そして吸収された水分の量および周囲
温度に応じた速さで真菌が生育する結果、或雰囲気が真
菌の生育をどの程度助長するかを測定することができ
る。
【0012】指標菌の栄養媒体としては、一般に胞子の
発芽、菌糸の伸長および胞子の形成に適した、従来の真
菌の培養に用いられてきた栄養媒体ならば、いずれのも
のでも使用できるが、本発明の栄養媒体ではゼラチンが
必須成分として用いられる。なぜならば、ゼラチンは真
菌を生育させるための栄養素となるばかりでなく、その
胞子と支持体との良好な付着を達成させるのに適してお
り、かつ乾固したゼラチンは空中湿度に応じて水分の吸
収程度を変化させるからである。すなわちゼラチンを含
む乾固した栄養媒体は、様々な湿度を有する雰囲気がそ
の栄養媒体に様々な水分吸収率をもたらし、それに応じ
て真菌の生育がどの程度促されるかを定量的に測定する
のに極めて好都合である。本発明において使用される栄
養媒体は、必須成分として含有されるゼラチンが窒素源
としても役立つため、例えば、他に炭素源としてのぶど
う糖を含むものが好ましい。ゼラチンはまた、指標菌の
胞子を支持体に付着させる能力においても優れている。
【0013】支持体としては種々の形状、寸法を有する
材料を用いることができるが、一般に、物理的、化学的
および生物学的に耐久性に優れて安定であり、かつ前記
分散体を安定した状態で保持することができ、しかも真
菌の繁殖を観察するのに都合のよい部材が選ばれる。例
えば透明なプラスチックおよびガラスが好ましく用いら
れ、特に透明なプラスチック板が有利に用いられる。
【0014】支持体に付着させる分散体の量は通常0.
5〜2μlで十分であり、分散体は、図1に示されるよ
うに一般に小滴3の形で支持体2の上に付着されて本発
明の試験片1が形成され、そしてこの分散体3は図1に
示されるような1か所でなく、複数か所にわたって付着
させてもよい。
【0015】指標菌の胞子は、2種以上の真菌の胞子を
それぞれ独立して別々に含まれる別個の分散体として支
持体上に付着させてもよい。
【0016】また、本発明の試験片には、図1に示され
るように、天井から吊り下げるのに便利なように、ある
いは図2に示されるように、壁面に固定するのに便利な
ように、例えば、着脱自在に接着できる接着剤5が端面
に塗られている接着片4を設けてもよいし、あるいは図
3に示されるように、例えば天井等にあらかじめ取りつ
けられたフック6から吊り下げるのに便利なように、支
持体2にあけられた穴7にひも8を通しておいてもよ
い。
【0017】本発明の試験片は、栄養媒体、例えば水中
にブドウ糖0.5%、ゼラチン0.5%を含有する栄養
媒体0.5〜1ml中に、栄養媒体1mlあたり106
〜107 個の指標菌の胞子を添加した後、これを試験管
ミキサーで攪拌することによって胞子を栄養媒体中に懸
濁させ、ついでこのようにして調製した胞子懸濁液をマ
イクロシリンジによって、支持体上に載せた後、この懸
濁液を乾固するまで乾燥させて、例えば風乾後、シリカ
ゲルのような乾燥剤上で乾固させて、これを支持体上に
付着させ、さらに試験片を試験場所に固定させるのに便
利な部材、例えば前述のような接着片またはひも等を随
意に支持体に設けることによって、製造される。
【0018】本発明の試験片は0〜5℃に保たれた冷蔵
庫内では、一般に製造後約2か月間保存できる。
【0019】以上のように製造された試験片を一定の期
間測定場所に置いた後回収して、その期間中に試験片に
おいて生じた真菌の生育程度すなわち胞子の発芽状態、
菌糸生長の程度および胞子形成の程度および/または真
菌によって製造された生産物の量等を観察または測定す
ることによって、その測定場所がどの程度真菌の繁殖を
促すかを定量的に求めることができる。
【0020】また、胞子の発芽、菌糸の生長および胞子
の形成という、或世代の胞子から次の世代の胞子までの
無性的なライフサイクルを持つ真菌を指標菌として選
び、例えば温度25℃および相対湿度84%において2
日間放置した場合の生育程度のような、或温度および或
相対湿度における或期間の生育程度を1単位として、或
一定期間において進行する指標菌の生育程度を、その胞
子発芽状態、伸長した菌糸の長さおよび胞子形成の有無
または程度等から調べて、その単位数を求めると、この
単位数は、或雰囲気における真菌の繁殖の難易度を表す
ことになるので、その測定場所における真菌の繁殖のし
易さを上記単位数によって数値化することができる。こ
の一定期間中の単位数を、例えば真菌生育指数と名付け
れば、この真菌生育指数によって、様々な場所における
真菌の繁殖のし易さを比較することができる。なお、こ
のような比較をする場合には、勿論同じ種類の試験片を
それぞれの測定場所で使用する。
【0021】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はもちろんこれらの実施例によって
限定されない。
【0022】実施例1 未乾燥のアスペルギルス・ペニシロイデスIFO815
5株の胞子を、ゼラチン(ビスコ社製)およびぶどう糖
をそれぞれ0.5重量%濃度で含有する水0.5ml中
に5×106 /mlの密度で懸濁させ、得られた懸濁液
約2μlをマイクロシリンジ(ハミルトン社製)によっ
て、20×50×1mmの透明なプラスチック板の表面
に載せ、ついでこの懸濁液を風乾し、そしてシリカゲル
上で乾固させることによって、図3に示されるような本
発明の試験片1を製造した。
【0023】実施例2 実施例1で得た試験片1に付いているアスペルギルス・
ペニシロイデスIFO8155株の胞子を温度25℃の
下に種々の相対湿度で培養し、栄養媒体外に直線的に伸
びた各菌糸の長さを測定した。図4は、その場合の培養
日数と菌糸の長さとの関係を示すグラフである。グラフ
の横軸は培養日数を表し、縦軸は菌糸の長さ(mm)を
表す。相対湿度75%で7日間培養した場合の菌糸の長
さと相対湿度84%で2日間培養した場合の菌糸の長さ
とは同一であった。また、アスペルギルス・ペニシロイ
デスIFO8155株を相対湿度75%で14日間培養
した場合の菌糸の長さは、相対湿度84%で2日間培養
した場合の菌糸の長さと同一であった。
【0024】実施例3 鎌倉市の或木造住宅内および戸外において、種々の場所
の真菌生育指数を求めた。ここでの真菌生育指数は、温
度25℃、相対湿度84%の環境条件下で試験片を2日
間放置した場合のアスペルギルス・ペニシロイデスIF
O8155株の生育程度を1単位として、1週間測定場
所(調査地点)に試験片を設置して得られるアスペルギ
ルス・ペニシロイデスIFO8155株の生育程度から
求めた単位数である。例えば、4日分の生育を示してい
れば真菌生育指数は2であり、また1日分の生育を示し
ていればこの指数は1/2である。
【0025】具体的には、あらかじめ温度25℃および
相対湿度84%の下にアスペルギルス・ペニシロイデス
IFO8155株を培養して、この指標菌の生育状態を
経時的に写真撮影したものを予め用意した後、測定場所
から回収した試験片上の指標菌の生育状態に相当する写
真を探し出して真菌生育指数を求めた。
【0026】本発明試験片1を一週間所定の場所に置い
た後回収し、菌糸の伸長の長さから上記の真菌生育指数
を求めた。図5にこれらの結果の一例を示す。試験片設
置期間は、1990年7月2日から1週間である。
【0027】図5から、この木造住宅においては押入、
床下収納庫およびトイレは、戸外よりも真菌が繁殖し易
く、一方、和室、洋間および台所は、戸外よりも真菌が
繁殖し難いことがわかる。
【0028】実施例4 1990年5月から1990年12月に至るまでの鎌倉
市戸外における真菌生育指数を求めた。ここの真菌生育
指数も、実施例5と同様の意味を持っている。
【0029】アスペルギルス・ペニシロイデスIFO8
155株の胞子が付いた本発明試験片1を所定の場所に
置いて7日後に回収し、ついで別の新しい本発明試験片
1を再びその場所に置いて同様な手順を繰り返した。回
収した試験片上の発芽胞子の菌糸の長さを測定し、その
測定値から換算して真菌生育指数を求めた。この結果を
図6に示す。
【0030】図6から、鎌倉市においては6月〜9月に
かび(真菌)が繁殖し易いことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本
発明によれば、従来曖昧であった種々の場所における真
菌の繁殖し易さを簡単に、かつ定量的に測定することが
できる。本発明の試験片を用いると、様々な部屋または
室内の部分的な環境調査が可能となり、真菌が繁殖する
可能性の高い箇所の探索や、どこでどの程度の防かび対
策が必要となるかの目安を立てることができる。また、
本発明の試験片を穀物等の農産物および飼料並びにその
他の食料の流通過程における貯蔵施設や倉庫に適用する
ことにより、ポストハーベストの真菌汚染可能性を予知
したり、あるいは防黴のための環境改善または適切な施
設の設置を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の試験片の一例を示す傾斜図である。
【図2】 本発明の試験片の別の一例を示す傾斜図であ
る。
【図3】 本発明の試験片のさらに別の一例を示す傾斜
図である。
【図4】 指標菌の培養日数と菌糸の長さとの関係を示
した折れ線グラフである。
【図5】 木造住宅内で調べた真菌生育指数を示した棒
グラフである。
【図6】 鎌倉市戸外における真菌生育指数の季節的変
動を示した棒グラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、或雰囲気(環境の気候
状態)が真菌の生育をどの程度助長するかを定量的に測
定するための試験片およびその製造方法に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明において第一に重要なことは、或環
境が真菌の生育(繁殖)をどの程度促すかを調べるため
に、指標菌として選定した真菌の生きている胞子を使用
することである。真菌の生育に影響を与える因子として
は、温度、湿度などが知られているが、これらの個々の
因子を物理的に測定しても、真菌の生育は、これらの因
子の組合せや、その時間的・季節的変動あるいはその他
の因子によって左右されるため、或環境において真菌が
実際にどの程度繁殖するかは一般に予測し難い。そこ
で、これらの因子を測定して真菌の繁殖程度(速度)を
予想する代わりに、生きている真菌を使用して、その生
育状況を直接または、例えば倍率100倍の顕微鏡下で
観察すれば、或環境が真菌の生育をどの程度促すかを容
易にかつ正確に調べることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】実施例1 未乾燥のアスペルギルス・ペニシロイデスIFO815
5株の胞子を、ゼラチン(ディフコ(DIFCO) 社製)およ
びぶどう糖をそれぞれ0.5重量%濃度で含有する水
0.5ml中に5×106 /mlの密度で懸濁させ、得
られた懸濁液約2μlをマイクロシリンジ(ハミルトン
社製)によって、20×50×1mmの透明なプラスチ
ック板の表面に載せ、ついでこの懸濁液を風乾し、そし
てシリカゲル上で乾固させることによって、図3に示さ
れるような本発明の試験片1を製造した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】実施例2 実施例1で得た試験片1に付いているアスペルギルス・
ペニシロイデスIFO8155株の胞子を温度25℃の
下に種々の相対湿度で培養し、栄養媒体外に直線的に伸
びた各菌糸の長さを測定した。図4は、その場合の培養
日数と菌糸の長さとの関係を示すグラフである。グラフ
の横軸は培養日数を表し、縦軸は菌糸の長さ(mm)を
表す。相対湿度75%で7日間培養した場合の菌糸の長
さと相対湿度84%で2日間培養した場合の菌糸の長さ
とは同一であった。また、アスペルギルス・ペニシロイ
デスIFO8155株を相対湿度75%で14日間培養
した場合の菌糸の長さは、相対湿度84%で日間培養
した場合の菌糸の長さと同一であった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本
発明によれば、従来曖昧であった種々の場所における真
菌の繁殖し易さを簡単に、かつ定量的に測定することが
できる。本発明の試験片を用いると、様々な部屋または
室内の部分的な環境調査が可能となり、真菌が繁殖する
可能性の高い箇所の探索や、どこでどの程度の防かび対
策が必要となるかの目安を立てることができる。また、
本発明の試験片を穀物等の農産物および飼料並びにその
他の食料の流通過程における貯蔵施設や倉庫に適用する
ことにより、ポストハーベスト、例えば収穫後消費者の
手にわたるまでの期間の真菌汚染可能性を予知したり、
あるいは防黴のための環境改善または適切な施設の設置
を図ることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチンを含む指標菌の栄養媒体中に、
    この指標菌の胞子が分散している分散体が乾固した状態
    で支持体に付着してなる真菌の生育環境調査用試験片。
  2. 【請求項2】 ゼラチンを含む指標菌の栄養媒体中に、
    この指標菌の胞子を懸濁させた懸濁液を支持体に付着さ
    せ、そしてこの懸濁液を乾固するまで乾燥させることに
    よって、前記胞子が前記栄養媒体中に分散している分散
    体が乾固した状態で支持体に付着してなる真菌の生育環
    境調査用試験片の製造方法。
JP3197795A 1991-08-07 1991-08-07 真菌の生育環境調査用試験片およびその製造方法 Pending JPH0538296A (ja)

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KR20130087528A (ko) * 2010-07-30 2013-08-06 엠프레사 브라질레이라 데 페스퀴사 아그로페쿠아리아-엠브라파 균류의 수명을 증가시키기 위해 변형된 분위기에서 균류 포자를 포장하는 방법

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