JPH0536759U - 電線接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】道具を使わずに、素人でも簡単に電線の接続作
業を行えるようにする。 【構成】各電線を本体２０の第１および第２の案内溝２
３ａ，２３ｂ；２４ａ，２４ｂの中に挾み、その状態で
各キャップ部材３１，３２を締め込んで行く。そうする
と、各溝の中の接続針２５の尖った各端部２５ａ，２５
ｂが、電線の外皮に食い込んで中の心線と接触する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、第１の電線と第２の電線とを電気的に接続するための電気接続装 置、特に、仮設用として有効な簡易な電気接続装置に関する。

【０００２】

【従来の技術およびその問題点】

一般に、工事現場、お祭会場、通夜、葬儀、その他のイベント会場などにおい て、照明あるいは各種の装置のための電源配線などを仮設することがある。そう した場合、ある一つの電線から他の電線を分岐する接続作業を頻繁に行う。 従来、分岐のための接続作業に際して、ペンチ、ナイフ、圧着工具などの道具 のほか、リングスリーブ、絶縁テープなどの部品が必要であった。最も一般的に は、ペンチ、ナイフによって接続すべき電線部分の外皮を剥がし、中の心線を露 出し、ついで、露出した心線部分を互いにより合わせ、必要に応じてリングスリ ーブをかませた後、接続部分を絶縁テープで被う。したがって、その接続作業は 、電気工事士あるいは心得がある人でなければ困難であった。しかも、雨の日に 外で作業を行うような場合、電気を止められないときには感電の危険性もあるし 、電線や手が濡れるので、絶縁テープの粘着力がなくなったりして作業が大変や りずらい。

【０００３】

【考案の目的】

この考案の目的は、道具を使わずに、素人でも簡単に接続作業を行うことがで きる電線接続装置を提供することにある。

【０００４】

【そのための手段および作用、ならびに適用電線】

この考案の電線接続装置は、電気絶縁材料からなり、第１および第２の各端面 を含み、第１の端面には第１の電線を案内する第１の案内溝が、第２の端面には 第２の電線を案内する第２の案内溝がそれぞれある本体と、この本体の第１およ び第２の各端面の部分を被うようにねじ結合され、ねじ結合による締め付け力に よって各端面に向かって締め込まれる第１および第２のキャップ部材と、前記本 体の内部に埋め込まれ、尖った一方の端部が第１の案内溝の中に、尖った他方の 端部が第２の案内溝の中にそれぞれ突き出た接続針とを備えている。 この電線接続装置を用いて、第１の電線と第２の電線とを電気的に接続する場 合、各電線を本体の各端面部分の各案内溝の中に設置した状態で、各キャップ部 材を締め込んで行けば良い。この締め込み時、キャップ部材の締め付け力によっ て、接続針の尖った端部が各電線の外皮を突き破り、中の心線と電気的な接触を する。したがって、第１および第２の両電線は、接続針を通して互いに電気的に 接続される。

【０００５】 この考案は、銅線などからなる心線と、その心線の外側を被覆するビニール等 の絶縁材料からなる外皮とから構成される、絶縁電線、特に、ビニール製の外皮 を備える電線（ＩＶ電線）に適用する場合、特に有効である。というのは、接続 針の尖った先端が外皮を容易に突き破るので、使用後でも電線に目立つ傷ができ ず、その電線を再使用することができるからである。特に、外皮の材料が弾性変 形するので、外皮は接続針による傷を自ら小さくする傾向がある。しかし、この 考案は、外皮が複数の層からなる電線であっても、外皮の上層の一部を剥がすよ うにすることによって、適用することができる。したがって、この考案は、絶縁 電線、コード、キャップタイヤケーブル等のケーブル、口出し線、通信用電線な どの各種の電線の接続に適用することができる。

【０００６】

【第１の実施例】 図１は、二本の電線をつなぐための基本的な例を示し、（Ａ）が分解した状態 を示す図で、一部を断面構造で示す側面図、（Ｂ）が本体の平面図である。 図１のＡ図に示すように、この考案の第１の実施例である電線接続装置１０は 、硬化ゴム、エポキシ樹脂などの電気絶縁材料からなる本体２０と、この本体２ ０にねじ結合される第１および第２の二つのキャップ部材３１，３２とを備える 。本体２０は、円柱形状であり、その上下に軸線に対してほぼ直交する第１およ び第２の二つの端面２１，２２を含む。各端面２１，２２には、断面が半円形状 の溝２３ａ，２３ｂ；２４ａ，２４ｂがある。これらの溝は、接続すべき電線を 挾み込んで案内するためのものであり、第１の端面２１側の第１の案内溝２３ａ ，２３ｂが第１の電線（図示しない）用、第２の端面２２側の第２の案内溝２４ ａ，２４ｂが第２の電線（図示しない）用である。また、本体２０には、良導電 性の金属材料からなる接続針２５が二本埋め込まれ、その尖った上端部２５ａが 第１の案内溝２３ａ，２３ｂの中に、そして、尖った下端部２５ｂが第２の案内 溝２４ａ，２４ｂの中にそれぞれ突き出ている。さらに、本体２０の中心部にボ ルト部材２６が埋め込まれ、その上端部２６ａは第１の端面２１の中心部に直立 し、その下端部２６ｂは第２の端面２２の中心部に直立している。これらボルト 部材２６の各端部２６ａ，２６ｂは、各キャップ部材３１，３２をねじ結合する ためのおねじを構成する。 第１および第２のキャップ部材３１，３２は、互いに同形状であり、第１およ び第２の各端面２１，２２に対応する面３１ａ，３２ａのほか、中心部にはボル ト部材２６のおねじに適合するめねじ部３１ｂ，３２ｂを含む。これらのキャッ プ部材３１，３２は、ボルト部材２６の各端部２６ａ，２６ｂに対してめねじ部 ３１ｂ，３２ｂをねじ結合することによって、本体２０側に取り付けることがで きる。キャップ部材３１，３２の取り付け時、ねじ結合による締め付けを進める と、各キャップ部材３１，３２の各面３１ａ，３２ａが本体２０の各端面２１， ２２に当たるようになる。結果的に、各キャップ部材３１，３２は、本体２０の 各端面２１，２２の部分を被うことになる。

【０００７】 さて、電線接続装置１０を用いて第１および第２の電線を接続する場合、各電 線を本体２０の第１および第２の案内溝２３ａ，２３ｂ；２４ａ，２４ｂの中に 挾み、その状態で各キャップ部材３１，３２を締め込んで行けば良い。締め込み に応じて、各溝の中の接続針２５の尖った各端部２５ａ，２５ｂが、図２に示す ように、電線５０の外皮５１に食い込んで中の心線５２と接触する。したがって 、つなぐ側の電線もつながれる側の電線も外皮を剥がすことなく、電気的な接続 を行うことができる。しかも、接続針２５の尖った各端部２５ａ，２５ｂによる 傷はわずかであるため、電線を再使用することもできる。なお、二つのキャップ 部材３１，３２を本体２０の上下に対称的に配置しているので、各キャップ部材 ３１，３２の締め付けを互いに補完するように行うことができ、締め付け作業が 大変に楽である。

【０００８】

【第２の実施例】 図３は、一本の電線を接続する例であり、（Ａ）が側断面図、（Ｂ）が本体の 平面図である。この実施例による電線接続装置２１０も、基本的な構造は前記第 １の実施例の場合と同様である。そこで、対応する部分には２００を加えた符号 を付し、それらについての説明は省略することとし、互いに異なる部分を中心に 説明する。 この電線接続装置２１０では、本体２２０の第１および第２の端面２２１，２ ２２が同一の側に位置し、それに応じて、第１および第２の各案内溝２２３ａ， ２２４ａも同一の側に位置している。また、接続すべき電線が一本であるため、 接続針２２５が一本である。なお、本体２２０の側壁部分に腕６１，６２を設け 、それら腕６１，６２の部分に、その本体２２０を壁、柱などの固定部分に取り 付けるための支持用の穴６１ａ，６２ａを設けるようにしている。

【０００９】

【第３の実施例】 図４は、二本の電線を接続するための他の例であり、（Ａ）が側断面図、（Ｂ ）が本体の平面図である。 図４に示す電線接続装置３１０も基本的な構造は第１の実施例と同様であるの で、ここでの説明も第２の実施例におけるそれに準じる。 電線接続装置３１０では、本体３２０を左右二つの部分３２０ａ，３２０ｂに 分け、それらを連結部３６０によって互いに連結している。連結部３６０には、 本体３２０を固定部分に取り付けるための支持用の穴（コの字型のくぎを通すた めの穴３６１ａ、および木ビスを通すための穴３６２ａ）がある。両本体部分３ ２０ａ，３２０ｂは、連結部３６０を基準に左右対称であり、第１の端面３２１ と第２の端面３２２は、共に各本体部分３２０ａ，３２０ｂの上面に位置する。 この電線接続装置３１０では、本体３２０が連結部３６０と相俟って平らであり 、コの字型のくぎや木ビスによって、本体３２０等を安定して固定することがで きる。なお、二本の接続針３２５は、本体３２０および連結部３６０の中に埋め 込まれ、尖った端部３２５ａ，３２５ｂの部分だけが、第１および第２の案内溝 ３２３ａ，３２３ｂ；３２４ａ，３２４ｂの部分に露出している。

【００１０】

【考案の効果】

この考案によれば、本体に対してキャップ部材をねじ結合することによって、 第１および第２の両電線を簡単に接続することができ、接続作業を短時間に、し かも、安全に行うことができる。また、使用後の電線に目立つ傷も生じないので 、そのまま再使用することができ、大変経済的でもある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施例を示す図である。

【図２】電線の電気的な接続状態を示す部分図である。

【図３】この考案の第２の実施例を示す図である。

【図４】この考案の第３の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１０，２１０，３１０ 電線接続装置 ２０，２２０，３２０ 本体 ２１，２２１，３２１ 第１の端面 ２２，２２２，３２２ 第２の端面 ２３ａ，２３ｂ，２２３ａ，３２３ａ，３２３ｂ 第１
の案内溝 ２４ａ，２４ｂ，２２４ａ，３２４ａ，３２４ｂ 第２
の案内溝 ３１，３２，２３１，３３１，３３２ キャップ部材 ２５，２２５，３２５ 接続針 ２５ａ，２５ｂ，２２５ａ，２２５ｂ，３２５ａ，３２
５ｂ 尖った端部 ２６，２２６，３２６ ボルト部材 ６１ａ，６２ａ，３６１ａ，３６２ａ 支持用の穴

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の電線と第２の電線とを電気的に接
   続する装置であって、電気絶縁材料からなり、第１およ
   び第２の各端面を含み、第１の端面には第１の電線を案
   内する第１の案内溝が、第２の端面には第２の電線を案
   内する第２の案内溝がそれぞれある本体と、この本体の
   第１および第２の各端面の部分を被うようにねじ結合さ
   れ、ねじ結合による締め付け力によって各端面に向かっ
   て締め込まれる第１および第２のキャップ部材と、前記
   本体の内部に埋め込まれ、尖った一方の端部が第１の案
   内溝の中に、尖った他方の端部が第２の案内溝の中にそ
   れぞれ突き出た接続針とを備える電線接続装置。
2. 【請求項２】 前記第１および第２の各端面の中心部
   に、前記キャップ部材をねじ結合するためのボルト部材
   が直立している、請求項１の電線接続装置。
3. 【請求項３】 前記本体の部分に、その本体を固定部分
   に取り付けるための支持用の穴がある、請求項１あるい
   は２の電線接続装置。