JPH0535485A - フアジイ情報処理装置 - Google Patents

フアジイ情報処理装置

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JPH0535485A
JPH0535485A JP19032191A JP19032191A JPH0535485A JP H0535485 A JPH0535485 A JP H0535485A JP 19032191 A JP19032191 A JP 19032191A JP 19032191 A JP19032191 A JP 19032191A JP H0535485 A JPH0535485 A JP H0535485A
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JP
Japan
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fuzzy
fuzzy set
coordinate
membership
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Application number
JP19032191A
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English (en)
Inventor
Masahito Tanaka
雅人 田中
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Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 座標平面あるいは空間内に存在するファジィ
集合を、その境界線の形状に対応するメンバシップ関数
のパラメータを設定することで定義し、それによって、
1つのファジィ集合を定義するために必要な入力作業及
び1つのファジィ集合を決定するために必要なメモリの
量を低減すると共に、ファジィ集合内の位置を決定する
ための値を離散値でなく連続値で与えられるようにした
ファジィ情報処理装置を提供する。 【構成】 複数の座標軸から成る座標平面あるいは空間
内に存在するファジィ集合を定義する多次元メンバシッ
プ関数を格納したメンバシップ関数記憶部2と、前記多
次元メンバシップ関数のパラメータを設定するパラメー
タ設定部1と、前記ファジィ集合の要素として与えられ
たデータに対し、メンバシップ関数記憶部2に格納され
た多次元メンバシップ関数を用いて演算を行う演算部3
と、前記データを入力し又は演算部3による演算結果を
出力する入出力処理部4とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファジィ理論を利用し
て複数の座標軸から成る座標平面上あるいは空間内に表
わされるデータとして与えられる情報を処理するファジ
ィ情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファジィ理論を利用してあいまい
な情報を処理する技術が研究されている。この技術によ
れば、情報処理に必要なデータは演算処理装置であるコ
ンピュータの記憶部にデータベースとして格納され、こ
れに所定の演算が実行されてその結果が出力される。こ
のファジィ情報処理においては、平面内に表わされるフ
ァジィ集合によってデータを与える場合においては、そ
のためのデータ表現方法として次のようなテーブル(マ
トリクス)を用いるのが一般的である。
【0003】
【表1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなマトリクスによるデータ表現方法では、平面内の
ある位置に対応するメンバシップ値を1つずつマトリク
スの要素として与えなければならないので、次の問題点
がある。
【0005】1つのファジィ集合を定義するのに多数の
メンバシップ値を与えていかなければならないので、非
常に手間がかかる。
【0006】1つのファジィ集合ごとに1つのマトリク
スを使うので、多くの記憶容量を持つメモリを必要とす
る。
【0007】更に、平面内の位置についてのデータは、
マトリクスの要素の行番号と列番号に対応することにな
るので、離散的な値でしか扱えない。すなわち、上記の
例ではx=1.5 ,y=2.8 というような(小数点第1位
以下が0でない)位置におけるメンバシップ値は得られ
ない。故に、多くの手間とメモリを必要とする割りにデ
ータベースに蓄えられる情報量は非常に少ない。
【0008】本発明の目的は、平面あるいは空間内に存
在するファジィ集合を、その境界線の形状に対応するメ
ンバシップ関数のパラメータを設定することで定義し、
それによって、1つのファジィ集合を定義するために必
要な入力作業及び1つのファジィ集合を決定するために
必要なメモリの量を低減すると共に、ファジィ集合内の
位置を決定するための値を離散値でなく連続値で与えら
れるようにしたファジィ情報処理装置を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のファジィ情報処
理装置は、複数の座標軸から成る座標平面あるいは空間
内に存在するファジィ集合を定義する多次元メンバシッ
プ関数を格納したメンバシップ関数記憶部と、前記多次
元メンバシップ関数のパラメータを設定するパラメータ
設定部と、前記ファジィ集合の要素として与えられたデ
ータに対し、前記メンバシップ関数記憶部に格納された
多次元メンバシップ関数を用いて演算を行う演算部と、
前記データを入力し又は前記演算部による演算結果を出
力する入出力処理部とを備えたことを特徴とする。
【0010】本発明の一態様では、入力されるデータは
前記座標平面上あるいは空間内の座標位置又はその座標
位置に対応する値を表わし、前記演算部は前記座標位置
のファジィ集合に対するメンバシップ値を演算結果とし
て出力することを特徴とする。
【0011】本発明の別の態様では、入力されるデータ
は前記ファジィ集合に対するメンバシップ値又はそのメ
ンバシップ値に対応する情報であり、前記演算部は入力
されたデータによって与えられた条件を満たす前記座標
平面上あるいは空間内の領域についてのデータを演算結
果として出力する。
【0012】
【作用】初めに、ファジィ集合の輪郭形状、大きさ、中
心の位置、座標軸との角度関係などを決定するパラメー
タが、ユーザによってパラメータ設定部から入力され、
メンバシップ関数記憶部に格納されているメンバシップ
関数を決定する。メンバシップ関数記憶部は、ファジィ
集合を定義するメンバシップ関数を格納すると共に、パ
ラメータ設定部で設定されたパラメータを記憶してお
く。
【0013】パラメータ設定部では、ユーザの操作によ
りメンバシップ関数を決定するパラメータの入力(書き
込み)や削除を行う。
【0014】演算部は、多次元メンバシップ関数のう
ち、例えば平面上のファジィ集合を与える3次元メンバ
シップ関数、あるいは空間内のファジィ集合を与える4
次元メンバシップ関数をメンバシップ関数記憶部から読
み込み、そのメンバシップ関数を用いてファジィ集合を
表現する。動作時には、入出力処理部からファジィ集合
の要素として与えられたデータに対し、メンバシップ関
数記憶部に格納された多次元メンバシップ関数を用いて
演算を実行し、その演算結果を入出力処理部に送って出
力させる。例えば、演算部では、入力データで表わされ
る座標平面あるいは空間内の位置に対応してファジィ集
合への適合度を計算し、出力する。
【0015】こうして、本発明のファジィ情報処理装置
は、ユーザとの間でファジィ集合についての情報のやり
取りを行う。
【0016】
【実施例】図1は、実施例のファジィ情報処理装置の構
成を示すブロック図である。
【0017】この装置は、後で詳細に説明するように、
複数の座標軸から成る座標平面あるいは空間内に存在す
るファジィ集合を定義する多次元メンバシップ関数のパ
ラメータを設定するパラメータ設定部1と、前記多次元
メンバシップ関数を格納したメンバシップ関数記憶部2
と、前記ファジィ集合の要素として与えられたデータに
対し、メンバシップ関数記憶部2に格納された多次元メ
ンバシップ関数を用いて演算を行う演算部3と、前記デ
ータを入力したり演算部3による演算結果を出力したり
するためのインタフェースである入出力処理部4とを備
える。
【0018】実施例において、パラメータ設定部1は、
パラメータ設定のためにユーザが操作するキーボード等
の入力手段で構成される。
【0019】メンバシップ関数記憶部2は、パラメータ
設定部1からの入力により、後述のように座標平面ある
いは空間内に設定されるファジィ領域を表現するメンバ
シップ関数と設定されたパラメータの値を記憶するメモ
リで構成される。
【0020】入出力処理部4は、パラメータ設定部1と
同様にユーザが入力操作をするためのキーボード等の入
力手段に加えて、演算結果を表示するためのCRT等の
ディスプレイや印字用のプリンタなどの出力手段を含
む。なお、入出力処理部4の入力手段をパラメータ設定
に兼用してもよく、その場合、装置の構成(ハードウエ
ア)は、入出力処理部4にパラメータ設定部1を含んだ
ものとなる。
【0021】演算部3は、以下の動作を実行するように
プログラムされたCPUで構成される。その動作は、後
で詳細に説明するように、入出力処理部4から入力され
たデータに対し、メンバシップ関数記憶部2に格納され
ているメンバシップ関数を用いて、ファジィ集合への適
合度あるいは入力されたデータによって与えられた条件
を満たす座標平面上又は空間内の領域についてのデータ
を演算し、入出力処理部4から出力させるものである。
【0022】この装置に格納されるデータベースの例と
して、図2に示すように、日本の地図において "伊東沖
を震源とする地震で被害を受ける地域"や "都内通勤圏"
などの各領域を表わすファジィ集合を考える。これら
の各領域は、3次元メンバシップ関数で表現できる。そ
して、その3次元メンバシップ関数を用いて、与えられ
たデータについてファジィ集合に対する適合度を演算す
ると、それが対象とする領域に対する適合度が得られ
る。条件とするデータ入力が多数あっても、同様に単一
の多次元メンバシップ関数を用いて適合度が求められ
る。図2の例については、後で詳細に説明する。
【0023】以下、上記のファジィ集合を定義するメン
バシップ関数について説明する。
【0024】(1) 3次元メンバシップ関数の一般的表現 図3に示すように、x-y 直交座標及び適合度から成る3
次元空間に設定されるメンバシップ関数を考える。ここ
で、図中の記号を以下のように定義するが、簡単のた
め、原点を基準点(3次元メンバシップ関数を最も簡単
に記述するための中心点)とする。
【0025】F(x,y,Rx,Ry) =0:x-y 平面上に所定形
状(例えば楕円)の領域を与える関数 tx= f(x) :x-tx面におけるメンバシップ関数 ty= g(y) :y-ty面におけるメンバシップ関数 Rx:任意の点(x,y) を含む等適合度線のx-tx断面上での
xの値(xについてのファジィ・エントロピーに依存す
るパラメータ) Ry:任意の点(x,y) を含む等適合度線のy-ty断面上での
yの値(yについてのファジィ・エントロピーに依存す
るパラメータ) t:3次元メンバシップ関数によって与えられる点(x,
y) の適合度この場合、以下の関係が成り立つ。
【0026】 tx= f(x) ,ty= g(y) ,t = f(Rx),t= g(Ry) ∴ x= f-1(tx),y= g-1(ty),Rx= f-1(t) ,Ry= g-1(t) よって、これらよりx,yとtの関係式が次式のように
求められる。
【0027】
【数1】 F{x,y,f-1(t),g-1(t)}=0 …(1) また、txとtyの合成演算式は次のようになる。
【0028】
【数2】 F{f-1(tx) ,g-1(ty) ,f-1(t),g-1(t)}=0 …(2) ここで、これらの関係式の中のtを1つにまとめること
ができれば、これらはtについての陽関数の形で与える
ことができる。すなわち、次式のように表わすことがで
きる。
【0029】
【数3】 t=G(x,y) …(3)
【0030】
【数4】 t=tx ◇ty =G'(tx,ty) …(4) 但し、◇は合成演算(例えば代数積)を示す記号であ
る。 (2) 3次元メンバシップ関数の移動、変形 (1) で生成した3次元メンバシップ関数は、そのパラメ
ータを適宜変更することにより、回転移動、平行移動及
び x-y座標軸間の角度の変化による変形を容易に行うこ
とができる。
【0031】まず、図4に示すように、x-y 直交座標系
においてy軸を時計回りに角度ψ回転し、次にx軸とy
軸を反時計回りに角度θ回転した後、更に基準点を原点
から点(A,B)に移動した座標軸をX,Yとする。こ
こで、式(3) と同様に表現される次の3次元メンバシッ
プ関数が X-Y座標系に与えられているものとする。
【0032】
【数5】 t=G(X,Y) …(5) このとき、 X-Y座標上の点(X,Y) と x-y座標上の点(x,
y) の関係は、以下のようになる。
【0033】
【数6】
【0034】よって、 X=(x-A)cosθ+(y-B)sinθ− {−(x-A)sinθ+(y-B)cosθ}tan ψ Y={−(x-A)sinθ+(y-B)cosθ}/ cosψ 特に、X-Y 座標が直交座標の場合には、ψ=0となるか
ら、
【0035】
【数7】 X=(x-A)cosθ+(y-B)sinθ …(7)
【0036】
【数8】 Y=−(x-A)sinθ+(y-B)cosθ …(8) (3) (n+1) 次元メンバシップ関数の一般的表現上記の3
次元の場合と同様の考え方を (n+1)次元に拡張する。
【0037】n次元の等適合度面の形状を与える関数を F(x1,x2,・・・,xn; R1,R2,・・・,Rn)=0 とし、各入力変数の従来型のメンバシップ関数を t1= f1(x1) ,t2= f2(x2) ,・・・・・ ,tn= fn(xn) とすると、 t= f1(R1) = f2(R2) = ・・・・ = fn(Rn) となる。
【0038】これらより x1, x2, ・・・,xnとtの関係式
が次式のように求められる。
【0039】
【数9】 F{x1,x2,・・・,xn; f1 -1(t), f2 -1(t), ・・・ , fn -1(t)} =0 …(9) また、t1,t2,・・・ ,tn の合成演算式は、次式のよう
になる。
【0040】
【数10】 F{f1 -1(t1),f2 -1(t2),・・・,fn -1(tn); f1 -1(t),f2 -1(t),・・・,fn -1(t)}=0 …(10) ここで、これらの関係式の中のtを1つにまとめること
ができれば、これらはtについての陽関数の形で与える
ことができる。すなわち、次式のように表わすことがで
きる。
【0041】
【数11】 …(11) t=G(x1,x2,・・・,xn)
【0042】
【数12】 t=◇ti =G'(t1,t2,・・・,tn) …(12) 図1のファジィ情報処理装置において、メンバシップ関
数記憶部2には、平面に存在するファジィ集合を与える
ものとして、3次元楕円メンバシップ関数、3次元放物
線メンバシップ関数、3次元矩形(ひし形、V字形、長
方形、箱形)メンバシップ関数の各式が格納される。ま
た、空間内に存在するファジィ集合を与えるものとし
て、4次元楕円メンバシップ関数、4次元放物線メンバ
シップ関数、4次元矩形(ひし形、V字形、長方形、箱
形)メンバシップ関数の各式が格納される。
【0043】パラメータ設定部1には、ユーザによって
ファジィ集合を決定するためのパラメータが次のような
一連のコード形式で入力される。
【0044】
【数13】
【0045】メンバシップ関数記憶部2は、上記のコー
ドを読み込むことにより、対応するデータ番号のファジ
ィ集合を定義する。
【0046】次に、多次元楕円メンバシップ関数の一例
として、つり鐘型の3次元メンバシップ関数を説明す
る。
【0047】x-y 直交座標および適合度から成る3次元
空間内に、図5に示すような楕円形の等適合度線を有す
るメンバシップ関数を考える。図中の記号は以下のよう
に定義する。また、簡単のため、原点を基準点(3次元
メンバシップ関数を記述するための中心点)とする。
【0048】F(x,y,rx,ry)=0:等適合度線の楕円形状
を与える関数 tx=f(x):x-tx面におけるつり鐘型メンバシップ関数 ty=g(y):y-ty面におけるつり鐘型メンバシップ関数 Rx:適合度1の楕円形の等適合度線のx軸方向の半径 Ry:適合度1の楕円形の等適合度線のy軸方向の半径 ax:xについてのファジィ・エントロピーに比例するパ
ラメータ ay:yについてのファジィ・エントロピーに比例するパ
ラメータ rx:任意の点(x,y) を含む等適合度線と適合度1の等適
合度線との、x-tx断面上での距離 ry:任意の点(x,y) を含む等適合度線と適合度1の等適
合度線との、y-ty断面上での距離 t :3次元メンバシップ関数によって与えられる点(x,
y) の適合度 なお、説明の便宜上、適合度tをtx、tyに分けて記述す
るが、t,tx,tyは事実上同一の座標軸である。
【0049】このとき、任意の点(x,y) を含む等適合度
線は次のようになる。
【0050】
【数14】
【0051】また、tx,tyについてのメンバシップ関数
【0052】
【数15】
【0053】
【数16】
【0054】と表わされる。ここで、複号の−はx,y
が正側の部分、+はx,yが負側の部分を表わす。
【0055】x-tx断面上およびy-ty断面上では、着目す
る等適合度線と基準点の距離は、それぞれ Rx+rx,Ry+r
y になるので、
【0056】
【数17】
【0057】
【数18】
【0058】従って、これらより
【0059】
【数19】
【0060】このとき、第1項と第2項の分母の ( )内
が同じ形でないと、tについての陽関数には変形できな
い。そこで、 min(Rx/ax,Ry/ay)=sk を求め、0<s<skの範囲から適当なsの値を選び、
【0061】
【数20】
【0062】となるdx,dyを求める。すなわち dx=Rx−axs dy=Ry−ays を求め、等適合度線の関数を次式のように変形する。
【0063】
【数21】
【0064】ここで、複号の−はx,yが正側の部分、
+はx,yが負側の部分を表わす。
【0065】
【数22】
【0066】この式の幾何学的な意味は、図6に示すよ
うに、本来の楕円形に対し直線部分を付け加えて近似し
た形状であることを表わしている。この式より
【0067】
【数23】
【0068】但し、 |x|<dxのとき x=dx, |y|<dy
とき y=dyとして計算する。また、図5のように、着目
する等適合度線が適合度1の楕円の外側にある場合、
{ } 内は正の値になる。
【0069】同様にして、着目する等適合度線が適合度
1の楕円の内側にある場合にも全く同じ式が得られる。
但し、この場合、任意の点(x,y) が近似した等適合度線
の直線部分に存在するときは、 |x|<dx且つ |y|<dy
なって { }内は正の値になり、楕円部分にあるときは
{ }内は負の値になる。
【0070】適合度1の楕円の内側(あるいは外側)が
一様に適合度1の領域になる場合は上記の条件によって
判断し、値を与える。
【0071】一方、上記の3次元楕円メンバシップ関数
を用いる代わりに、従来型のメンバシップ関数を楕円形
の等適合度線で合成することによっても、上記の3次元
楕円メンバシップ関数を用いた場合と同様の効果が得ら
れる。以下、そのための合成演算について説明する。
【0072】まず、適合度1の楕円の外側においてx,
yの適合度は
【0073】
【数24】
【0074】
【数25】
【0075】ここで、複号の−はx,yが正側の部分、
+はx,yが負側の部分を表わす。
【0076】同様に、適合度1の楕円の内側について
は、
【0077】
【数26】
【0078】
【数27】
【0079】従って、これらより次式のような合成演算
式が得られる。
【0080】
【数28】
【0081】複号は、txを与えるxが |x|≧Rxのとき+
を選び、 |x|<Rxのとき−を選ぶ。yについても同様で
ある。
【0082】但し、 |x|<dxのときtx=(tx)x=dx, |y|
<dyのときty=(ty)y=dyとして計算する。着目する合成
位置が適合度1の楕円の外側にある場合、{ } 内は正の
値になる。また、着目する合成位置が適合度1の楕円の
内側にある場合、等適合度線の直線部分で合成されると
きは |x|<dxかつ |y|<dyで{ } 内は正の値になり、楕
円部分で合成されるときは { }内は負の値になる。
【0083】|x|<Rx, |y|<Ry(又は |x|>Rx, |y|
>Ry)において、tx,tyが一様に適合度1になる場合
は、上記の条件によって判断し、値を与える。すなわ
ち、適合度1の範囲においても上記のメンバシップ関数
が存在するものと仮定して、それぞれの適合度を求め、
合成を行う。
【0084】上記の合成演算式により、従来型のメンバ
シップ関数を楕円形の等適合度線で合成することがで
き、前述の3次元楕円メンバシップ関数を用いた場合と
同様の効果が得られる。すなわち、この合成演算法によ
り、従来型メンバシップ関数を演算する演算装置を用い
て、従来できなかった楕円形の境界形状を有するファジ
ィ集合の設定が可能となった。
【0085】次に、上記の3次元楕円メンバシップ関数
及び従来型メンバシップ関数の楕円合成を (n+1)次元に
拡張した場合を説明する。
【0086】これは楕円面による等適合度面の形成であ
り、上記の3次元を拡張して、以下のような (n+1)次元
の楕円メンバシップ関数及び (n+1)次元の楕円合成演算
式が得られる。
【0087】
【数29】
【0088】 但し、0 <s<sk , sk= min(Ri/ai) ,di=Ri−ais |xi|< di のとき xi =diとして計算する。{ } 内が正
のとき入力点外側{ } 内が負のとき及び全ての|xi|<di
のとき入力点内側
【0089】
【数30】
【0090】 但し、 0<s<sk, sk= min(Ri/ai),di=Ri−ais |xi|<diのとき ti =(ti)xi=di として計算する。
【0091】{ } 内が正のとき合成位置外側 { } 内が負のとき及び全ての|xi|<di のとき合成位置内
側 また、更に複雑な形状の楕円メンバシップ関数を必要と
する場合、3次元において極座標形式の角度を楕円合成
すると、次式のようになる。
【0092】
【数31】
【0093】 但し、tth= exp [− (θ−ψ)2/ath 2] 更に、楕円の中心の位置が(A,B) 軸の角度がφのとき
は、前述の3次元メンバシップ関数の移動により、次式
が得られる。
【0094】
【数32】
【0095】但し、 X =(x-A)cosφ+(y-B)sinφ Y =−(x-A)sinφ+(y-B)cosφ ψ' =ψ−φ 最も単純な形状として、Rx=Ry=0 ,s=0 ,φ=0 ,
th=1 の場合について求めると、
【0096】
【数33】
【0097】となる。
【0098】この式によって表わされる3次元つり鐘型
メンバシップ関数の形状を図7(A)に示す。また、s≠0
の場合は図7(B) のようになる。これらのメンバシッ
プ関数は、水平に切ったときの断面の輪郭が楕円形にな
る。
【0099】また、合成演算式は
【0100】
【数34】tx◇ty=tx・ty …(34) 同様に、(n+1) 次元において最も単純な形状を求める
と、楕円メンバシップ関数及び合成演算式は、それぞれ
次のようになる。
【0101】
【数35】t= exp[−Σ(xi/ai)2] ◇ti=Πti …(35) 例えば、前述(図2)の地図において "伊東沖を震源と
する地震で被害を受ける地域" をデータ番号1のファジ
ィ集合とすると、これを表わす3次元楕円メンバシップ
関数は、前掲の式(33)より次のようになる。
【0102】
【数36】
【0103】また、 "都内通勤圏" をデータ番号2のフ
ァジィ集合とすると、これを表わす3次元楕円メンバシ
ップ関数は次のようになる。
【0104】
【数37】
【0105】この場合、ユーザが入出力処理部4から
「横浜」の位置座標(82,46)を入力すると、演算部3
は、メンバシップ関数記憶部2に格納されているデータ
番号1と2の各ファジィ集合に対応するメンバシップ関
数により、 "伊東沖地震" に対する適合度α1 = 0.42
と "都内通勤圏" に対する適合度α2 = 0.91 を算出す
る。
【0106】また、都市の位置についてのデータ(例え
ば「箱根」の座標(68,38))を用意しておき、ファジ
ィ集合に対する適合度を条件として求めたい都市を検索
できる。具体的には、 "伊東沖地震で被害を受ける都内
通勤不可能な都市" という条件で、箱根(α1 = 0.01
,α2 = 0.75 )を出力する。
【0107】
【発明の効果】本発明のファジィ情報処理装置は上記の
ように構成されるので、次の効果が得られる。
【0108】ファジィ集合によって与えられるデータ
ベースの作成作業にかかる時間が大幅に削減される。
【0109】データベースに必要なメモリの量が大幅
に削減される。
【0110】位置を決定するための値が連続値として
扱えるので、事実上、蓄えられる情報量が大幅に増加さ
れる。
【0111】多次元メンバシップ関数によってファジ
ィ集合を表現するので、時間や状況によって、位置や形
が変化するファジィ集合を扱えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のファジィ情報処理装置の構成
を示すブロック図。
【図2】本発明の装置に格納されるデータベースの例と
して地図上の領域を表わすファジィ集合を示す図。
【図3】本発明で用いられる3次元メンバシップ関数の
例を示す図。
【図4】図3の3次元メンバシップ関数を任意の位置に
移動した状態を示す図。
【図5】実施例で用いられるつり鐘型の3次元楕円メン
バシップ関数を示す図。
【図6】図5の3次元楕円メンバシップ関数に直線部分
を付加した形状となる場合の説明図。
【図7】つり鐘型の3次元楕円メンバシップ関数の形状
を示す図。
【符号の説明】
1…パラメータ設定部、2…メンバシップ関数記憶部、
3…演算部、4…入出力処理部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の座標軸から成る座標平面あるいは空
    間内に存在するファジィ集合を定義する多次元メンバシ
    ップ関数を格納したメンバシップ関数記憶部と、 前記多次元メンバシップ関数のパラメータを設定するパ
    ラメータ設定部と、 前記ファジィ集合の要素として与えられたデータに対
    し、前記メンバシップ関数記憶部に格納された多次元メ
    ンバシップ関数を用いて演算を行う演算部と、 前記データを入力し又は前記演算部による演算結果を出
    力する入出力処理部とを備えたことを特徴とするファジ
    ィ情報処理装置。
  2. 【請求項2】入力されるデータは前記座標平面上あるい
    は空間内の座標位置又はその座標位置に対応する値を表
    わし、前記演算部は前記座標位置のファジィ集合に対す
    るメンバシップ値を演算結果として出力することを特徴
    とする請求項1記載のファジィ情報処理装置。
  3. 【請求項3】入力されるデータは前記ファジィ集合に対
    するメンバシップ値又はそのメンバシップ値に対応する
    情報であり、前記演算部は入力されたデータによって与
    えられた条件を満たす前記座標平面上あるいは空間内の
    領域についてのデータを演算結果として出力することを
    特徴とする請求項1記載のファジィ情報処理装置。
JP19032191A 1991-07-30 1991-07-30 フアジイ情報処理装置 Pending JPH0535485A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6955457B2 (en) * 2002-11-23 2005-10-18 Hyundai Motor Company Connecting assembly of a high mounted stop lamp

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