JPH0535057B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は射出成形した有底のプリフオームか
ら口部内側にねじを有する合形樹脂製容器を吹込
成形する方法に関するものである。

（従来の技術） キヤビテイ型とネツク型とを型閉し、ネツク型
側からキヤビテイ内に挿入したコア型の周囲に樹
脂を射出して、有底のプリフオームを成形し、コ
ア型の抜出しとキヤビテイ型とネツク型との型開
きを行つてのち、ネツク型と共にプリフオームを
吹込型に移送して、プリフオームをびんなどの容
器に吹込成形する従来の射出吹込成形では、口部
と共にねじを口部外側に成形している。

このねじはキヤツプシール用のものであるが、
移送時や吹込成形時に、プリフオームがネツク型
から抜出すのを防止する係止部分をも兼ねてい
る。このねじを有する口部の離型は、ネツク型を
割型とすることによつて容易に行うことができ、
外側にねじが有るからと云つて特に成形品の離型
が困難となるようなことはない。

また内側にねじを有する成形品、たとえばスク
リユーキヤツプを成形する場合には、キヤビテイ
内に設けた回転自在なコア型の周囲にねじを設
け、このコア型によりねじによるキヤツプ内側を
成形しており、また離型はコア型かキヤツプを回
転しつつ型開きして行つている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記射出吹込成形では、ネツク型と共にプリフ
オームを移送するときに、コア型をネツク型の外
に抜出さなければならないため、コア型にねじを
設けてプリフオームの口部内側にねじを成形する
ことができず、またコア型を回転しつつ抜出すこ
とができたとしても、前述のように口部のねじ
は、ネツク型からのプリフオーム脱落を防止する
係止部分としても作用するものであるから、ねじ
によるネツク型とプリフオームとの係合が失なわ
れ、空気を吹込んだ際に、その圧力によつて口部
がずれ易く、またネツク型から外れたりして、吹
込成形ができないことが多い。

このようなことから、射出吹込成形では内側に
ねじを有するびんなどの容器の成形は困難とさ
れ、専ら外側にねじを有する容器の成形に用いら
れている。

しかしながら、容器の樹脂化は近年特に多く、
内ねじを必要とする大型容器、例えば第５図に示
すように、本体１の口部２の内側にねじ３を設
け、炭酸ガス導入管４とビール流出管５を貫設し
た密閉部材６を、口部２内にねじ着した生ビール
用のステンレス製容器をも樹脂化して、容器を軽
量化しコストを低減することが望まれている。

（問題点を解決するたの手段） この発明は上記事情から考えられたものであつ
て、プリフオームの射出成形から容器の吹込成形
あるいは延伸吹込成形を連続して行う場合であつ
ても、プリフオーム成形時に口部内側にねじを成
形することができ、またそのねじをもつて移送は
勿論のこと吹込成形時においても、プリフオーム
の脱落やずれなどを防止することができる新たな
射出吹込成形方法を提供することにある。

上記目的によるこの発明は、プリフオームの胴
部及び底部を成形するキヤビテイ型と、中央にコ
ア挿入孔を有し、そのコア挿入孔の外周囲にねじ
部を有する環状の口部成形溝を同心円に設けたネ
ツク型と、上記コア挿入孔よりキヤビテイ内に位
置する出入自在なコア型とからなる射出型を用い
て、口部内側にねじを有するプリフオームを射出
成形し、該プリフオームをネツク型と共に吹込型
に移送して中空の容器に成形したのち、該容器を
回転してネツク型から離型することを要旨とする
ものである。

以下この発明を図示の実施例により詳細に説明
する。

（実施例） 図中１１はノズル部材１０を当接した射出型
で、キヤビテイ型１２とネツク型１３及びコア型
１４とから構成されている。上記キヤビテイ型は
コア型１３と共に、プリフオーム１５の胴部及び
底部とを成形し、またネツク型１４はキヤビテイ
型１２の上部と型閉じして、プリフオーム１５の
口部１６を成形する。

このネツク型１３は移送板１７の下側に取付け
られ、また移送板１７の上部に上記コア型１４
が、型締ラムの先端に連結して上下動自在に配設
してある。

またネツク型１３の中央部と移送板１７とに
は、コア挿入孔１８，１９が設けてあり、かつネ
ツク型１３のコア挿入孔１８の外周囲には、ねじ
部２０をコア挿入孔側の壁面に設けた環状の口部
成形用溝２１が、下部を開口して同心円に設けて
ある。

２２は吹込型で、上部にてネツク型１３と型閉
じする一対の分割型からなる。また２３は移送板
１７の上部に配設した吹込コアで、内部に延伸ロ
ツド２４を備え、かつ先端部２３ａは移送板１７
のコア挿入孔１９を貫通して、ネツク型１３のコ
ア挿入孔１８と気密に嵌合する。

２５は離型位置に配置した回転ローラで、タイ
ミングベルト２７を介してモータ２８と連絡して
いる。

次に成形方法について説明すると、まず型開き
状態にあるキヤビテイ型１２をノズル部材１０と
共に上昇してネツク型１３と型閉じし、更にコア
型１４を下降してネツク型１３よりキヤビテイに
位置させる。

型閉じが完了したならば、強力型締を行つてキ
ヤビテイに溶融樹脂を注入する。樹脂はネツク型
１３の口部成形溝２１まで注入されて、内ねじを
有する口部１６に成形され、またキヤビテイ型１
２とコア型１４とにより胴部及び底部が成形され
て、そこに上記プリフオーム１５が生ずる。

射出成形後、キヤビテイ型１２とコア型１８と
を元の位置に戻して型開きする。この型開きによ
つてコア型１４はネツク型１３から抜出される
が、コア型１４は口部１６の成形には用いられて
いないことから、口部１６はネツク型１３内にそ
のままの状態にて残る。またねじ部２０と口部内
側に成形されたねじとの噛合によつて、プリフオ
ーム１５はネツク型１３に保持され、口部成形用
溝２１から抜出るようなことはない。

型開きが完了したならば、プリフオーム１５を
ネツク型１３と共に、移送板１７により吹込型２
２の位置まで移送する。この場合、必要ならば途
中に温調型を設け、一旦温調してから吹込型２２
に送る。

吹込成形は、まず吹込型２２を閉じてネツク型
１３と型閉じし、プリフオーム１５を吹込型中央
に位置させたのち、吹込コア２３を下降して先端
部２３ａをコア挿入孔１８に嵌挿する。そして空
気を吹込むか、或は図示のように延伸ロツド２４
により軸方向に延伸すると共に空気を吹込んで容
器２６を成形する。この際、プリフオーム１３の
口部１６は、内ねじによつてネツク型１３に係止
された状態にあるので、吹込成形中に口部がずれ
たり、外れたりするようなことがない。

成形された容器２６は、型開き後にネツク型１
３と共に離型位置へ移送され、胴部に回転ローラ
２５が当接される。回転ローラ２５はモータ２８
により、口部１６をねじリードにより抜出す方向
に回転していることから、容器２６は回転しなが
らネツク型１３から外れて、そこに離型が生ず
る。

（発明の効果） この発明は上述のように、ネツク型のコア挿入
孔の外周囲に、プリフオームの口部成形溝を同心
円に設け、その口部成形溝のコア挿入孔側の壁面
にねじ部を設けて、口部成形時に内ねじをも成形
することから、コア型に成形用のねじを設ける必
要がなく、また型開きに際してコア型を回転する
必要がない。

したがつてコア型の出入に何等支障を来たさ
ず、また内ねじによつてネツク型によるプリフオ
ームの保持が確実となり、移送中及び吹込成形に
際してもその保持は失なわれないなどのことか
ら、従来の射出吹込成形に応用してプリフオーム
の射出成形から口部内側にねじを有する容器を連
続成形することができるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係る成形方法の１実施例を示
すもので、第１図は射出成形時の縦断面図、第２
図はプリフオーム移送時の縦断面図、第３図は吹
込成形時の縦断面図、第４図は離型時の縦断面
図、第５図は生ビール容器の縦断面図である。 １１……射出型、１２……キヤビテイ型、１３
……ネツク型、１４……コア型、１５……プリフ
オーム、１６……口部、１８……コア挿入孔、２
０……ねじ部、２１……口部成形溝、２２……吹
込型、２３……吹込コア、２５……回転ローラ、
２６……容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プリフオームの胴部及び底部を成形するキヤ
   ビテイ型と、中央にコア挿入孔を有し、そのコア
   挿入孔の外周囲にねじ部を有する環状の口部成形
   溝を同心円に設けたネツク型と、上記コア挿入孔
   よりキヤビテイ内に位置する出入自在なコア型と
   からなる射出型を用いて、口部内側にねじを有す
   るプリフオームを射出成形し、該プリフオームを
   ネツク型と共に吹込型に移送して中空の容器に成
   形したのち、該容器を回転してネツク型から離型
   することを特徴とする口部内側にねじを有する合
   成樹脂製容器の射出吹込成形方法。