JPH05345782A - アデニン誘導体の製造方法 - Google Patents

アデニン誘導体の製造方法

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JPH05345782A
JPH05345782A JP15491792A JP15491792A JPH05345782A JP H05345782 A JPH05345782 A JP H05345782A JP 15491792 A JP15491792 A JP 15491792A JP 15491792 A JP15491792 A JP 15491792A JP H05345782 A JPH05345782 A JP H05345782A
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JP
Japan
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adenine
chemical formula
lower alkyl
mmol
allyl
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JP15491792A
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Akinori Oda
晃規 小田
Akinobu Tanaka
昭宣 田中
Jiro Tsubouchi
二郎 坪内
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 アデニン誘導体の製造方法 【構成】 式 [Rは水素、低級アルキル、アリルまたはプロパルギル
基を示し、R’’は低級アルキル基を示し2つのR’’
がメチレン鎖で連結していてもよく、nは1または2を
示す]で示されるアデニン化合物とアミンの鉱酸塩また
は有機酸塩とを反応させる、式 [R、R’は水素、低級アルキル、アリルまたはプロパ
ルギル基を示し、nは1または2を示す]で示されるア
デニン誘導体の製造方法。 【効果】 従来の方法より収率よくアデニン誘導体を製
造することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアデニン誘導体、詳細に
はN6 −[2−(N−置換ヒドロキシイミノ)アルキ
ル]アデニン、の製造方法に関する。本発明に係わるア
デニン誘導体はサイトカイニン活性を示し、植物の細胞
分裂促進、側芽の生長促進、発芽促進、花芽形成と開花
の促進、着果促進、果実肥大、老化抑制および貯蔵器官
における物質蓄積促進等の植物生理作用の促進に有効な
物質であり、植物生長調節剤または植物組織培養の培地
成分として利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、上記活性を有するアデニン誘導体
の製造方法とては、特願平4−93138に記載のよう
に、化4に示すフタルイミド化合物をヒドラジン存在下
脱保護して得られるアミン化合物(化5)を6−クロロ
プリンと反応させる方法が知られている。しかしなが
ら、上記の方法は収率が低く大量な合成には適していな
い。
【0003】
【化4】 [但し、化4においてR、R’は水素、低級アルキル、
アリル、またはプロパギル基を示す]
【0004】
【化5】 [但し、化5においてR、R’は水素、低級アルキル、
アリル、またはプロパギル基を示す]
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
方法より収率よくアデニン誘導体を製造する新規な方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の事
情に鑑み、アデニン誘導体の製造方法を鋭意検討した結
果、化6で示されるアデニン化合物と化7で示されるア
ミンの鉱酸塩とを反応させることをによって化8で示さ
れるアデニン誘導体が収率よく製造できることを見い出
し、本発明を完成した。
【化6】 [但し、化6においてRは水素、低級アルキル、アリ
ル、またはプロパギル基を、また、R’’は低級アルキ
ル基を示す]
【0007】
【化7】 [但し、化7においてR’は水素、低級アルキル、アリ
ル、またはプロパギル基を、また、HXは鉱酸を示す]
【0008】
【化8】 [但し、化8においてR、R’は水素、低級アルキル、
アリル、またはプロパギル基を示す]
【0009】以下にさらに詳しく本発明について記載す
る。本発明は、化6で示されるアデニン化合物のジアル
キルケタ−ル部位を化7で示されるアミン化合物の塩と
反応せしめ、一工程でイミノ基へ変換することを特徴と
する。その反応溶媒としては、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、メタノ−ル、エタノ−ル、
プロパノ−ル、ジメチルスルホキシドなどの水溶性有機
溶媒と水との混合溶媒が好適に用いられる。その反応温
度は20℃から150℃の範囲が好ましい。化7で示さ
れるアミンの塩化合物に用いられ鉱酸としては塩酸、硫
酸、臭化水素酸または燐酸などが挙げられる。なかで
も、塩酸と硫酸が好適に用いられる。その使用量はジア
ルキルケタ−ル化合物に対してに対して1から10倍モ
ル量が適当である。化8で示される生成物の精製には通
常の溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフィ−などによっ
てこれを行うことができる。
【0010】本発明の化6で示されるアデニン誘導体
は、例えば、以下に示す方法によって製造することがで
きる。化9で示されるフタルイミド化合物をトリアルキ
ルオルソ蟻酸エステルなどの存在下アルコール(R’’
OH)と反応させて、化10で示されるジアルキルケタ
−ルへ変換し、次に、これを脱保護して得られるアミン
(化11)と6−クロロプリンとを反応させることによ
って製造することができる。
【0011】
【化9】 [但し、化9においてRは水素、低級アルキル、アリ
ル、またはプロパギル基を示す]
【0012】
【化10】 [但し、化10においてRは水素、低級アルキル、アリ
ル、またはプロパギル基を、また、R’’は低級アルキ
ル基を示す]
【0013】
【化11】 [但し、化11においてRは水素、低級アルキル、アリ
ル、またはプロパギル基を、また、R’’は低級アルキ
ル基を示す]
【0014】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 N6 −[2−(N−メトキシイミノ)プロピル]アデニ
ンの製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシプロピル)アデニン0.4
74g(2.00mmol)とO−メチルヒドロキシル
アミン塩酸塩0.251g(3.00mmol)を10
mlのイソプロパノ−ルと2.5mlの蒸留水との混合
溶媒に溶解させ、この溶液を油浴上2時間加熱還流し
た。室温に冷却後、反応混合物を20mlの蒸留水と混
合し、これを1N水酸化ナトリウム水溶液でpH5とし
てからクロロホルム(15ml×6)で抽出した。有機
層を硫酸マグネシュウムで乾燥し、溶媒を留去後、得ら
れる淡褐色固体を活性炭を用いて脱色した。固体をエ−
テルで洗浄し、乾燥することによって、0.360g
(収率 82%)の標題化合物を白色固体として得た。
HPLC純度 99.3%。融点 220〜223℃。
【0015】実施例2 N6 −[2−(N−エトキシイミノ)プロピル]アデニ
ンの製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシプロピル)アデニン0.2
37g(1.00mmol)とO−エチルヒドロキシル
アミン塩酸塩0.146g(1.50mmol)を2m
lのイソプロパノ−ルと0.5mlの蒸留水との混合溶
媒に溶解させ、この溶液を油浴上6時間加熱還流した。
室温に冷却後、反応混合物に224μlのトリエチルア
ミンを加えてから濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−(展開溶媒;エタノ−ル/クロロホルム
=1/9)で精製し、163mg(収率 69%)の標
題化合物を白色固体として得た。HPLC純度 99.
1%。融点 221〜223℃。
【0016】実施例3 N6 −[2−(N−プロパギロキシイミノ)プロピル]
アデニンの製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシプロピル)アデニン0.2
37g(1.00mmol)とO−プロパギルヒドロキ
シルアミン塩酸塩0.161g(1.50mmol)を
2mlのイソプロパノ−ルと0.5mlの蒸留水との混
合溶媒に溶解させ、この溶液を油浴上6時間加熱還流し
た。室温に冷却後、反応混合物に224μlのトリエチ
ルアミンを加えてから濃縮し、残さをシリカゲルカラム
クロマトグラフィ−(展開溶媒;エタノ−ル/クロロホ
ルム=1/9)で精製し、54.0mg(収率 22
%)の標題化合物を白色固体として得た。HPLC純度
99.1%。融点 191〜194℃。
【0017】実施例1〜3に用いたN6 −(2,2−ジ
メトキシプロピル)アデニンは以下のように2段階で製
造することができる。 1)N−(2−オキソプロピル)フタルイミド8.12
g(4.00mmol)とオルソ蟻酸メチル8.48g
(80.0mmol)を80mlのメタノ−ルに溶か
し、これに0.380g(2.00mmol)のトルエ
ンスルホン酸水和物を加えて6時間加熱還流した。反応
混合物を300mlの飽和重曹水に注ぎクロロホルム
(100ml×3)で抽出した。有機層を乾燥後、溶媒
を留去し9.79g(収率 99%)のN−(2,2−
ジメトキシプロピル)フタルイミドを得た。
【0018】融点 103〜105℃。1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒、テトラ
メチルシラン内部標準);δ = 1.27(s, 3
H), 3.29(s, 6H), 3.81(s,
2H), 7.76(m, 4H)ppm. 2)N−(2,2−ジメトキシプロピル)フタルイミド
4.98g(20.0mmol)を20mlのエタノ−
ルに溶かし、これに1.10g(22.0mmol)の
ヒドラジン一水和物を滴下した。混合物を3時間加熱還
流した後、30mlのエ−テルに加え、析出する固体を
濾過して除いた。濾液を約5mlに濃縮した後、35m
lのイソプロパノ−ルに溶かした。この溶液に2.48
g(16.1mmol)の6−クロロプリンと2.54
g(20.0mmol)のエチルジイソプロピルアミン
を加えて11時間加熱還流した。反応混合物を200m
lの飽和重曹水に注ぎクロロホルム(50ml×5)で
抽出した。有機層を硫酸マグネシュウムで乾燥し、濃縮
後得られる固体をクロロホルム/メタノ−ルから再結晶
して3.60g(収率 76%)のN6 −(2,2−ジ
メトキシプロピル)アデニンを得た。
【0019】融点 182〜184℃。1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒、テトラ
メチルシラン内部標準);δ = 1.30(s, 3
H), 3.23(s, 6H), 3.82(d,
J=5Hz,2H), 6.51(br, 1H),
7.97(s,1H),8.42(s, 1H), 1
2.30(br, 1H)ppm.
【0020】実施例4 N6 −[2−(N−メトキシイミノ)エチル]アデニン
の製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシエチル)アデニン0.22
3g(1.00mmol)とO−エチルヒドロキシルア
ミン塩酸塩0.835g(10.0mmol)を2ml
のイソプロパノ−ルと2mlの蒸留水との混合溶媒に溶
解させ、この溶液を油浴上7時間加熱還流した。室温に
冷却後、反応混合物を20mlの蒸留水と混合し、これ
を1N水酸化ナトリウム水溶液でpH6としてからクロ
ロホルム(10ml×7)で抽出した。有機層を硫酸マ
グネシュウムで乾燥し、溶媒を留去後、得られる淡褐色
固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶
媒;エタノ−ル/クロロホルム=8/92)で精製し、
87.3mg(収率42%)の標題化合物を白色固体と
して得た。HPLC純度 99.0%。融点 235〜
240℃。
【0021】本実施例に用いたN6 −(2,2−ジメト
キシエチル)アデニンは以下のように製造することがで
きる。6−クロロプリン1.54g(10.0mmo
l)、2,2−ジメトキシエチルアミン1.80g(1
7.1mmol)およびエチルジイソプロピルアミン
1.74ml(10.0mmol)を20mlのイソプ
ロパノ−ルに溶かし、この溶液を6時間加熱還流した。
反応混合物を0℃に冷却し、得られる結晶を濾過、エ−
テル洗浄した後、乾燥して2.11g(収率 95%)
のN6 −(2,2−ジメトキシエチル)アデニンを得
た。
【0022】融点 222〜224℃。1 H−NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド溶
媒、テトラメチルシラン内部標準);δ=3.33
(s, 6H), 3.70(t, J=6Hz,2
H), 4.69(t,J=6Hz,1H), 7.4
3(t−like, J=6Hz,1H), 8.11
(s, 1H), 8.22(s, 1H), 12.
74(br, 1H)ppm. 赤外吸収スペクトル(KBr);νmax =2900s
2780s , 1570s , 1300m , 106
vs, 625w cm-1
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、植物生長調節剤の有効
成分となるアデニン誘導体を効率よく製造することがで
きる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 アデニン誘導体の製造方法
【特許請求の範囲】
【化1】 [但し、化1においてRは水素、低級アルキル、アリル
またはプロパルギル基を示し、R’’は低級アルキル基
を示し2つのR’’がメチレン鎖で連結していてもよ
く、nは1または2を示す]
【化2】 [但し、化2においてR’は水素、低級アルキル、アリ
ルまたはプロパルギル基を示し、HXは鉱酸または有機
酸を示す]
【化3】 [但し、化3においてR、R’は水素、低級アルキル、
アリルまたはプロパルギル基を示し、nは1または2を
示す]
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアデニン誘導体、詳細に
はN6 −[2−(N−置換ヒドロキシイミノ)アルキ
ル]アデニンの製造方法に関する。本発明に係わるアデ
ニン誘導体はサイトカイニン活性を示し、植物の細胞分
裂促進、側芽の生長促進、発芽促進、花芽形成と開花の
促進、着果促進、果実肥大、老化抑制および貯蔵器官に
おける物質蓄積促進等の植物生理作用の促進に有効な物
質であり、植物生長調節剤または植物組織培養の培地成
分として利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、上記活性を有するアデニン誘導体
の製造方法とては、特願平4−93138に記載のよう
に、化4に示すフタルイミド化合物をヒドラジン存在下
脱保護して得られるアミン化合物(化5)を6−クロロ
プリンと反応させる方法が知られている。しかしなが
ら、上記の方法は収率が低く大量な合成には適していな
い。
【0003】
【化4】 [但し、化4においてR、R’は水素、低級アルキル、
アリルまたはプロパルギル基を示し、nは1または2を
示す]
【0004】
【化5】 [但し、化5においてR、R’は水素、低級アルキル、
アリルまたはプロパルギル基を示し、nは1または2を
示す]
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
方法より収率よくアデニン誘導体を製造する新規な方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の事
情に鑑み、アデニン誘導体の製造方法を鋭意検討した結
果、化6で示されるアデニン化合物と化7で示されるア
ミンの鉱酸塩または有機酸塩とを反応させることをによ
って化8で示されるアデニン誘導体が収率よく製造でき
ることを見い出し、本発明を完成した。
【化6】 [但し、化6においてRは水素、低級アルキル、アリル
またはプロパルギル基を示し、R’’は低級アルキル基
を示し2つのR’’がメチレン鎖で連結していてもよ
く、nは1または2を示す]
【0007】
【化7】 [但し、化7においてR’は水素、低級アルキル、アリ
ルまたはプロパルギル基を示し、HXは鉱酸または有機
酸を示す]
【0008】
【化8】 [但し、化8においてR、R’は水素、低級アルキル、
アリルまたはプロパルギル基を示し、nは1または2を
示す]
【0009】以下にさらに詳しく本発明について記載す
る。本発明は、化6で示されるアデニン化合物のジアル
キルケタール部位を化7で示されるアミン化合物の塩と
反応せしめ、一工程でイミノ基へ変換することを特徴と
する。その反応溶媒としては、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、
プロパノール、ジメチルスルホキシドなどの水溶性有機
溶媒と水との混合溶媒が好適に用いられる。その反応温
度は20℃から150℃の範囲が好ましい。化7で示さ
れるアミンの塩化合物に用いられ鉱酸としては塩酸、硫
酸、臭化水素酸または燐酸などが挙げられる。なかで
も、塩酸と硫酸が好適に用いられる。その使用量はジア
ルキルケタール化合物に対して1から30倍モル量が適
当である。化8で示される生成物の精製には通常の溶媒
抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどによってこれを
行うことができる。
【0010】本発明の化6で示されるアデニン誘導体
は、例えば、以下に示す方法によって製造することがで
きる。化9で示されるフタルイミド化合物をトリアルキ
ルオルソ蟻酸エステルなどの存在下アルコール(R’’
OH)と反応させて、化10で示されるジアルキルケタ
ールへ変換し、次に、これを脱保護して得られるアミン
(化11)と6−クロロプリンとを反応させることによ
って製造することができる。また化11のうちRが水素
のものには市販されているものもあり、それを用いるこ
ともできる。
【0011】
【化9】 [但し、化9においてRは水素、低級アルキル、アリル
またはプロパルギル基を示し、nは1または2を示す]
【0012】
【化10】 [但し、化10においてRは水素、低級アルキル、アリ
ルまたはプロパルギル基を示し、R’’は低級アルキル
基を示し2つのR’’がメチレン鎖で連結していてもよ
く、nは1または2を示す]
【0013】
【化11】 [但し、化11においてRは水素、低級アルキル、アリ
ルまたはプロパルギル基を示し、R’’は低級アルキル
基を示し2つのR’’がメチレン鎖で連結していてもよ
く、nは1または2を示す]
【0014】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 N6 −[2−(N−メトキシイミノ)プロピル]アデニ
ンの製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシプロピル)アデニン0.4
74g(2.00mmol)とO−メチルヒドロキシル
アミン塩酸塩0.251g(3.00mmol)を10
mlのイソプロパノールと2.5mlの蒸留水との混合
溶媒に溶解させ、この溶液を油浴上2時間加熱還流し
た。室温に冷却後、反応混合物を20mlの蒸留水と混
合し、これを1N水酸化ナトリウム水溶液でpH5とし
てからクロロホルム(15ml×6)で抽出した。有機
層を硫酸マグネシュウムで乾燥し、溶媒を留去後、得ら
れる淡褐色固体を活性炭を用いて脱色した。固体をエー
テルで洗浄し、乾燥することによって、0.360g
(収率 82%)の標題化合物を白色固体として得た。
HPLC純度 99.3%。融点 220〜223℃。
【0015】実施例2 N6 −[2−(N−エトキシイミノ)プロピル]アデニ
ンの製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシプロピル)アデニン0.2
37g(1.00mmol)とO−エチルヒドロキシル
アミン塩酸塩0.146g(1.50mmol)を2m
lのイソプロパノールと0.5mlの蒸留水との混合溶
媒に溶解させ、この溶液を油浴上6時間加熱還流した。
室温に冷却後、反応混合物に224μlのトリエチルア
ミンを加えてから濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;エタノール/クロロホルム
=1/9)で精製し、163mg(収率 69%)の標
題化合物を白色固体として得た。HPLC純度 99.
1%。融点 221〜223℃。
【0016】実施例3 N6 −[2−(N−プロパルギロキシイミノ)プロピ
ル]アデニンの製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシプロピル)アデニン0.2
37g(1.00mmol)とO−プロパルギルヒドロ
キシルアミン塩酸塩0.161g(1.50mmol)
を2mlのイソプロパノ−ルと0.5mlの蒸留水との
混合溶媒に溶解させ、この溶液を油浴上6時間加熱還流
した。室温に冷却後、反応混合物に224μlのトリエ
チルアミンを加えてから濃縮し、残さをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;エタノール/クロロ
ホルム=1/9)で精製し、54.0mg(収率 22
%)の標題化合物を白色固体として得た。HPLC純度
99.1%。融点 191〜194℃。
【0017】実施例1〜3に用いたN6 −(2,2−ジ
メトキシプロピル)アデニンは以下のように2段階で製
造することができる。 1)N−(2−オキソプロピル)フタルイミド8.12
g(4.00mmol)とトリメチルオルソ蟻酸エステ
ル8.48g(80.0mmol)を80mlのメタノ
ールに溶かし、これに0.380g(2.00mmo
l)のトルエンスルホン酸水和物を加えて6時間加熱還
流した。反応混合物を300mlの飽和重曹水に注ぎク
ロロホルム(100ml×3)で抽出した。有機層を乾
燥後、溶媒を留去し9.79g(収率 99%)のN−
(2,2−ジメトキシプロピル)フタルイミドを得た。
【0018】融点 103〜105℃。1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒、テトラ
メチルシラン内部標準);δ = 1.27(s, 3
H), 3.29(s, 6H), 3.81(s,
2H), 7.76(m, 4H)ppm. 2)N−(2,2−ジメトキシプロピル)フタルイミド
4.98g(20.0mmol)を20mlのエタノー
ルに溶かし、これに1.10g(22.0mmol)の
ヒドラジン一水和物を滴下した。混合物を3時間加熱還
流した後、30mlのエ−テルに加え、析出する固体を
濾過して除いた。濾液を約5mlに濃縮した後、35m
lのイソプロパノールに溶かした。この溶液に2.48
g(16.1mmol)の6−クロロプリンと2.54
g(20.0mmol)のエチルジイソプロピルアミン
を加えて11時間加熱還流した。反応混合物を200m
lの飽和重曹水に注ぎクロロホルム(50ml×5)で
抽出した。有機層を硫酸マグネシュウムで乾燥し、濃縮
後得られる固体をクロロホルム/メタノールから再結晶
して3.60g(収率 76%)のN6 −(2,2−ジ
メトキシプロピル)アデニンを得た。
【0019】融点 182〜184℃。1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒、テトラ
メチルシラン内部標準);δ = 1.30(s, 3
H), 3.23(s, 6H), 3.82(d,
J=5Hz,2H), 6.51(br, 1H),
7.97(s,1H),8.42(s, 1H), 1
2.30(br, 1H)ppm.
【0020】実施例4 N6 −[2−(N−メトキシイミノ)エチル]アデニン
の製造方法 N6 −(2,2−ジメトキシエチル)アデニン0.44
6g(2.00mmol)とO−エチルヒドロキシルア
ミン塩酸塩3.44g(40.0mmol)を40ml
のイソプロパノールと20mlの蒸留水との混合溶媒に
溶解させ、この溶液を油浴上5時間加熱還流した。室温
に冷却後、反応混合物を一度濃縮したのち、あらためて
30mlの蒸留水に溶解させ、これを1N水酸化ナトリ
ウム水溶液でpH6としてからクロロホルムにて連続抽
出した。有機層を硫酸マグネシュウムで乾燥し、溶媒を
留去後、得られる淡褐色固体を再結晶して、0.346
g(収率78%)の標題化合物を白色固体として得た。
HPLC純度 99.7%。融点 235〜240℃。
【0021】本実施例に用いたN6 −(2,2−ジメト
キシエチル)アデニンは以下のように製造することがで
きる。6−クロロプリン1.54g(10.0mmo
l)、2,2−ジメトキシエチルアミン1.80g(1
7.1mmol)およびエチルジイソプロピルアミン
1.74ml(10.0mmol)を20mlのイソプ
ロパノールに溶かし、この溶液を6時間加熱還流した。
反応混合物を0℃に冷却し、得られる結晶を濾過、エー
テル洗浄した後、乾燥して2.11g(収率 95%)
のN6 −(2,2−ジメトキシエチル)アデニンを得
た。
【0022】融点 222〜224℃。1 H−NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド溶
媒、テトラメチルシラン内部標準);δ=3.33
(s, 6H), 3.70(t, J=6Hz,2
H), 4.69(t,J=6Hz,1H), 7.4
3(t−like, J=6Hz,1H), 8.11
(s, 1H), 8.22(s, 1H), 12.
74(br, 1H)ppm. 赤外吸収スペクトル(KBr);νmax =2900s
2780s , 1570s , 1300m , 106
vs, 625w cm-1
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、植物生長調節剤の有効
成分となるアデニン誘導体を効率よく製造することがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示されるアデニン化合物と、化2
    で示されるアミンの鉱酸塩とを反応させることを特徴と
    する、化3で示されるアデニン誘導体の製造方法。 【化1】 [但し、化1においてRは水素、低級アルキル、アリ
    ル、またはプロパギル基を、また、R’’は低級アルキ
    ル基を示す] 【化2】 [但し、化2においてR’は水素、低級アルキル、アリ
    ル、またはプロパギル基を、また、HXは鉱酸を示す] 【化3】 [但し、化3においてR、R’は水素、低級アルキル、
    アリル、またはプロパギル基を示す]
  2. 【請求項2】 反応溶媒として水溶性有機溶媒と水との
    混合溶媒を用いることを特徴とする請求項1記載の製造
    方法。
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