JPH05345018A - 血液ポンプ駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 患者を搬送したり、救急車、エレベーター等
の狭い場所で、血液ポンプ駆動装置を用いる事ができる
とともにこの装置を用いた患者の移送を、小人数で安全
に行うことができる。 【構成】 血液ポンプ駆動装置に於いて、血液ポンプ８
およびバッテリー１５接続の制御装置１０を装置本体１
から分離可能とする。そして、装置本体１から離れた場
所での血液ポンプ８の作動を簡便小型の機構により可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、患者の心臓の衰弱時ま
たは手術時等に使用し、体外血液補助循環を行う血液ポ
ンプ駆動装置に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、患者に直接接続する血液ポンプ、
この血液ポンプの駆動を制御する制御装置、血液流量
計、ＡＣ電源供給装置、バッテリー充電装置等を組み込
んだ血液ポンプ駆動装置は存在する。そして、このよう
な機構を組み込んだ血液ポンプ駆動装置は、据置型とし
たり、ワゴン等に搭載して搬送可能としたものが存在す
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこれら
の血液ポンプ駆動装置は装置が大型化し、容易に持ち運
んだり、狭い場所に設置して使用するには、不便な場合
が多いものであった。

【０００４】また、集中治療室から手術室へ又は手術室
から集中治療室に、ベットに乗せた患者を移動するよう
な場合、血液ポンプ駆動装置をワゴン等に搭載し、移動
可能としたものにあっては、患者とワゴンとを血液循環
回路や電気コード類で接続した状態で行っている。その
ため、ワゴンと患者のベットとの距離を一定以内に保つ
必要が有る。この一定距離以内でのベットとワゴンの移
動は、細心の注意が必要であり、また多くの人手を要す
るものであった。

【０００５】本発明は上述のごとき課題を解決しようと
するものであって、集中治療室から手術室へ、手術室か
ら集中治療室への患者の移送等において、患者の移送に
伴う上記のごとき危険を回避することを可能とするとと
もに１人等の小人数での患者移送を容易とする。また、
エレベーター内等の狭い場所での血液ポンプ駆動装置の
使用を可能とし、患者の移送を容易に行うことができる
ようにしようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき課
題を解決するため、患者に接続する血液ポンプ、この血
液ポンプの駆動を制御するバッテリー接続の制御装置、
血液流量計から構成する、ＡＣ電源が供給可能な血液ポ
ンプ駆動装置に於いて、少なくとも血液ポンプおよびバ
ッテリー接続の制御装置を装置本体から分離可能とし、
装置本体から離れた場所での血液ポンプの作動を可能と
したものであっても良い。

【０００７】

【作用】本発明は上述のごとく構成したものであるか
ら、集中治療室または手術室等に於いて、血液ポンプ駆
動装置を使用する場合には、患者に接続する血液ポン
プ、この血液ポンプの駆動を制御するバッテリー接続の
制御装置、血液流量計、その他の任意の機構から成る、
ＡＣ電源の供給が可能な血液ポンプ駆動装置を、患者の
そばに置いて用いることができる。この場合は、ＡＣ電
源を供給して、血液ポンプを駆動し、長期間の安定した
使用を可能とすることができる。

【０００８】そして、患者を集中治療室から手術室に移
動したり、手術の完了した患者を集中治療室に搬送した
りする場合とか、救急車内に血液ポンプを設置して、救
命活動に用いようとする場合には、装置本体から、血液
ポンプおよびバッテリー接続の制御装置を分離する。

【０００９】そして、この分離した血液ポンプおよびバ
ッテリー接続の制御装置を、患者のベッド若しくはスト
レッチャー等に、フック等を介して簡易に接続し、患者
の体外血液補助循環を行う。この場合、血液ポンプおよ
びバッテリー接続の制御装置は、患者とともに移動する
から、血液循環回路や電気コード類の離脱の虞れがな
く、ベットの安全な移動を可能とする。

【００１０】このように、患者の体外血液補助循環に必
要な最低限の装置を、患者のベットに備え付ける事がで
きるから、集中治療室から手術室への移動、手術室から
集中治療室への患者の移送等を、安全に１人等の小人数
で安全に行うことができる。また、狭いエレベーター内
等においても、何等の支障がなく血液ポンプ駆動装置を
使用することが可能となる。

【００１１】そして、患者を安定的に位置する集中治療
室もしくは手術室等に位置した場合には、バッテリー接
続の制御装置を装置本体に組み込んで、ＡＣ電源により
作動する。また、制御装置のバッテリーには、充電装置
からの充電を行う。

【００１２】

【実施例】以下本発明の実施例を図面において説明すれ
ば、（１）は装置本体で、下端にキャスター(２)を接続
したワゴンによって形成し、移動可能としている。そし
て、この装置本体(１)は、上面に作業用トレイ(３)を形
成するとともに側面の適宜位置に、器材収納用の引き出
し(４)を形成する。

【００１３】また、この装置本体(１)は、補助バッテリ
ー(５)、この補助バッテリー(５)の充電装置(６)、ＡＣ
電源供給装置(７)等を少なくとも設けている。

【００１４】また、装置本体(１)は作業用トレイ(３)に
隣接して、血液ポンプ(８)の駆動を制御する制御装置
(１０)を収納ケース(９)に収納している。この制御装置
(１０)は、装置本体(１)の作業用トレイ(３)に隣接して
収納凹部(１１)を設け、この収納凹部(１１)内に、収納
ケース(９)に収納して、抜き差し可能に挿入接続してい
る。

【００１５】また、この制御装置(１０)は、装置本体
(１)の収納凹部(１１)内に挿入した状態において、ＡＣ
電源供給装置(７)とコネクター(１２)を介して接続し、
ＡＣ電源によって作動を可能としている。また、制御装
置(１０)は電気コード(１３)を介して、血液ポンプ(８)
に接続し、患者(１４)の体外補助血液循環を可能として
いる。

【００１６】また、制御装置(１０)は、収納ケース(９)
内にバッテリー(１５)を、組み込むか、外付けすること
により、血液ポンプ(８)の制御を可能としている。そし
て、手術室もしくは集中治療室等の比較的広い場所にお
いては、制御装置(１０)を装置本体(１)に組み込んで使
用し、ＡＣ電源による作動を可能としている。

【００１７】また、患者(１４)を集中治療室から手術室
に移送したり、手術室から集中治療室に移送する場合に
は、制御装置(１０)を、装置本体(１)の収納凹部(１１)
から収納ケース(９)とともに引き抜き、ＡＣ電源供給装
置(７)とはコネクター(１２)から分離する。

【００１８】この場合は、制御装置(１０)を収納する収
納ケース(９)の側面に形成した取り付けフック(１６)
を、図１に示すごとく、移動用ベッド(１７)の手摺(１
８)等に引っ掛けることにより、血液ポンプ(８)を装置
本体(１)から分離し、患者(１４)の至近距離に位置させ
ることが可能となる。この、制御装置(１０)を装置本体
(１)の収納凹部(１１)から引き抜いた時にも、内部に装
着したバッテリー(１５)により、作動を停止することな
く、継続的に血液ポンプ(８)を作動させることができ
る。

【００１９】また、制御装置(１０)にはバッテリー充電
器(２０)を備え、装置本体(１)への挿入時にコネクター
(１２)と接続し、バッテリー(１５)への充電を自動的に
行うことができる。

【００２０】また、このバッテリー(１５)への充電時に
於いて、充電が規定の容量に満たず、不十分な場合に
は、制御装置(１０)を収納した収納ケース(９)の、装置
本体(１)からの抜き取りを困難とするロック機構を設け
ている。しかし、このロック機構は、意識的に解除する
解除機構を設け、緊急時には不十分な充電でも、制御装
置(１０)を装置本体(１)から引き抜いて使用することを
可能としている。

【００２１】また、制御装置(１０)には、備え付けのバ
ッテリー(１５)とは別個の補助バッテリー(５)を接続す
るための、補助バッテリー接続端子(２１)を設け、装置
本体(１)から分離した制御装置(１０)の長時間の使用を
可能としている。

【００２２】また、装置本体(１)には、図１に示すごと
く血液流量計(２２)を組み込み、血液回路(２３)に設け
た流量計センサー(２４)により、血液の流量制御を可能
としている。

【００２３】本発明においては、上述のごとく制御装置
(１０)および血液ポンプ(８)を、装置本体(１)から取り
外して作動すことができるから、患者(１４)の移送時と
か、救急車による救命活動の時において、極めて機動性
を高めることが可能となり、エレベーターの中等の、狭
い場所においても、常に患者(１４)の体外補助血液循環
を行うことが可能となる。

【００２４】また、患者(１４)の移送等を完了した場合
には、移動用ベッド(１７)から、制御装置(１０)を収納
した収納ケース(９)を取り外し、装置本体(１)の収納凹
部(１１)に収納する。この収納によって、制御装置(１
０)はＡＣ電源供給装置(７)のコネクター(１２)と自動
的に接続し、その作動を継続することができる。

【００２５】また、制御装置(１０)に接続したバッテリ
ー(１５)は、ＡＣ電源供給装置(７)との接続により、バ
ッテリー充電装置(２０)によって充電され、装置本体
(１)から再度取り外して使用する場合に備えることが可
能な状態を、常時保つことができる。

【００２６】また、装置本体(１)には制御装置(１０)に
接続している、バッテリー(１５)とは別個の補助バッテ
リー(５)を搭載し、制御装置(１０)を装置本体(１)から
取り外す場合に、この補助バッテリー(５)も装置本体
(１)から取り外し、制御装置(１０)の補助バッテリー接
続端子(２１)に接続することにより、連続して長時間の
制御装置(１０)の使用を可能とすることができる。

【００２７】また、血液流量計(２２)は、装置本体(１)
と分離して制御装置(１０)を用いた場合に、血液ポンプ
(８)の回転数を記憶し、常に回転数を一定に保つ機構を
備えても良い。

【００２８】また、上記実施例では血液流量計(２２)を
装置本体(１)に固定的に位置し、装置本体(１)から引き
抜く事はできないものとした。しかし、他の異なる実施
例では図４に示すごとく、血液流量計(２２)も制御装置
(１０)とともに同一の収納ケース(９)内に収納し、制御
装置(１０)とともに装置本体(１)から引き抜いて使用す
るものとしても良い。

【００２９】この場合は、患者(１４)を移送中であって
も、血液循環量をモニターできる利点が有る。

【００３０】また、上記の実施例では、制御装置(１０)
を装置本体(１)内に収納した状態では、制御装置(１０)
にＡＣ電源を供給するものとした。しかし、他の異なる
実施例では図５に示すごとく、装置本体(１)のＡＣ電源
供給装置(７)に直流変換器(２５)を内蔵させ、制御装置
(１０)、血液流量計(２２)、バッテリー充電器(２０)に
直流電源を供給できるものとしても良い。

【００３１】この場合は、制御装置(１０)やバッテリー
充電器(２０)の内部に直流変換器を設ける必要がなくな
るので、更に軽量小型化が可能となる。

【００３２】

【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したものであ
るから、患者を、集中治療室から手術室等へ搬送した
り、救急車で搬送したりする過程で、血液ポンプ駆動装
置を使用する場合のごとく、狭い場所で血液ポンプ駆動
装置を用いる場合は、装置本体から、血液ポンプおよび
バッテリー接続の制御装置を分離する事ができる。

【００３３】そのため、患者の体外血液補助循環に必要
な最低限の装置を、患者のベットに備え付ける事がで
き、集中治療室から手術室への移動、手術室から集中治
療室への患者の移送等を、安全に１人等の小人数で安全
に行うことができる。また、狭いエレベーター内等にお
いても何等の支障がなく使用することが可能となる。

【００３４】また、上記の取り外し使用時にも、体外血
液補助循環に必要な最低限の装置は備わっているため、
体外血液補助循環に何等の異常も生じることがない。

【００３５】そして、集中治療室、手術室等の、患者を
安定的に位置できる場所では、制御装置を装置本体に組
み込んで、ＡＣ電源供給装置により安定的な使用を行う
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】制御装置を装置本体から分離し、患者のベッド
に装着した状態を示す斜視図である。

【図２】血液ポンプ駆動装置の構成図である。

【図３】制御装置を装置本体から分離し、患者のベット
に設置した状態の構成図である。

【図４】制御装置を装置本体にセットし、ＡＣ電源に接
続して使用する状態の斜視図である。

【図５】血液流量計を制御装置に組み込んだ状態の装置
本体の構成図である。

【図６】装置本体のＡＣ電源供給装置に直流変換器を設
置し、制御装置に直流電源を供給できるようにした状態
の装置本体の構成図である。

【符号の説明】

１ 装置本体 ５ 補助バッテリー ８ 血液ポンプ １０ 制御装置 １４ 患者 １５ バッテリー ２１ 補助バッテリー接続端子 ２２ 血液流量計

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 患者に接続する血液ポンプ、この血液ポ
   ンプの駆動を制御するバッテリー接続の制御装置、血液
   流量計から構成する、ＡＣ電源が供給可能な血液ポンプ
   駆動装置に於いて、少なくとも血液ポンプおよびバッテ
   リー接続の制御装置を装置本体から分離可能とし、装置
   本体から離れた場所での血液ポンプの作動を可能とした
   事を特徴とする血液ポンプ駆動装置。
2. 【請求項２】 制御装置は、補助バッテリー接続端子を
   設け、バッテリーとは別個に、補助バッテリーを接続可
   能としたことを特徴とする請求項１の血液ポンプ駆動装
   置。