JPH0534456U - バーナ燃焼装置用点火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電極棒等へカーボン等が付着した場合でも点火
バーナの点火不良を防ぐことができ、そのメンテナンス
作業を省力化することのできるバーナ燃焼装置用点火装
置を提供する。 【構成】点火のための放電ギャップＧを有し、点火バー
ナの噴射口３ａ近傍に配置された電極棒４ａ，４ｂと、
この電極棒４ａに高電圧を供給するための電源側７に接
続された点火コイル６とを備えてなるバーナ燃焼装置用
点火装置において、上記放電ギャップＧを有する電極棒
４ａと点火コイル６との間に、放電管１０からなる前置
きギャップＧ′を直列に配置したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はバーナ燃焼装置用点火装置に係り、特に点火バーナの点火不良を防止 するようにしたバーナ燃焼装置用点火装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、バーナ燃焼装置の起動時に、主バーナに点火させるための火種をつ くる装置として、放電着火方式の点火装置が用いられている。

【０００３】 図３はこのような従来のバーナ燃焼装置用点火装置１を示したもので、絶縁物 からなる略円盤状の基台２には、その中心部に基台２を貫通して点火バーナとし ての燃料噴射ノズル３が立設されており、この燃料噴射ノズル３は、その先端部 がノズル口３ａとされ、その基端部が図示しない燃料供給源に接続されるように なっている。また、上記燃料噴射ノズル３の両側には、一対の電極棒４ａ，４ｂ が立設されており、この一方の電極棒４ａには、その周囲に絶縁碍子５が設けら れている。また、上記一対の電極棒４ａ，４ｂの先端が所定の放電ギャップＧを もって上記ノズル口３ａの近傍に配設されるようになっており、上記一方の電極 棒４ａに、制御部としてのイグナイタ及び点火コイル６を介して電源側７が接続 されると共に、上記他方の電極棒４ｂに接地側８が接続されるようになっている 。

【０００４】 上記従来のバーナ燃焼装置用点火装置１においては、点火コイル６側で発生し た高電圧が一方の電極棒４ａに加わるようになっており、この電極棒４ａに加わ る電圧が放電電圧を越えると絶縁破壊を起こして放電ギャップＧにおいて放電が 生じ、この放電によるスパークを点火用火種としてノズル口３ａから噴射される 燃料が点火（点火バーナが点火）されるものであり、この点火した火炎により主 バーナ（図示せず）が点火されるものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来のバーナ燃焼装置用点火装置１においては、一方の電極棒４ ａ又は絶縁碍子５全体がカーボンＣ等の付着により汚損すると、このカーボンＣ 等を介して電極棒４ａから接地側である基台２に電流が漏洩するリーク回路９が 形成されるようになり、上記電極棒４ａに加わる電圧が高くなるにつれて上記リ ーク回路９を流れる漏洩電流が増大し、これにより、電極棒４ａに加わる電圧が 高くならず、電極棒４ａ，４ｂ間で生ずる放電によるスパークを発生させること ができず、点火バーナを点火することができないという不都合を有している。

【０００６】 そして、斯かる電極棒４ａ、絶縁碍子５の汚損による点火バーナの点火不良を 防ぐためには、汚損した部位を軽油、界面活性剤等で洗浄する等の定期的な洗浄 作業が必要であり、これにより、バーナ燃焼装置用点火装置１のメンテナンス作 業が煩雑になるという不都合を有している。

【０００７】 本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、電極棒等へカーボン等が付着し た場合でも点火バーナの点火不良を防ぐことができ、そのメンテナンス作業を省 力化することのできるバーナ燃焼装置用点火装置を提供することを目的とするも のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案に係るバーナ燃焼装置用点火装置は、点火のた めの放電ギャップを有し、点火バーナの噴射口近傍に配置された電極棒と、この 電極棒に高電圧を供給するための電源側に接続された点火コイルとを備えてなる バーナ燃焼装置用点火装置において、上記放電ギャップを有する電極棒と点火コ イルとの間に、放電管からなる前置きギャップを直列に配置したことをその特徴 とするものである。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、放電ギャップを有する電極棒と点火コイルとの間に、放電管 からなる前置きギャップを直列に配置したので、上記前置きギャップでの放電に より、極めて短時間のうちに急激に立上がる高電圧パルスが電極棒に加わるよう になり、電極棒等にカーボン等が付着してリーク回路が形成されるような場合で も、リーク回路に漏洩電流が流れる時間が殆どなくなり、電極棒で放電によるス パークを確実に発生させることができるものである。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１及び図２を参照して説明する。 図１及び図２は本考案に係るバーナ燃焼装置用点火装置１の一実施例を示した もので、略円盤状の絶縁性基台２には、基端部が図示しない燃料供給源に接続さ れ、先端部がノズル口３ａとされた点火バーナとしての燃料噴射ノズル３が基台 ２を貫通して立設されており、この燃料噴射ノズル３の両側には、一対の電極棒 ４ａ，４ｂが、その先端が所定の放電ギャップＧをもって上記ノズル口３ａの近 傍に位置するように配設されている。上記一方の電極棒４ａには、その周囲に絶 縁碍子５が設けられており、この電極棒４ａが制御部としてのイグナイタ及び点 火コイル６を介して電源側７に接続されるようになっており、また、上記他方の 電極棒４ｂが接地側８に接続されるようになっている。

【００１１】 また、本実施例においては、上記電源側７の一方の電極棒４ａと点火コイル６ との間に、放電管１０からなる前置きギャップＧ′が直列に配置されている。上 記放電管１０は、図２に示したように、円筒状の絶縁管１１の両端開放部が相対 向する放電電極部１２ａ，１２ｂを有する一対の電極板１３ａ，１３ｂで封止さ れたもので、上記一方の電極板１３ａには、アルゴン等の不活性ガスを放電管１ ０内に封入後その端部が封止される封入パイプ１４が封着されている。

【００１２】 次に、本実施例の作用について説明する。 本実施例においては、電源側７に接続された点火コイル６においてマイナス極 性の高電圧パルスＰが発生するようになっており、このマイナスの高電圧パルス Ｐが加わる放電管１０の一方の電極板１３ａ（カソードとなる）の電位が徐々に 上昇して所定の規定値に達すると、放電電極部１２ａ，１２ｂ間の前置きギャッ プＧ′で放電が生じ、放電管１０の他方の電極板１３ｂ（アノードとなる）の電 位が極めて急激に短時間の間に高電圧まで上昇する。そして、上記放電管１０か ら電極棒４ａに立上がりの急激な高電圧パルスＰ′が加わるようになり、これに より、電極棒４ａ，４ｂ間の放電ギャップＧにおいて放電が生じ、この放電によ るスパークを点火用火種としてノズル口３ａから噴射される燃料が点火され、点 火バーナが点火するものである。

【００１３】 ここで、上記点火コイル６としては、１５〜２５ＫＶ程度に設定されたものが 多く用いられており、斯かる点火コイル６に適し所望のスパークを発生させるた めの放電管１０としては、放電電極部１２ａ，１２ｂの間隔が３〜５ｍｍ程度で 、数気圧から数十気圧の不活性ガスが封入されたものが好ましい。

【００１４】 従って、上記電極棒４ａ又はその周囲の絶縁碍子５にカーボンＣ等が付着し、 このカーボンＣ等を介して電極棒４ａから接地側である基台２に電流が漏洩する リーク回路９が形成されるような場合でも、上記リーク回路９に漏洩電流が流れ る時間のない極めて短時間のうちに急激に立上がる高電圧パルスＰ′が電極棒４ ａに加わるようになるので、従来のように、リーク回路９を流れる漏洩電流によ り電極棒４ａに加わる電圧が高くならず、電極棒４ａ，４ｂ間で放電によるスパ ークを発生させることができなくなることがなく、電極棒４ａ，４ｂ間で確実に 放電を生じさせ、スパークを発生させることができるものである。

【００１５】 従って、本実施例においては、放電ギャップＧを有する一対の電極棒４ａ，４ ｂのうち電源７側の電極棒４ａと点火コイル６との間に、放電管１０からなる前 置きギャップＧ′を直列に配置したので、上記前置きギャップＧ′での放電によ り、極めて短時間のうちに急激に立上がる高電圧パルスＰ′が電極棒４ａに加わ るようになり、電極棒４ａ等にカーボンＣ等が付着してリーク回路９が形成され るような場合でも、電極棒４ａ，４ｂ間で放電によるスパークを確実に発生させ ることができ、点火バーナを点火させることができる。

【００１６】 また、上記したように点火バーナを点火させるスパークを確実に発生させるこ とができるので、点火不良を防ぐための電極棒４ａ等の定期的な洗浄作業を行う 必要がなくなり、メンテナンス作業を省力化することができる。 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更 することができるものであり、上記実施例においては、主バーナに点火させるた めの火種をつくる点火装置について説明したが、主バーナそのものを点火させる 点火装置を同様の構成とすることができ、これにより同様の作用効果を得ること ができるものである。

【００１７】

【考案の効果】

以上述べたように本考案に係るバーナ燃焼装置用点火装置は、放電ギャップを 有する電極棒と点火コイルとの間に、放電管からなる前置きギャップを直列に配 置したので、上記前置きギャップでの放電により、極めて短時間のうちに急激に 立上がる高電圧パルスが電極棒に加わるようになり、電極棒等にカーボン等が付 着してリーク回路が形成されるような場合でも、電極棒で放電によるスパークを 確実に発生させることができ、点火バーナを確実に点火させることができ、また 、点火不良を防ぐための電極棒等の定期的な洗浄作業を行う必要がなくなり、メ ンテナンス作業を省力化することができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るバーナ燃焼装置用点火装置の一実
施例を示す概略図である。

【図２】前置きギャップとしての放電管を示す縦断面図
である。

【図３】従来のバーナ燃焼装置用点火装置を示す概略図
である。

【符号の説明】

１ バーナ燃焼装置用点火装置 ３ 燃料噴射ノズル ４ａ，４ｂ 電極棒 ５ 絶縁碍子 ６ 点火コイル ７ 電源側 ８ 接地側 ９ リーク回路 １０ 放電管 Ｇ 放電ギャップ Ｇ′ 前置きギャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 点火のための放電ギャップを有し、点火
   バーナの噴射口近傍に配置された電極棒と、この電極棒
   に高電圧を供給するための電源側に接続された点火コイ
   ルとを備えてなるバーナ燃焼装置用点火装置において、 上記放電ギャップを有する電極棒と点火コイルとの間
   に、放電管からなる前置きギャップを直列に配置したこ
   とを特徴とするバーナ燃焼装置用点火装置。