JPH05336785A - 家事調理機器用モータ制御装置 - Google Patents

家事調理機器用モータ制御装置

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JPH05336785A
JPH05336785A JP4134707A JP13470792A JPH05336785A JP H05336785 A JPH05336785 A JP H05336785A JP 4134707 A JP4134707 A JP 4134707A JP 13470792 A JP13470792 A JP 13470792A JP H05336785 A JPH05336785 A JP H05336785A
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JP
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speed
value
motor
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coefficient
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JP4134707A
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English (en)
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Kazuhiko Asada
和彦 麻田
Hideki Omori
英樹 大森
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯機等の家事調理機器を、安定性よくまた
応答性よく制御することができる家事調理機器用モータ
制御装置を簡単な構成で提供することを目的としてい
る。 【構成】 モータの回転速度を検知する速度検知手段4
0と、所望の回転速度を設定する速度設定手段39と、
前記両手段の出力の差を演算する誤差演算手段41と、
モータの回転を制御する双方向スイッチング素子37・
38と、誤差演算手段の出力に応じて双方向スイッチン
グ素子を通電する通電比制御手段46と、電源の周波数
を検知する電源周波数検知手段60を有し、誤差演算手
段は第一の係数と第二の係数を有し、電源周波数検知手
段は電源周波数に応じてこの第一の係数または第二の係
数を調整する装置とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭において使用
される洗濯機・衣類乾燥機・食器洗い機・餅突き機・ベ
ーカリ等の小形モータを使用した家事調理機器に使用さ
れる家事調理機器用のモータ制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来の技術における3相3線
交流式のインバータを使用した洗濯機のブロック図であ
る。以下、この構成について説明する。
【0003】直流電圧源15の出力側に、スイッチング
素子1〜6・ダイオード7〜12からなるインバータ1
3を介して、3相の誘導モータ21が接続されている。
インバータ13は、制御回路14からの制御信号で制御
されている。インバータ13は、互いに120度の位相
差を有する3相交流電圧波形を誘導モータ21に出力す
る。また制御回路14は、インバータ13内の各スイッ
チング素子をパルス幅変調(PWM)と呼ばれる方法で
オンオフ制御しており、誘導モータ21の線間電圧はほ
ぼ正弦波となっている。なおパルス幅変調の搬送波の周
波数は、数kHzあるいは約20kHzを使用している。
【0004】以上の構成で、制御回路14は誘導モータ
21の速度を変化させる場合には、インバータ13内の
各スイッチング素子を駆動するPWM信号の変調周波数
を変化させている。
【0005】またモータの速度を調整する第二の従来の
技術として、次のようなものもある。例えばコンデンサ
モータを使用し、これをトライアック等の双方向スイッ
チング素子によって交流電源の波形に同期して、所定の
位相でターンオンさせることによって、モータに印可さ
れる電圧の実効値を制御し、交流電源の零ボルト時刻か
ら前記双方向スイッチング素子ターンオンさせるまでの
時間を変化させるものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】第一の従来の技術にお
ける家事調理機器は、高価なスイッチング素子を多数使
用したインバータを設ける必要があり、また制御回路に
は各スイッチング素子を駆動するための駆動部が必要で
ある。このため部品点数が多く、コスト高となるという
課題がある。
【0007】またパルス幅変調を行う際の搬送波の周波
数が数kHzである場合には、誘導モータからの騒音が耳
ざわりとなるという第二の課題もある。騒音を低減する
ために搬送波の周波数を約20kHzとする方法もあるが、
この場合にはインバータに使用するスイッチング素子に
高速のスイッチング特性が要求される。このためコスト
は更に高くなるものである。また誘導モータは一般に、
印可された電源の周波数に常に比例した回転速度を持つ
ものではなく、負荷のトルクによって回転速度が変動す
るという特性があり、特に家事調理機器に使用されるよ
うな比較的小容量のものにおいては、負荷トルクによる
速度の変動が大きいという傾向がある。このため、せっ
かく高価なインバータを使用しても実際のモータの速度
を所望の値に保つことができず、機器としての性能を確
保することが出来ない場合も多々有る。
【0008】また第二の従来の技術によれば、コスト的
には非常に安価であるが、やはり負荷トルクによる速度
の変動が大きいという課題がある。特に電源周波数が50
Hzと60Hzのように異なった地域で使用される場合には、
どちらの周波数でも充分な安定性を確保する設計とする
ことが非常に困難である。また、幅広い速度範囲に渡っ
て安定な回転を保つことは、困難である。さらに、起動
トルクが不足して、起動時の立ち上がりが悪いという課
題も有している。
【0009】本発明はこのような従来の技術が有してい
る課題を解決しようとするもので、簡単な構成で、騒音
が低く、起動特性・速度安定性のよい家事調理機器用モ
ータ制御装置を提供することを第一の目的としている。
【0010】また前記第一の目的を達成する第二・第三
・第四・第五の家事調理機器用モータ制御装置を提供す
ることを、第二・第三・第四・第五の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、モータと、このモータの回
転速度を検知する速度検知手段と、所望の回転速度を設
定する速度設定手段と、前記速度検知手段の出力と速度
設定手段の出力の差を演算する誤差演算手段と、前記モ
ータの回転を制御する双方向スイッチング素子と、前記
誤差演算手段の出力に応じて前記双方向スイッチング素
子を通電する通電比制御手段と、電源の周波数を検知す
る電源周波数検知手段を有し、前記誤差演算手段は前記
速度検知手段と前記速度設定手段の出力値の差の瞬時値
に第一の係数を乗算した値と、前記の差に第二の係数を
乗算した値を所定時間積分した時間積分値の和を出力
し、前記電源周波数検知手段は、電源周波数に応じて少
なくとも前記第一の係数または前記第二の係数の内の一
方の値を変化させる家事調理機器用モータ制御装置とす
るものである。
【0012】また第二の目的を達成するための本発明の
第二の手段は、モータと、このモータの回転速度を検知
する速度検知手段と、所望の回転速度を設定する速度設
定手段と、前記速度検知手段の出力と速度設定手段の出
力の差を演算する誤差演算手段と、前記モータの回転を
制御する双方向スイッチング素子と、前記誤差演算手段
の出力に応じて前記双方向スイッチング素子を通電する
通電比制御手段とを有し、前記誤差演算手段は前記速度
検知手段と前記速度設定手段の出力値の差の瞬時値に第
一の係数を乗算した値と、前記の差に第二の係数を乗算
した値を所定時間積分した時間積分値の和を出力し、前
記速度設定手段は、回転速度の設定値に応じて少なくと
も前記第一の係数または前記第二の係数の内の一方の値
を変化させる家事調理機器用モータ制御装置とするもの
である。
【0013】また第三の目的を達成するための本発明の
第三の手段は、本発明の第一の手段の構成に加え、誤差
演算手段は、速度検知手段と速度設定手段の出力値の差
の値の時間積分値に応じた値を出力し、かつモータの起
動時には前記時間積分値を一定値に設定する家事調理機
器用モータ制御装置とするものである。
【0014】更に第四の目的を達成するための本発明の
第四の手段は、本発明の第一の手段の構成に加え、誤差
演算手段は、速度検知手段と速度設定手段の出力値の差
の瞬時値に1未満の所定の係数を乗じたデジタル値を時
間積分した値を出力し、速度検知手段と前記速度設定手
段の出力値の差の瞬時値のデジタル値が零ではなく、そ
の値に1未満の所定の係数を乗じたことによってデジタ
ル値が零となる場合に、前記出力値の差の符号に併せて
零以外の値を時間積分する家事調理機器用モータ制御装
置とするものである。
【0015】また第五の目的を達成するための本発明の
第五の手段は、所定数の電源周期内のモータ回転量を検
知することにより回転速度を検知する速度検知手段と、
所望の回転速度を設定する速度設定手段と、誤差演算手
段と、通電比制御手段と、双方向スイッチング素子と、
電源周波数検知手段を有し、前記誤差演算手段は前記速
度検知手段と前記速度設定手段の出力値との差を入力
し、前記電源周波数検知手段は、電源の周波数により前
記速度検知手段または前記設定手段の少なくとも一方の
値を補正し、前記通電比制御手段は前記誤差演算手段の
出力に応じて前記双方向スイッチング素子の導通比を制
御する家事調理機器用モータ制御装置とするものであ
る。
【0016】
【作用】本発明の第一の手段は、装置の交流電源の周波
数を検知し、この電源周波数によって誤差演算手段の第
一の係数または第二の係数を最適な値に調整して、双方
向スイッチング手段を制御するもので、騒音が低く、起
動特性・速度安定性が非常に高くなるものである。
【0017】また本発明の第二の手段は、速度設定手段
の出力に応じて、誤差演算手段の第一の係数または第二
の係数を電源周波数に最適な値に調整して、双方向スイ
ッチング手段を制御するもので、速度設定手段の出力を
広範囲に変化させた場合でも、速度安定性高く保つこと
ができる。
【0018】本発明の第三の手段は、起動前の停止期間
中に生じた惰性回転等による不要な時間積分値をクリア
し、起動に最適な初期条件で起動を行うように作用する
ものである。したがって起動時の速度の立ち上がりが早
く、またオーバーシュートも防止することができる。
【0019】本発明の第四の手段は、誤差演算手段のデ
ータ処理の方法を工夫して、モータの回転速度を速度設
定手段の設定通りに正確に制御することができるように
作用するものである。
【0020】更に本発明の第五の手段は、速度設定手段
の設定値を電源周波数によって補正するようにして、異
なる電源周波数の基でも一定の速度となるように制御す
ることができるよう作用するものである。
【0021】
【実施例】以下本発明の第一の手段の実施例である洗濯
機の構成について、図1に基づいて説明する。本実施例
は、洗濯と脱水とを同一の槽で実行する全自動方式の洗
濯機に関するものである。洗濯時には槽31の底部に設
けたパルセータ32が、コンデンサモータ33によって
駆動され、脱水時においては槽31も一緒にコンデンサ
モータ33が駆動するものである。
【0022】コンデンサモータ33は、2相誘導モータ
34と進相コンデンサ35によって構成されており、ト
ライアックを用いた双方向スイッチング素子37・38
によって駆動されている。36は、商用の交流電源で1
00V50Hzあるいは60Hzのものである。39
は、使用者等がコンデンサモータ33の回転速度を設定
する速度設定手段である。40は、例えばモータ軸に設
けた歯車上の円板と発光素子と受光素子によって構成し
た速度検知手段で、発光素子の光を前記円板を介して受
光素子が受け、コンデンサモータ33の回転速度に応じ
た出力パルスを得て、さらにそのパルス周波数あるいは
パルス周期を電圧に変換して速度に比例した出力電圧を
発生している。
【0023】41は、速度検知手段40の出力と速度設
定手段39の出力の差を演算する誤差演算手段である。
誤差演算手段41は、本実施例では、誤差増幅器43・
誤差積分増幅器44・加算器42から構成している。誤
差増幅器43は、速度設定手段39と速度検知手段40
の出力電圧の差の瞬時値に誤差に比例した復元力を得る
ための第一の係数を乗じた値を出力している。誤差積分
増幅器44は、前記誤差増幅器と同様、誤差の瞬時値を
交流電源36の半波ごとに一度の割合で計測し、この値
に第二の係数を乗じた上で、その数値を現在の時間積分
値に加算してそれを新しい時間積分値として記憶するも
のである。また加算器42は、誤差増幅器43と誤差積
分増幅器44の出力を足し合わせて、通電比制御手段に
出力している。
【0024】通電比制御手段46は、誤差演算手段41
からの信号を受けて、図2(b)に示しているように交
流電源36の零電圧時点から、誤差演算手段43からの
信号によって決定される所定の時間後にハイのパルス波
を出力している。51は、洗濯機としての動作に適した
コンデンサモータ33のオンオフと、回転方向を指令す
る運転パターン出力回路である。図3は、洗濯時におけ
る運転パターン出力回路51の出力波形図である。すな
わち本実施例では、洗濯時には布のからみを防止するた
め、パルセータ32を2秒間正回転、1秒間休止、2秒
間逆回転、1秒間休止という運転を繰り返すパターンを
使用している。運転パターン出力回路51の出力端子J
からは、コンデンサモータ33のオンオフを指示する信
号を出力し、出力端子Lからは正逆回転指令を出力して
いる。つまり、出力端子Jがハイの場合はコンデンサモ
ータ33はオンで、ローの場合はオフ、また出力端子L
がハイの場合には正回転、ローの場合には逆回転の指令
となるものである。
【0025】また49・50は運転パターン出力回路の
出力J・Lと、通電比制御手段46の出力の積を採るA
ND回路で、48はハイが入力されるとローをローが入
力されるとハイを出力するNOT回路である。このAN
D回路49・50とNOT回路48は、双方向スイッチ
ング素子37・38を制御している。すなわち、運転パ
ターン出力回路51の出力J・Lの何れもがハイの期間
には、通電比制御手段46の出力はAND回路49の出
力に現れ、トライアック駆動回路52の動作により、双
方向スイッチング素子37のゲートを駆動する。また運
転パターン出力回路51の出力JがハイでLがローであ
る期間には、通電比制御手段46の出力はAND回路5
0の出力に現れ、トライアック駆動回路53の動作によ
って双方向スイッチング素子38のゲートを駆動する。
トライアック駆動回路52・53は、それぞれAND回
路49・50の出力がハイの場合に、スイッチング素子
37・38のゲート端子から電流を引き抜くことによ
り、オン状態とするものである。なお45は、以上の各
回路を構成しているマイコンである。
【0026】以下本実施例の動作について、図2に基づ
いて説明する。同図(a)は交流電源の電圧の変化を示
している。ここでToは、交流電源36の電源周期の半
分の時間である。したがって、交流電源36の周波数が
50Hzである場合には、T oは10msとなり、60Hz
である場合には、Toは8.33msとなる。T1は、電源の零
の時刻からトライアック49あるいはトライアック50
のゲートが引かれるまでの時間であり、この時間を制御
することによってコンデンサモータ33にパワーが供給
される時間を調整することができ、速度を加減できる。
期間T1は、スイッチング素子37・38はともにオフ
となり、その後の期間T2がコンデンサモータ33にパ
ワーが供給する時間として働く。本実施例では、このT
1を誤差演算手段41の出力に応じて変化させることに
よって、コンデンサモータ33の回転速度を制御するも
のである。
【0027】運転パターン出力回路49の出力端子Jが
ハイでLがローの場合には、AND回路49の出力はロ
ーに、AND回路50の出力はNOT回路48がハイに
なっているため、通電比制御手段46の出力と等しくな
る。
【0028】ここで例えば負荷が重くて、実際の回転速
度が設定値より低い場合について説明する。この場合
は、誤差演算手段41の出力は高くなり、通電比制御手
段46は高い信号を受ける。このため通電比制御手段4
6の出力タイミングt1は小となり、従って双方向スイ
ッチング素子37または38の導通期間t2は長くなっ
て、コンデンサモータ33の速度は増加する方向に推移
する。逆に実際の回転速度が設定値より高い場合には、
速度設定手段39の出力が速度検知手段40よりも低い
ため、誤差演算手段41の出力は低くなり、通電比制御
手段46は低い信号を受ける。このため通電比制御手段
46の出力タイミングt1は大となり、従って双方向ス
イッチング素子37または38の導通期間t2は短くな
って、コンデンサモータ33の速度は減少する方向に推
移する。以上のような帰還制御が行われる結果、速度検
知手段40の出力電圧は、ほぼ速度設定手段39の出力
値と等しくなって、コンデンサモータ33の速度はほぼ
設定値となる。
【0029】本実施例では誤差演算手段41は、速度設
定手段39と速度検知手段40の出力の差の瞬時値に比
例した成分と、その時間積分値に比例した成分を有して
いるため、コンデンサモータ33の定常時の回転速度
は、前記したように設定値に等しくなる。また比例成分
によって、過渡的な変動に対しても速やかに反応する。
このため、本実施例は安定な帰還制御を実現しているも
のである。なお誤差演算手段41の第一の定数と第二の
定数については、負荷の変動(洗濯機の場合であれば、
布量と水位が、最小から最大までの負荷条件)の範囲に
対して十分な安定性(洗濯機の場合においては例えば速
度設定手段の設定値に対して、速度検知手段の出力の変
動幅が5パーセント程度で十分であると思われる)が得
られるように実験的に決めればよい。
【0030】次に電源周波数検知手段60の作用につい
て説明する。電源周波数検知手段60は、交流電源36
の両端から電源電圧を入力端子C・Dに受け、その周波
数が50Hzまたは60Hzのいずれであるかを判断
し、それぞれの周波数に応じて誤差増幅器43の第一の
係数と誤差積分増幅器44の第二の係数を変化させてい
る。つまり、本実施例では誤差増幅器43・誤差積分増
幅器44内に第一の係数・第二の係数として50Hz用
のもの、60Hz用のものを用意してあり、電源周波数
検知手段60が検知した情報によってこのうちのどれを
所定の係数として使用するかを決定するものである。
【0031】仮に第一の係数および第二の係数を、電源
周波数に無関係に一定に保った場合には、図4に示して
いるようにコンデンサモータ33は速度の制御が不安定
となる。図4でAは50Hzの場合をBは60Hzの場
合を示している。つまり50Hzの場合には、目標速度
を大きく超えるオーバーシュートが生ずるものである。
この理由は、使用するコンデンサモータ33の特性が5
0Hzと60Hzにおいて異なるためである。つまり5
0Hzの場合には、図2のT2として示したコンデンサ
モータ33に対する導通期間の変化による速度の変化が
大きくなるものである。換言すれば、50Hz時には応
答が過敏となるものである。このため第一の係数および
第二の係数を一定にして動作させると、図4に示したオ
ーバーシュートが生ずるものである。また図示していな
いが、定常状態においても速度制御が不安定となる。極
端な場合には、コンデンサモータの速度が激しく変動
し、洗濯機として実用上の問題が発生する場合もある。
発明者による実験では、第一の計数・第二の係数の設定
は、50Hzの場合は60Hzの場合に比していずれも
およそ10%低減すれば、起動時の応答性と定常時の安
定性を確保することができた。
【0032】以上のように本実施例によれば、電源周波
数検知手段60によって電源周波数を検知し、50Hz
の場合と60Hzの場合によって第一の係数と第二の係
数の両方を切り替えるようにして、負荷が変動してもコ
ンデンサモータ33の速度を速度設定手段39の設定通
りにほぼ一定に保つことが可能となる。また比較的価格
の低い双方向スイッチング素子を用いていることから、
コストが低く、速度制御を行うためにインバータ等でP
WMの高周波スイッチングを行った場合比べて発生する
騒音が小さいものである。更に交流電源の周波数の仕様
が複数であっても、それぞれの周波数で、モータの回転
を安定に保つことができる。
【0033】なお本実施例では、マイコン45によって
これらの計算をデジタルで行うようにしているため、電
源周波数による各係数の変更は簡単にプログラムできる
ものである。また、特に全自動式の洗濯機等において
は、マイコン45を単にコンデンサモータ33の速度制
御用として用いるだけではなく、洗濯機としての洗濯・
すすぎ・脱水等の行程も制御するようにしてもよいこと
は当然である。この場合にはマイコン45が1個ですむ
ため、部品点数が少なく、コストも低いという効果があ
る。
【0034】また本実施例で使用したコンデンサモータ
33は、50Hzにおける速度特性が敏感になるもので
あったが、モータの設計とコンデンサの容量によって
は、60Hzの方がより敏感となる場合もある。この場
合は、第一の係数・第二の係数の設定を60Hzの場合
に低減する必要がある。
【0035】なおまた本実施例では、第一の係数と第二
の係数の両方について周波数による切り替えを行った
が、速度の応答性と安定性がそれほど厳密に要求されな
い場合には、いずれか一方の係数の設定だけを電源周波
数に応じて切り換えるようにしてもよい。こうすれば、
制御が簡単になる分コスト的に有利となる。
【0036】また本実施例においてはマイコン45を使
用しているが、アナログ式のものであってもよい。アナ
ログ式で行う場合には、誤差演算手段を例えば演算増幅
器で構成し、そのフィードバック・ループに抵抗とコン
デンサの直列回路を設ける構成とすればよい。こうし
て、本実施例と同様、出力には速度設定手段と速度検知
手段の出力の差の瞬時値に比例した成分と、その時間積
分値に比例した成分を得ることができ、安定な帰還制御
ができるものとなる。また、フィードバックループを構
成する抵抗(第一の定数を決定する)とコンデンサ(第
二の定数を決定する)の定数については、前記抵抗とコ
ンデンサの内の少なくとも一方の定数を電源周波数によ
って切り換える方法をとれば、電源周波数に応じて最適
な第一の定数と第二の定数を用いて制御を行うことが可
能となる。
【0037】次に本発明の第二の手段の実施例の構成に
ついて、図5に基づいて説明する。図1で説明した前記
実施例と異なる点は、速度設定手段64から誤差演算手
段41に第一の係数と第二の係数が入力されていること
と、電源周波数検知手段が存在しないことである。
【0038】以下本実施例の動作について説明する。本
実施例では、コンデンサモータ33の速度を制御する場
合、第一の係数と第二の係数の設定を高速時と低速時で
変更するようにして、起動時の応答性や定常時の安定性
を改善しているものである。図6は、速度設定手段64
から出力される第一の係数および第二の係数を示したも
のである。つまり、高速時には各係数を小とし、低速時
においては大としている。
【0039】発明者による実験では、コンデンサモータ
33は第一の係数・第二の係数を一定として、つまり5
0Hz・60Hzによって第一の定数と第二の定数を切
り換えない条件で閉ループ動作させると、速度設定手段
64の設定値が小さい場合には起動時の立ち上がりが悪
くなる傾向がある。また逆に設定値が大きい場合には、
起動時に生ずるオーバーシュートが大きくなる傾向があ
る。また定常時の速度制御性も、非線形要素等が影響し
て不安定となる。つまり、一定の係数で低速時から高速
時までを安定に制御することは困難である。
【0040】本実施例では、第一の係数と第二の係数の
両方を、速度設定手段64の出力によって変化させるよ
うにしている。こうして、幅広い速度範囲で優れた応答
性と安定性を得ているものである。しかし速度の応答性
と安定性がそれほど厳密に要求されない場合には、いず
れか一方の係数のみを速度設定手段64の出力に応じて
切り換えるようにしてもよい。この場合は、制御が簡単
となる分構成が簡単となり、コスト的に有利となる。
【0041】なお本実施例においても、マイコン45に
よるデジタル式の制御を行っているが、例えば演算増幅
器等の部品を用いてアナログ式の回路としてもよい。こ
の場合には、第一の係数および第二の係数の設定を、抵
抗やコンデンサの値を速度設定値によって何段階かに変
化させて設定する方法や、電子抵抗や電子コンデンサ・
可変容量ダイオードを用い、それらの値を速度設定値に
応じて連続的に変化させる構成とすればよい。従ってそ
の場合には、やや部品点数が多くなることが考えられ
る。
【0042】次に本発明の第三の手段の実施例の構成に
ついて、図7に基づいて説明する。本実施例では、誤差
演算手段41は速度検知手段40と速度設定手段39の
出力値の差の値の時間積分値に応じた値を出力し、かつ
コンデンサモータ33の起動時には、速度設定手段39
からの信号により前記時間積分値の値を零にリセットす
るものである。
【0043】以下本実施例の作用について図8に基づい
て説明する。コンデンサモータ33の回転を止めたい場
合には、双方向スイッチング素子37・38を共にオフ
の状態にすればよいので、単にAND回路49・50に
ローを出力させることによっても一応は実現できる。し
かしこの場合は、次回の起動時において次のような速度
応答特性上の問題が発生する。つまり、コンデンサモー
タ33の通電停止期間であるt2からt3の期間において
は、慣性によってコンデンサモータ33は徐々に速度が
零にに近づいてから停止する。従ってこの間は、誤差積
分増幅器44内に、停止するまでの回転数が誤差積分値
として蓄えられていく。しかもこの誤差積分値は、コン
デンサモータ33の負荷条件等によっても変化するもの
であるため、不確定な要素が多いものとなっている。つ
まり次回の起動時には、前記の不確定要素が入っている
誤差積分値が作用することになる。その結果、時刻t3
において、通電比にも前記の不確定要素が作用する。し
たがってオーバーシュートなどが発生し、かつこのオー
バーシュートの量は、負荷の慣性等に起因する前記不確
定要素に左右され、特に起動時において不安定な動作と
なる。
【0044】そこで本実施例では、誤差演算手段41は
速度検知手段40と速度設定手段39の出力値の差の値
の時間積分値に応じた値を出力し、かつコンデンサモー
タ33の起動時には、速度設定手段39からの信号によ
り前記時間積分値の値を零にリセットするようにしてい
る。以下詳細について説明する。本実施例は全自動洗濯
機の制御についてのものであり、実際のコンデンサモー
タ33に対する制御は、洗濯性能を向上するために、周
期的にコンデンサモータ33の回転方向を反転させるよ
うにしている。つまり図8において、t1からt2までの
期間は正方向にコンデンサモータ33を制御し、t3
らt4までの期間は、逆方向に制御しているものであ
る。またt2からt3の期間においては、速度設定手段3
9の出力はGが零でHがローとなり、すなわち停止信号
を出力している。従ってこのt2からt3の期間は、双方
向スイッチング素子37・38は完全にオフされてい
る。しかし前記したように、コンデンサモータ33は、
負荷の慣性によって徐々に回転速度が減少して最終的に
零になる。速度検知手段40は、この期間においても瞬
時モータ速度を検知しているため、誤差増幅器43およ
び誤差積分増幅器44の入力間には差が生じる。しかし
本実施例では、クリア端子がローになるため、その時間
積分は行われることがない。従って、次に時刻t3にお
いて起動した場合にも、負荷の慣性の大きさにかかわら
ず、常に時間積分値が零の状態から起動することができ
る。つまり、いつも一定の起動時の応答特性が得られ
る。誤差演算手段41が、速度設定手段39と速度検知
手段40の出力の差の瞬時値と時間積分値をそれぞれ誤
差増幅器42と誤差積分増幅器44の働きによって出力
されるという点は、図1の場合と同様である。本実施例
においては、速度設定手段39の出力端子Hは誤差積分
増幅器44のクリア端子に接続されている。こうして、
速度設定手段39の出力が零すなわち停止信号となって
いる場合には、出力端子Hがローに落ち、AND回路4
9・50の入力をローにさせると同時に、誤差積分増幅
器44の時間積分値を強制的に零にクリアするものであ
る。また停止時においては、速度設定手段39のG端子
は零となり、H端子はローとなっている。この状態で
は、AND回路の出力はローとなり、従って双方向スイ
ッチング素子37・38は、いずれも恒等的にオフとな
っている。それと同時に、H端子は誤差積分増幅器44
のクリア端子をローに引き込むという動作も行っている
ので、誤差積分増幅器44の時間積分値も零となる。
【0045】次に起動時について説明する。起動時にお
いては、速度設定手段39の出力端子Hがローからハイ
に立ち上がるため、AND回路49・50の入力がハイ
となり、同時に誤差積分増幅器44のクリア動作も解除
され、本来の動作を開始する。従って誤差増幅器43
は、速度検知手段40と速度設定手段39の差の値に、
第一の係数を乗じた値を出力し、誤差積分増幅器44が
速度検知手段40と速度設定手段39の差の値の時間積
分値を出力することを開始する。この動作はコンデンサ
モータ33が定常状態に至るまでの間、つまり速度設定
手段39の端子Gの出力と速度検知手段40の出力値と
の差が零になる迄の間実行され、コンデンサモータ33
はフィードバック制御される。
【0046】なお本実施例では、誤差積分増幅器44の
時間積分値をクリアして零にしているが、必ずしも零で
なくても良い。例えば起動時において、通電比の初期値
としては20%である方が適切な起動性能が得られる装
置であれば、零の変わりに一定の値を設定するようにし
た方が良い。また本実施例では、速度設定手段の出力が
零である間は、ずっと誤差積分増幅器に対して時間積分
値を零にクリアし続ける構成としている。しかし、必ず
しもクリアをし続ける構成にする必要はなく、例えば図
9に示す、第二の実施例の構成としてもよい。
【0047】つまり、コンデンサ69の電圧を所定の値
に固定するように、直流電源等に接続する等の方法をと
ることによって、要するに次の起動の際に零あるいは一
定の時間積分値に設定されているという構成であっても
良い。本実施例は、特に誤差演算手段の部分についてア
ナログ回路で構成したものを示している。図9の回路
は、演算増幅器66と抵抗67・68、コンデンサ6
9、コンデンサ69の両端子間に接続されたスイッチ7
0から構成されている。
【0048】以下本実施例の動作について説明する。端
子Xには、速度検知手段からのアナログ信号が入力さ
れ、端子Yには速度設定手段からのアナログ信号が入力
される。演算増幅器66は、この速度設定手段と速度検
知手段の出力差を、抵抗68の抵抗値を抵抗67の抵抗
値で除した数値を第一の係数として増幅する。また抵抗
67とコンデンサ69の積の逆数を第二の係数として、
時間積分する。スイッチ70は、速度設定手段の出力が
零、すなわち停止指令時にオンする構成としている。し
たがって停止中には、コンデンサ69が短絡され、時間
積分値が零にリセットされる。したがって、前記図7で
示した実施例と同様に動作するわけである。
【0049】次に本発明の第四の手段の実施例の構成に
ついて、図10に基づいて説明する。本実施例は、誤差
演算手段41は、速度検知手段40と速度設定手段39
の出力値の差の瞬時値に1未満の所定の係数を乗じたデ
ジタル値を時間積分した値を出力する誤差積分増幅器6
2を有している。この誤差積分増幅器62は、速度検知
手段40と速度設定手段39の出力値の差の瞬時値のデ
ジタル値が零ではなく、その値に1未満の所定の係数を
乗じたことによってデジタル値が零となる場合には、前
記出力値の差の符号に併せて零以外の値を時間積分する
ものである。なおこれらの演算処理は、すべてマイコン
45によって行うようにしている。
【0050】以下本実施例の動作について、図11に基
づいて説明する。誤差演算手段41は、速度検知手段4
0と速度設定手段39からそれぞれNrr/mおよびNsr
/mを入力されると、その差をΔnを計算する。次にこの
Δnに第一の係数aを乗じてAとし、Δnに係数b(b
<7)を乗じてXとする。この係数bを8で除した値
は、第二の係数bに相当しており、b/8は1未満の数
値である。
【0051】次にXの符号を調べ、Xが負で有る場合に
は、Xを右に3ビットシフトする。一般にマイコンにお
いては、負の値は補数で表わされ、例えばマイナス1
は、11111…のようにすべてのビットが1となる。
このような値を右に3ビットシフトしても、左から1を
3個つめてやることにより、結果はやはりマイナス1が
保たれる。
【0052】次にXが正の場合には、X<8であるかど
うかを判断し、これが真で有る場合には、Xを改めてプ
ラス1とおく。これによってΔnがゼロ以外で有るにも
かかわらず、3ビット右にシフトしたためにすべてのビ
ットが0となるということを防いでいるものである。な
おX<8でない場合には、そのまま右に3ビットシフト
し、左からは0を3個つめるという操作をおこなう。
【0053】またXがゼロの場合、すなわちΔnがゼロ
である場合は、そのままXをゼロと置くものとする。
【0054】以上の演算により、Δnに第二の係数を乗
じた値が求められたので、これを時間積分するために、
積分値BにXを加えて新しくBとおく。本実施例におい
ては、瞬時値とその時間積分値の和を誤差演算手段41
の出力としているため、最後にA+Bを計算しその結果
をT2とおいて出力している。
【0055】誤差演算手段41が以上のように作用する
ため、速度検知手段40の出力値と速度設定手段39の
出力値と差Δnがゼロでない場合には、誤差演算手段4
1の出力はかならず増加もしくは減少する。従って、コ
ンデンサモータ33の導通比は必ず変更される。この動
作を継続して行うことによって、速度検知手段40と速
度設定手段39の出力値は定常的には等しくなり、コン
デンサモータ33は、速度設定手段39の出力に完全に
反応することができる。
【0056】また、本実施例では、Xを3ビットシフト
することにより8で除する計算を行っていることから、
第二の係数の値の分解能を1/8単位で加減することが
できる。従って装置の特性に合わせて、例えば7/8や
6/8のようにきめ細かく第二の係数を設定することが
でき、第二の係数の設定をより適切なものとすることが
できる。なお3ビットシフトの代わりに、2ビット、4
ビットシフト…を行ってもよい。シフトするビット数が
多いほど、装置に適切な第二の係数の設定が実行できる
ものである。しかし、反面計算速度が低下したり、メモ
リが多く消費されるということが考えられるので、装置
の性能に必要なビット数だけをシフトするようにすれば
よい。
【0057】なお本実施例においては、誤差演算手段4
1は、誤差増幅器43と誤差積分増幅器62で構成した
ことにより、速度検知手段40と速度設定手段39の出
力の差の瞬時値に第一の係数aを乗じた値と、前記差に
第二の係数を乗じた値の時間積分値との和を演算して出
力するものとしているが、特に瞬時値に第一の係数を乗
じた値を加えることなしに、コンデンサモータ33が十
分な安定性を得られる場合には、前記瞬時値に第一の係
数aを乗じた値を加える必要はなく、単に前記瞬時値に
第二の係数を乗じた値の時間積分値のみを演算して出力
するようにしてもよい。要するに前記瞬時値に1未満の
第二の係数を乗じて積がゼロとなる場合に、それをゼロ
として処理するのではなく、前記瞬時値の符号に合わせ
て例えばプラス1・マイナス1等の値としてその時間積
分値を計算するものであればよい。この場合にも、前記
の積分動作により、時間と共に、コンデンサモータ33
の速度が速度設定手段39の速度設定値に近づいていく
効果は、全く変わりない。
【0058】また本実施例において第二の係数は1未満
の一定の値であるが、本発明の第一の手段の実施例のよ
うに、電源の周波数に応じて変化させる構成としてもよ
く、また本発明の第二の手段の実施例のように、速度設
定値に応じて第二の係数を変化させる構成としてもよ
い。
【0059】次に本発明の第五の手段の実施例の構成に
ついて、図12に基づいて説明する。本実施例において
は速度検知手段40は、ロータリエンコーダを使用して
おり、交流電源36の所定の周期数の間にコンデンサモ
ータ33が回転する量を検知している。つまり、回転数
に応じた数のパルスを発生している。また電源周波数検
知手段61は、例えば内部の基準周波数発生回路等と比
較することによって、交流電源36の周波数が50Hz
あるいは60Hzのいずれであるかを判別し、それによ
って速度検知手段40からの出力信号に補正をかける作
用をするものである。この出力は、誤差演算手段41に
接続されている。誤差演算手段41の作用は、前記本発
明の第一の手段と同様である。
【0060】以下本実施例の動作について説明する。コ
ンデンサモータ33が回転を開始すると、速度検知手段
40が作用して、交流電源36の所定周期数内の、例え
ば半波・1波・2波内のコンデンサモータ33の回転量
を検知して出力する。一方電源周波数検知手段61は、
交流電源36が50Hzであるか60Hzであるかを検
知し、この検知結果に応じて速度検知手段40のデータ
を補正する。図13は、コンデンサモータ33が毎分1
000回転で回転している場合における交流電源36の
出力電圧波形と、コンデンサモータ33の回転によって
速度検知手段40が発生するパルス数を示したものであ
る。速度検知手段40の出力値は、50Hz時において
は5パルスであるが、60Hz時においては4パルスと
なっている。また図14は、コンデンサモータ33の速
度に対する速度検知手段40の出力値の特性を、50H
z時と60Hz時で比較したものである。速度検知手段
40は交流電源36の周期を基準としていることによ
り、同一速度でコンデンサモータ33が回転している場
合においても、60Hz時には50Hz時の5/6とな
る。
【0061】従って電源周波数検知手段61を、60H
z時には速度検知手段40の出力に6/5を乗ずるよう
に作用させることによって、同一速度に対しては50H
z時と同じ値を得ることができる。
【0062】交流電源36の周波数は、日本国内では各
電力会社の努力によってかなりの精度のものとなってお
り、本実施例のように洗濯機のモータの速度を検知する
ためには十分なものとなっている。また電源周波数検知
手段61は、基準周波数発生回路等を有する必要がある
が、これらは交流電源36の周波数が50Hzであるか
60Hzであるかの判断が正しく行えれば十分であるの
で、その精度は低いもので実用できる。従って結果とし
て低コストで、なおかつ高精度の速度検知が可能とな
る。
【0063】なお本実施例においては、電源周波数検知
回路61は、速度検知手段40の出力を補正するように
しているが、速度設定手段39の出力を補正するように
してもよいものである。速度設定手段39の出力を補正
する場合は、同一速度でコンデンサモータを運転したい
場合には、60Hz時においては50Hz時の5/6倍
とする。すると誤差演算手段41は、速度設定値と速度
検知手段40の出力の差がゼロになるように、コンデン
サモータの通電比を制御するので、結果的にいずれの電
源周波数においても、同一の速度を得ることができる。
また、この場合にも、電源周波数検知手段61に要求さ
れる精度は同じであり、制御の結果得られるコンデンサ
モータの速度の精度も同じである。
【0064】なお前記各実施例は、洗濯機に使用したこ
とにより、洗濯物の各布種に対して洗浄性能や布傷み等
の点で最適となる水流の強さが得られるようにパルセー
タ32の速度を調節することができるという効果があ
る。またパルセータ32を交互に正方向と逆方向に回転
させる場合には、特に速度制御を行わないものであって
も、トライアックで構成したスイッチング素子2個を設
ける必要があるため、特に速度制御機能を付加すること
によって生ずるコストアップ分が小となるという効果が
プラスされる。
【0065】また前記各実施例は洗濯機についてのもの
を示しているが、特に洗濯機に限るものではない。例え
ば、衣類用の乾燥機・食器洗い機・餅突き機・ベーカリ
等の家事調理機器に使用した場合においても同様の効果
がある。また使用するモータの種類に関しても、前記各
実施例ではコンデンサモータとしているが、例えば隈取
りコイルを持ったものや整流子モータ等を使用してもよ
く、要するに双方向スイッチング素子によって導通比を
制御することによって、速度・トルクの特性が変化する
もので有れば何でもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明の第一の手段によれば、モータ
と、このモータの回転速度を検知する速度検知手段と、
所望の回転速度を設定する速度設定手段と、前記速度検
知手段の出力と速度設定手段の出力の差を演算する誤差
演算手段と、前記モータの回転を制御する双方向スイッ
チング素子と、前記誤差演算手段の出力に応じて前記双
方向スイッチング素子を通電する通電比制御手段と、電
源の周波数を検知する電源周波数検知手段を有し、前記
誤差演算手段は前記速度検知手段と前記速度設定手段の
出力値の差の瞬時値に第一の係数を乗算した値と、前記
の差に第二の係数を乗算した値を所定時間積分した時間
積分値の和を出力し、前記電源周波数検知手段は、電源
周波数に応じて少なくとも前記第一の係数または前記第
二の係数の内の一方の値を変化させる家事調理機器用モ
ータ制御装置として、簡単な構成で、騒音が低く、起動
特性・速度安定性のよい装置とすることができるもので
ある。
【0067】また本発明の第二の手段によれば、モータ
と、このモータの回転速度を検知する速度検知手段と、
所望の回転速度を設定する速度設定手段と、前記速度検
知手段の出力と速度設定手段の出力の差を演算する誤差
演算手段と、前記モータの回転を制御する双方向スイッ
チング素子と、前記誤差演算手段の出力に応じて前記双
方向スイッチング素子を通電する通電比制御手段とを有
し、前記誤差演算手段は前記速度検知手段と前記速度設
定手段の出力値の差の瞬時値に第一の係数を乗算した値
と、前記の差に第二の係数を乗算した値を所定時間積分
した時間積分値の和を出力し、前記速度設定手段は、回
転速度の設定値に応じて少なくとも前記第一の係数また
は前記第二の係数の内の一方の値を変化させる家事調理
機器用モータ制御装置として、特に幅広い速度範囲にわ
たってモータの回転を安定に保つことができる装置とす
ることができるものである。
【0068】また本発明の第三の手段によれば、本発明
の第一の手段の構成に加え、誤差演算手段は、速度検知
手段と速度設定手段の出力値の差の値の時間積分値に応
じた値を出力し、かつモータの起動時には前記時間積分
値を一定値に設定する家事調理機器用モータ制御装置と
して、特にモータの起動時における応答性のよい装置と
することができるものである。
【0069】本発明の第四の手段は、本発明の第一の手
段の構成に加え、誤差演算手段は、速度検知手段と速度
設定手段の出力値の差の瞬時値に1未満の所定の係数を
乗じたデジタル値を時間積分した値を出力し、速度検知
手段と前記速度設定手段の出力値の差の瞬時値のデジタ
ル値が零ではなく、その値に1未満の所定の係数を乗じ
たことによってデジタル値が零となる場合に、前記出力
値の差の符号に併せて零以外の値を時間積分する家事調
理機器用モータ制御装置として、特にきめ細かく正確な
モータ速度の制御を行うことができる装置とすることが
できるものである。
【0070】更に本発明の第五の手段によれば、モータ
と、所定数の電源周期内のモータ回転量を検知すること
により回転速度を検知する速度検知手段と、所望の回転
速度を設定する速度設定手段と、前記速度検知手段の出
力と速度設定手段の出力の差を演算する誤差演算手段
と、前記モータの回転を制御する双方向スイッチング素
子と、前記誤差演算手段の出力に応じて前記双方向スイ
ッチング素子を通電する通電比制御手段と、電源の周波
数を検知する電源周波数検知手段を有し、前記誤差演算
手段は前記速度検知手段と前記速度設定手段の出力値と
の差を入力し、前記電源周波数検知手段は、電源の周波
数により前記速度検知手段または前記設定手段の少なく
とも一方の値を補正する家事調理機器用モータ制御装置
として、特に電源の周波数が変わっても正確な制御がで
きる装置とすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の手段の実施例である洗濯機のブ
ロック図
【図2】同通電比制御手段の動作波形図
【図3】同運転パターン指令手段の出力信号波形図
【図4】同モータ起動時の速度波形図
【図5】本発明の第二の手段の実施例である洗濯機のブ
ロック図
【図6】同速度設定手段の出力する第一の係数と第二の
係数の変化を表す図
【図7】本発明の第三の手段の実施例である洗濯機のブ
ロック図
【図8】同モータ速度波形図
【図9】同第二の実施例を示す誤差演算手段の回路図
【図10】本発明の第四の手段の実施例である洗濯機の
ブロック図
【図11】同誤差演算手段のアルゴリズムを示すフロー
チャート
【図12】本発明の第五の手段の実施例である洗濯機の
ブロック図
【図13】同50Hzと60Hzにおける速度検知手段
の動作波形図
【図14】同50Hzと60Hzにおける速度検知手段
の出力値とモータ速度の特性を表した図
【図15】従来の技術における家事調理機器用モータ制
御装置を使用した洗濯機のブロック図
【符号の説明】
33 コンデンサモータ 37・38 双方向スイッチング素子 39 速度設定手段 40 速度検知部 41 誤差増幅手段 46 通電比制御手段 60 電源周波数検知手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、このモータの回転速度を検知
    する速度検知手段と、所望の回転速度を設定する速度設
    定手段と、前記速度検知手段の出力と速度設定手段の出
    力の差を演算する誤差演算手段と、前記モータの回転を
    制御する双方向スイッチング素子と、前記誤差演算手段
    の出力に応じて前記双方向スイッチング素子を通電する
    通電比制御手段と、電源の周波数を検知する電源周波数
    検知手段を有し、前記誤差演算手段は前記速度検知手段
    と前記速度設定手段の出力値の差の瞬時値に第一の係数
    を乗算した値と、前記の差に第二の係数を乗算した値を
    所定時間積分した時間積分値の和を出力し、前記電源周
    波数検知手段は、電源周波数に応じて少なくとも前記第
    一の係数または前記第二の係数の内の一方の値を変化さ
    せる家事調理機器用モータ制御装置。
  2. 【請求項2】 モータと、このモータの回転速度を検知
    する速度検知手段と、所望の回転速度を設定する速度設
    定手段と、前記速度検知手段の出力と速度設定手段の出
    力の差を演算する誤差演算手段と、前記モータの回転を
    制御する双方向スイッチング素子と、前記誤差演算手段
    の出力に応じて前記双方向スイッチング素子を通電する
    通電比制御手段とを有し、前記誤差演算手段は前記速度
    検知手段と前記速度設定手段の出力値の差の瞬時値に第
    一の係数を乗算した値と、前記の差に第二の係数を乗算
    した値を所定時間積分した時間積分値の和を出力し、前
    記速度設定手段は、回転速度の設定値に応じて少なくと
    も前記第一の係数または前記第二の係数の内の一方の値
    を変化させる家事調理機器用モータ制御装置。
  3. 【請求項3】 誤差演算手段は、速度検知手段と速度設
    定手段の出力値の差の値の時間積分値に応じた値を出力
    し、かつモータの起動時には前記時間積分値を一定値に
    設定する請求項1記載の家事調理機器用モータ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 誤差演算手段は、速度検知手段と速度設
    定手段の出力値の差の瞬時値に1未満の所定の係数を乗
    じたデジタル値を時間積分した値を出力し、速度検知手
    段と前記速度設定手段の出力値の差の瞬時値のデジタル
    値が零ではなく、その値に1未満の所定の係数を乗じた
    ことによってデジタル値が零となる場合に、前記出力値
    の差の符号に併せて零以外の値を時間積分する請求項1
    記載の家事調理機器用モータ制御装置。
  5. 【請求項5】 モータと、所定数の電源周期内のモータ
    回転量を検知することにより回転速度を検知する速度検
    知手段と、所望の回転速度を設定する速度設定手段と、
    前記速度検知手段の出力と速度設定手段の出力の差を演
    算する誤差演算手段と、前記モータの回転を制御する双
    方向スイッチング素子と、前記誤差演算手段の出力に応
    じて前記双方向スイッチング素子を通電する通電比制御
    手段と、電源の周波数を検知する電源周波数検知手段を
    有し、前記誤差演算手段は前記速度検知手段と前記速度
    設定手段の出力値との差を入力し、前記電源周波数検知
    手段は、電源の周波数により前記速度検知手段または前
    記設定手段の少なくとも一方の値を補正する家事調理機
    器用モータ制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009087277A1 (en) * 2008-01-09 2009-07-16 Wärtsilä Finland Oy Apparatus, system and method for electric power supply

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WO2009087277A1 (en) * 2008-01-09 2009-07-16 Wärtsilä Finland Oy Apparatus, system and method for electric power supply
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