JPH05336346A - 画像処理方法及び記憶装置 - Google Patents

画像処理方法及び記憶装置

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JPH05336346A
JPH05336346A JP14131792A JP14131792A JPH05336346A JP H05336346 A JPH05336346 A JP H05336346A JP 14131792 A JP14131792 A JP 14131792A JP 14131792 A JP14131792 A JP 14131792A JP H05336346 A JPH05336346 A JP H05336346A
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image
mask
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pixel
processing method
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JP14131792A
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English (en)
Inventor
Hideo Noyama
英郎 野山
Makoto Nomi
誠 能見
Shinichiro Miyaoka
伸一郎 宮岡
Makoto Kato
誠 加藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画像を幾何変換する際に、画像の持つマスク画
も同じ変換を行い、自動的に画像と同じサイズのマスク
画を作成する処理方法を提供する。 【構成】重畳サイズが決定されると、バイリニア補間法
等により物体画像を拡大画像21に変換する。一方、マ
スク画像22についても拡大変換を行い、拡大マスク画
像23を得る。 【効果】幾何変換を伴った画像合成処理でも、境界部を
自動的にアンチエリアシング処理する事ができる。ま
た、部品画像の頻繁な書き直しが必要となる処理で、蓄
積された変換画像を用いて、即座に書き直しをすること
ができる。さらに、複数の部品画像を組み合わせて新た
な部品画像を作ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル画像処理に
おける画像合成処理方法及び装置に係り、特に、複数の
ディジタル画像を使用して新たな合成画像を作成するこ
とができる画像処理装置及び処理方法、並びにそれを実
現する為のデータ管理に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷業,放送局等では、カメラで撮影さ
れた画像をそのまま用いるだけでなく、複数の画像を組
み合わせて新たな画像を作るはめ込み印刷やクロマキー
合成が行われている。このような画像合成の作業をコン
ピュータ上で行えば、より自由な編集や画像の有効利用
が可能になる。ディジタル画像を用いた画像合成処理
は、一般的には次の手順で行われる。これについては、
画像合成のための部品画像ファイルシステムと題し、電
気情報通信学会論文誌D−2 Vol.J72−D−2No.
11 pp.1824−1832に述べられている。
【0003】(1) 重畳したい部品画像を含んだ重畳画
像と重畳先となる背景画像を準備する。例えば、好みの
自動車を自分の家の前に置いた画像を得たいときは、自
動車の映っているスナップ写真を重畳画像とし、自宅の
映っている風景写真を背景画像として用意する。
【0004】(2) 重畳画像の中から重畳したい領域を
切り出し(この領域をマスクと称する)、部品画像を作
成する。例えば、ディスプレイ等の画像表示装置に、重
畳画像とマウスカーソルを表示し、自動車の領域の画素
にカーソルを合わせてマウスボタンをクリックする。こ
のときクリックした画素を1,そうでない画素を0とす
れば、マスクによって自動車だけを切り出すことができ
る。また、クリックした画素に多値を与えるようにすれ
ば、複数の領域に分離することもできる。画像のセグメ
ンテーションにはこのような手作業による分割のほか、
濃度特徴に基づく分割法やテクスチャー特徴に基づく分
割法を用いることもある。これについては、グラフィッ
クデザイナのためのディジタルペインティング入門と題
し、PIXEL No.84 pp.181−184に述べら
れている。
【0005】(3) 切り出された部品画像を背景画像と
合成する際、違和感の無い合成画像を得るために、普通
は以下の操作を行う。
【0006】(a) 重畳位置の指定 重畳画像のi行j列成分をA(i,j),背景画像のi行
j列成分をB(i,j),合成画像のi行j列成分をC
(i,j)とする。これらの画像をカラー画像とすると、
例えば、A(i,j)の成分は赤Ar(i,j),緑Ag
(i,j),青Ab(i,j)の3成分で表現される。重畳
位置の指定は、重畳画像中の基準画素をA(i,j)と
し、この画素を背景画像中の画素B(u,v)の位置に重
畳すると決めることで指定される。
【0007】(b) 重畳する大きさの指定 重畳する画像を拡大もしくは縮小して、背景画像に映っ
ている風景と大きさの釣り合いがとれるようにする。具
体的には、重畳画像をa倍にするならば、画素同士の対
応関係は次のようになる。
【0008】
【数1】 C(x,y)=A′((x−u)/a+i,(y−v)/a+j) …(数1) ここで、(x,y)はスキャンしている画素の位置であ
り、一般的には背景画像中の重畳部分だけを書き換え
る。また、数1は対応する画素がマスク内にあるときで
あり、通常複数の対応点があるのでA((x−u)/a+
i,(y−v)/a+j)近辺の平均値A′を用いる。
【0009】
【数2】 C(x,y)=B(x,y) …(数2) 数2は、マスク外であるときの対応画素を示す。
【0010】(c) 色調の調整 背景画像と異なった天候,日照条件のもとで撮影された
重畳画像を、階調変換することによって色調を調節し、
違和感が生じないようにする処理である。赤緑青の3成
分が256階調のフルカラー画像では、0から255を
定義域及び値域とする変換関数で変換を行う。
【0011】(d) 以上の位置指定,重畳する大きさの
指定,色調の調整は対話的に行うのが普通である。さら
に、重畳画像の中に透明な窓や影がある場合は、これら
の基本的な処理に加えて、半透明処理を行うことがあ
る。すなわち、単純に重畳画像を書き込むのではなく、
背景にある風景が重畳部分に映り込むように画像合成を
行う。一般的な半透明処理は、アルファ合成を用いて処
理される。そこで、アルファ合成の方法について説明す
る。通常のビットマップによる表現では、マスクはマス
ク内とマスク外の2値画像として表わされる。
【0012】これを多値、あるいは、実数にして、マス
クに含まれる割合を記述した合成処理がアルファ合成で
ある。いま、A(i,j)の画素のアルファ値をα(i,
j)とすると、対応する重畳画素C(u,v)の色は以下の
ようになる。
【0013】
【数3】 C(u,v)=(1−α(i,j))B(u,v)+α(i,j)A(i,j) …(数3) 例えば、α(i,j)を0.5にすれば、背景画像と重畳画
像が半分の割合で重なって見える。この方法は、透明物
体を重畳する場合だけでなく、重畳するものの輪郭付近
に適用すれば、重畳合成による境界部の不自然さを軽減
するのに利用できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この従来の方法では、
次のような課題がある。すなわち、部品画像を拡大・縮
小など幾何変換するたびにマスクを作り直さなければな
らず、編集作業が非効率的で不便である。また、幾何変
換によってマスクの境界部が変形し、ジャギが発生する
可能性があるが、これを防ぐアンチエリアシング処理に
アルファ合成を利用する場合、アルファ値を設定する作
業はその作業量が膨大であるだけでなく、適切な値を設
定することが困難である。また、複数の部品画像を1枚
の背景画像に合成する多重合成で、遠方にある物体から
順番に合成しなければならず、その上、一度合成した物
体は2度と移動することができない。さらに、自動車と
キャリアの関係のように、ある画像と他の画像を組み合
わせて扱いたい場合に、組み合わせた色彩画像をもとに
マスクを切り直さなければならない。
【0015】本発明の第1の目的は、重畳画像を幾何変
換する際に、自動的に画像と同じサイズのマスク画を作
成する処理方法を提供することにある。
【0016】本発明の第2の目的は、マスク画を幾何変
換した場合に、境界部の画素がマスク内である度合い
を、自動的に決める方法を提供することにある。
【0017】本発明の第3の目的は、これから書き込む
物体と既に背景画像中に存在する物体の前後関係を容易
に判定する方法を提供することにある。
【0018】本発明の第4の目的は、ユーザが重畳する
順番を意識することなく、必要な重ね合わせ合成ができ
るようにすることであり、さらに、既に背景画像の中に
合成されている物体を移動することを可能とする処理方
法を提供することにある。
【0019】本発明の第5の目的は、いくつかの部品画
像を組み合わせて、新たな部品画像を作りたい場合に、
マスクの論理演算によって新たな色彩画像とマスク画像
を容易に作成することを可能とする処理方法を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第1の目
的を達成するため、重畳画像を指定した大きさに幾何変
換する処理と、そのマスク画像に同じ幾何変換をして変
換画像と同サイズのマスク画像を作成する処理と、変換
画像のマスク情報を変換した色彩画像と対応する領域に
記録する蓄積手段を有し、その蓄積されたマスク情報を
もとに画像合成を行うものである。
【0021】本発明はさらに、第2の目的を達成するた
め、原画である重畳画像のマスクと幾何変換した変換画
像の画素の重なりを調べる処理と、変換画像の各画素に
対応して重なっている割合を蓄積する蓄積手段を有し、
画素ごとに重なり情報であるアルファ値を蓄積し、その
情報を用いて物体画像を背景画像にアルファ合成するも
のである。
【0022】また、第2の目的を達成するための別の手
段は、画素ごとに多値マスクを蓄積する蓄積手段と、マ
スク値とアルファ値を関係付けるテーブルを記録する蓄
積手段を有し、画素のマスク値からアルファ値を検索し
て物体画像を背景画像にアルファ合成するものである。
【0023】本発明はさらに、第3の目的を達成するた
め、合成画像に対応して部品画像の重畳状態を記述する
ためのマスク書き込み手段と、マスクの属性として重畳
する順序関係や視点からの距離を記述する蓄積手段を有
し、これらに蓄積された情報を用いて、新たに重畳する
部品画像と合成画像中の物体との前後比較を行い、重畳
する部品画像より手前にあるものは、部品画像を合成し
た後で、再度上書きをするものである。
【0024】さらに見方を変えると、第4の目的を達成
するため、本発明は幾何変換したマスク付き色彩画像を
蓄積する蓄積手段と、部品画像の重畳順序を決める距離
情報を保存しておく蓄積手段を有し、重畳してある物体
の移動や削除などレイアウトを変更した場合に、この情
報から自動的に再度書き直しを行うものである。
【0025】本発明はさらに、第5の目的を達成するた
め、蓄積したマスク画像間で論理演算を行う処理と、そ
のマスク演算によって作られた新たなマスク画像を蓄積
する蓄積手段と、その演算に基づいて色彩画像を組み合
わせる処理と、組み合わせた画像データを蓄積する蓄積
手段を有し、いくつかの部品画像から作成された合成画
像を新たな部品画像として再帰的に利用できる機能を持
つものである。
【0026】
【作用】拡大比率に応じて自動的にマスクを作成し、そ
のマスクを管理することで、以下の五つの効果が得られ
る。
【0027】第1の効果は、従来は画像合成処理を行う
度にマスクを作り直す処理が行われていたのに対し、解
決手段1によって自動的にマスクが作成される、もしく
は、マスク付き画像として保存されていることによっ
て、画像合成処理を高速に行えるということである。
【0028】第2の効果は、解決手段2によって新しく
作成されたマスクの境界部に適切なアルファ値が与えら
れるので、この値を境界部画素のアルファ合成に利用す
ることによって、ディジタル画像を拡大した際にジャギ
が目立つという現象を防ぐアンチエリアシング処理が行
えることである。
【0029】第3の効果は、解決手段3によって重畳サ
イズと同寸法のマスク付き変換画像を蓄積しておくと共
に、重畳する位置や順序といった重畳条件を記録してお
くことで、合成画像のレイアウト変更を簡単に行えるこ
とである。すなわち、レイアウト編集作業で、ユーザが
遠方の物体から順番に合成する必要はなく、ユーザはい
つでも好きな位置に物体を置くことができる。
【0030】第4の効果は、背景画像に合成した物体を
移動したり削除すると、変更に直接関係しないはずの物
体が影響を受けて、多くの重畳画像の書き直しが必要と
なるが、本発明では解決手段4によって変換したマスク
付き画像を保存しておき、編集時には変換を一切行わな
いことによって、合成画像を高速に書き換えられること
である。すなわち、複数の物体が存在する画面のレイア
ウトを編集する場合、何度も書き直しが必要となるの
で、第4の効果は非常に大きなものとなる。
【0031】第5の効果は、組み合わせたい画像が、大
きさを調節された後に蓄積されているので、解決手段5
のマスク間論理演算のみによって新たな部品画像を作る
ことができるということである。したがって、マスク同
士の論理演算にあわせて色彩画像を重ねれば、新たなマ
スク付き色彩画像を得ることができるので、部品画像と
か合成画像という区別をしないで画像を再帰的に利用す
ることが可能となる。
【0032】
【実施例】図1は、本発明を画像処理の中に取り入れた
場合の一実施例を示すフローチャートである。また、図
2は本発明によって得られたマスク及びマスク属性値を
用いて画像合成する際のフローチャートである。さら
に、図3は処理手順を画像を用いて示したものである。
【0033】ステップ100で背景画像10が選択さ
れ、メモリ上に読み込まれる。次に、ステップ102で
重畳する物体画像が選択され、画像データ20およびマ
スクデータ22が読み込まれる。ステップ104で重畳
サイズが決定されると、ステップ106でバイリニア補
間法等により物体画像を縮小画像21に変換する。さら
に、マスク画像22についてもステップ108で縮小変
換を行い、縮小マスク画像23を得る。一方、物体画像
を拡大する場合は、マスク画像も拡大変換を行い、変換
画像と同じ大きさの拡大マスク画像を得る。ステップ1
10で物体画像の重畳位置を決めると、ステップ112
で物体画像21が背景画像10に重畳されて、合成画像
30が作成される。
【0034】具体的に図2のフローチャートで説明す
る。背景画像の重畳領域についてスキャンが行われ(2
02)、重畳領域の画素が全てスキャンされるまで処理
が繰り返される(214)。スキャンする画素が決まる
と、対応する物体画像の画素が選択され、そのマスク値
が調べられる(202)。このとき、マスク値が0であ
れば物体外の画素なので、それ以上処理を行わず202
に戻って、次の画素をスキャンする。マスク値が0以外
の場合は、背景画像の画素に定義されている深さを調べ
(204)、物体を置く深さと比較する(206)。この
とき、背景が手前にあるならば、背景画像の画素値をそ
のまま用いる(210)。逆に、物体が手前にあるな
ら、物体画像の画素に定義されたアルファ値を読み込む
(208)。そして、このアルファ値の割合に応じて、
物体画像の画素値を背景画像の画素値に混合する(21
2)。
【0035】次に、マスク画像の変換手法について詳細
に説明する。図4は、物体画像を縮小した場合の、原画
の画素と変換後の画素の位置関係を示した図である。こ
の図に示されるように背景画中に物体を重畳合成すると
き、それらの画素は必ずしも一致しない。このとき、合
成画でのピクセル色Cfを求めるのに、物体画ピクセル
と背景画格子の重畳面積の比を用いる方法がある。図5
に示すように原画の画素が配置してあるとき、
【0036】
【数4】 Cf={Co5・S5+Co6・S6+Co7・S7+Co8・S8+Co9・S9 +(S1+S2+S3+S4)・Cb}/(S1+S2+S3+S4+…… +S8+S9) …(数4) という計算式で画素の色を求める。この計算法は、原画
の格子を忠実に反映する理想的な混合比で色を計算する
ことができる。一方、本発明ではマスクについても変形
を行い、画像と同じ大きさのマスクを作成する。マスク
を自動的に作成する場合、図4のような境界部の注目画
素をマスク内に入れるか、マスク外とするかという選択
があるが、それぞれの画素にアルファ値を格納する領域
を持たせることで、原画を変換した場合でも自動的に画
像合成をする事ができる。そこでアルファ値の計算にこ
れを用いれば、効果的なアンチエリアシング手段として
アルファ合成を利用することができる。すなわち、数5
となる。
【0037】
【数5】 α={1・S5+1・S6+1・S7+1・S8+1・S9+(S1+S2+S3 +S4)・0}/(S1+S2+S3+S4+……+S8+S9) …(数5) 一方、図6に示すように、合成画でのピクセル色Cfを
画素数の比で求めると数6となる。
【0038】
【数6】 Cf=(1/9)・(Co1+Co2+Co3+Co4+Co5)+(4/9)・Cb …(数6) この計算法は原画のマスクを正確に用いるものではない
が、一般的な画像合成処理では原画像を縮小して用いる
ので、面積の比率と画素数の比率の差がほとんどない。
したがって、本手法をアルファ値の計算に用いると高速
に適正値を求めることができる。すなわち、色を計算す
る場合と同様に画素数の比を用いて混合比を計算する
と、この注目画素のアルファ値は、数7となる。
【0039】
【数7】 α=(5・1+4・0)/9 …(数7) また、バイリニア計算は色と色の間をなだらかに変化さ
せる為の計算法であるが、これをアルファ値の計算に用
いることもできる。はじめにバイリニア計算について簡
単に説明する。図7(a)において、点C1と点C2の色
が分かっているものとする。点C1,点C2からそれぞ
れa,bの位置にある点Cの色を求めたいときに、線形
補間計算によって求めると、数8となる。
【0040】
【数8】 C=(b・C1)/(a+b)+(a・C2)/(a+b) …(数8) 線形補間計算を2次元に拡張したものがバイリニア計算
であり、距離に反比例するように色を混ぜ合わせること
を目的としている。そこで、具体的な拡大処理について
計算式を求めてみる。図7(b)に示すように、処理元の
画素がCo1,Co2,Co3,Co4であった場合、
この画像を拡大する処理を考える。この場合、変換後の
画素は元の画素より小さくなるので、周囲の4画素から
新しい画素の色を計算する。例えば、Cの位置にくるピ
クセルの色をバイリニア計算によって求めると、数9と
なる。
【0041】
【数9】 C={(L−a)・(L−b)・Co1+a・(L−b)・Co2+(L−a)・b・Co3 +a・b・Co4}/L …(数9) バイリニア計算によってアルファ値を計算するために
は、画素の色の変わりにマスク値を用いれば良いから、
図7(b)のMにおけるアルファ値を、数10で求めるこ
とができる。
【0042】
【数10】 α={(L−a)・(L−b)・M1+a・(L−b)・M2+(L−a)・b・M3+a・b ・M4}/L …(数10) 本発明はさらに、種々の変更を加えた形でも実施でき
る。例えば、2値マスクを多値マスクとすることで、図
8に示すように、マスクをアルファ合成が必要な画素と
単純な塗り重ねの画素に分け、マスク値に意味を持たせ
ることができる。この様にマスク値に意味を持たせてお
けば、アルファ合成の必要なマスク値2の画素について
のみ処理を行い、マスク値1の画素は単純な塗り重ねを
行って処理を高速化することができる。また、0から1
の値を例えば64分割してアルファ値とし、マスク値と
対応させて記録しておけば、画素ごとに持たせる値はマ
スク値だけでよくなる。すなわち、1画素について26
ビットあれば画素にアルファ値を持たせたのと同じ効果
が得られ、使用メモリが節約できる。
【0043】一方、本発明を利用してマスク付き部品画
像を保存しておくことにより、図9に示すような多重合
成処理における物体の移動が可能となる。例えば、図9
に示すように、一つの背景中に二つの物体を置いた場
合、その重畳関係によって見える部分と見えない部分が
変化する。すなわち、物体1を移動すると、物体1に隠
されていた物体2の一部が見えるようになるかもしれな
い。その場合、物体2は移動しないにもかかわらず、物
体1を消去した後、物体2を再度書き込みしなければな
らない。このように、多くの物体が存在するような合成
画では、一つの物体を移動するだけでも、他の物体の書
き直しが必要となることがあるので、マスクを持った部
品画像を管理しておく必要がある。
【0044】さらに、例えば、AとBの2枚の2値マス
ク付き部品画像があるとき、重ね合わせる位置を決めた
後で、二つの画像のマスク値の少なくとも一つが1の画
素を残す演算、すなわち、図10に示すように、A∪B
の演算をすれば、二つの部品画像を組み合わせたときの
マスク画像A′を得ることができる。逆に、一つの画像
のマスク値が1のところから、もう一つの画像のマスク
値が1のところを差し引く演算、すなわち、A′∩(B
でない)の演算を行えば、A′から不必要な部分Bを取
り除いた部品画像Aを得ることができる。
【0045】また、幾何変換や論理演算を行った画像
が、色彩情報と共にマスク情報を持つデータ構造は、変
換後の画像もまた部品画像となりうることを意味してい
る。例えば、図11の冬用自動車は、スキーキャリアと
自動車の画像からみれば物体画像といえるが、スキー風
景の画像からみれば部品画像といえる。すなわち、合成
画像は複数の画像に変換を加えて組み合わせた成果物で
あるが、本発明に述べた方式を用いて、データとして独
立させることによって、効率良く画像を利用することが
できる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、原画の細かい凹凸にあ
まり影響されないで部品画像のマスクを作ることがで
き、幾何変換を伴った画像合成処理においても、境界部
を自動的にアンチエリアシング処理する事ができる。さ
らに、一度重畳した画像は変換画像とそのマスク画像を
持っているので、即座に再度書き直しができる。したが
って、複数の物体を重畳する多重合成では、物体の移動
に伴って頻繁に書き直しが必要となるが、幾何変換後の
画像を直接用いて、高速に合成画像を書き直すことがで
きる。さらに、ある部品画像に対して、他の部品画像を
付け加えたり不必要な部分を取り除く、部品の着脱が可
能になるので、画像の再帰的利用を簡単に行えるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理手順の一実施例を示すフローチャ
ート。
【図2】本発明の処理の1部であり、図1のステップ1
12のフローチャート。
【図3】本発明で扱う画像の変換手順を示す説明図。
【図4】原画像の画素と変換画像の画素の位置関係を示
す説明図。
【図5】変換画素の色彩値やマスク値を面積比から計算
する手法を示す説明図。
【図6】変換画素の色彩値やマスク値を画素数の比率か
ら計算する手法を示す説明図。
【図7】変換画素の色彩値やマスク値をバイリニア計算
によって求める手法を示す説明図。
【図8】マスクを多値にした場合の一実施例を示す説明
図。
【図9】複数の部品画像を重畳する多重合成でのマスク
付けを示す説明図。
【図10】部品画像同士のマスク演算を行って、新しい
マスクの作成例を示す説明図。
【図11】自由な組み合わせによる画像の再帰的な利用
を示す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 誠 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株 式会社日立製作所システム開発研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重畳画像を拡大縮小などの幾何変換して、
    別の画像に重畳する画像合成処理において、(a)マス
    ク画像を色彩画像と同サイズに変換し、(b)同サイズ
    となった前記色彩画像と前記マスク画像を一緒に保存
    し、(c)マスク値が書き込みを意味する設定値である
    画素は背景画像に書き込み、前記設定値以外の画素は書
    き込まないことによって切り抜き合成を可能にすること
    を特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記(a)の変換が、
    新しく作られた前記マスク画像のマスク値を、合成画像
    に書き込むことを意味するマスク値1と書き込まないこ
    とを意味するマスク値0の2値にする2値化処理を含む
    画像処理方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、2値マスク付きの画像
    を部品画像として複数枚用意し、前記部品画像の書き込
    み領域にそれぞれ異なった番号を付け、その番号を新た
    なマスク値として請求項1の前記(b)で保存し、合成
    画像の管理をこのマスク値を索引とするテーブルで行う
    処理からなり、背景となる画像に複数の部品画像を合成
    する多重合成の処理を可能とする画像処理方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記テーブルが、前記
    部品画像を重畳した順番と重畳した位置を記録する記憶
    領域を有し、以前重畳した画像を移動もしくは削除する
    場合に、変更する対象以外は人手による操作をしなくて
    も自動的に書き変え処理をする画像処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1の前記(a)の画像変換を、一つ
    の画像に対して複数回行い、大きさの異なる複数の部品
    画像を得た場合に、記録したそれぞれの変換画像を別々
    の部品画像として蓄積する請求項3に記載の画像処理方
    法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載した幾何的な変換に加え
    て、部品画像の一部分を色変更、もしくはテクスチャー
    マッピングによる変更を含める処理とし、幾何形状が同
    じでも色彩が異なれば別の部品画像として蓄積する請求
    項3に記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】請求項2において、作成した部品画像を組
    み合わせ、一つの部品画像のマスクと別の部品画像のマ
    スクの論理演算を行い、マスクの論理演算に合わせて自
    動的に新たな部品画像を作成し、これらのマスク付き部
    品画像を保存する処理からなり、合成画像を部品画像と
    して再帰的に用いることを可能とする画像処理方法。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記(a)が、アルフ
    ァ合成をする画素と単純重ね書きをする画素と書き込ま
    ない画素とに分類する処理を含み、マスク値によって処
    理が分岐する高精細画像処理方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、画素の属性としてアル
    ファ合成を行なうための値を持ち、アルファ値をその画
    素に対応する原画マスクの面積比から求める処理からな
    る画像処理方法。
  10. 【請求項10】請求項8において、前記アルファ値を、
    その画素に対応する原画2値マスクの画素数から求める
    画像処理方法。
  11. 【請求項11】請求項8において、前記アルファ値を、
    原画の2値マスクからバイリニア計算を代表とする補間
    法によって求める画像処理方法。
  12. 【請求項12】請求項1において、アルファ値とマスク
    値を対応づけるテーブルを持ち、画素ごとにアルファ値
    を持つ代わりにマスク値だけを持ち、前記(c)が画素
    のマスク値からテーブルを検索してアルファ値を求め、
    この値を用いてアルファ合成を行う処理である画像処理
    方法。
  13. 【請求項13】請求項12において、アルファ値を量子
    化し、対応付けが離散化したアルファ値とマスク値で行
    われる処理からなり、マスクの数を減らすことでテーブ
    ルの検索を高速に行なう画像処理方法。
  14. 【請求項14】あらかじめ用意されたマスク付き画像を
    用いて、変換した色彩画像とそのマスク画を保存する記
    憶装置。
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