JPH05331872A - 建造物埋設部の除湿方法 - Google Patents
建造物埋設部の除湿方法Info
- Publication number
- JPH05331872A JPH05331872A JP16532792A JP16532792A JPH05331872A JP H05331872 A JPH05331872 A JP H05331872A JP 16532792 A JP16532792 A JP 16532792A JP 16532792 A JP16532792 A JP 16532792A JP H05331872 A JPH05331872 A JP H05331872A
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- Japan
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- partition wall
- building
- cathode
- anode
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来隔壁に防水層を設置したりエアコンディ
ジョナーを常時作動したりして地下室等の除湿を行って
いるが、十分な効果が達成されず経済的負担も大きかっ
た。本発明は電気浸透を利用して安価かつ確実に地下室
の除湿を行い得る方法を提供する。 【構成】 建造物埋設部の隔壁の土中側に陰極を設置し
あるいは隔壁内の鉄筋や鉄骨を陰極に接地して、該隔壁
の室内側に陽極を設置し、両電極間に継続的に微少電流
を流す。この方法によると、陽イオンに同伴する水分が
室内から除去されて隔壁を通して土中に浸透して室内が
乾燥し室内を適度な湿度に維持することができる。そし
て水分量の増減に応じて通電量も増減し常に室内を適度
な湿度範囲に維持することができる。
ジョナーを常時作動したりして地下室等の除湿を行って
いるが、十分な効果が達成されず経済的負担も大きかっ
た。本発明は電気浸透を利用して安価かつ確実に地下室
の除湿を行い得る方法を提供する。 【構成】 建造物埋設部の隔壁の土中側に陰極を設置し
あるいは隔壁内の鉄筋や鉄骨を陰極に接地して、該隔壁
の室内側に陽極を設置し、両電極間に継続的に微少電流
を流す。この方法によると、陽イオンに同伴する水分が
室内から除去されて隔壁を通して土中に浸透して室内が
乾燥し室内を適度な湿度に維持することができる。そし
て水分量の増減に応じて通電量も増減し常に室内を適度
な湿度範囲に維持することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建造物埋設部の除湿方
法、より詳細には建造物の地下室等の湿気を帯び易い個
所の湿気を前記隔壁を通して土中に電気的に浸透させて
前記地下室等を適度に乾燥させるための方法に関する。
法、より詳細には建造物の地下室等の湿気を帯び易い個
所の湿気を前記隔壁を通して土中に電気的に浸透させて
前記地下室等を適度に乾燥させるための方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】最近の都市部では土地価格の
高騰に伴い住宅用土地の狭小化を来しているが、住空間
を十分に取るために建造物の高層化が進められている。
しかしながら狭小の住宅地においては通常最高10メート
ルという高さ制限とともに北側斜線に代表される日照問
題、道路制限又は建蔽率制限等があり、目的の広さの建
造物が得られ難いという問題がある。この問題を解決す
る方法として日照に関係なく又建蔽率にも関係のない地
下室が注目を浴びており,最近ではプレハブ型の地下室
が出現するに及び、ブームの出現が予感されている。
高騰に伴い住宅用土地の狭小化を来しているが、住空間
を十分に取るために建造物の高層化が進められている。
しかしながら狭小の住宅地においては通常最高10メート
ルという高さ制限とともに北側斜線に代表される日照問
題、道路制限又は建蔽率制限等があり、目的の広さの建
造物が得られ難いという問題がある。この問題を解決す
る方法として日照に関係なく又建蔽率にも関係のない地
下室が注目を浴びており,最近ではプレハブ型の地下室
が出現するに及び、ブームの出現が予感されている。
【0003】しかしこのような利点を有する反面、地下
室は土中水分の浸透による湿気の上昇、日照のないこと
による室内の湿度上昇並びに室内の人間の呼吸に伴う湿
度上昇等主として湿気に対する問題が発生している。こ
れらの解決手段として、土中水分に対しては隔壁の壁面
に完全な防水手段を施し、室内の水分に対してはエアー
コンディショナーを作動させて除湿を行うことが提案さ
れている。しかし前者の手段では十分に機能する防水材
料が存在せず、後者についてはエアーコンディショナー
を常に作動させることは経済的負担が大きくかつ常に作
動させても完全な除湿を達成できないという欠点があ
る。しかもいずれの手段においても、壁面を十分に乾燥
させることができず壁面に黴が発生し易いという欠点が
ある。
室は土中水分の浸透による湿気の上昇、日照のないこと
による室内の湿度上昇並びに室内の人間の呼吸に伴う湿
度上昇等主として湿気に対する問題が発生している。こ
れらの解決手段として、土中水分に対しては隔壁の壁面
に完全な防水手段を施し、室内の水分に対してはエアー
コンディショナーを作動させて除湿を行うことが提案さ
れている。しかし前者の手段では十分に機能する防水材
料が存在せず、後者についてはエアーコンディショナー
を常に作動させることは経済的負担が大きくかつ常に作
動させても完全な除湿を達成できないという欠点があ
る。しかもいずれの手段においても、壁面を十分に乾燥
させることができず壁面に黴が発生し易いという欠点が
ある。
【0004】これらの手段の欠点を解決するために、隔
壁の壁面に防水層を設置することにより外部から室内へ
の湿気の浸入を抑制し、かつ該隔壁に排除孔を設置して
該排除孔を通して室内の湿気を外部に導きポンプ等によ
り排水する方法が提案されているが設備が大きくなりが
ちで特殊な材料を必要とする問題点がある。建造物の地
上部分の隔壁の除湿を行うために電気浸透を利用するこ
とは既に提案されている(英国特許明細書第1264861
号)。この方法は建造物の隔壁の壁面に電極を設置し、
地表との間に電位差を印加することにより地表から該壁
面を通して上昇してくる湿気を電気浸透により除去する
方法である。しかしこの方法は建造物の地上部分のみを
対象とししかも対極が地表であるため、埋設部分に適用
することができないという欠点がある。しかも隔壁に設
置される電極と対極である地表の距離が大きく除去され
る水分の移動距離が大きくなり除去効率も不十分となっ
ている。
壁の壁面に防水層を設置することにより外部から室内へ
の湿気の浸入を抑制し、かつ該隔壁に排除孔を設置して
該排除孔を通して室内の湿気を外部に導きポンプ等によ
り排水する方法が提案されているが設備が大きくなりが
ちで特殊な材料を必要とする問題点がある。建造物の地
上部分の隔壁の除湿を行うために電気浸透を利用するこ
とは既に提案されている(英国特許明細書第1264861
号)。この方法は建造物の隔壁の壁面に電極を設置し、
地表との間に電位差を印加することにより地表から該壁
面を通して上昇してくる湿気を電気浸透により除去する
方法である。しかしこの方法は建造物の地上部分のみを
対象とししかも対極が地表であるため、埋設部分に適用
することができないという欠点がある。しかも隔壁に設
置される電極と対極である地表の距離が大きく除去され
る水分の移動距離が大きくなり除去効率も不十分となっ
ている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、前記従来技術の欠点を解決す
るためになされたもので、建造物埋設部の隔壁の室内側
壁面から土中に向けて水分を移動させることにより室内
及び隔壁の除湿を効率的に行うための方法を提供するこ
とを目的とする。
るためになされたもので、建造物埋設部の隔壁の室内側
壁面から土中に向けて水分を移動させることにより室内
及び隔壁の除湿を効率的に行うための方法を提供するこ
とを目的とする。
【問題点を解決するための手段】本発明は、建造物埋設
部の隔壁の土中側の近傍に陰極を設置し、該壁面の室内
側に陽極を設置し、両電極間に継続的に微少電流を流す
ことを特徴とする建造物埋設部の除湿方法である。前記
隔壁に鉄筋や鉄骨が内設されている場合には該鉄筋や鉄
骨を土中側近傍に設置された陰極に接地して建造物埋設
部の隔壁の室内側に設置した陽極と接続し、両極間に微
少電流を流すようにすることができる。
部の隔壁の土中側の近傍に陰極を設置し、該壁面の室内
側に陽極を設置し、両電極間に継続的に微少電流を流す
ことを特徴とする建造物埋設部の除湿方法である。前記
隔壁に鉄筋や鉄骨が内設されている場合には該鉄筋や鉄
骨を土中側近傍に設置された陰極に接地して建造物埋設
部の隔壁の室内側に設置した陽極と接続し、両極間に微
少電流を流すようにすることができる。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。湿気の多い
個所に陽極と陰極を置き、両電極によりそれらの間に電
場を掛けて微少電流を流すと、湿気は通常陰極側に移行
する。これは、通常陽イオンの周囲に水分が存在し、電
場を掛けることによりこの水分が陽イオンとともに陰極
側に移行し、陽極側では水分が減少し実質的に乾燥状態
にすることができるからである。本発明は、この電気浸
透の原理を応用したものであり、建造物埋設部の隔壁の
室内側壁面に陽極を設置し、かつ該隔壁の土中側近傍又
は隔壁内部に陰極を設置し、両電極間に微少電流を流す
ことにより室内の陽イオンに付随する水分子を該水分子
とともに隔壁内又は隔壁を通して土中側に移行させるこ
とにより室内から除去し、室内の除湿を行おうとするも
のであり、室内から土中側に向かう電場が生じているた
め、土中の陽イオンに付随する水分が隔壁を通して室内
へ浸入することも防止される。
個所に陽極と陰極を置き、両電極によりそれらの間に電
場を掛けて微少電流を流すと、湿気は通常陰極側に移行
する。これは、通常陽イオンの周囲に水分が存在し、電
場を掛けることによりこの水分が陽イオンとともに陰極
側に移行し、陽極側では水分が減少し実質的に乾燥状態
にすることができるからである。本発明は、この電気浸
透の原理を応用したものであり、建造物埋設部の隔壁の
室内側壁面に陽極を設置し、かつ該隔壁の土中側近傍又
は隔壁内部に陰極を設置し、両電極間に微少電流を流す
ことにより室内の陽イオンに付随する水分子を該水分子
とともに隔壁内又は隔壁を通して土中側に移行させるこ
とにより室内から除去し、室内の除湿を行おうとするも
のであり、室内から土中側に向かう電場が生じているた
め、土中の陽イオンに付随する水分が隔壁を通して室内
へ浸入することも防止される。
【0007】本発明は地下に空間を有する任意の建造物
に適用することができ、その隔壁を構成する材料も従来
のコンクリートの他に近年多く使用されている発泡性軽
量コンクリート、木材の板、土等任意の材料とすること
ができ、更に隔壁の厚さも特に限定されず通常の建造物
の隔壁全てを対象とする。本発明方法において室内側で
使用する陽極は網状や板状等の金属電極を使用すること
も可能であるが、建造物の隔壁の内壁に接触又は近接さ
せて設置するという特殊性からペースト状の電極物質を
内壁に塗布して陽極を構成することが望ましい。この塗
布した電極物質上に壁紙を被覆しあるいは仕上げ塗りを
施す等して壁面とすることが好ましい。このペースト塗
布以外にも前記金属電極を内壁に接触状態で設置しその
上に壁紙を被覆して壁面を構成してもよい。この隔壁の
厚さは特に限定されないが薄過ぎると通電を継続した場
合に損傷をうけることがあるため、隔壁の厚さは5mm
以上とすることが好ましい。
に適用することができ、その隔壁を構成する材料も従来
のコンクリートの他に近年多く使用されている発泡性軽
量コンクリート、木材の板、土等任意の材料とすること
ができ、更に隔壁の厚さも特に限定されず通常の建造物
の隔壁全てを対象とする。本発明方法において室内側で
使用する陽極は網状や板状等の金属電極を使用すること
も可能であるが、建造物の隔壁の内壁に接触又は近接さ
せて設置するという特殊性からペースト状の電極物質を
内壁に塗布して陽極を構成することが望ましい。この塗
布した電極物質上に壁紙を被覆しあるいは仕上げ塗りを
施す等して壁面とすることが好ましい。このペースト塗
布以外にも前記金属電極を内壁に接触状態で設置しその
上に壁紙を被覆して壁面を構成してもよい。この隔壁の
厚さは特に限定されないが薄過ぎると通電を継続した場
合に損傷をうけることがあるため、隔壁の厚さは5mm
以上とすることが好ましい。
【0008】この陽極の対極である陰極は、隔壁の反対
面の隔壁に近い土中に埋設する。新築の場合には土中の
適所に網状金属製等の陰極を建築と同時に容易に埋設で
きるが、既存の建造物の場合には建造物の隔壁の外側の
土中に陰極特に網状金属を埋設することは比較的困難で
ある。この場合には壁面に近い壁面と土砂で繋がってい
る部分に鉄アンカー又は金属棒を配置すればよい。前述
の両電極間の通電は、非乾燥時に電流が0.001 〜1A/
dm2 、電圧が3〜5Vとなるようにし定電圧として電
流を流すことが望ましい。通電は継続して行うことが望
ましいが、湿度が低い季節などの場合には間欠的に通電
して全通電量を減少させて消費電力を節約することも可
能である。但し定電圧で電圧を印加する場合、湿度が低
い季節には電極間の抵抗が上昇するので自然に電流が流
れなくなり、消費電力を自動的に節約できるようにな
る。
面の隔壁に近い土中に埋設する。新築の場合には土中の
適所に網状金属製等の陰極を建築と同時に容易に埋設で
きるが、既存の建造物の場合には建造物の隔壁の外側の
土中に陰極特に網状金属を埋設することは比較的困難で
ある。この場合には壁面に近い壁面と土砂で繋がってい
る部分に鉄アンカー又は金属棒を配置すればよい。前述
の両電極間の通電は、非乾燥時に電流が0.001 〜1A/
dm2 、電圧が3〜5Vとなるようにし定電圧として電
流を流すことが望ましい。通電は継続して行うことが望
ましいが、湿度が低い季節などの場合には間欠的に通電
して全通電量を減少させて消費電力を節約することも可
能である。但し定電圧で電圧を印加する場合、湿度が低
い季節には電極間の抵抗が上昇するので自然に電流が流
れなくなり、消費電力を自動的に節約できるようにな
る。
【0009】前記隔壁の中には鉄筋や鉄骨等の導電性材
料が内設されたコンクリート材があり、このコンクリー
ト壁の両面に前述の通り陽極及び陰極を配置して通電す
ると、前記鉄筋等が中間の陰/陽極として機能して複極
型構造となったり陽極に近い部分は陽極として働いて電
蝕を受けることがある。これを回避するためには、前記
鉄筋等を陰極と接続し陰極を電源を介して室内側の陽極
と接続して両電極間に通電することによりこの鉄筋等を
腐蝕させることなく、かつ土中に陰極を設置する手間を
省いて室内の除湿を行うことができる。この場合に鉄筋
と壁面の陽極との距離が、土中の陰極と陽極との距離に
比較して十分に小さいと、鉄筋に電流が集中してしまい
所期の目的が十分に達成できないことが起こり得るの
で、土中陰極はできるだけ壁の近傍に設置することが望
ましい。又構造によっては前記鉄筋等を陰極と接続でき
ないことがあり、この場合には印加電圧を3V未満とす
ると実質的に前記鉄筋等に電流を流すことなく室内の陽
極と土中の陰極間に通電して室内の除湿を行うことがで
きる。このように3V以下の低い電圧でも電流値に応じ
て除湿が進行するが、この場合には陰極は壁にできるだ
け近づけて設置することが必要である。
料が内設されたコンクリート材があり、このコンクリー
ト壁の両面に前述の通り陽極及び陰極を配置して通電す
ると、前記鉄筋等が中間の陰/陽極として機能して複極
型構造となったり陽極に近い部分は陽極として働いて電
蝕を受けることがある。これを回避するためには、前記
鉄筋等を陰極と接続し陰極を電源を介して室内側の陽極
と接続して両電極間に通電することによりこの鉄筋等を
腐蝕させることなく、かつ土中に陰極を設置する手間を
省いて室内の除湿を行うことができる。この場合に鉄筋
と壁面の陽極との距離が、土中の陰極と陽極との距離に
比較して十分に小さいと、鉄筋に電流が集中してしまい
所期の目的が十分に達成できないことが起こり得るの
で、土中陰極はできるだけ壁の近傍に設置することが望
ましい。又構造によっては前記鉄筋等を陰極と接続でき
ないことがあり、この場合には印加電圧を3V未満とす
ると実質的に前記鉄筋等に電流を流すことなく室内の陽
極と土中の陰極間に通電して室内の除湿を行うことがで
きる。このように3V以下の低い電圧でも電流値に応じ
て除湿が進行するが、この場合には陰極は壁にできるだ
け近づけて設置することが必要である。
【0010】このような条件で両電極間に微少電流を流
すと、前述の通り陽イオンに同伴する水分が室内から除
去されて隔壁を通して土中に浸透しあるいは隔壁の土中
側に集中し土中に吸収されこれが繰り返されることによ
り徐々に室内が乾燥し適度な湿度に達する。水分除去が
進行すると両電極間の抵抗が増大しそれにつれて両極間
を流れる電流が減少し除去される水分量が減少して過度
の乾燥が生ずることがない。そして通電量の減少により
両極間の水分量が増加すると抵抗が増加して通電量も増
加するため除去される水分量も増えて常に室内を適度な
湿度に維持することができる。
すと、前述の通り陽イオンに同伴する水分が室内から除
去されて隔壁を通して土中に浸透しあるいは隔壁の土中
側に集中し土中に吸収されこれが繰り返されることによ
り徐々に室内が乾燥し適度な湿度に達する。水分除去が
進行すると両電極間の抵抗が増大しそれにつれて両極間
を流れる電流が減少し除去される水分量が減少して過度
の乾燥が生ずることがない。そして通電量の減少により
両極間の水分量が増加すると抵抗が増加して通電量も増
加するため除去される水分量も増えて常に室内を適度な
湿度に維持することができる。
【0011】
【実施例】次に本発明の除湿方法の一実施例を記載する
が、該実施例は本発明を限定するものではない。縦1m
横1m厚さ10cmの発泡性コンクリート板を組み合わせ
て上面が開口する立方体の箱型地下建造物の模型を作成
した。このコンクリートの外側を目開き5cm角の鋼製
網で被覆し更にその外側を同じコンクリートで囲い、2
枚のコンクリートで挟持された前記鋼製網に導線を接続
し両コンクリート間から外部に導いた。前記コンクリー
トの内面にはグラファイト粉末を30重量%含有するポル
トランドセメントモルタルを塗布し、壁面1面当たり1
本の導線をこの塗布したモルタルに接続し、モルタル中
央から外側に導いた。
が、該実施例は本発明を限定するものではない。縦1m
横1m厚さ10cmの発泡性コンクリート板を組み合わせ
て上面が開口する立方体の箱型地下建造物の模型を作成
した。このコンクリートの外側を目開き5cm角の鋼製
網で被覆し更にその外側を同じコンクリートで囲い、2
枚のコンクリートで挟持された前記鋼製網に導線を接続
し両コンクリート間から外部に導いた。前記コンクリー
トの内面にはグラファイト粉末を30重量%含有するポル
トランドセメントモルタルを塗布し、壁面1面当たり1
本の導線をこの塗布したモルタルに接続し、モルタル中
央から外側に導いた。
【0012】この模型中に湿度計を設置しかつ土中に埋
設し上面開口部をゴムシールを施したアクリル板の蓋で
覆った。前記モルタルに接続した室内側導線をプラスと
し、前記鋼製網に接続した外壁側導線をマイナスとして
3Vの電圧を印加したところ2.5 Aの電流が流れた。前
記湿度計により模型内の湿度の経時変化を測定したとこ
ろ、当初95%であった湿度が3日経過後には40%に減少
し、その後は40%前後に維持された(電流値は1.5
A)。電圧印加を停止したところ24時間後には湿度が95
%以上に戻り、壁面の一部に結露が生じていた。
設し上面開口部をゴムシールを施したアクリル板の蓋で
覆った。前記モルタルに接続した室内側導線をプラスと
し、前記鋼製網に接続した外壁側導線をマイナスとして
3Vの電圧を印加したところ2.5 Aの電流が流れた。前
記湿度計により模型内の湿度の経時変化を測定したとこ
ろ、当初95%であった湿度が3日経過後には40%に減少
し、その後は40%前後に維持された(電流値は1.5
A)。電圧印加を停止したところ24時間後には湿度が95
%以上に戻り、壁面の一部に結露が生じていた。
【0013】
【発明の効果】本発明は、建造物埋設部の隔壁の土中側
に陰極を設置し、該隔壁の室内側に陽極を設置し、両電
極間に微少電流を流すことを特徴とする建造物埋設部の
除湿方法である。この方法によると、陽イオンに同伴す
る水分が室内から除去されて隔壁を通して土中に浸透し
て室内が乾燥し室内を適度な湿度に維持することができ
る。そして室内の水分の除去が進行するにつれて両極間
の抵抗が増大して通電量が減少して水分除去量も減少
し、過度の乾燥が進行することはない。又通電量の減少
により両極間の水分量が増加すると通電量が増加するた
め除去される水分量も元のレベルに復帰し常に室内を適
度な湿度範囲に維持することができる。隔壁の中には鉄
筋や鉄骨が内設されているものがあり、このような隔壁
に対して前述の通り隔壁の両側に陽極及び陰極を設置し
て通常の条件で通電すると、前記鉄筋等が電蝕を受ける
ことがある。これを回避するためには前記鉄筋等を土中
の陰極に設置し室内側の陽極と接続して両電極間に通電
すればよい。
に陰極を設置し、該隔壁の室内側に陽極を設置し、両電
極間に微少電流を流すことを特徴とする建造物埋設部の
除湿方法である。この方法によると、陽イオンに同伴す
る水分が室内から除去されて隔壁を通して土中に浸透し
て室内が乾燥し室内を適度な湿度に維持することができ
る。そして室内の水分の除去が進行するにつれて両極間
の抵抗が増大して通電量が減少して水分除去量も減少
し、過度の乾燥が進行することはない。又通電量の減少
により両極間の水分量が増加すると通電量が増加するた
め除去される水分量も元のレベルに復帰し常に室内を適
度な湿度範囲に維持することができる。隔壁の中には鉄
筋や鉄骨が内設されているものがあり、このような隔壁
に対して前述の通り隔壁の両側に陽極及び陰極を設置し
て通常の条件で通電すると、前記鉄筋等が電蝕を受ける
ことがある。これを回避するためには前記鉄筋等を土中
の陰極に設置し室内側の陽極と接続して両電極間に通電
すればよい。
Claims (2)
- 【請求項1】 建造物埋設部の隔壁の土中側近傍に陰極
を設置し、該壁面の室内側に陽極を設置し、両電極間に
継続的に微少電流を流すことを特徴とする建造物埋設部
の除湿方法。 - 【請求項2】 建造物埋設部の隔壁の鉄骨又は鉄筋を土
中に設置された陰極と接地し、該壁面の室内側に陽極を
設置し、両電極間に微少電流を流すことを特徴とする建
造物埋設部の除湿方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16532792A JPH05331872A (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 建造物埋設部の除湿方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16532792A JPH05331872A (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 建造物埋設部の除湿方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331872A true JPH05331872A (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=15810230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16532792A Pending JPH05331872A (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 建造物埋設部の除湿方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05331872A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2005201821B2 (en) * | 2004-04-29 | 2007-02-15 | Connell Wagner Pty Ltd | A method and apparatus for reducing water damage to a structure |
US9051727B1 (en) * | 2014-07-28 | 2015-06-09 | Advanced Moisture Solutions, LLC | Reversible portable moisture removal system |
CN110130406A (zh) * | 2019-06-05 | 2019-08-16 | 福建特莱顿电渗透防水技术有限公司 | 电渗透主动防水系统及防水方法 |
-
1992
- 1992-06-01 JP JP16532792A patent/JPH05331872A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2005201821B2 (en) * | 2004-04-29 | 2007-02-15 | Connell Wagner Pty Ltd | A method and apparatus for reducing water damage to a structure |
US9051727B1 (en) * | 2014-07-28 | 2015-06-09 | Advanced Moisture Solutions, LLC | Reversible portable moisture removal system |
CN110130406A (zh) * | 2019-06-05 | 2019-08-16 | 福建特莱顿电渗透防水技术有限公司 | 电渗透主动防水系统及防水方法 |
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