JPH05329695A - 可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生方法及びそのための装置 - Google Patents

可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生方法及びそのための装置

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JPH05329695A
JPH05329695A JP4165544A JP16554492A JPH05329695A JP H05329695 A JPH05329695 A JP H05329695A JP 4165544 A JP4165544 A JP 4165544A JP 16554492 A JP16554492 A JP 16554492A JP H05329695 A JPH05329695 A JP H05329695A
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実 鈴木
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昌太郎 原野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 爆轟によるガス圧を弾圧に変換する方法及び
そのための装置を提供することを目的とする。 【構成】 燃焼室1は火炎の進行につれて断面積が一端
部1Aから次第に小さくなるように設定され、他端部1
Bでは最小通路断面積をもつ収束部が形成され、他端部
1Bの開口に、弾性体を収容せる弾圧室12が臨んでい
る。燃焼室1内の火炎は進行と共に該燃焼室の断面積が
小さくなるので圧力が上昇し、他端部1Bではきわめて
高い圧力となる。この高圧は弾圧室12内の流体25を
経由して弾性体19に伝達される。弾圧室12には成形
室13が連通して設けられ、該成形室13内に被成形部
材Pを支持する成形用金型16が収容されている。上記
弾圧室12の形状・寸法あるいは弾性体の物性が適宜変
更可能となっている。また、上記弾圧室12内の弾性体
19は、流体25に圧力を加えることにより変形し、被
成形部材Pに密着する構造となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は簡便かつ効率よく所望波
形の衝撃弾圧を繰り返し得ることのできる可変圧力媒体
を用いた爆轟弾圧発生方法及びそのための装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】本発明が対象とする技術に比較的近い衝
撃高圧発生法として衝撃液圧発生技術が知られている。
【0003】従来、衝撃液圧発生技術として知られてい
る手法は次のごとくである。
【0004】例えば、先ず第一に、加圧用の水等の液体
中に弾丸を打ち込んで、衝撃液圧を液体中に発生させ、
その圧力を板材等の部材に印加して該部材を金型へ圧し
て三次元成形せんとする衝撃液圧発生装置が特開平01
−157725号にて提案されている。
【0005】また、第二には、水中で爆薬を燃焼させる
ことによって衝撃水圧を発生せしめ、その圧力で薄板の
三次元成形を行う爆発成形装置も知られている。この装
置は主として大型部品の成形に利用されている。
【0006】さらには第三として、容器に収容された加
圧用の液体の液面に、ガス圧等により高速に加速された
ピストンを衝突させることにより衝撃液圧を発生させる
こととした装置も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第一ないし第三の装置による衝撃液圧発生の手法にあ
っては、共通のあるいはそれぞれ固有の問題を次のごと
く有している。
【0008】1.液圧室の形状または寸法は、エネルギ源
(爆薬、高速飛翔体)の挙動を考慮して決定する必要が
あり、自由度がかなり小さいこと。
【0009】2.圧力の持続時間が長く、かつ液圧室内の
比較的広い範囲にわたって同時に衝撃圧力が加わるこ
と。
【0010】3.危険性を伴うために、設置場所の制約ま
たは安全性の配慮が必要であること。
【0011】4.到達圧力の大幅な変更が難しいこと。
【0012】5.液圧室内で発生した圧力波の一部しか有
効利用されないこと(エネルギの利用効率が低いこ
と)。
【0013】6.液圧室内壁や被加工面で生成した反射波
を積極的に有効利用できる構造となっていないこと。
【0014】7.圧力媒体としての液体の使用量が多いこ
と。8.圧力媒体としての液体自身の蒸気圧以下に真空引
きできないこと。
【0015】9.加工物が圧力媒体としての液体と直接接
触するため、加工後、加工物表面に付着した該液体を除
去しなければならない場合があること。
【0016】10.繰り返し運転に適さないこと。
【0017】11.装置の構造が複雑であるため、保守、
点検あるいは分解掃除などの作業がやりにくいこと。
【0018】すなわち、上述の第一の手法にあっては、
1.,3.,4.,6.,8.,10.そして11.、第二の手法で
は1.〜7.そして10.、第三の手法では1.〜3.,6.,8.
〜11.の欠点を有している。
【0019】本発明は、上述の従来技術における諸問題
を解決し、安全でかつ確実に衝撃弾圧を繰り返し発生さ
せるための方法及び及びそのための装置を提供すること
を目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、爆轟弾圧発生方法に関し、可燃性混合気を着火す
ることにより発生するデトネーション波をその進行と共
に収束し、収束部で得られる高圧を直接もしくは交換可
能な膜体を介して流体に伝達して圧力波に変換し、さら
に該圧力波を、予め最終受圧面に密着するように押し付
けられた弾性体に伝達して、弾圧に変換することにより
達成される。
【0021】また、上記方法を実施するための装置は、
一端部から他端部へ向け断面積が小さくなる燃焼室と、
燃料の供給を受け点火栓が配設された着火室と、着火室
から分岐して延び上記燃焼室の一端部へ連通する路程の
等しい複数の誘導路と、上記燃焼室の最小断面積部たる
他端部の開口に接続されかつ内部に流体を収容せる弾圧
室と、該弾圧室と該燃焼室との連通部に交換可能に設置
された膜体と、該弾圧室の最終受圧部に配された変形可
能なゴム状の弾性体と、該弾圧室内の流体の圧力を調整
するための圧力調整装置と、該流体の出し入れを容易に
するためのエアーベントと、最終受圧面に連通する真空
装置とを備えたことにより得られる。
【0022】かかる本願発明では、上記弾圧室におい
て、燃焼室と接続される開口部のノズル径を変更できる
構造とし、弾性体を収納する容器の形状・寸法を最終受
圧面に合った形状(例えば円錐・角錘等)・寸法にし、
かつ容器内の弾性体の物性値を変更することにより用途
に適合する種々の弾圧発生パターンが得られる。
【0023】一方、上記弾圧室内の流体が交換可能な膜
体を介して燃焼室内のガスと接しているようにするなら
ば、必要に応じて該膜体のみを交換することが可能とな
る。
【0024】なお、上記の場合、燃焼ガスと膜体との間
に水が溜るようにするか又は拡散ノズルを設置すること
により、該膜体の寿命を延ばすことが可能となる。
【0025】また、最小通路断面積部にて燃焼ガスと弾
圧室内の流体、膜体又は水とが接するようにすると、常
時、燃焼ガスから弾性体への圧力波の透過率を最大に維
持することが可能となる(燃焼ガスの圧力が高いほど該
透過率が高くなる)。
【0026】また、該最小通路断面積部から下流におけ
る通路断面積が連続的に増加または一定となる側壁が設
置されているようにすると、内壁面の不連続部(エッジ
部)での新たな衝撃波の生成等の現象が起こらず、衝撃
波の伝播に伴う壁面でのエネルギ損失を小さく抑えるこ
とが可能となる。
【0027】また、該通路断面積の増加率が単調に増加
するように弾圧室の壁面形状を設定した場合(例えば、
弾圧室形状を下流に向け拡がる円錐形に設定した場
合)、弾圧室内を伝播する衝撃波前面はほぼ球面形状を
維持したまま伝播することになる。そして、例えば、弾
圧室の加工位置に水平に被加工用薄板を設置すると、衝
撃波が球面波であるために、この板に対して、中央部か
ら外周部に移動する衝撃荷重を付加することが可能とな
る。一方、衝撃波の伝播方向に対して該通路断面積を連
続的に増加後に該断面積が一定値となるように設定した
場合には、断面積が一定な部分において、壁面との干
渉、衝撃波面内でのエネルギ交換などが起こり、衝撃波
は球面状から平面状に交換される。そして、この場合、
例えば弾圧室の加工位置に水平に設置された被加工板に
対しては、板全面に同時に衝撃荷重を付加することが可
能となる。
【0028】さらに、弾圧室内の流体が膜状の弾性体を
介して最終受圧面に接するようにすると、該流体が該最
終受圧面に直接接触することはなく、かつ弾圧室内への
該流体の注入作業を加圧下で実施したり、あるいは該最
終受圧面を成す部品などの取付・取外し作業と該注入作
業とを並行して実施することも可能となる。したがっ
て、ハンドリングが容易となり、かつ本装置の運転サイ
クルタイムを短縮することが可能となる。なお、該弾性
体の一部又は全部が交換できる構造になっていれば、該
弾性体が損傷した場合にも必要最小限の部品交換で復旧
できる。
【0029】なお、上で述べた弾圧室を設置した場合、
衝撃波が加工面に衝突した際に生成された反射波は、逆
戻りしてノズル部まで収束したのち燃焼室側の開放端
(ノズル部)で反射し、再度加工面に向かって伝播する
ため、反射波を再加工用として有効利用することが可能
となる。すなわち、加工物からの不均一な反射波を一箇
所に集めることによって、新たな衝撃波を再生し、これ
を加工用の波として利用することが可能となる。
【0030】ところで、弾圧室内に設置する流体とし
て、粘塑性体(例えば、シリコンポリマー(信越化学株
式会社製))を採用すると、粘塑性体の特徴として、変
形速度が遅い場合流体的挙動を示すため、該流体の注入
作業が容易である上に、圧力波伝播時に該粘塑性体の弾
性が著しく増加するため、最終受圧面において立ち上が
りが急峻でかつ圧力持続時間の短いスペクトル状の圧力
波形が得られ、脆性材料の打抜き加工や薄板のリストラ
イキング(最終成形)に有効な波形となるばかりではな
く、最終受圧面に接するゴム状弾性体の過大な変形を抑
制することができ、その結果、該弾性体の寿命を延ばす
ことができる。
【0031】また、弾圧室内の弾性体と最終受圧面との
間の空間を真空引きした後に弾圧室内の流体を加圧して
該弾性体を該最終受圧面に押し付けるようにすると、該
空間内に気体が閉じ込められにくくなり、その結果、該
弾性体と該最終受圧面との空間の真空引き時間が短くて
済むと共に、該弾性体と最終受圧面との密着度を高める
ことが可能となる。その結果、短時間で繰り返し弾圧を
発生させることが可能となる。
【0032】また、燃焼室と弾圧室内の流体とが膜体を
介して分離されていれば、両室に関する準備作業を互い
に並行して実施することが可能であり、運転に必要なサ
イクルタイムを短くすることが可能となる。
【0033】
【作用】かかる本発明において、爆轟弾圧の発生は次の
要領で行われる。
【0034】先ず、最終受圧面を含む部品及びこれを
支持する部品を弾圧室に取り付ける。
【0035】弾性体と最終受圧面との間の空間を真空
引きする。
【0036】弾圧室内の流体を加圧し、弾性体と最終
受圧面とを密着させる。
【0037】互いに連通せる燃焼室、誘導路そして着
火室にほぼ理論混合比の可燃性ガスを充填する。
【0038】次に、着火室にて着火を行う。
【0039】着火すると火炎は爆轟(デトネーショ
ン)により誘導路を経て燃焼室内を進行する。その際、
各誘導路は等しい路程となっているので、燃焼室の一端
部には各誘導路を経由して伝播してきた火炎が同時に到
達する。
【0040】燃焼室では、上記火炎は他端部に向け伝
播するが、燃焼室はその通路断面積が他端部に向け減少
するので、火炎の圧力は上昇し他端部にて最大値にな
る。該他端部の開口には弾圧室が直接もしくは膜体又は
水・膜体を介して接続されて流体の端面が該開口に臨ん
でいるので、上記圧力は弾圧室内の流体及びこれに接し
ている弾性体に伝達される。その場合、最小通路断面積
部となる他端部より下流に形成される弾圧室の形状・寸
法そして流体又は弾性体の物性の変更等により上記弾圧
のパターンを被加工物に適した形に変えることができ
る。
【0041】上記弾圧室内の弾性体内の圧力波が最終
受圧面に到達し、弾圧が発生する。
【0042】弾圧を複数回発生させる場合には〜
を繰り返す。
【0043】
【実施例】以下、添付図面にもとづいて本発明の実施例
を説明する。
【0044】図1は本発明の一実施例装置の縦断面図で
ある。図において、1は燃焼室で、下方に向け円錐状を
なし横断面における通路断面積は上端部1Aで最大、下
端部1Bで最小となって収束部を形成するようになって
いる。
【0045】上記燃焼室1の上端部1Aの内壁はやや上
方に弯曲形成せられ、ここに複数の孔状の誘導路2が連
通している。該複数の誘導路2は上方にて、円板空間状
の分散室3に集束せられている。該分散室3には上方に
延びる着火室4が連通接続されている。そして、該着火
室4の上部には、着火装置6により作動する点火栓5が
設けられていると共に、流量計7,8を経て燃料供給源
9、酸化剤供給源10がそれぞれ接続されている。な
お、11は着火室4内の圧力を確認するための圧力計で
ある。
【0046】上記燃焼室1の下端部1Bは開口されてお
り、ここに弾圧室12が接続され、そしてその直下に弾
圧使用の一例として成形装置13が設けられている。該
弾圧室12及び成形装置13の詳細は図2に示されてい
る。上記弾圧室12には圧力媒体としての流体25、弾
性体19及び膜体18が収容されているが、その端面は
上記燃焼室1の下端部1Bに直接面していてもよい。た
だし、この場合、燃焼室側と弾圧室側の操作を並行して
行うことはできず、常に弾圧室側の操作完了後に燃焼室
側の操作を行う必要があり、弾圧室内の弾性体への加圧
は流体25を介して燃焼室1の内圧を上げることにより
成される。
【0047】上記成形装置13は内部に、上面が成形用
の三次元形状をもった金型16を交換可能に収容してい
る。該成形装置13は必要に応じ、上記弾圧室12との
間にて、例えば両者のフランジの間で成形を受けるべき
板材等Pの周縁を保持することもできる。上記成形装置
13には、上記金型16を貫通してその上部空間に連通
して該空間を真空とするための真空ポンプ装置17が接
続さている。該真空ポンプ装置17は着火室4及び板材
Pと弾性体19との間の空間にも接続されている。
【0048】かかる本実施例装置において、高圧弾圧の
発生そしてこれを利用した成形は次のごとくになされ
る。
【0049】先ず、成形すべき板材Pが金型16上に
セットされる。
【0050】次に、真空ポンプ装置17によって着火
室4、分散室3、誘導路2そして燃焼室1内が所定の真
空度とされる。また、これと同時に金型16と板材Pと
の間の空間及び板材Pと弾性体19との間の空間も同様
に所定の真空度となるように吸引される。その後、圧力
調整装置15により、流体25に圧力を加え、弾性体1
9を変形させると共に板材Pに密着させる。ここで、2
3は流体25の圧力を、24は板材Pと弾性体19との
間の空間の圧力を、それぞれ確認するための圧力計であ
る。なお、14は弾圧室内の空気を排出するためのエア
ーベントである。
【0051】しかる後、着火室4、分散室3、誘導路
2そして燃焼室1内には、ほぼ理論混合比の可燃性ガス
が、燃料供給源9、酸化剤供給源10により充填され
る。
【0052】かかる設定の完了後、着火装置6によっ
て点火栓5を作動させる。着火室4内では着火により爆
轟が起こりその火炎が分散室3そして誘導路2を経て燃
焼室1の上端部1Aに伝播される。その際、複数の誘導
路2の路程はそれぞれ等しく設定されているので、複数
の誘導路2の火炎は同時に上記上端部1Aに達する。
【0053】燃焼室1内では火炎は上端部1Aから下
端部1Bへと進行するが、燃焼室1の断面積は下方に向
け次第に小さくなっているために、その圧力は上昇し下
端部1Bではきわめて高圧となる。
【0054】上記燃焼室1の下端部1Bの開口部に
は、交換可能なノズル12’がセットされ弾圧室12内
の流体25の端面(液面)が膜体18を介して臨んでい
るため、上記高圧は該端面から流体25を経由して弾性
体19へと伝播され、板材Pが突き飛ばされると共に金
型16に衝突することにより成形が行われる。
【0055】しかる後、成形品としての板材をとり出
すと共に、上記〜の工程を繰り返すことによって、
次々と成形を行うことができる。
【0056】なお、本実施例では高圧弾圧の利用方法と
して金型による成形を挙げたが、他の種の加圧、あるい
は駆動源等としての他の分野においても広く利用可能で
ある。
【0057】本発明においては、燃焼室に充填する可燃
性混合ガスの充填圧(量)または混合比によって衝撃圧
力の変更が可能であるが、弾圧室内でも弾圧の発生パタ
ーンを制御することができることは既述の通りである。
例えば、弾圧室の形状・寸法(例えば上述のにおける
ノズルの交換)そして弾性体の物性の変更によって種々
のパターンが被加工材に適合するように変えられる。こ
れらの変更要因のうち代表的なものに関しその影響につ
いて以下、詳述する。
【0058】(A)開口部のノズル径の影響 燃焼室におけるデトネーション波又は衝撃波は性質上、
数回収束を繰り返しており、収束するごとに収束中心部
で衝撃超高圧が発生する。このときの圧力の値は収束中
心に近づくほど高い値を値を示すため、弾圧室内で発生
する衝撃圧の値は、ノズル径が小さい程高い圧力が得ら
れる。図3はノズル径が比較的小さい場合の弾圧波形を
示す図である。ノズル径を小さく設定することによっ
て、ピーク圧が高くかつ持続時間の短い波形となり、高
圧が数回繰り返し発生する。逆にノズル径を大きくする
と、図4に示すように、ピーク圧が低く持続時間の長い
波形が発生する。なお、この場合には、圧力波の繰り返
し回数は図3の場合より少なくなる。
【0059】(B)開口部から被加工物までの距離の影
響 衝撃波が流体及び弾性体中を伝播する場合、到達圧力は
到達距離(図1中のL)の関数となる。例えば、流体が
水の場合、従来の研究によると、次式のように到達圧力
は到達距離の約1.2 乗に反比例する。
【0060】Pmax ∝1/L1.2 ここでPmax は到達圧力、Lは到達距離である。し
たがって、開口部から被加工物の距離を任意に変更可能
な構造を採用することにより、加工面での到達圧力を任
意に設定可能となる。
【0061】(C)弾圧室内の圧力媒体の物性の影響 弾圧室内の加工面で得られる衝撃波の性状は、圧力媒体
としての流体及び弾性体の物性に強く依存する。すなわ
ち、密度または音速の値が高い圧力媒体を用いるとピー
ク圧が高く、持続時間が比較的短い波が得られ、密度ま
たは音速の値が低い圧力媒体を用いるとピーク圧が低
く、持続時間が比較的長い波が得られる。
【0062】(D)弾圧室の形状の影響 衝撃弾圧発生部(本実施例の場合、ノズル部となる)の
形状や寸法については、従来の液圧発生法では自由度が
殆どないのが実状であり、これに伴って、衝撃液圧の発
生パターン(ピーク圧、持続時間など)の選択の自由度
もかなり狭い。
【0063】本発明の場合、従来の衝撃液圧発生法と異
なり、弾丸やピストン、あるいは爆薬などを使用しない
ため、弾圧室の形状の選択の自由度が大きい。
【0064】かくして、前述の弾圧室形状を採用するこ
とにより、以下の利点を得る。
【0065】弾圧室を末広形状に設定し、かつ末端に
被加工物を設置することにより、加工に関与しない衝撃
波の発生を最小限に抑えることができる(例えば、従来
の水中爆発成形では、爆薬の爆発エネルギが360°方
向に分散するように配設されている場合が多く、エネル
ギの利用効率がかなり低い)。
【0066】加工終了後被加工面で発生した反射波が
一箇所に集まるように弾圧室形状を設定することによ
り、反射波を再生・強化し、加工用として再度伝播させ
ることが可能となる(乱れた波であっても、一箇所に集
めると、高強度の波として再生可能)。
【0067】弾圧室を円錐状に設定することにより、
均一な球面衝撃波を生成可能となる。
【0068】円錐状の弾圧室の下流側に厚みを任意に
変更可能な円筒状の弾圧室を追設することにより、球面
波から平面波に至る任意の曲率からなる衝撃波が生成可
能となる(従来技術では一つの装置では一種類の衝撃波
(液圧)発生パターンしか選択できない)。
【0069】弾圧室内において、衝撃波伝播方向に垂
直な壁面がない(加工部を除く)ため、衝撃波による弾
圧室関連部品へのダメージを小さく抑えることができ
る。
【0070】一方、弾圧室内の圧力媒体として流体・弾
性体共用の形状可変形式のものを採用することにより、
以下の利点を得る。
【0071】被加工物の表面(受圧面)形状に対する
適合性(なじみ性)が大きく圧力媒体と被加工物との密
着性の確保が容易である。
【0072】外部操作により、被加工物と圧力媒体と
の密着度を調整できるため、被加工物を取り付けたまま
複数回加工が可能となる。
【0073】圧力媒体としての流体が弾性体を介して
被加工物表面に接しているため、穴の明いた被加工物の
場合にも適用可能となる。従来の衝撃成形の場合には、
圧力媒体として水を使用するため、穴埋め又は水洩れ用
シールなどの作業が加わるため、被加工物をセットする
のにかなりの時間がかかる。
【0074】同一の被加工物に対して取り付けたまま
複数回のショットが可能であるため、被加工物に一度に
過大な衝撃を与えることなく、ソフトな衝撃の繰返しで
大変形加工が可能となる。
【0075】弾性体にて、弾圧室と加工室とが分離可
能であるため、両室に関する操作を互いに並行して行う
ことが可能となり、その結果、運転サイクルタイムを短
くできる。
【0076】圧力媒体としての流体のハンドリング量
は、最初の注入作業時を除くと、弾性体の変形に要する
量のみとなり、と同様、短時間での繰返し運転が可能
となる。
【0077】圧力媒体としての流体を閉ループ内で作
用させることが可能であり、該ループ内への不純物の混
入や絶対量の減少の問題を回避させることが可能であ
る。したがって、該流体として、水だけではなく、高価
な流体(例えば粘塑性体)の採用も可能となる。
【0078】次に、図5にもとづき、本発明の第二実施
例装置を説明する。なお、図において、図1に示した前
実施例装置と共通部分には同一符号を付してその説明は
省略する。
【0079】本実施例では、燃焼室1’は半径方向に拡
がる横型に形成されている。該燃焼室1’は下方にふく
らむ略球面の一部の上壁面によって中心に向かって、そ
の通路断面積が減ずる形になっている。
【0080】かかる本実施例装置によれば、装置寸法を
高くできない場合に都合がよい。作用に関しては、前実
施例の場合と同様であり、火炎は、誘導路2から燃焼室
1’の一端部たる周囲部1A’に到達した後、他端部た
る中心部1B’に向かって進行する。その進行の際、通
路断面積の減少に伴い圧力はきわめて高くなる。そし
て、その高圧は弾圧室12内の圧力媒体に伝達され成形
装置13にて板材Pを突き飛ばして金型16に衝突させ
て成形が行われる。
【0081】
【発明の効果】本発明は以上のごとく構成されるので、
その方法にあっては、従来の方法に比して、ハンドリン
グが簡単、安価、かつ容易に立上りが急峻で特性の優れ
た衝撃弾圧が連続的に得られると共に、弾圧室の形状・
寸法及び収容する弾性体の物性値を変更することによ
り、弾圧を被加工物に適合した種々のパターンに制御で
きるという効果を得る。
【0082】また、本発明装置によれば、従来の弾丸打
込式、爆発方式のように火薬を用いないため、設置上の
制約を受けない装置となり、また、同一の被加工物に対
して又は形状の異なる複数の被加工物に対して連続的に
衝撃弾圧を発生させることができるようになるという効
果を得る。そして、容易かつ安全に衝撃弾圧を得ること
ができるので、加工分野等の広い工業分野での本格的な
応用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例装置の縦断面図である。
【図2】図1装置の弾圧室と成形装置の部分を示す拡大
断面図である。
【図3】図1装置における一つのノズルによる弾圧波形
図である。
【図4】図1装置における他のノズルによる液圧波形図
である。
【図5】本発明の第二実施例装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室 1’ 燃焼室 1A 一端部 1’A 一端部 1B 他端部 1’B 他端部 2 誘導路 4 着火室 5 点火栓 12 弾圧室 12’ ノズル 13 成形装置 16 金型 18 膜体 19 弾性体 25 圧力室用流体

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性混合気を着火することにより発生
    するデトネーション波をその進行と共に収束し、収束部
    で得られる高圧を直接もしくは交換可能な膜体を介して
    流体に伝達して圧力波に変換し、さらに該圧力波を、予
    め最終受圧面に密着するように押し付けられた弾性体に
    伝達して、弾圧に変換することとする可変圧力媒体を用
    いた爆轟弾圧発生方法。
  2. 【請求項2】 弾圧室内の流体の圧力と、弾性体と最終
    受圧面との隙間における圧力との差圧により、該弾性体
    と該最終受圧面との密着度を調整することとする請求項
    1に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生方法。
  3. 【請求項3】 弾性体と最終受圧面との密着度を調整し
    ながら繰り返し爆轟弾圧を発生させることとする請求項
    2に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生方法。
  4. 【請求項4】 一端部から他端部へ向け断面積が小さく
    なる燃焼室と、燃料の供給を受け点火栓が配設された着
    火室と、着火室から分岐して延び上記燃焼室の一端部へ
    連通する路程の等しい複数の誘導路と、上記燃焼室の最
    小通路断面積部たる他端部の開口に接続されかつ内部に
    流体を収容せる弾圧室と、該弾圧室と該燃焼室との連通
    部に交換可能に設置された膜体と、該弾圧室の最終受圧
    部に配された変形可能なゴム状の弾性体と、該弾圧室内
    の流体の圧力を調整するための圧力調整装置と、該流体
    の出し入れを容易にするためのエアーベントと、最終受
    圧面に連通する真空装置とを備えた可変圧力媒体を用い
    た爆轟弾圧発生装置。
  5. 【請求項5】 弾圧室内の一部又は全部に、圧力波の伝
    播特性が段階的又は連続的に変化せる媒体を収容してい
    ることとする請求項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆
    轟弾圧発生装置。
  6. 【請求項6】 弾圧室内のゴム状弾性体の一部又は全部
    が交換可能であることとする請求項4に記載の可変圧力
    媒体を用いた爆轟弾圧発生装置。
  7. 【請求項7】 燃焼室の最小通路断面積部に交換可能な
    ノズルが設置されていることとする請求項4に記載の可
    変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生装置。
  8. 【請求項8】 弾圧室内の流体が交換可能な膜体を介し
    て燃焼室内のガスと互いに接するように配設されている
    こととする請求項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟
    弾圧発生装置。
  9. 【請求項9】 燃焼室内のガスが、燃焼前に既に残留し
    ていた燃焼生成物としての水、あるいは新たに給水装置
    から供給された水を介して弾圧室内の膜体と互いに接す
    るように配設されていることとする請求項4に記載の可
    変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生装置。
  10. 【請求項10】 最小通路断面積部にて燃焼ガスと膜
    体、圧力媒体としての流体、又は燃焼生成物としての水
    とが互いに接するように配設されていることとする請求
    項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生装置。
  11. 【請求項11】 最小通路断面積部から下流側の弾圧室
    内壁は、通路断面積が連続的に増加もしくは一定である
    ように配設されていることとする請求項4に記載の可変
    圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生装置。
  12. 【請求項12】 燃焼室の最小通路断面積部と弾圧室と
    の間に、燃焼ガスの温度又は圧力を緩和又は平均化させ
    るための末広型ノズルが配設されていることとする請求
    項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生装置。
  13. 【請求項13】 弾圧室内の流体として、変形速度の増
    加に伴って弾性が増加する粘塑性体が用いられているこ
    ととする請求項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟弾
    圧発生装置。
  14. 【請求項14】 弾性体と最終受圧面との間の空間を真
    空装置にて真空引きした後、圧力調整装置にて弾圧室内
    の流体に圧力を加えることとにより弾性体と最終受圧面
    とを密着させ、その後一回又は複数回弾圧を発生させる
    ための着火操作が行われるように設定された制御回路を
    有することとする請求項4に記載の可変圧力媒体を用い
    た爆轟弾圧発生装置。
  15. 【請求項15】 弾圧室内の弾性体は、最終受圧面を成
    す部品又はこれを支持する部品と独立に設置されている
    こととする請求項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟
    弾圧発生装置。
  16. 【請求項16】 最終受圧面と接する弾性体の一部又は
    全部の表面形状が、予め該最終受圧面の表面形状と一致
    するか又はこれに近い形状となっていることとする請求
    項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生装置。
  17. 【請求項17】 弾圧室内の流体に圧力を加えて弾性体
    を変形させることにより、該弾性体の一部又は全部が最
    終受圧面に密着するように配設されていることとする請
    求項4に記載の可変圧力媒体を用いた爆轟弾圧発生装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116337656A (zh) * 2023-05-26 2023-06-27 中国空气动力研究与发展中心超高速空气动力研究所 一种可控气态爆轰超压模拟装置及实验方法

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