JPH05329119A - 医療用カテーテル式流量計 - Google Patents

医療用カテーテル式流量計

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JPH05329119A
JPH05329119A JP4137189A JP13718992A JPH05329119A JP H05329119 A JPH05329119 A JP H05329119A JP 4137189 A JP4137189 A JP 4137189A JP 13718992 A JP13718992 A JP 13718992A JP H05329119 A JPH05329119 A JP H05329119A
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blood
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冠動脈などの血流量を正確に測定する。安価
な流量計とする。 【構成】 PTCA用ガイドワイヤーを利用する。これ
は、ステンレス製のコイル7の先端に金のチップ1を設
ける。このチップ1にコイル7内の芯線を接続する。こ
の芯線は、ベリリウム青銅製とし、コイル7とともに熱
電対4を構成する。この熱電対4を介して高周波加熱す
る。チップ1の温度は、熱電対4の熱起電力から計測す
る。このとき、コイル7が高周波をダンピングする。チ
ップ1が到達する平衡温度から血流量が求まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用カテーテル式流
量計に係わり、特に、熱的効果により血液などの体液流
量を測定するものに関する。
【0002】
【従来の技術】体液、例えば血液の流量を測る技術に
は、直接法と間接法とがあり、両者とも種々のものがあ
る。現在、最も信頼性が高いのは、電磁血流量計を使う
直接法である。これは、血液が導電性を有することを利
用するもので、血管のまわりにコイルを巻き付けて、血
流の方向と直交する磁界をかける。すると、電磁誘導に
より血液中に起電力が誘起されるが、この起電力を血流
の方向および磁界の方向と直交させて配された一対の電
極により検出し、検出された起電力から血流量を演算す
る。しかしながら、この方法は、血管を引き出さなけれ
ばならず、外科的な手術のときにしか使えない。
【0003】一方、間接法の中心は、超音波血流量計を
使うものである。これは、生体外から血液へ超音波を発
射し、血液からの反射波を受信する。この反射波は、血
流によるドップラー効果で、発射された超音波と周波数
が異なったものになる。そこで、この周波数の変化に基
づいて、血流量が求められる。しかしながら、この間接
法では、生体中のどこの血流量を測っているのかが明確
にはわからない。そのため、胎児などの心音を聞くのに
使われたり、動脈の位置を知るのに使われたりする。さ
らに、超音波センサーと演算用のコンピューターとを組
み合わせた装置はきわめて高価である。また、間接法に
用いられる超音波センサーは、数cmと大きいが、現在、
3mm径の超音波センサーが実用化されており、この超音
波センサーをカテーテルに設けて、直接法により血流量
を測ることも可能にはなっている。しかし、このような
カテーテルは高価であり、また、超音波センサーが大き
いため、例えば冠動脈などは、カテーテルにより塞がっ
てしまい、血流量をもとより測りようがない。
【0004】また、間接法には、レーザードップラー血
流量計を使うものもある。これは、原理的には、超音波
血流量計と同様のものである。しかし、間接法では、耳
たぶや指などの末梢の、レーザー光が透過できる組織中
の血流量を測れるのみであり、それ以外の血管中の血流
量は測れない。しかし、レーザードップラー血流量計
は、理論的には、光ファイバーを用いて非常に細くで
き、カテーテルに組み込んで、直接法により血流量を測
ることも可能である。しかしながら、レーザードップラ
ー血流量計は、コスト面で不利である。
【0005】さらに、一般的な流量計として熱式流量計
がある。そのうち熱線流量計は、抵抗体に電流を通じて
熱を発生させ、これが流体の流れにより冷却されるとき
の温度変化から、流量を求めるものである。このように
流体に熱を与えたときの温度変化から流量を計測するこ
とは、医療用では、スワンガンツ式サーモダイリューシ
ョン(熱希釈)カテーテルとして広く応用されている。
これは、例えば心臓内の血流量を測る場合、カテーテル
を介して、10cm3 程の4℃の冷水を心臓内に注入し、カ
テーテルに設けられたサーミスターにより肺動脈先端の
温度を計測する。この温度変化の積分値から血流量が求
められる。より詳しく説明すると、サーモダイリューシ
ョンカテーテルは、バルーンが先端部に設けられ、その
後方に小さいサーミスタが埋め込まれた構造になってい
る。そして、大体右手の脇の静脈よりカテーテルを挿入
して送り込んでいくと、カテーテルの先端部は、心臓の
右房に入る。この右房でバルーンを膨らませると、この
バルーンが血流により流れて右室より肺動脈に入り、こ
の肺動脈にカテーテルが詰まる。ここで、バルーンを縮
めて固定すると、カテーテルの側面にあってバルーンの
先端より約30cm後ろにある注入孔が右室に位置すること
になる。つぎに、この注入孔へ4℃の冷水を10cm3 注入
すると、この冷水が右室に噴き出て右室内の血液と混ざ
り、この右室内の血液の温度が下がる。つぎの心拍で右
室から押し出された冷たい血液がサーミスターを流れる
が、このサーミスターにより測定される温度は、図11
に示すような、熱希釈曲線と呼ばれる変化を示す。この
熱希釈曲線から血流量が求められる。なお、前述のよう
に大量の低温の冷水を注入するのは、心臓の血流量の測
定に大量の熱量変化が必要なためである。すなわち、心
臓は、拍動のために流量測定に1秒程度必要であり、心
拍出量の範囲が1〜10リットルであるが、このような場
合には、流量測定に大量の熱量変化が必要となる。しか
し、このような従来のサーモダイリューションカテーテ
ルは、超音波血流量計やレーザードップラー血流量計よ
りも安価にできるものの、やはり高価であり、また、冷
水を注入する手間がかかる。何より、誤差が大きくな
り、血流量を正確に測定できない。さらに、最近測定の
要求が強い冠動脈の血流量をうまく測定できない。これ
は、冠動脈の血管の径が3mm位であって細いのに対し
て、サーモダイリューションカテーテルはあまり小さく
できないためである。なお、冠動脈の血流量は毎分1〜
100cm3 の範囲で、通常、毎分20〜30cm3 位である。
【0006】従来、冠動脈の血流量を測ろうとする場合
には、コロナリーサイナスモニターという方法が採られ
ている。この方法では、2本のサーミスターの付いた8
Fのカテーテルを冠動脈の入口の太い部分の血管に入れ
た後、ポンプにより冷水を毎分15cm3 程注入する。そし
て、サーミスターにより検出される温度が一定の平衡値
に達するまでの時間から血流量を求める。しかし、この
ようなコロナリーサイナスモニターでは、用いられるカ
テーテルが高価なものとなり、また、測定に時間がかか
るとともに、血流量を正確に測れない。何より、冠動脈
の入口の部分の血管で血流量を測るので、本当に知りた
い病変部への血流量はわからない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
血流量の測定方法には、それぞれ種々の問題があった。
まず電磁血流量計は、外科的な手術のときにしか使えな
い。また、超音波血流量計は、高価であるとともに、カ
テーテルに設けても、これを細くできないため、細い血
管では血流量を測れない。また、レーザードップラー血
流量計は、高価である。さらに、従来のサーモダイリュ
ーションカテーテルは、冷水を注入する手間がかかると
ともに、血流量を正確に測定できず、また、冠動脈のよ
うな細い血管では血流量を測れない問題があった。
【0008】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、太い血管でも細い血管でも血流量を簡単
にかつ正確に測定できるとともに、安価にできる医療用
カテーテル式流量計を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の医療用
カテーテル式流量計は、前記目的を達成するために、カ
テーテルと、このカテーテルの先端部に設けられた測温
部と、この測温部に既知量の熱エネルギーを電気エネル
ギーから変換して与える加熱手段と、前記測温部の温度
変化を電気的に計測する温度計測手段とを備えたもので
ある。
【0010】さらに、請求項2の発明の医療用カテーテ
ル式流量計は、前記温度計測手段が、熱電対からなり、
前記加熱手段が、前記熱電対と、この熱電対に高周波電
圧を印加する高周波発生器とからなり、この高周波発生
器による高周波電圧と前記熱電対の熱起電力とを分離す
る信号分離器を備えたものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明の医療用カテーテル式流量計で
は、血液などの体液の流量を測定するとき、カテーテル
を生体内に挿入した上で、加熱手段により、カテーテル
の先端部の測温部に既知量の熱エネルギーを電気エネル
ギーから変換して与える。そして、温度計測手段によ
り、測温部の温度変化を電気的に計測して、体液の流量
を求める。
【0012】さらに、請求項2の発明の医療用カテーテ
ル式流量計では、高周波発生器から熱電対に高周波電圧
を印加して、測温部に熱エネルギーを与える。熱電対
は、測温部の温度に対応した起電力を生じるが、信号分
離器により高周波発生器による高周波電圧と前記熱電対
の熱起電力とを分離して、この分離された熱起電力から
測温部の温度を求める。
【0013】
【実施例】以下、本発明の医療用カテーテル式流量計の
第1実施例について、図1から図4を参照しながら説明
する。本実施例の流量計は、基本的には、図1(a)に
示すように、カテーテルの先端部に設けられた測温部1
に、加熱手段2により既知量の熱エネルギーを電気エネ
ルギーから変換して与え、温度計測手段3により前記測
温部1の温度変化を電気的に計測して、血流量を求める
ものである。そして、図1(b)に示すように、前記温
度計測手段3は、熱電対4からなっており、前記加熱手
段2は、前記熱電対4および体外電極5と、これら熱電
対4および体外電極5に高周波電圧を印加する高周波発
生器6とからなる。また、前記温度計測手段3は、高周
波発生器6による高周波電圧と熱電対4の熱起電力とを
分離する信号分離器7を備えているとともに、前記熱起
電力に基づいて測温部1の温度を求める温度計本体8を
備えている。さらに、こうして求められた温度変化から
流量を演算する演算器9がある。なお、図1(b)にお
いて、鎖線で囲んだ部分がカテーテル10に設けられるも
のである。
【0014】つぎに、このカテーテル10として用いられ
るPTCA(経皮経管冠動脈形成術)用ガイドワイヤー
11の構成を図2から図4に基づいて説明する。このPT
CA用ガイドワイヤー11は、前記信号分離器7となる長
細い密コイル12の中に芯線13を収めたものであり、可屈
性を有し、曲がりくねった細い血管中に挿入できるよう
になっている。ばね性を有する密コイル12を用いている
のは、適当な柔軟性を与えるためであり、コイル12の中
に芯線13を通しているのは、操作性を高めるためであ
る。前記密コイル12は、SUS304ステンレススチールコイ
ルであり、長さ1600mm、線径50μm 、外巻径 500μm 、
内巻径 400μm で、平滑性を高めることと絶縁とを目的
としてテフロンコーティングを施してある。前記芯線13
は、通常のPTCA用ガイドワイヤー11ではステンレス
スチールワイヤーを用いているが、本実施例では、十分
な硬さと大きな熱起電力を得るために、ベリリウム青銅
製のものを用いている。その径は、 200μm である。ま
た、ガイドワイヤー11の先端部には、チップ14が設けら
れている。このチップ14は、ステンレススチール製であ
るが、外面に金メッキ15を施してある。そして、チップ
14は、筒状になっているとともに、頭部16と基部17とが
軸方向に並んでいる。頭部16は、外径 500μm、長さ1m
mであり、基部17は、外径 400μm 、長さ1mmである。
また、チップ14の内径は、 200μm である。そして、前
記基部17の外周側に前記コイル12の一端部が嵌め込まれ
て、熔着接合され、このチップ14とコイル12とが電気的
に接続されている。これとともに、前記チップ14内に前
記芯線13が差し込まれて、熔着接合され、電気的に接続
されている。前記チップ14は、前記測温体1となるとと
もに、前記熱電対4をなすステンレススチール製のコイ
ル12とベリリウム青銅製の芯線13との間の測定接点とな
るものである。一方、ガイドワイヤー11の手元側には、
絶縁チューブ21,22を介して一対の端子23,24が設けら
れている。一方の絶縁チューブ21は、テフロンからな
り、長さ30mm、外径 300μm 、内径 200μm で、前記芯
線13の他端部外周側に被せてある。また、一方の端子23
は、ステンレススチール製で、内径が 300μm の筒状に
なっており、径小部25と径大部26とが軸方向に並んでい
る。径小部25は、外径 400μm 、長さ6mmで、径大部26
は、外径500μm 、長さ4mmである。そして、径小部25
の外周側に前記コイル12の他端部が嵌め込まれて、熔着
接合され、このコイル12と端子23とが電気的に接続され
ている。これとともに、この端子23は、前記絶縁チュー
ブ21の外周一端側に被せてある。他方の絶縁チューブ22
は、テフロンからなり、長さ20mm、外径 500μm 、内径
300μm で、前記一方の絶縁チューブ21の外周一端側に
被せてあって、前記一方の端子23の径大部26側端面に同
軸的に突き当たっている。他方の端子24は、ベリリウム
青銅製のチューブであり、長さ4mm、外径 500μm 、内
径 200μm である。そして、この他方の端子24は、前記
芯線13の外周側に被せられて、熔着接合され、この芯線
13に電気的に接続されている。さらに、前記両端子23,
24は、コネクター27,28を介して外部の電気回路に接続
されるようになっている。なお、前記ベリリウム青銅
は、それ以上の硬さが出せるならば、コンスタンタンを
使った方がよい。そして、前記両端子23,24は、図1に
示すような温度計本体8に電気的に接続され、端子24
は、体外電極5とともに高周波発生器6に電気的に接続
されるものである。
【0015】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。例えば血液の流量を測定するときには、ガイ
ドワイヤー11を経皮的に血管内に挿入し、ガイドワイヤ
ー11の先端部のチップ14を血管内の測定点に位置させ
る。そして、高周波発生器6より、図1(c)に示すよ
うに、芯線13を介してチップ14と、生体外の例えば背中
に位置させた体外電極5との間に13.56MHzの高周波電圧
を10μWの電力で印加し続ける。これにより、チップ14
付近が誘電加熱され、チップ14の温度が上昇していく
が、このチップ14の温度は、最終的には平衡温度に達す
る。この平衡温度は、血流量に応じて決まるが、図5に
示すように、平衡温度の対数と血流量の対数との間に
は、直線的な関係がある。一方、ステンレススチール製
のコイル12とベリリウム青銅製の芯線13との間の測定接
点すなわちチップ14には、対照接点を基準として、チッ
プ14の温度に応じた熱起電力が生じる。この熱起電力
は、前記コイル12および芯線13に接続された温度計本体
8において測られるが、その際、13.56MHzの高周波は、
信号分離器としてのコイル12によりダンピングされ、前
記高周波電圧と分離された熱起電力が温度計本体8にお
いて測られることになる。そして、この熱起電力に基づ
いて求められた前記平衡温度から血流量が求まる。例え
ば、血栓の治療時には、まずガイドワイヤー11を血管内
に挿入し、この血管の狭窄部の手前で血流量を測る。つ
いで、ガイドワイヤー11を介してPTCA用カテーテル
のシャフトを挿入し、このシャフトの先端部に設けられ
たバルーンを膨らませ、血管を拡張する。その後、ガイ
ドワイヤー11からシャフトを抜いて、拡張し終わった血
管内の血流量を測定する。このようにすれば、狭窄部の
位置を確実に特定できるとともに、治療がうまくいった
かどうかも確認できる。特に、冠動脈分岐の場合、その
血流量の治療前の測定は、どちらの分岐が詰まっている
かを知るためにたいへん重要である。X線検査のみで
は、狭窄部の位置がわかりにくいこともある。また、血
管拡張後の血流量の測定も、実際にうまく治療できたこ
とを確認するために、重要である。さらに、冠動脈にお
いては、血液が脈動しているので、この脈動に合わせて
温度変化に図6に示すようなリップルが現われるが、こ
のリップルは、生理データとして興味深いものである。
なお、図6のグラフにおいて、山は心臓の停止時期に対
応し、谷は心臓が動いたときに対応している。温度計測
手段が従来のようなサーミスターであったとすると、サ
ーミスターは、熱容量が大きく、応答性が悪いため、前
記リップルのような細かい現象は検出できない。これに
対して、本実施例のような温度計測手段3によれば、前
述のようなリップルも検出できる。
【0016】なお、このような流量の測定方法では、流
量が大きくなるほど電力を大きくしないと、約37℃の血
流で洗われることにより、前記平衡温度が低くなり、正
確な測定を行えないことになる。一方、チップ14付近の
最高温度は、42℃以下に抑えれば、もとより溶血の問題
も生じないが、チップ14の面積が小さいので、60〜70℃
まで温度上昇しても大丈夫である。
【0017】前記第1実施例の構成によれば、ガイドワ
イヤー11の先端部に設けたチップ14に高周波加熱により
熱エネルギーを与え、このチップ14の温度変化を熱電対
4により計測して、血液などの体液の流量を測定するの
で、手間をかけることなく簡単にかつ正確に体液の流量
を測定できる。また、ガイドワイヤー11は、径が0.5mm
と細いので、太い血管のみならず、冠動脈などのような
細い血管でも血流量を自在に測定できる。さらに、本実
施例のもののようなガイドワイヤー11は安価にできる。
そして、熱電対を介して高周波加熱を行うのに対し、信
号分離器7により高周波電圧から熱起電力を分離するこ
とにより、加熱手段2と温度計測手段3との兼用が可能
になるが、これにより、ガイドワイヤー11に組み込む導
線の本数も少なくできて、ガイドワイヤー11の構造を簡
単にでき、ガイドワイヤー11を細くできる。すなわち、
従来のPTCA用ガイドワイヤーと同一太さのガイドワ
イヤー11により、血流量の測定が可能になる。
【0018】つぎに、本発明の第2実施例について、図
7を参照しながら説明する。この第2実施例は、サーモ
ダイリューションカテーテル30において、従来のように
冷水を注入する代わりに加熱手段2により高周波加熱を
行うとともに、サーミスターの代わりに熱電対4により
温度を計測するものである。サーモダイリューションカ
テーテル30は、柔軟なプラスチック製のシャフト31の先
端部に膨脹および収縮が可能なバルーン32を設けてあ
る。なお、図示していないが、前記シャフト31内には、
バルーン32に対して液体を出し入れするための液通路が
形成されており、この液通路にカテーテル30の手元側で
インデフレーターが接続されるようになっている。そし
て、前記シャフト31におけるバルーン32の後側(手元
側)位置には、測温部1となるメタルリング33が設けら
れている。このメタルリング33には、前記第1実施例の
ガイドワイヤー11と同様のワイヤー34が接続されてい
る。前記シャフト31内を通っているこのワイヤー34は、
銅コンスタンタンの熱電対用ワイヤー兼高周波加熱用ワ
イヤーとなっている。
【0019】そして、体液、例えば血液の流量を測定す
るときには、血管内にカテーテルを挿入して、メタルリ
ング33を測定点に位置させ、このメタルリング33と体外
電極5との間に13.56MHzの高周波電圧を 100μWの電力
で100ms 印加する。これにより、メタルリング33は、62
℃にまで加熱される。この加熱後、メタルリング33は、
血流により温度が低下していくが、図8に示すように、
この温度低下曲線の微分値が血流量と対応しており、こ
れにより、血流量が求まることになる。
【0020】なお、このような血流量の測定方法では、
1回の短時間の加熱後の前記温度低下曲線があまり早く
落ち過ぎると、正確な測定が行えないので、メタルリン
グ33としては、ある程度大きなもの、例えば長さが5mm
程度のものを用いる必要がある。
【0021】これに対して、前記第1実施例のように、
メタルリング33に持続的に熱を加えて、その間に到達す
る平衡温度から血流量を求めることも可能である。
【0022】つぎに、本発明の第3実施例について、図
9および図10を参照しながら説明する。この第3実施
例の医療用カテーテル式流量計は、尿の毎分の発生量を
測るものである。バルーンカテーテル41は、シャフト42
の先端部にバルーン43を有している。前記シャフト42内
には、その先端に流入口44を有するとともに側面中間部
に流出口45を有する尿通路46が形成されている。そし
て、この尿通路46の内面に測温部47が貼り付けられてい
る。この測温部47には、前記第1実施例のガイドワイヤ
ー11と同様のワイヤー48が接続されている。熱電対用ワ
イヤー兼高周波加熱用ワイヤーであるこのワイヤー48
は、シャフト42内を通って、その手元側端に達してお
り、コネクター49,50が接続されている。なお、51は、
シャフト42に形成された液通路を介してバルーン32に対
し液体を出し入れするインデフレーターである。
【0023】そして、尿の流量を測定するときには、尿
道52および膀胱53を介して、その上方の尿管54内までカ
テーテル41を挿入する。そこで、まずバルーン43を膨ら
ませて、このバルーン43により尿管54を塞ぐ。そのた
め、尿管54内を伝わって少しずつ落ちてくる尿は、シャ
フト42の先端の流入口44から尿通路46内に落ち、そこを
通って、膀胱53内に位置している流出口45から膀胱53内
へ戻る。その間に、尿通路46内に位置する測温部47に対
する加熱と、この測温部47の温度計測とにより、尿の流
量が求められることになる。
【0024】本発明の医療用カテーテル式流量計は、種
々の部位の種々の体液の測定に広く応用できる。例え
ば、脳梗塞を生じた脳の血管内の血流量、腎血流量、肝
血流量、膵臓の膵液の流量、肝臓の胆汁の流量、脊髄液
の流量などの測定に応用可能である。
【0025】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記第1実施例では、ガイドワイヤー11のコイル12を信
号分離器7と兼用し、実際、このコイル12により高周波
がダンピングされることにより、特別なフィルターがな
くても温度計測できるが、ローパスフィルターやバンド
リジェクトフィルターを別途設けてもよい。また、前記
実施例では、加熱手段2と温度検出手段3とを部分的に
兼用したが、両者を独立して設けてもよい。さらに、前
記実施例では、加熱手段2を高周波加熱によるものと
し、温度検出手段3を熱電対4としたが、加熱手段およ
び温度検出手段をサーミスターとしてもよい。すなわ
ち、カテーテルの先端部の測温部にサーミスターを設
け、測定時には、まずサーミスターに数mAの直流電流
を流して、温度を62℃に上げる。もちろん、通常このと
きは、温度は測れないので、ある程度サーミスターのオ
ン、オフを繰り返して、温度を測る。すなわち、サーミ
スターへの通電のオンにより加熱し、通電のオフ時に温
度を測定する。これを繰り返し、測温部が例えば62℃に
なったら、後は放熱曲線を見ればよい。しかし、サーミ
スターは、熱電対よりも小さくできないので、小形化上
は、熱電対の方が有利である。また、本発明は、通常の
カテーテルのみならず、ガイドワイヤー穿刺針などでも
応用できる。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、カテーテルの
先端部に設けた測温部に既知量の熱エネルギーを電気エ
ネルギーから変換して与え、測温部の温度変化を電気的
に計測して、血液などの体液の流量を測定するので、体
液の流量を簡単にかつ正確に測定できるとともに、カテ
ーテルを細くできることにより、太い血管のみならず、
細い血管でも血流量を測定でき、また、安価にできる。
【0027】さらに、請求項2の発明によれば、温度計
測手段を熱電対とし、加熱手段を前記熱電対とこれに高
周波電圧を印加する高周波発生器とにより構成し、信号
分離器により高周波発生器による高周波電圧と熱電対の
熱起電力とを分離して、この熱起電力から測温部の温度
を求めるので、加熱手段と温度計測手段との兼用によ
り、構造を簡単にでき、カテーテルもより細くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用カテーテル式流量計の一実施例
を示すブロック図である。
【図2】同上ガイドワイヤーの側面図である。
【図3】同上ガイドワイヤーの拡大断面図である。
【図4】同上ガイドワイヤーの拡大分解断面図である。
【図5】同上温度と血流量との関係を示すグラフであ
る。
【図6】同上血液の温度変化を示すグラフである。
【図7】本発明の医療用カテーテル式流量計の第2実施
例を示すカテーテル先端部の断面図である。
【図8】同上温度と血流量との関係を示すグラフであ
る。
【図9】本発明の医療用カテーテル式流量計の第3実施
例を示す概略図である。
【図10】同上カテーテル先端部の断面図である。
【図11】従来のサーモダイリューションカテーテルに
よる血流量測定時の血液の温度変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 測温部 2 加熱手段 3 温度計測手段 4 熱電対 6 高周波発生器 7 信号分離器 10 カテーテル 30 サーモダイリューションカテーテル(カテーテル) 33 メタルリング(測温部) 41 バルーンカテーテル(カテーテル) 47 測温部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテーテルと、このカテーテルの先端部
    に設けられた測温部と、この測温部に既知量の熱エネル
    ギーを電気エネルギーから変換して与える加熱手段と、
    前記測温部の温度変化を電気的に計測する温度計測手段
    とを備えたことを特徴とする医療用カテーテル式流量
    計。
  2. 【請求項2】 前記温度計測手段は、熱電対からなり、
    前記加熱手段は、前記熱電対と、この熱電対に高周波電
    圧を印加する高周波発生器とからなり、この高周波発生
    器による高周波電圧と前記熱電対の熱起電力とを分離す
    る信号分離器を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    医療用カテーテル式流量計。
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